園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

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2章 村での生活

55話 仕入れは多すぎると大変

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  俺がドリアドネさんのことで戦々恐々としていると、素材のチェックを終わらせたらしいお婆さんはとても怪しい──いや、とてもいい笑顔をしていた。


「なんにしても、素材については申し分ないね。むしろこれだけ良い状態なら、色をつけて買い取らせてもらうよ!」


 おお……! ドリアドネさん様々だな!


「ありがたいです!」

「まず作業場を貸す代金だが、一日分をこの森狼一体で構わないかい?」

「はい、それでお願いします」

「あいよ! ……ヒッヒッヒ、こいつは良いものが手に入ったねぇ……!」


 今時ヒッヒッヒ、とか……珍しい笑い方だな。

 すごい似合ってるから違和感はないけど。


「あとは買い取りの分だが……あんたはどれくらい素材を手元に残したいんだい?」

「あー……特に考えてなかったんですよね」


 何を作りたいとか、決めてたわけでもないしなぁ。

 しいていうなら、昔よく作っていた森の民
シリーズの装備品を作ってみたいかな?

 だとしたら、動物系の素材がある程度あれば良いかな。

 低品質なものには毛皮をそのまま流用して、高品質なものは糸から布を作ってやってみるのも面白いかもしれない。


「とりあえず、買い取りは全体の半分位の量でどうでしょう?」

「あたしはそれで構わないよ。流石にこれ全部だと、こちらとしてもすぐには捌ききれないからねぇ」


 おばあさんの微妙に引きつった表情を見るに、仕入れの量としては多すぎなんだなと悟った。



 そう言えば、自分の職場でも十リットルのジョウロを一桁多く注文してしまったスタッフがいて、倉庫がやばいことになったことがあったなぁ……

 元々ジョウロはダース単位で注文するものだったが、そのスタッフはよく確認しなかったんだよな。

 流石に直径三十cmを越えるジョウロが百二十個は邪魔すぎたから、慌てて臨時で訳あり特売品にしたっけな……
 
 ……っと、また思考が逸れてた──


「おにーさん……また考えごとしてたでしょ?」


 時すでに遅く、タンジーとおばあさんがジト目でこちらを見ていた。


「ごめんなさい……」

「お兄さんのわるいくせだね! 人とはなしをしてるときは、ちゃんとあいてのことを見てないとダメなんだよ!」

「うんうん、タンジーちゃんの言う通りさね」

「申し訳ありません……」

「まあいいさ。なんとなくあんたの考えてた事も予想できるからねぇ」

「え"……分かるんですか!?」

「納品し過ぎで倉庫が圧迫されて困ったとか、そんなところじゃないかい?」


 俺は、どれだけ顔に出やすいのだろう……


「ほぼ当たってます……」

「だろうね。あたしの顔見てからそんな顔していたからすぐに分かる。あんたはもう少し感情を顔に出さないように気を付けた方がいいね」

「……努力します」

「頑張りな。さて、タンジーちゃんも暇そうだし、そろそろあんたの錬金術を見せてもらおうかね?」
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