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穀物 すなわち実る
20 ※先生視点
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キヨくんの通っている学校は私立の男子校だ。
確か中学の頃、本人はちょっと遠い公立で共学の進学校を希望していたけど(たぶん学費が安かったからだ)、お母さんのエミさんが、お金は出せるからどうしても家から近い私立の方にしてほしい、と頼んで、キヨくんが折れた。
なんで俺が知っているかといえば、あの時代はキヨくんも咲子ちゃんもしょっちゅう俺の家にいたからだ。
あの時のキヨくんの仕方なさそうな、やるせなさそうな顔は今でも胸に刺さっている。
結果的に、あの後色々あったから近くて助かった所もあるんだろうし、本人も今は楽しそうに通ってるから良かったけど。
「うわー……。話には聞いてたけど、おっきいしなんかすごいんだねえ……。最新式って感じ」
「見た目はそうですけど、中身は普通ですよ。……はい、こっち昇降口なんで、ここ入ってください」
キヨくんに連れられて辿り着いた校舎はガラスが多用されていて前衛的で、なんというかパッと見美術館みたいな見た目だった。
慣れた感じでスイスイ進むキヨくんの後を、おっかなびっくり追って中に入る。
ちなみに今日着てきた服は、生成の麻のシャツと黒のスラックス、学会用の茶の革靴に夏用の麻のサマージャケットで、俺がアロハかスーツで行こうとしてると知って、全力でキヨくんコーデにされた奴だ。
後ろ髪も、キヨくんの手でなんかオシャレにまとめられて、うなじが涼しい。
「……さすがに俺、あの格好のセンセを連れてガッコ行く勇気ないんで」
とか前日に言われて、すごいショックを受けたけど。
日本はちょっと、場所ごとの服装のTPOが厳しすぎると思う……。
「なんか思ってたより人多いねえ。あ、あっちの中庭みたいなとこで食べ物の出店出してる」
わらわらとちびっこから年配の方まで、結構な人が通る。
ガラス張りのすごい近未来的な玄関を抜けると、教室や廊下は、割と普通なやわらかい色の木材と白い壁で、そこまで行くと窓越しに広めにとられた中庭の芝生が見えた。
オレンジ色の屋台セットみたいのがいくつか出ていて、一番手前のは、マスクとエプロンと使い捨て手袋みたいのを付けた子が、たどたどしい手つきでクレープを作っていた。
「一応、学校卒業生と親族関係者、あと入学希望の子なんかも入っていいようになってるみたいです。……ああ、あれはクラスの方で出してる奴かな。……どこか、見て回りたいところあります?」
「うーん……。キヨくんの教室と、お友達と一緒にやってるっていう部活の展示は見たいかな。あとはキヨくんのおススメがあれば」
「……そうですね……、とりあえず教室いきましょうか。今うちのクラス誰もいないはずなんで」
「うん」
二階にあるという教室へ、キヨくんの後に続いてゆっくり歩く。
大学から数えても、学校に通っていたのは結構前だ。
当時は当たり前に通り過ぎた景色が今こうしてみると、途方もなく懐かしい。
階段を昇っていくキヨくんの学ラン姿も薬局だと目立つけど、同じ姿の生徒がたくさん通るここならしっくり溶け込んでいた。
「センセは……高校、共学でしたっけ」
「うん。……ただ、元々は男子校でね、なんか誰も喜ばない謎の風習が多かったなあ……。校歌が30個近くあって、新入生は無理やり覚えさせられるんだよね。あと、謎のバンカラ不良軍団みたいな人達に新入生だけいじめられるっていう、なまはげみたいな風習があって……」
「…………なまはげ?」
「うん。あれも一応委員会があって、その人達が渋々やるんだけど……あ、ここじゃない?」
「……センセ、めちゃくちゃ気になる話だけ振って、すぐ話題変えないでくださいよ……。 はい、あってます」
キヨくんの教室は明るくて広くて、俺の記憶より机の間隔が広かった。
もうとっくになくなってると思ってた黒板もまだあって、設備自体は俺が高校に通ってた時とあんまり変わらないように見える。
誰もいないうちにちょっとだけお邪魔することにして、キヨくんの席から窓の外を眺めた。
「へえ、ここで勉強してるんだねえ。……あ、校庭でも色々やってる」
「一応、クラスの展示と部活の展示があるんで、学校中ワイワイしてますよ。しかし、なんかセンセがここにいるとちょっと照れくさいですね……参観日みたいで」
