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2章 村での生活
17話 ドリアドネさんにとっての不要品
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「さて……時間も遅くなってきたし、そろそろ村に戻らないとな」
《そうですね》
今の時間は、十八時過ぎ……現実なら二十一時過ぎってところか。
花の種を探しにきたのに、色々あって集められなかったが……
まあ、仕方ないよな。助けられる人を見捨ててまで優先することじゃないし。
「ドリアドネさん、今話して大丈夫ですか?」
《少々お待ちくださいませ……》
ドリアドネさんから小声(?)での念話が来た。
他のドリアドネさん達の誘導を一人でやってるんだから、そりゃ忙しいだろうな……
一分ほど待つと、ドリアドネさんがこちらに向き直って念話をしてくれた。
《お待たせ致しましたわ! それで、何かございましたの?》
「自分達、そろそろ村に戻るのでそれを伝えておこうと思いまして」
《もう帰ってしまわれるのですか!? まだなにもお礼が……》
「お礼は今すぐでなくても大丈夫です。それに、ドリアドネさん今は大変そうですからね」
《でも──》
「また後日来ますから!」
《本当ですわね!?》
「ほ、本当! だからちょっと落ち着いて!」
また来るから、そんなに詰め寄らないで欲しい……色々と心臓に悪いから!
と、そこで俺の視線をブレンが遮ってくれた。
おお……助かった。ブレンが女神に見えるぜ……
《ドリアドネさん、落ち着きましょう? 後日引きずってでも、必ず連れてきますから!》
《……分かりましたわ。約束ですわよ?》
ブレン……念話、俺にも繋がってるから聞こえてますけど。
小鳥に引きずられる中年男性とか……どんな光景だよ……
《そうですわ!》
俺がブレンに引きずられる光景を幻視していると、唐突にドリアドネさんはなにかを思い付いたらしくストレージからなにかを取り出した。
と言うか、ドリアドネさんもストレージ使えたんだな……
《リョウさんは冒険者。なら、倒した魔物の素材とか入り用のはずですわ!》
そう言いながらドリアドネさんが取り出したのは、この花畑に踏み込んできたあの熊の素材だった。
「おお! これはありがたい!」
《本当ですの!? でしたら、まだまだございますから、お好きにお持ちくださいませ!》
《あれ……そう言えば私、何か忘れてるような……?》
ブレンが何かぶつぶつと言っている間に、ドリアドネさんのストレージからは止めどなく素材が溢れ出てくる。
森狼、森熊、森蜘蛛、森蟷螂……などなど、森に住む様々な魔物の素材がどんどん積まれていく……
正直、素材だけでしばらく商売できそうな位の量だ。
《す……凄い、沢山……》
「ど、ドリアドネさん……これは流石にもらいすぎだと思う……」
《いえ、実はこの素材……私にとっては不要品なのですわ》
「不要品……? こんないい状態の素材が?」
《そうですわ。ここにあるものは花畑の栄養とするために魔物から体液を取り出した……残りカスのようなものですの。私には全く無用なものなのですわ》
残りカス……そっか、すぐ肥料にならない固形のものは邪魔になってしまうということか。
しかし……肉や内臓などの素材は使い物にならなそうだけど、他は余計な水分が抜けていて最高に近い状態だ。
これをもらえるのはめちゃくちゃありがたいな!
《本当はこれらの不要品を押し付けるようなことはしたくはないのですが……冒険者のリョウさんが喜びそうなものが他にはなにもありませんの……》
「いやいや、押し付けるなんてとんでもない! こんなに品質いい状態の素材なら、買い取りたいくらいですよ!」
むしろ、いくらでも押し付けて欲しい。
錬金術の練習に、素材はいくらあっても足りないくらいだし!
《そこまで喜んでもらえると、嬉しくなりますわ!》
これだけもらえたらお礼としては貰いすぎだし、早いうちにまたカイエンナッツの活力剤を作りに来ないとな!
《次に来ていただいた時には、もっと喜んでもらえるお礼を考えておきますわ!》
「……え?」
《やっぱり……》
ブレン……やっぱりってなんだよ……
と言うか、そもそも現時点でもう貰いすぎだから!
魔物百体以上の素材を貰って、さらにお礼なんか貰えないぞ!?
