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沢鹿の角 落つる
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センセが両手のビニール袋一杯に何かを貰って、ニコニコで帰ってきた。
先日の繁忙日を参考に、入口に営業日と営業時間を掲示したりし始めたみたいだが、そもそもが閑古鳥の店なので、今日も結局お客は少ない。
ストーブだけを頼りに、いつもみたいにカウンタで店番していた俺は、参考書から顔を上げてチラッとセンセの様子を見た。
「……それ、どうしたんです? なんか、リンさんに頼まれて常連さんトコ薬届けてくるって言ってませんでしたっけ」
「うんー。届けに行ったら、庭に一杯生ってるからっておすそ分け貰っちゃった」
「…………」
結構な量だし、あの量の果物を処理ってセンセに出来るわけないんだが。
座っていたスツールから降りて、仕方なくセンセの持ってる袋の中を覗きに行く。
「あー……なるほど、これはいい奴ですね」
中を覗く前に近寄るだけで分かるくらい、センセの回りからふんわりといい香りがする。
一つ袋から取り出して眺めれば、特に虫に食われた後もない新鮮な柚子だった。
そうか、そういえば今日は冬至だな。
「いくつかは風呂で使うとして、残りはどうするかですかね……。今日リンさんは休みでしたっけ」
「うん。リンちゃんいてくれれば、お風呂用でもう少し持って帰ってくれたと思うけど……。キヨくん、これ料理に使える?」
「使えますけど……うちにもいくつか持って帰るとして、そうですね……」
この量ってなるとなかなか骨だが、キラキラした目でこっちを見るセンセに負けた。
「……さすがにセンセにも手伝ってもらうことになりますけど、出来ます?」
「うん! なんでも手伝う!」
……うん、いつもヤル気だけはあるんだよな。
出来ることは限られてるけど。
「……キヨくん、これでいい?」
「ああ、はい、皮こっちください」
仕方なく、店の営業も俺の勉強も早じまいにして、二人してセンセの家の台所に立っている。
鮮度は良かったので、2,3個は取っとくとして、3分の1は土産、3分の1は風呂、問題は残りの3分の1だ。
とりあえず中身はポン酢にし、外の皮はジャムと調理用に刻むことにした。
センセは中身と皮を分ける係だ。
俺は目の前のボウルに積まれた大量の皮をひたすら刻んでいる。
「……なんかさ、キヨくん達がちっちゃい頃も似たようなことあったねえ」
「……なんでしたっけ……」
「あれ、ほら……柿! 診察の礼にってたくさん渋柿置いてったおじいちゃんいたじゃない」
「あー……、あれは地獄でしたね。……センセ、皮むき終わったら、……ビニール手袋はめてますね、じゃあ、そのボウルの中身よく潰しちゃってください」
「はぁい。……あの時は結局キヨくんがいろいろ調べてくれて、干し柿とかにしたっけ」
「あの時も延々終わらない皮むきずっとやってましたね……。懐かしいですけど」
「うん。……今のも、俺は多分あとで思い出すと思う。懐かしいな、って」
センセはすごく寂しがりだ。
こんなに寂しがりなのに、本人はそれにサッパリ気づいていなくて、これから先は多分ずっと一人でいる気なんだろう。
俺達の思い出だけ抱えて。
笑顔で平気そうに言うその顔が俺には堪らなくて、でも俺にはこの薬局に残るって選択肢が選べない。
ハジメさんが俺達の事をよく解ってるように、俺だってハジメさんの考え方はなんとなくわかる。
ここに残るってたとえ俺が言ったとしても、ちゃんと自分の事だけを考えなさいって諭してくるだろう。
俺は子供で、ハジメさんは大人だから。
刻み終えた皮を別のボウルに移しながら、一つため息をついた。
顔を上げても、センセは笑顔のままで、不器用な手つきで何とかボウルの中身を潰している。
「……センセ、今年はココでクリスマスやりましょうか」
「……え? 俺は嬉しいけど……でもキヨくん達予定あるんじゃない? エミさんだっているし……」
「……うちの母はその日は一年で一番忙しい日のはずなんで、帰りません。俺も咲子もこっち来ますから、ちゃんと場所は確保して貰わないとですけど。センセの寝室、咲子用に開放して貰えるなら」
俺とセンセは一緒の部屋でもいいが、年頃の妹はちゃんと一人で部屋を使わせたい。
「……うん!全然いいよ! ……ケーキとごはんとプレゼントはこっちで用意するから!」
「……いえ、プレゼントは大丈夫です……」
もう俺たち、子供って訳でもないし、プレゼントで喜ぶ年でもないんで。
いや、咲子は喜ぶと思うけど。
「何言ってんの、堂々と欲しいもの貰える日なんだから、二人とも胸張って貰っておいて。遠慮せずに二人とも欲しいもの教えてね」
「…………、はい」
そう言えば、昔も毎回こうして言ってくれてたな。
最初の何年かはセンセがサンタ服を買ってきて着こんでくれたりして、俺達も喜んで飛びついたりしていた。
