園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

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1章 冒険の始まり

16話 一般的な調合

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 ご飯を食べ終わって部屋に戻ると、ブレンの怒りは若干収まっていた……


《リョウさん、お帰りなさい。お腹いっぱいになりました?》


「しっかり食べてきたよ。……ごめんね、話の途中だったのに……」


《いえ、さっきは怒ってごめんなさい……推測ばかりですから、そこまで重要な話ではないんですよね……》


 そう言って項垂うなだれるブレンだが……


 見た目小鳥だから、可愛いんだけど!

 すごい撫でたい……撫でていいかな?



《……いいですけど……》


 では早速……なでなで……うわぁ……ふわっふわで暖かくて……これはヤバイな。


 怒られたくないし、ここまでにしておこう……もっとなでたいけど……


《……もっと撫でてもいいんですけどね……あ、言い忘れていたことがありました!》


 急にブレンは机の上に飛んでいくと、そこになにか液体が入ったビンを出し始めた……



《『???』の検証をするために花の蜜を採取してきたんです! このあとポーションを作成してみませんか?》


「検証は勿論賛成なんだけど……今、どこから出したの?」


《ストレージですけど……?》


 ……ストレージって、プレイヤーだけの機能じゃなかったっけ……?



《実は今回異常が起きたプレイヤーには、全て実体を持ったナビゲーションが監視に付いているんです》


 なるほど……それもそうか。何が起こるかわからない訳だしな。



《それで、そのナビゲーション達には何が起きても大丈夫なように様々なスキルが与えられました。ストレージもその一つなんです》



 確かに、内部から問題に対処するなら、ナビゲーションを強化するのはありだな。


 《あ、でもプレイヤーのためにある能力じゃないですから、便利に使おうとか思わないでくださいね?》


《まあリョウさんなら、そんなことないでしょうけど》



 信頼を裏切るような真似はしない。これは昔から俺が実践してることだからな。


 ……逆はたくさんあったけれど……


《リョウさん……過去に嫌なこと多くないですか?》



 そこは、ノータッチでお願いします……




《さて、では調合でポーションを作ってみましょう。今回はドクダミ草と花の蜜だけでお願いします》


「了解!」

《ちなみに、この組み合わせだと素材が品質低いので……最低ランクのポーションが出来ますね。腕のいい人だと一つ上のⅡランクのポーションになるんですよ》

 森であちこちに生えていたからな……薬効も低めってことか。

《一般的な作り方は、材料を細かく刻んで器に入れ、棒を使ってすりつぶします。固形でなくなったら花の蜜を入れて、しっかり混ぜてください》


 まずはドクダミ草を細かく刻んで……うお……匂い凄い……


 次に器に入れてすりつぶす……匂いが……きついな……


 最後は花の蜜を足してしっかり混ぜる……匂いは大分ましになってきたな。



 しっかりと混ざった辺りで小瓶に移して完了!


 五個作ってみたが、果たして結果は──



 雑に作られたポーション

 微妙なポーション

 不味いポーション

 臭いポーション

 普通に近いポーション



 ……最低ランクのポーションって、何種類名前があるんだよ……


 ポーションとしての成分は一般のⅠランクより低い。何が悪かったんだろうか……


 へこんでいたら、ブレンから願いを込めてみたらどうかと言われて再び試してみることに。

 刻んで、すりつぶして、花の蜜と混ぜて……

 (いい品質のポーションが出来ますように……)

 これを小瓶に移して、出来上がりだ!
 結果は──



 出来の悪いポーション

 ふざけた匂いのポーション

 いたずらにも使えるポーション

 微妙なポーション

 人に使ったら嫌われそうなポーション



 五個のⅠランクポーションが出来たが……なんか、バカにされてるような気がしてくるのは俺だけか?


 ブレンの方を見ると、全身がプルプル震えてる…… 


 《わ、笑ったりはしてませんよ!》


 ……俺なんも言ってないんだけど……


「ブレン、今日はもう終わりにしていいかな……? ちょっと疲れてきたよ……」
(主に精神的に……だけどね)

《そうですね……焦ってもよくありませんし、今日はここまでにしましょうか》

 じゃあ、ログアウト前に換気と片付けをしておかないとな……

 明日ログインして、いきなりドクダミ草の匂いに包まれるのは嫌すぎるからな……



 「じゃあブレン、また明日。お休み」

 ベッドに横になって声をかけると、ブレンは顔の横に飛んできた。

《リョウさん、お休みなさい。また明日お待ちしてます!》

 ぺこっと頭を下げたブレンを見てから、ログアウトした俺はシャワーを浴び、眠りについた。



 翌朝六時くらいに起きた俺は、植物に水やりを終えたあと食事をしてゲームにログインした。

(時間見ないで来ちゃったな……今の時間は──)
《こちらでは十四時ですよ。こんにちは、リョウさん》

 ブレンが真横にいた。

「うわっ!? 吃驚びっくりした……こんにちは、ブレン」

《ごめんなさい、驚かすつもりはなかったんですけどね……つい寝顔が見たくて……》

 ……俺の寝顔なんか見たって、面白くないだろうに……

《さて、今日はどうしますか? ポーションについてなら、少しやり方を考えておきましたが……》

「とりあえず、女将さんに挨拶してくるよ。追加で料金も払わないといけないだろうし」

《分かりました! では支度しておきますね》

 そう言いながら机に素材を出していくブレン。

 どうやら採取しておいてくれたみたいだな。

「じゃあ、ちょっと行ってくるね!」



 一階に降りていくと、見た感じ中学生くらいの女の子が食事処を一心不乱に掃除していた。

 女将さんは見当たらないなぁ。


「こんにちは! 女将さんは──」

「ひゃあっ!?」


 出来るだけ普通に話しかけたつもりだったけど、かなり驚かれてしまったな……

「ラベンダー! どうしたんだい!?」

 女将さんが女の子の声を聞いて走ってきた。
 ……そして俺を見た途端、凄まじい悪寒が……

「あんた! うちの娘になにかしたんじゃないだろうねぇ……」

 凄まじい威圧……息もできない……

「ご……誤解で……」
「言い訳無用!」

 問答無用で平手打ちをもらい、壁まで吹っ飛んだ俺は……意識を失った……
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