「うん、俺もちょっと思った。……でも、こういうの中々見れないし、すごく懐かしい気持ちになれたよ。有難うね、キヨくん」
席から見上げて笑うと、キヨくんも照れくさそうにチラッと笑った。
「良かったです、ハジメさん、少し元気になったみたいで」
キヨくんは本当に優しい。
自分の身内の心の機微に敏くて、頭の回転も速いから先んじて気回しできてしまう子だ。
だからこの子にばかり負荷がかかってしまう。
今日だって、本当は俺みたいな親戚のオッサンではなく、咲子ちゃんかエミさん辺りを連れて来たかっただろうに。
「そんなに気にしてくれなくても大丈夫だよ、キヨくん。俺だって大人なんだしさ」
「……放っとくとすぐ家荒らしますけどね」
「…………いつもスミマセン、感謝してます」
ちっちゃな机の上で最終的に拝み倒す形になった俺を見て、キヨくんが屈託なく笑う。
「まあ、いいです。 ……あとはぶらっと回って別棟いきますか。そっちで部活のプラネタリウムやってるみたいなんで」
うん、と頷いて、静かにキヨくんの席から立つと、そっと教室をもう一度眺めてから後にした。
教室を出ると、あちこちに着ぐるみを着た呼び込みの子や、生徒の父兄や兄弟たちが自由に歩き回っていて、俺のサイズだと避けるのに忙しい。特にキャイキャイ走るちびっこが通る時には。
クラスによっては、教室を使って色々催しをやってるみたいで、通りすがった中にはカフェやお化け屋敷なんかもあった。そして画用紙で作ったみたいなチラシがあちこちの壁に貼ってある。その中の一つにプラネタリウムの宣伝を見つけて、あ、と思い出した。
「……そういえば、クラスで何かやってるって言ってなかった? ゴメン、案内させちゃって」
「ああ、大丈夫です、センセがくる前に俺の当番済ませたんで。……途中、学食寄って休憩してきます?」
「あ、寄りたい! 絶対美味しそう!」
「俺からすると値段高いんで、あんま使ったことないんですけどね」
「キヨくんお弁当派だもんねえ。美味しいけど」
さっき登ったのと反対側の階段を下りると、廊下をまっすぐ行った先からちょっと雰囲気が変わる。
大きな白木の扉を引き開けた先が学食になっているようだ。
学食らしく、扉開けてすぐ位からいくつか食券の自販機が並んでいて、一番前に今日のメニューが書かれた看板が立っている。
こちらも休憩に来たらしいちびっ子や父兄がチラホラといて、俺達も食券を買う列に並んだ。
「わー、美味しそうだねえ。キヨくん、トルコライスってなんだっけ?」
「俺も頼んだことないんで分かりません。センセ、デザートありますけど、何がいいです?」
「え、なになに? ……あ、プリンアラモードある、俺これにするね。キヨくんなんにする?」
「俺はコーヒーとバニラアイスでいいです」
「お金払うの俺なんだから遠慮しなくていいのに……」
食べ盛りなんだから、もっとガツガツ頼んでくれてもいいのにな。
おごり甲斐がない、とかぼやいていると、キヨくんが不敵に笑った。
「大丈夫です、帰りのスーパーでセンセの財布と腕、酷使する予定なんで。……俺、先に場所取りしとくんで、センセ持ってきてくださいね」
「……え、なに買う気なの? 松坂牛?」
大丈夫かな、今日そんな大金持ってきてないけど……。
一気に不安になりながら、買った食券をもって書かれている順路に並ぶ。
そこまで混んでいないので列もスイスイ進むし、プリンアラモードもバニラアイスも、盛り付けが丁寧でおいしそうだ。珈琲はセルフだったので、トレーに二つ乗せてキヨくんの元まで運ぶ。
アイスとコーヒーをキヨくんに渡しながら、向かいの席に腰を下ろした。
「すごいねえ、大学の学食みたい。私学だけあるなあ」
「俺あんまココは使わないんでよく解ってないですけどね。確かに設備は充実してるんで有難いな、とは思います。図書館も広くて使いやすいですし」
うん、キヨくんは徹底して勉強に通ってるもんな。
うちのバイトでキヨくんの学生生活削っちゃってるから申し訳なくはある。
プリンを口に運びながら少し考えて、キヨくんの顔を見た。
「……キヨくんの勉強で俺に何か手伝えることある?」
無心にバニラアイスを掬っていたキヨくんは、唐突な俺の声にキョトンと年相応に瞬きした。
「……え、いや、一応、授業と復習以外に先生に課題は出して貰ってるんで……。あ、でも、もしセンセの時間あるなら、今度ヒマな時に英語見てもらっていいですか?」