《? どうかなさいまして?》
「い、いや……もうお礼は貰ったから。追加でのお礼は貰えな──」
《いいえ、素材はお礼ではなくてほんの気持ちですわ! ですからお礼は後日改めてご用意いたしますわ》
《リョウさん、もう……断れないと思います……》
「えぇ……」
確かに……この感じ、どう断っても受け入れてくれそうにないタイプだ……
じゃあせめて、すごいものを用意されないように釘をさしておくか……
「ドリアドネさん、そのお礼なんですけど……一つお願いを聞いて貰えたりしませんか?」
《お願い……ですの?》
お、どうやら聞いてもらえそうかな。
「実は俺達が森に入ったのは、村の人からの依頼で花の種を探しに来てたんですよ」
《それで、こちらの花畑にいらっしゃいましたのね》
「そうなんです。今日の探索では見当たらなかったので、可能であれば花の種を集めておいて欲しいのです」
《それでしたら、数日中には集めておきますわ!》
「助かります! あ、でも素材みたいに沢山は必要ないので、加減してお願いしますね?」
素材と同じレベルで積まれたら、洒落にならないからな……
《承りましたわ! 素材より少なく、ですわね!》
引き受けてもらえて良かった……
これで依頼の目処も立ったし、村に戻ったらサラさんにも伝えておかないとな。
《そうですね》
今の時間は、十八時過ぎ……現実なら二十一時過ぎってところか。
花の種を探しにきたのに、色々あって集められなかったが……
まあ、仕方ないよな。助けられる人を見捨ててまで優先することじゃないし。
「ドリアドネさん、今話して大丈夫ですか?」
《少々お待ちくださいませ……》
ドリアドネさんから小声(?)での念話が来た。
他のドリアドネさん達の誘導を一人でやってるんだから、そりゃ忙しいだろうな……
一分ほど待つと、ドリアドネさんがこちらに向き直って念話をしてくれた。
《お待たせ致しましたわ! それで、何かございましたの?》
「自分達、そろそろ村に戻るのでそれを伝えておこうと思いまして」
《もう帰ってしまわれるのですか!? まだなにもお礼が……》
「お礼は今すぐでなくても大丈夫です。それに、ドリアドネさん今は大変そうですからね」
《でも──》
「また後日来ますから!」
《本当ですわね!?》
「ほ、本当! だからちょっと落ち着いて!」
また来るから、そんなに詰め寄らないで欲しい……色々と心臓に悪いから!
と、そこで俺の視線をブレンが遮ってくれた。
おお……助かった。ブレンが女神に見えるぜ……
《ドリアドネさん、落ち着きましょう? 後日引きずってでも、必ず連れてきますから!》
《……分かりましたわ。約束ですわよ?》
ブレン……念話、俺にも繋がってるから聞こえてますけど。
小鳥に引きずられる中年男性とか……どんな光景だよ……
《そうですわ!》
俺がブレンに引きずられる光景を幻視していると、唐突にドリアドネさんはなにかを思い付いたらしくストレージからなにかを取り出した。
と言うか、ドリアドネさんもストレージ使えたんだな……
《リョウさんは冒険者。なら、倒した魔物の素材とか入り用のはずですわ!》
そう言いながらドリアドネさんが取り出したのは、この花畑に踏み込んできたあの熊の素材だった。
「おお! これはありがたい!」
《本当ですの!? でしたら、まだまだございますから、お好きにお持ちくださいませ!》
《あれ……そう言えば私、何か忘れてるような……?》
ブレンが何かぶつぶつと言っている間に、ドリアドネさんのストレージからは止めどなく素材が溢れ出てくる。
森狼、森熊、森蜘蛛、森蟷螂……などなど、森に住む様々な魔物の素材がどんどん積まれていく……
正直、素材だけでしばらく商売できそうな位の量だ。
《す……凄い、沢山……》
「ど、ドリアドネさん……これは流石にもらいすぎだと思う……」
《いえ、実はこの素材……私にとっては不要品なのですわ》
「不要品……? こんないい状態の素材が?」
《そうですわ。ここにあるものは花畑の栄養とするために魔物から体液を取り出した……残りカスのようなものですの。私には全く無用なものなのですわ》
残りカス……そっか、すぐ肥料にならない固形のものは邪魔になってしまうということか。
しかし……肉や内臓などの素材は使い物にならなそうだけど、他は余計な水分が抜けていて最高に近い状態だ。
これをもらえるのはめちゃくちゃありがたいな!
《本当はこれらの不要品を押し付けるようなことはしたくはないのですが……冒険者のリョウさんが喜びそうなものが他にはなにもありませんの……》
「いやいや、押し付けるなんてとんでもない! こんなに品質いい状態の素材なら、買い取りたいくらいですよ!」
むしろ、いくらでも押し付けて欲しい。
錬金術の練習に、素材はいくらあっても足りないくらいだし!
《そこまで喜んでもらえると、嬉しくなりますわ!》
これだけもらえたらお礼としては貰いすぎだし、早いうちにまたカイエンナッツの活力剤を作りに来ないとな!
《次に来ていただいた時には、もっと喜んでもらえるお礼を考えておきますわ!》
「……え?」
《やっぱり……》
ブレン……やっぱりってなんだよ……
と言うか、そもそも現時点でもう貰いすぎだから!
魔物百体以上の素材を貰って、さらにお礼なんか貰えないぞ!?
《? どうかなさいまして?》
「い、いや……もうお礼は貰ったから。追加でのお礼は貰えな──」
《いいえ、素材はお礼ではなくてほんの気持ちですわ! ですからお礼は後日改めてご用意いたしますわ》
《リョウさん、もう……断れないと思います……》
「えぇ……」
確かに……この感じ、どう断っても受け入れてくれそうにないタイプだ……
じゃあせめて、すごいものを用意されないように釘をさしておくか……
「ドリアドネさん、そのお礼なんですけど……一つお願いを聞いて貰えたりしませんか?」
《お願い……ですの?》
お、どうやら聞いてもらえそうかな。
「実は俺達が森に入ったのは、村の人からの依頼で花の種を探しに来てたんですよ」
《それで、こちらの花畑にいらっしゃいましたのね》
「そうなんです。今日の探索では見当たらなかったので、可能であれば花の種を集めておいて欲しいのです」
《それでしたら、数日中には集めておきますわ!》
「助かります! あ、でも素材みたいに沢山は必要ないので、加減してお願いしますね?」
素材と同じレベルで積まれたら、洒落にならないからな……
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