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1章 冒険の始まり
14話 再会と、強壮薬
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まずは解熱作用がある薬があるかどうかだが、見方がいまいち分からない……
……ナビさんがいたらな……
頭を振って両頬を叩く。今いない人に頼ろうとしても仕方がない。画面を上から下までじっくりと見る。
『調合』
〖複数の素材を調合して薬品を生成する技能。
LVが上がると成功率が上がり、完成品の品質が高まる〗
どこを見ても作れるもののリストがない。適当に混ぜるわけにはいかないし……うーん……解熱作用がある野草……
悩んでいると、唐突にドクダミ草が手の上に出てきた。ドクダミ草……解熱……!! そうだ、ドクダミ草なら解熱、解毒作用があったはず!
なら、タンジーの時のように花の蜜と……アケビ! 確か皮に筋肉の痙攣に作用する成分があったはずだ!
そう思いついた時には、反対の手のひらにアケビと花の蜜が現れていた。
……ストレージから意識して出した訳では無いが……
いや、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
ドクダミ草とアケビを細かく刻んで器に入れる。潰しながら混ぜていくと……ドクダミ草のきつい匂いが漂い始めた……
息を止めつつ、花の蜜を入れて更に混ぜる。
(セージ君、頑張れよ! サラさんもタンジーちゃんも、あんなに心配してるんだ。元気になって、二人に笑顔を……!!)
一心不乱に混ぜながら、俺は強く願った。
(俺のMP全部使ってもいい。どうか、セージ君を回復させるものが出来てくれ……!!)
一瞬手元が光ったような気がした。器を見ようとしたが、視界が急速に暗くなって──
混ぜていた器を辛うじて避けるようにして倒れ、俺は気を失った。
《……ウさ……リョ……ん……》
……ん……? なにか……聞こえ──
《リョウさん! しっかりしてください! リョウさん!!》
ナビさんの声……? 夢を見てるのかな……?
ガッ!!
「痛ったぁ!!」
あまりの痛みに思わず飛び上がった。尖ったなにかで頬をつつかれたようだが……
《はぁ……やっと起きましたか。もう夕方ですよ?》
そこには小鳥が一羽、首をかしげてこちらを覗き込んでいた。
「小鳥……? どこから入ってきたんだろ?」
《……》
すると小鳥はいきなり羽ばたき、俺の肩に止まった。
びっくりして固まっていると──
ガッ!!
「うわあっ!! 痛い!!」
小鳥は思いっきり頬をつついてきた。
《リョウさんが悪いです。心配して、散々呼び掛けたのに……小鳥の見た目ばっかり気にして!》
頭に響くような声は、どうやらかなり怒っているらしい……
というか、この声は……
「えっ、ナビさん……なの?」
《……そうです。やっと気付いてくれましたか?》
「……なんで小鳥になってるの?」
《……っ!! なんでそこを、最初に気にするんですかっ!》
「……ごめんなさい……」
うん、この小鳥は間違いなく俺の知ってるナビさんだ……
数分謝り倒して、やっとナビさんは怒りを納めてくれた。
「ナビさん、色々聞いて大丈夫かな?」
《勿論ですよ。ですが、まずは先にやるべきことを済ませましょう》
そう言うと、ナビさんは肩から降りて調合が終わった器を軽くつついた。
《まずはこれの詳細をしっかり見てください》
俺がタップして詳細を開くと──
『セージ専用強壮薬』
〖病気に苦しむセージの回復を願って作られた、専用の薬。病気への強い耐性と、非常に強力な強壮効果がある〗
おお……中々凄いな。……ん? なんで強壮効果があるんだろ……
あっ、よく見たらまだ続きがあるぞ。
〖セージ以外の生き物が飲もうとすると強烈な匂いが吹き出し、飲もうとした者は泡を吹き、全ての魔力を失って気絶するだろう〗
……え? なんだこれ……セージ君以外にはとんでもない劇薬だな……
……明らかにヤバすぎる……
《相変わらず、おかしな性能ですね……薬草学で植物の効果を引き上げ、調合と錬金術と『???』の相乗効果で完成品の品質を異常に引き上げた……こんなところでしょうか……?》
「ナビさん? スキルって重複して効果が出るものなの?」
《何万回と繰り返していれば、何回か出来ることがある……そんな確率ですね》
……狙ってやるのは、無理があるってことか。
でも、タンジーの時も──
《そうです。狼との戦いも、タンジーさんの薬を作るときも、条件が整っていたから『???』が限定的に使用可能になっていた……現状では、これしか考えられませんね》
『???』は、補助的なスキルなんだろうか?