「うん! 文法はちょっと怪しいかも知れないけど頑張る!」
満面の笑顔で頷く俺を見て、なぜか嬉しそうにキヨくんが笑った。
確か中学の頃、本人はちょっと遠い公立で共学の進学校を希望していたけど(たぶん学費が安かったからだ)、お母さんのエミさんが、お金は出せるからどうしても家から近い私立の方にしてほしい、と頼んで、キヨくんが折れた。
なんで俺が知っているかといえば、あの時代はキヨくんも咲子ちゃんもしょっちゅう俺の家にいたからだ。
あの時のキヨくんの仕方なさそうな、やるせなさそうな顔は今でも胸に刺さっている。
結果的に、あの後色々あったから近くて助かった所もあるんだろうし、本人も今は楽しそうに通ってるから良かったけど。
「うわー……。話には聞いてたけど、おっきいしなんかすごいんだねえ……。最新式って感じ」
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キヨくんに連れられて辿り着いた校舎はガラスが多用されていて前衛的で、なんというかパッと見美術館みたいな見た目だった。
慣れた感じでスイスイ進むキヨくんの後を、おっかなびっくり追って中に入る。
ちなみに今日着てきた服は、生成の麻のシャツと黒のスラックス、学会用の茶の革靴に夏用の麻のサマージャケットで、俺がアロハかスーツで行こうとしてると知って、全力でキヨくんコーデにされた奴だ。
後ろ髪も、キヨくんの手でなんかオシャレにまとめられて、うなじが涼しい。
「……さすがに俺、あの格好のセンセを連れてガッコ行く勇気ないんで」
とか前日に言われて、すごいショックを受けたけど。
日本はちょっと、場所ごとの服装のTPOが厳しすぎると思う……。
「なんか思ってたより人多いねえ。あ、あっちの中庭みたいなとこで食べ物の出店出してる」
わらわらとちびっこから年配の方まで、結構な人が通る。
ガラス張りのすごい近未来的な玄関を抜けると、教室や廊下は、割と普通なやわらかい色の木材と白い壁で、そこまで行くと窓越しに広めにとられた中庭の芝生が見えた。
オレンジ色の屋台セットみたいのがいくつか出ていて、一番手前のは、マスクとエプロンと使い捨て手袋みたいのを付けた子が、たどたどしい手つきでクレープを作っていた。
「一応、学校卒業生と親族関係者、あと入学希望の子なんかも入っていいようになってるみたいです。……ああ、あれはクラスの方で出してる奴かな。……どこか、見て回りたいところあります?」
「うーん……。キヨくんの教室と、お友達と一緒にやってるっていう部活の展示は見たいかな。あとはキヨくんのおススメがあれば」
「……そうですね……、とりあえず教室いきましょうか。今うちのクラス誰もいないはずなんで」
「うん」
二階にあるという教室へ、キヨくんの後に続いてゆっくり歩く。
大学から数えても、学校に通っていたのは結構前だ。
当時は当たり前に通り過ぎた景色が今こうしてみると、途方もなく懐かしい。
階段を昇っていくキヨくんの学ラン姿も薬局だと目立つけど、同じ姿の生徒がたくさん通るここならしっくり溶け込んでいた。
「センセは……高校、共学でしたっけ」
「うん。……ただ、元々は男子校でね、なんか誰も喜ばない謎の風習が多かったなあ……。校歌が30個近くあって、新入生は無理やり覚えさせられるんだよね。あと、謎のバンカラ不良軍団みたいな人達に新入生だけいじめられるっていう、なまはげみたいな風習があって……」
「…………なまはげ?」
「うん。あれも一応委員会があって、その人達が渋々やるんだけど……あ、ここじゃない?」
「……センセ、めちゃくちゃ気になる話だけ振って、すぐ話題変えないでくださいよ……。 はい、あってます」
キヨくんの教室は明るくて広くて、俺の記憶より机の間隔が広かった。
もうとっくになくなってると思ってた黒板もまだあって、設備自体は俺が高校に通ってた時とあんまり変わらないように見える。
誰もいないうちにちょっとだけお邪魔することにして、キヨくんの席から窓の外を眺めた。
「へえ、ここで勉強してるんだねえ。……あ、校庭でも色々やってる」
「一応、クラスの展示と部活の展示があるんで、学校中ワイワイしてますよ。しかし、なんかセンセがここにいるとちょっと照れくさいですね……参観日みたいで」
「うん、俺もちょっと思った。……でも、こういうの中々見れないし、すごく懐かしい気持ちになれたよ。有難うね、キヨくん」
