園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

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1章 冒険の始まり

41話 リョウのトラウマ

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 サラさん宅から逃げ出した俺は、早々に宿の部屋に戻っていた。

 いつまでもこんなんじゃダメなのは分かってるんだが、長年の習慣を直すのはなかなか難しい……

 ブレンは肩から机に飛んでいくと、こちらに向き直ってため息をついた。

《リョウさんは、相変わらずですね……》

「う……返す言葉もない……情けないのは、俺もよく分かってるんだけど……」

 小さい頃、姉や上級生(女子)に散々いびられた事がトラウマになっていて……

 未だに女性が苦手なんだよな。

 子供相手なら、全く問題ないんだけど。


《辛いことでしたら、あまり思い返さない方がいいと思いますよ?》

 俺の表情から、嫌なことを思い出していたのはバレバレだったらしい。

 しかし、最近は考え事していてもブレンに心を読まれなくなったな。

 前なら、考えていたことに突っ込み入れられたりしていたんだけど。


「ありがとう。まあ、マイペースで慣れていくしかないよな……」

《事情があるなら仕方ないと思いますよ? それと、ここはゲームの世界ですから……楽しく過ごしてくれたほうが、私としては安心です》

 まあ、確かに初日から色々巻き込まれた感じはあったから……

 純粋に楽しかった! と思えたのは、料理や採取の時くらいかな?


「肝に銘じておくよ。じゃあそろそろログアウトしようかな」

《あ、リョウさん。ログアウトする前にステータスをチェックしておきませんか?》

「でも、料理する前に一回見たからあまり変わってないんじゃ?」

《前回と今回の料理を見て、スキルを得る条件は整っているように思えたんです》

 スキルを得る条件?

 料理を見てと言うことは、料理しやすくなるスキルとかだろうか?


「じゃあ、とりあえず見てみようか」

 俺はステータスを表示してみた。



『リョウ LV13』

〖HP 64/64   MP46/46

 STR 11 INT 1  VIT 1
 AGI 1   DEX 1 LUK 1
 ボーナスポイント 26


 スキル

 槍術    LV2
 投擲    LV1
 痛覚耐性  LV1
 薬草学   LV2
 調合    LV2
 錬金術   LV3
 鍛冶    LV1
 料理の心得・・・・・ LV1
 採取の心得 LV1
 ???   LV3
                  〗

 なるほど、確かに料理の心得というのが増えてる。
 これが料理をしたことで取得したスキルなんだな。


《やっぱりありましたね。このスキルは、料理を普段から作っている人には得やすいんですよ》

「それって、俺に言って大丈夫な話なの?」

 スキルの習得条件は、運営が公開してない情報のはずなんだけど。


《勿論、掲示板などに公表したりしたら運営からペナルティが課せられると思いますよ?》

「な……なんでそんなことを──」
《リョウさんは、そういうことを広める人ではないでしょう?》

「それは、そうだけど……」

《それに、公表したとしても混乱を招くようなものではありませんから》

 うーん、確かに料理しやすくなるスキルの習得の仕方が分かったからどうにかなることはないか。


「でも、次からは教えないでくれよ? 俺だってうっかり話してしまうことがあるかもしれないだろ?」

《リョウさんなら、あり得そうですね……》

 いや、そこは否定してくれてもいいんだけど!?


「なんにしても、言わないようには気を付けるよ。スキルの確認は……後日でいいかな」

《分かりました。ではまた明日──いえ、明後日になるんですね?》

「来れる時間は仕事次第かな……連日休んだから、遅くなりそうな気はするよ」

 というか、確実に普段よりは遅くなるだろうな。

 ログインは必ずするつもりだけど。

 俺がベッドで横になると、ブレンは顔の横に飛んできた。


《ではリョウさん、お疲れ様でした》

「ブレンも色々ありがとね。じゃあ、またね」


 ブレンが頬にすり寄ってきたので、頭をなでてログアウトした。


 ログアウトした俺が時計を見ると、十八時四十分を過ぎていた。
 パソコンを立ち上げてメールをチェックすると、バイトの山下君からメールが来ていた。

[お疲れ様です
明日は出勤されますよね? 店長しか出来ない仕事が溜まってるんで、楽しみにしててください!

               山下 ]

 まじか……支度終わらせたら早く寝なきゃな……
 山下くんが楽しみにって言うときは、大抵かなりの量のやることがあるんだよな……


 少しげんなりしつつ、晩御飯の支度を始めようとしたのだが……
 お腹は確かに空いている。グーグー鳴ってるし。
 でも、なんだか満腹感があるような……
  これは、NWOで食べすぎたからだな。
 次からは軽めに食べるようにしないとな。


 食欲はあまりないから、さっぱり食べられるそうめんにしよう。
 お湯を沸かしている間に麺と冷凍の小ネギを用意。
 小ネギは小皿に使う分だけ出して、残りはまた冷凍。
 普段なら追加で具材を用意するところだけど……今日はやめておこう。
 沸騰したお湯に麺を一束入れて二分茹でれば完成だ。


 食べ終わったら、食器を洗って風呂を湧かす。
 その間に明日の支度を整えて、風呂を出たら、明日最低限やることをイメージして就寝した。



 翌日仕事を終えて帰宅すると、時間は午後八時。
 普段なら七時には帰れていたが、今日は休憩を短くしても終わらなかったからだ。

 俺が今日から出勤すると知っていた常連のお客さんに囲まれて、作業がはかどらなかったのも原因ではあるのだが……
 なんであんなに大勢くるんだよ……クレームもそれなりにあったし、かなり疲れたぞ……

 食欲はあまりないので、卵とネギを使って簡単なおじやを作って食べた。
 そしてNWOにログインする。

 するとブレンから、運営から問い合わせに関して返答が来ていた、と聞いてメールを開いたのだが……

 ほとんどは調査中でなにも分かってない……か。
 果たしてそれが本当なのかどうか、今の俺には判断できないな……
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