《色々気になることはありますが、それは置いておきましょう》
……ナビさんなら、すぐに考察をするはずだが──
《リョウさんもご存じだと思いますが、セージさんの状態は非常に危険です。その薬をもって今すぐ行きましょう!》
ナビさんがそこまで言うほど病状が進行してるのか……
なんでセージ君の状態を詳しく知ってるのかなど疑問はあるが、今は薬を持って行くのが先決だな!
「わかった。行こう!」
ナビさんを肩に止まらせて、外へ向かう。
……間に合ってくれよ……
もう少しでサラさんの家というところで、泣き声が聞こえてきた。……サラさんの家から?
《リョウさん!》
「ああ、入ろう!」
俺達は、ドアを叩くこともなく室内に入る。泣き声はベッドがある部屋か!?
最悪の結末が頭に浮かぶが、頭を振って部屋に入る。
「サラさん、タンジー! 何があった!?」
「セージが……セージが……!!」
「おにいちゃん……セージが……おかしいの……!」
二人とも錯乱していて、俺にすがり付いてきた。二人を抑えてセージ君を見ると……
全身が痙攣しっぱなしで、呼吸は間隔が短すぎて恐らく空気を吸えていない。末期症状……か?
ここまで進行していて間に合うかはわからないが、俺は強壮薬を出して『使う』を選択し、セージに触れた──
次の瞬間、光がセージ君を覆い尽くし、部屋から溢れ出た。目を開けていられず、サラとタンジーを抑えながら目を閉じる。
──どれくらい時間が経ったのか、光が収まってきたので目を開けると、そこには──
若干ムキムキになったセージ君の姿があった。
……は? なんだこれ……?
思わず頭を振り、瞬きを繰り返してもう一度しっかりセージ君を見るが……
見間違えではなく、ムキムキなセージ君? が、落ち着いた呼吸で眠っていた……
ナビさん……セージ君がムキムキに見えるんだけど、俺の目がおかしいのかな?
《リョウさん、目は正常ですよ……おかしいのは強壮薬です。……あとで詳しくお話を聞かせてくださいね……?》
……これはまた怒られるんだろうな。
……うん、甘んじて受けよう。命を助けることが出来たから、やりすぎであっても悔いはない!!
……ナビさんがいたらな……
頭を振って両頬を叩く。今いない人に頼ろうとしても仕方がない。画面を上から下までじっくりと見る。
『調合』
〖複数の素材を調合して薬品を生成する技能。
LVが上がると成功率が上がり、完成品の品質が高まる〗
どこを見ても作れるもののリストがない。適当に混ぜるわけにはいかないし……うーん……解熱作用がある野草……
悩んでいると、唐突にドクダミ草が手の上に出てきた。ドクダミ草……解熱……!! そうだ、ドクダミ草なら解熱、解毒作用があったはず!
なら、タンジーの時のように花の蜜と……アケビ! 確か皮に筋肉の痙攣に作用する成分があったはずだ!
そう思いついた時には、反対の手のひらにアケビと花の蜜が現れていた。
……ストレージから意識して出した訳では無いが……
いや、今はそんなことを気にしてる場合じゃない。
ドクダミ草とアケビを細かく刻んで器に入れる。潰しながら混ぜていくと……ドクダミ草のきつい匂いが漂い始めた……
息を止めつつ、花の蜜を入れて更に混ぜる。
(セージ君、頑張れよ! サラさんもタンジーちゃんも、あんなに心配してるんだ。元気になって、二人に笑顔を……!!)
一心不乱に混ぜながら、俺は強く願った。
(俺のMP全部使ってもいい。どうか、セージ君を回復させるものが出来てくれ……!!)
一瞬手元が光ったような気がした。器を見ようとしたが、視界が急速に暗くなって──
混ぜていた器を辛うじて避けるようにして倒れ、俺は気を失った。
《……ウさ……リョ……ん……》
……ん……? なにか……聞こえ──
《リョウさん! しっかりしてください! リョウさん!!》
ナビさんの声……? 夢を見てるのかな……?
ガッ!!
「痛ったぁ!!」
あまりの痛みに思わず飛び上がった。尖ったなにかで頬をつつかれたようだが……
《はぁ……やっと起きましたか。もう夕方ですよ?》
そこには小鳥が一羽、首をかしげてこちらを覗き込んでいた。
「小鳥……? どこから入ってきたんだろ?」
《……》
すると小鳥はいきなり羽ばたき、俺の肩に止まった。
びっくりして固まっていると──
ガッ!!