席から見上げて笑うと、キヨくんも照れくさそうにチラッと笑った。
「良かったです、ハジメさん、少し元気になったみたいで」
キヨくんは本当に優しい。
自分の身内の心の機微に敏くて、頭の回転も速いから先んじて気回しできてしまう子だ。
だからこの子にばかり負荷がかかってしまう。
今日だって、本当は俺みたいな親戚のオッサンではなく、咲子ちゃんかエミさん辺りを連れて来たかっただろうに。
「そんなに気にしてくれなくても大丈夫だよ、キヨくん。俺だって大人なんだしさ」
「……放っとくとすぐ家荒らしますけどね」
「…………いつもスミマセン、感謝してます」
ちっちゃな机の上で最終的に拝み倒す形になった俺を見て、キヨくんが屈託なく笑う。
「まあ、いいです。 ……あとはぶらっと回って別棟いきますか。そっちで部活のプラネタリウムやってるみたいなんで」
うん、と頷いて、静かにキヨくんの席から立つと、そっと教室をもう一度眺めてから後にした。
教室を出ると、あちこちに着ぐるみを着た呼び込みの子や、生徒の父兄や兄弟たちが自由に歩き回っていて、俺のサイズだと避けるのに忙しい。特にキャイキャイ走るちびっこが通る時には。
クラスによっては、教室を使って色々催しをやってるみたいで、通りすがった中にはカフェやお化け屋敷なんかもあった。そして画用紙で作ったみたいなチラシがあちこちの壁に貼ってある。その中の一つにプラネタリウムの宣伝を見つけて、あ、と思い出した。
「……そういえば、クラスで何かやってるって言ってなかった? ゴメン、案内させちゃって」
「ああ、大丈夫です、センセがくる前に俺の当番済ませたんで。……途中、学食寄って休憩してきます?」
「あ、寄りたい! 絶対美味しそう!」
「俺からすると値段高いんで、あんま使ったことないんですけどね」
「キヨくんお弁当派だもんねえ。美味しいけど」
さっき登ったのと反対側の階段を下りると、廊下をまっすぐ行った先からちょっと雰囲気が変わる。
大きな白木の扉を引き開けた先が学食になっているようだ。
学食らしく、扉開けてすぐ位からいくつか食券の自販機が並んでいて、一番前に今日のメニューが書かれた看板が立っている。
こちらも休憩に来たらしいちびっ子や父兄がチラホラといて、俺達も食券を買う列に並んだ。
「わー、美味しそうだねえ。キヨくん、トルコライスってなんだっけ?」
「俺も頼んだことないんで分かりません。センセ、デザートありますけど、何がいいです?」
「え、なになに? ……あ、プリンアラモードある、俺これにするね。キヨくんなんにする?」
「俺はコーヒーとバニラアイスでいいです」
「お金払うの俺なんだから遠慮しなくていいのに……」
食べ盛りなんだから、もっとガツガツ頼んでくれてもいいのにな。
おごり甲斐がない、とかぼやいていると、キヨくんが不敵に笑った。
「大丈夫です、帰りのスーパーでセンセの財布と腕、酷使する予定なんで。……俺、先に場所取りしとくんで、センセ持ってきてくださいね」
「……え、なに買う気なの? 松坂牛?」
大丈夫かな、今日そんな大金持ってきてないけど……。
一気に不安になりながら、買った食券をもって書かれている順路に並ぶ。
そこまで混んでいないので列もスイスイ進むし、プリンアラモードもバニラアイスも、盛り付けが丁寧でおいしそうだ。珈琲はセルフだったので、トレーに二つ乗せてキヨくんの元まで運ぶ。
アイスとコーヒーをキヨくんに渡しながら、向かいの席に腰を下ろした。
「すごいねえ、大学の学食みたい。私学だけあるなあ」
「俺あんまココは使わないんでよく解ってないですけどね。確かに設備は充実してるんで有難いな、とは思います。図書館も広くて使いやすいですし」
うん、キヨくんは徹底して勉強に通ってるもんな。
うちのバイトでキヨくんの学生生活削っちゃってるから申し訳なくはある。
プリンを口に運びながら少し考えて、キヨくんの顔を見た。
「……キヨくんの勉強で俺に何か手伝えることある?」
無心にバニラアイスを掬っていたキヨくんは、唐突な俺の声にキョトンと年相応に瞬きした。
「……え、いや、一応、授業と復習以外に先生に課題は出して貰ってるんで……。あ、でも、もしセンセの時間あるなら、今度ヒマな時に英語見てもらっていいですか?」
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