3 / 19
3
しおりを挟む実家から志望校までは、電車で片道3時間。
その為、学校に程近い場所に住んでいるという従兄弟が、結城の両親に同居の話を持ち掛けたのだという。
「……何だそれ。超羨ましい展開じゃん」
「うん……」
「で。その従兄弟、可愛い?」
「………か、可愛いっていうか……美人、かな」
真っ赤になった顔を隠すように、俯いて参考書に視線を落とす。
……綺麗な鼻筋。白い肌に映える、血色のいい唇。華奢で狭い肩幅。
そして、少し長めの襟足から覗く……白くて細い項。
女……みたいだな。
何故かふと、そんな感覚を抱く。
「……ねぇ、由利は?」
「──!」
突然、結城が下から俺を覗き込む。
長い睫毛。潤んだ大きな瞳。
普段そっけない猫が、突然甘え縋りついてくるような……何ともいえない愛くるしい仕草。
その仕草に、不覚にもドキッとさせられる。
「………別に、大した事ねぇよ」
結城に悟られないよう、直ぐに視線を逸らす。
──過干渉の母。
俺の留守中、勝手に部屋に忍び込み、至る所をこっそりチェックしている。
母は上手くやってるつもりらしい。が、部屋に入った瞬間の、あの何ともいえない違和感。ゾッとする。
まだ親の管理下にあるとはいえ、心の中まで曝かれている様な感覚がして……気持ち悪い。
別に、あの家を出られる口実ができれば、学校なんて何処でも良かった。
たた、それだけ。
……結城と一緒で、俺も充分不純だ。
「来年、女子高から共学校に変わるだろ? て事は、女子率高ぇじゃん?
……可愛い女子と選び放題。アパートに連れ込み放題。って訳」
「………なにそれ。由利も、充分動機が不純じゃん」
結城がクスクスと笑う。
その不純な者同士、本命校に見事合格。
実家から新天地へと拠点を移し、お互いに新生活が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
僕のポラリス
璃々丸
BL
陰キャでオタクなボクにも遂に春が来た!?
先生からだけで無く、クラスカースト上位の陽キャ達も、近隣に幅を効かせる不良達からも一目置かれるまるで頭上の星のようなひとだ。
しかも、オタクにまで優しい。たまたま読んでいたボクの大好きなコミック「恋色なな色どろっぷす」を指差して、「あ、ソレ面白いよね」なんて話しかけられて以来、何かと話しかけられるようになっていった。
これだけだとたまたまかな?と思うけど距離も何かと近くて・・・・・・コレ、ってボクの勘違い?それとも?
・・・・・・なぁーんて、ボクの自意識過剰かな。
なんて、ボクの片思いから始まる甘酸っぱいお話。
みたいなBSS未満なお話。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
六日の菖蒲
あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。
落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。
▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。
▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず)
▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。
▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。
▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。
▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
先輩のことが好きなのに、
未希かずは(Miki)
BL
生徒会長・鷹取要(たかとりかなめ)に憧れる上川陽汰(かみかわはるた)。密かに募る想いが通じて無事、恋人に。二人だけの秘密の恋は甘くて幸せ。だけど、少しずつ要との距離が開いていく。
何で? 先輩は僕のこと嫌いになったの?
切なさと純粋さが交錯する、青春の恋物語。
《美形✕平凡》のすれ違いの恋になります。
要(高3)生徒会長。スパダリだけど……。
陽汰(高2)書記。泣き虫だけど一生懸命。
夏目秋良(高2)副会長。陽汰の幼馴染。
5/30日に少しだけ順番を変えたりしました。内容は変わっていませんが、読み途中の方にはご迷惑をおかけしました。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる