アゲハ舞い飛ぶ さくら舞い散る

真田晃

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脇の下を通り、浮き出た鎖骨の下まで太一の舌に舐め上げられると、そこを甘噛みされて強く吸い上げられる。

「……」

ピリッとする痛みと熱に、痕を付けらマーキングされたんだと悟る。

上体を起こした太一が、僕の両膝の裏に手を差し込み、その足を大きく割り開きながら僕の胸の辺りまで持ち上げる。
臀部の割れ目にある、小さなひだ。普段、人に見られないようなそこが羞恥に晒される。
それを食い入るように覗き込む、多数の赤い眼、眼、眼──

「……これが、ハイジを虜にしたってケツ穴か……」
「使い込まれた割には、……随分と綺麗だなァ」
「……あぁ、舐めてぇ」
「本当に、使い込まれてたのかぁ?!」

ニタニタと不気味に顔を歪める男達。その中の一人が、秘部に向かって手を伸ばす。

「……オィ、勝手に触るんじゃねぇ!」

一喝し、太一がその相手を睨み付ける。と、脅えた様子でその手が引っ込む。



「……」


ハイジ……

……お願い、助けて……


震えてしまう呼吸。
心の中で、何度も何度もそう願う。
決して叶う筈なんてないと、頭の片隅では理解しながら。



ハァ、ハァ、ハァ、……

支配しようと僕を見下げる、太一の鋭く尖った双眼。荒々しい息遣い。

「……」

膝裏から手を離し、その足を肩に担ぎ直すと身体を倒して畳に手を付く。もう一方の手で、硬く反り上がった自身の欲望を握り込むと、何の準備もされていない後孔にその切っ先を宛がう。

「……っ、」

ぴくんっ、
恐怖と絶望が襲い、身体が小さく跳ねる。


……いやだ……

止めて……


震える身体。震える呼吸。
声にならない言葉を視線に乗せ、太一に必死で訴える。

「……脅えてんのか?」

肘を付き、上体を更に倒して間近に僕を捉えれば、その口の片端がクッと吊り上がる。

「堪んねぇな、その顔……」
「……!」

その瞬間──残酷な現実が津波のように一気に押し寄せ、もう逃れようのない状況に脳内が真っ白になっていく。


───ズンッ、

宛がわれていたモノが、一気に最奥まで打ち込まれる。


「──ぅ″ああぁ……ッッ、!」



……いたい……


いたい、痛い……っ、!!



メリメリと入口が引き裂かれ、脳天まで貫く恐怖と鋭い痛みが襲う。

拘束された両腕に力を入れ、背を仰け反らせながら悲鳴を上げれば、その様子にギャラリー達のボルテージが一気に跳ね上がる。

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