「うわあっ!! 痛い!!」
小鳥は思いっきり頬をつついてきた。
《リョウさんが悪いです。心配して、散々呼び掛けたのに……小鳥の見た目ばっかり気にして!》
頭に響くような声は、どうやらかなり怒っているらしい……
というか、この声は……
「えっ、ナビさん……なの?」
《……そうです。やっと気付いてくれましたか?》
「……なんで小鳥になってるの?」
《……っ!! なんでそこを、最初に気にするんですかっ!》
「……ごめんなさい……」
うん、この小鳥は間違いなく俺の知ってるナビさんだ……
数分謝り倒して、やっとナビさんは怒りを納めてくれた。
「ナビさん、色々聞いて大丈夫かな?」
《勿論ですよ。ですが、まずは先にやるべきことを済ませましょう》
そう言うと、ナビさんは肩から降りて調合が終わった器を軽くつついた。
《まずはこれの詳細をしっかり見てください》
俺がタップして詳細を開くと──
『セージ専用強壮薬』
〖病気に苦しむセージの回復を願って作られた、専用の薬。病気への強い耐性と、非常に強力な強壮効果がある〗
おお……中々凄いな。……ん? なんで強壮効果があるんだろ……
あっ、よく見たらまだ続きがあるぞ。
〖セージ以外の生き物が飲もうとすると強烈な匂いが吹き出し、飲もうとした者は泡を吹き、全ての魔力を失って気絶するだろう〗
……え? なんだこれ……セージ君以外にはとんでもない劇薬だな……
……明らかにヤバすぎる……
《相変わらず、おかしな性能ですね……薬草学で植物の効果を引き上げ、調合と錬金術と『???』の相乗効果で完成品の品質を異常に引き上げた……こんなところでしょうか……?》
「ナビさん? スキルって重複して効果が出るものなの?」
《何万回と繰り返していれば、何回か出来ることがある……そんな確率ですね》
……狙ってやるのは、無理があるってことか。
でも、タンジーの時も──
《そうです。狼との戦いも、タンジーさんの薬を作るときも、条件が整っていたから『???』が限定的に使用可能になっていた……現状では、これしか考えられませんね》
『???』は、補助的なスキルなんだろうか?
《色々気になることはありますが、それは置いておきましょう》
……ナビさんなら、すぐに考察をするはずだが──
《リョウさんもご存じだと思いますが、セージさんの状態は非常に危険です。その薬をもって今すぐ行きましょう!》
ナビさんがそこまで言うほど病状が進行してるのか……
なんでセージ君の状態を詳しく知ってるのかなど疑問はあるが、今は薬を持って行くのが先決だな!
「わかった。行こう!」
ナビさんを肩に止まらせて、外へ向かう。
……間に合ってくれよ……
もう少しでサラさんの家というところで、泣き声が聞こえてきた。……サラさんの家から?
《リョウさん!》
「ああ、入ろう!」
俺達は、ドアを叩くこともなく室内に入る。泣き声はベッドがある部屋か!?
最悪の結末が頭に浮かぶが、頭を振って部屋に入る。
「サラさん、タンジー! 何があった!?」
「セージが……セージが……!!」
「おにいちゃん……セージが……おかしいの……!」
二人とも錯乱していて、俺にすがり付いてきた。二人を抑えてセージ君を見ると……
全身が痙攣しっぱなしで、呼吸は間隔が短すぎて恐らく空気を吸えていない。末期症状……か?
ここまで進行していて間に合うかはわからないが、俺は強壮薬を出して『使う』を選択し、セージに触れた──
次の瞬間、光がセージ君を覆い尽くし、部屋から溢れ出た。目を開けていられず、サラとタンジーを抑えながら目を閉じる。
──どれくらい時間が経ったのか、光が収まってきたので目を開けると、そこには──
若干ムキムキになったセージ君の姿があった。
……は? なんだこれ……?
思わず頭を振り、瞬きを繰り返してもう一度しっかりセージ君を見るが……
見間違えではなく、ムキムキなセージ君? が、落ち着いた呼吸で眠っていた……
ナビさん……セージ君がムキムキに見えるんだけど、俺の目がおかしいのかな?
《リョウさん、目は正常ですよ……おかしいのは強壮薬です。……あとで詳しくお話を聞かせてくださいね……?》
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