園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

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1章 冒険の始まり

35話 錬金術とは

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 しかし、ここまで品質が悪くなった物を集める意味はあるんだろうか?


「なあブレン、品質半減ってなってるけどさ……集めた所で使い道あるのかな?」

《錬金術を扱える人にとって、使えない素材なんてありませんよ。全て利用可能です!》


 錬金術って、そんなに万能なんだろうか……?
 決まった組み合わせ以外だと、失敗してゴミになるイメージがあったんだけど……


「うーん、利用可能と言っても……例えば、今回の牙や爪ってどんな使い方ができる?」

《やり方によりますが、数えきれないほどの使い方があるので……どこから説明すればいいでしょうか……?》

「それを俺に聞かれてもなぁ……じゃあ、用途を大まかに分けてみたらどうだろ?」

 数えきれないほどの使い道……?
 劣化した牙と爪に、そこまで利用できる方法があるのか?


《用途別ですか……ではまずこの素材に対してですね。修復、強化、進化、変化……辺りでしょうか?》

 素材に対して? 爪や牙になにかをするってことか?
 それに、進化と変化の違いってなんだ?


《他の素材に対してならば、装備作成や強化、修復のために融合などですね》

「錬金術で装備が作れる!? ……それって、例えば鍛冶屋とかの人が作るのと同じものも作れる?」

《そうなります。ですが、経験がある方が作った品に比べたら品質は落ちますよ》

 そりゃそうだが……でも仮に鍛冶の経験がある人が作ったりしたら……?
 錬金術って、思ったよりやばいスキルなのかな?


「ブレン、錬金術ってスキルは凄く珍しいもの?」

《習得はしにくいですし、成長もかなり遅いですが……そこまで希少なスキルではありません》

「でも、これだけ万能だったら生産業の人達が困るんじゃ──」

《リョウさん、はっきり言いますが、万能なスキルがあるからと、なんでもできる訳じゃないんですよ?》

 どういうことだ? 万能って、なんでもできると言うことなんじゃ……?


《まず第一に、錬金術では完成品を細かくはっきりとイメージする必要があります。これが甘いと、まともな品にはなりません》

「まともな品にならない?」

《なまくらになってしまうと言うことです。鍛冶屋と同じ素材を使ったとしてもです》

 同じ素材を使っても……つまり、見た目だけしか同じになっていないのか?


「それは、武器の重心とか切れ味とかそういう細かいことがイメージ出来てないから?」

《その通りです。それに、切れ味のイメージとはかなり難しいものなんです》

「よく切れる! とかじゃ駄目なんだ?」

《それだと、なぜよく切れるのかを理解しなければなりませんね……》

 うわ、なんかややこしい話しになってきたぞ……


「剣だと材質によっては、重さで叩き切ったり、切れ味ですっぱりと切ったりと色々あるもんな」

《そうです。普段から剣を使い、自身で研いだり手入れをしていれば細かい情報が分かりますから……》
「そういう人ならまともな剣を作ることができる。でも、他の武器は作れないんだね」

 刃があるものなら、多少はいいものができるかもしれないが……
 重さのバランスなど、まずわからないだろうからな。


《万能でありながら、知識を持たない人には使い道がない……それが錬金術なんです》

「わかった。でも、それだと俺も扱うにはかなりの勉強が必要だろう?」

《そうなりますね。ですが、リョウさんは既に錬金術でポーションを作り出すことが出来ています》

 あの、品質は同じだが名前がみんな違ったあれか……


「いや、あれはランク低いから──」
《他の錬金術を使う人の前で同じことは言わないでくださいね?》

 ブレンは肩から目の前に飛んできて、俺の言葉を遮った。

《ランク低くても作れない人は沢山いるんですよ? スキルのレベルがリョウさんより上でもです》

「……イメージがしっかり出来ていないからってことか……あれ? でも」

 俺が錬金術も使ってポーション作った時に、しっかりしたイメージなんてしてなかったような?


「ブレン、俺がポーション作った時はなんでうまく出来たんだろ?」

《品質は低くても、ランクⅠポーションを何度か作っていたからですよ》

 すっかり忘れてた。
 そうか、錬金術使う前には薬草学と調合を組み合わせて使っていて……
 ポーションの完成イメージ自体は、できていたんだな。


《長くなりましたが、品質の低い素材でも、物を作る経験を稼ぐという目的で使うなら、無駄になんかならないと言うことです!》

「よくわかったよ。詳しく説明してくれて、ありがとうな!」

 俺はブレンの頭を数回なでると、残りの素材を探すために再び探索を始めた。



 最後に倒した狼の所には、牙、爪、毛皮が落ちていた。
 あとは最初に倒した狼の所だけだが、なかなか見つからない……
 プルーン·ブドウ·アケビ·リンゴなどの果物や、数種類の花の種は見つけたんだけどな……


「最初の一匹が、全然見つからないなぁ……」

《他の狼は、戦闘の形跡がありましたからね、最初の狼だけはすぐ倒してしまいましたから……》

「じゃあ、とりあえず旅人の祭壇に向かってみようか?」

《申し訳ありません。私がしっかり覚えておけば……》

「ブレンが悪いわけないだろ? 焦らないでマイペースに、ゆっくり探そうぜ?」

 そう言うと、ブレンの案内で旅人の祭壇へ向かって歩き出した。
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