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2章 村での生活
42話 お土産は大事!
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何かタンジーに意識をそらせるものは……そ、そうだ!
「と、とりあえずサラさん達の所に行こう? 今日もちょっとしたお土産があるからさ!」
「え! おみやげ!? なになに!?」
「それはサラさん達と合流してからな?」
「わかった! 今はにわだと思うよ!」
手をぐいぐい引っ張られながら、俺は心底ホッとしていた。
(お土産、用意しておいて良かったぁ……)
《リョウさんは考えてることが顔に出やすいんだから、気を付けた方がいいですよ?》
(俺は、一体どんな顔してたんだよ……)
《失礼なことを考えてそうな顔……ですかね?》
(えぇ……)
《今だって、気を付けないと──》
「お兄さん? あるくのおそくなってるよ。またかんがえことしてるの? ……それとも──」
「ごめん! 考え事してた!」
《リョウさんの周りの女の子は鋭いですから、お気をつけ下さいね?》
なんで俺の周りの女性は、鋭い人が多いんだ……
サラさんの家の裏に行くと、畑と花壇が目に入ってきた。
……とは言え、かなり荒れてはいるみたいだが。
「お母さん、セージ、お兄さんが来てくれたよ!」
「リョウさん!?」
「あ、おにいちゃんだ!」
タンジーが呼び掛けると、あちこち土が付いてしまっているサラさんとセージ君が立ち上がるが──
「あっ……」
「っ! 危ない!」
しゃがんでいる体勢から勢い良く立ち上がったせいか、サラさんはふらついて倒れそうになった。
……もちろん、駆け寄って支えたけど。
セージ君みたいにゆっくり立ち上がれば良かったのだが。
「サラさん、しゃがんでいる時にいきなり立ち上がるのは立ち眩みを起こしやすいから危険ですよ?」
「すみません……つい嬉しくて……!」
まだふらつくのも、嬉しいのも何となくは分かるんだけど……
密着するほどしがみつくのは、ちょっと遠慮したい……!
冷や汗が止まらなくなるので……!
「あの……そろそろ離しても大丈夫ですか?」
「まだちょっと──」
「はい、お母さんはそろそろはなれようね? ……もう平気でしょ?」
流石タンジー!
サラさんを俺から引き剥がしてくれた……!
タンジーがサラさんを引き離してくれなかったら、俺のMPが尽きて宿に強制送還されていたかも知れないな。
本当、心臓に悪いぜ……
「タンジー助かったよ。これじゃお土産も出せそうになかったしさ」
「お母さんのことはもういいから、おみやげ見たいな!」
「タンジー、ちょっと酷くないかしら……?」
「えっ! おにいちゃんおみやげあるの!? にく!?」
「いや、肉じゃないんだが……」
肉じゃないと聞いてがっくりと頭を項垂れるセージ君を見ると、俺が悪いことをしてしまった気分になるな……
と言うか、まだ肉は余ってるんじゃないのか?
「と、とりあえずサラさん達の所に行こう? 今日もちょっとしたお土産があるからさ!」
「え! おみやげ!? なになに!?」
「それはサラさん達と合流してからな?」
「わかった! 今はにわだと思うよ!」
手をぐいぐい引っ張られながら、俺は心底ホッとしていた。
(お土産、用意しておいて良かったぁ……)
《リョウさんは考えてることが顔に出やすいんだから、気を付けた方がいいですよ?》
(俺は、一体どんな顔してたんだよ……)
《失礼なことを考えてそうな顔……ですかね?》
(えぇ……)
《今だって、気を付けないと──》
「お兄さん? あるくのおそくなってるよ。またかんがえことしてるの? ……それとも──」
「ごめん! 考え事してた!」
《リョウさんの周りの女の子は鋭いですから、お気をつけ下さいね?》
なんで俺の周りの女性は、鋭い人が多いんだ……
サラさんの家の裏に行くと、畑と花壇が目に入ってきた。
……とは言え、かなり荒れてはいるみたいだが。
「お母さん、セージ、お兄さんが来てくれたよ!」
「リョウさん!?」
「あ、おにいちゃんだ!」
タンジーが呼び掛けると、あちこち土が付いてしまっているサラさんとセージ君が立ち上がるが──
「あっ……」
「っ! 危ない!」
しゃがんでいる体勢から勢い良く立ち上がったせいか、サラさんはふらついて倒れそうになった。
……もちろん、駆け寄って支えたけど。
セージ君みたいにゆっくり立ち上がれば良かったのだが。
「サラさん、しゃがんでいる時にいきなり立ち上がるのは立ち眩みを起こしやすいから危険ですよ?」
「すみません……つい嬉しくて……!」
まだふらつくのも、嬉しいのも何となくは分かるんだけど……
密着するほどしがみつくのは、ちょっと遠慮したい……!
冷や汗が止まらなくなるので……!
「あの……そろそろ離しても大丈夫ですか?」
「まだちょっと──」
「はい、お母さんはそろそろはなれようね? ……もう平気でしょ?」
流石タンジー!
サラさんを俺から引き剥がしてくれた……!
タンジーがサラさんを引き離してくれなかったら、俺のMPが尽きて宿に強制送還されていたかも知れないな。
本当、心臓に悪いぜ……
「タンジー助かったよ。これじゃお土産も出せそうになかったしさ」
「お母さんのことはもういいから、おみやげ見たいな!」
「タンジー、ちょっと酷くないかしら……?」
「えっ! おにいちゃんおみやげあるの!? にく!?」
「いや、肉じゃないんだが……」
肉じゃないと聞いてがっくりと頭を項垂れるセージ君を見ると、俺が悪いことをしてしまった気分になるな……
と言うか、まだ肉は余ってるんじゃないのか?
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