あの頃は本当に山のようにでっかく見えたセンセも、俺たちが育ってくれば普通、よりまだかなりでっかいけど普通のヒトだ。
……俺が本当に心の底から欲しいのはハジメさんですって伝えたら、このヒトはどんな顔をするだろう。
しばらく、センセの顔をじっと眺めてからふっと思い付いた。
「じゃあセンセ、俺の年末の買い物の荷物持ちと、年越しの合格祈願の願掛け、付き合って貰えますか? 一人で行くの、けっこう大変なんで」
「……え、それくらい別に普通にするのに……。 もっと欲しいもの他にない?」
「俺はほかにはないですね。それに誕生日に貰ったコートがあるんで、あれ以上は要らないです」
「……昔から思ってたけど、キヨくん無欲だよねえ……」
「そうですか?」
俺は今の自分がとれる最大限の欲を出してるつもりですけど。
だって好きなヒトの時間を自分だけで独占できるなんて、なかなかない。
センセが俺達との思い出を残しておこうとしているように、俺もセンセの記憶をしっかり目に焼き付けたい。
目だけでなく、繋いだ手の感触や、抱き締めた体の温かさ、その甘い匂いも。
「……キヨくん、これ終わったよー……。 キヨくん?」
「……あ、ハイ、じゃあ、貰います。後はやっとくんで、センセは居間で休んでてくれてもいいですよ」
「……あ、じゃあ、俺はお風呂やっとくね!」
柚子風呂!とウキウキで風呂に向かうセンセのでっかい背中を見ながら、俺は一つ重くため息をついた。
夕飯は刻んだ柚子をふんだんに入れた豚バラと野菜の重ね蒸しで、作りたてのポン酢も使ったから、野菜嫌いのセンセも今日ばかりは喜んで食べていた。
カボチャの煮物とカボチャあんの汁粉も置いてきたから、明日の朝とおやつ分くらいは持つだろう。
今日はどうにかセンセの寂しそうな笑顔に負けずに家に帰ってきた。
センセにばっかりかまけてると、今度は咲子の方が体調崩すからな。
無事に高校の推薦は手に入れたけど、だからってこの先体調崩してちゃいい事はない。
「……ただいま」
いつも通りに小声で掛けた声に、今日は珍しく返事が来た。
「おかえり、おにい、今日もセンセのとこ泊まってくるかと思ってた」
「……さすがに、そう何回も泊まり込みしねーよ。それにほら、土産」
ずっしりしたビニール袋ごと咲子に手渡すと、嬉しそうに袋を開いて匂いを確かめている。
「あー、今日、柚子風呂の日なんだ! ……珍しいね、おにいが買ってくるの!」
「いや、それセンセが貰ったやつの余り。礼かなんかですげえ大量に貰って来てさ。 ……一応、メシ向こうで作って持ってきたけど、なんか食ったか?」
「うん、今日は友達とカラオケ行ったから、みんなで色々頼んで済ませちゃった!」
「あー……。そうだな、今のうちだもんな」
咲子が入る高校はこの辺の子が通う高校よりけっこう遠い。
たぶん、友達作りも一からになるんだろう。
……咲子の事だから俺はその点は心配してないけれども。
「うん、離れても連絡とろーねって言っときたくて。 おにいもね」
「……俺は毎日連絡する」
「うん。センセだけじゃなく、私の事もたまには気にしてくれると嬉しい」
「…………、別にセンセの面倒ばっかり見てるわけじゃないけどな……」
「……でも、おにい、ちっちゃい頃からセンセのこと好きじゃん」
「…………」
いつものニコニコの笑顔のまま、突然爆弾をぶん投げてきた咲子に固まったまま、ただ見返す。
いくら見ても、咲子は本当にいつも通りの通常営業だった。
「……こんなすんごい解りやすいのに、センセ気づかなそうだよね。 ……よーし、じゃあこの柚子全部お風呂いれちゃおーっと」
「…………」
柚子風呂だー!っとさっき見たセンセと同じように、ウキウキ去ってく妹の背をひたすら見つめたまま、俺はしばらく玄関先で固まっていた。
先日の繁忙日を参考に、入口に営業日と営業時間を掲示したりし始めたみたいだが、そもそもが閑古鳥の店なので、今日も結局お客は少ない。
ストーブだけを頼りに、いつもみたいにカウンタで店番していた俺は、参考書から顔を上げてチラッとセンセの様子を見た。
「……それ、どうしたんです? なんか、リンさんに頼まれて常連さんトコ薬届けてくるって言ってませんでしたっけ」
「うんー。届けに行ったら、庭に一杯生ってるからっておすそ分け貰っちゃった」
「…………」
結構な量だし、あの量の果物を処理ってセンセに出来るわけないんだが。
座っていたスツールから降りて、仕方なくセンセの持ってる袋の中を覗きに行く。
「あー……なるほど、これはいい奴ですね」
中を覗く前に近寄るだけで分かるくらい、センセの回りからふんわりといい香りがする。
一つ袋から取り出して眺めれば、特に虫に食われた後もない新鮮な柚子だった。
そうか、そういえば今日は冬至だな。
「いくつかは風呂で使うとして、残りはどうするかですかね……。今日リンさんは休みでしたっけ」
「うん。リンちゃんいてくれれば、お風呂用でもう少し持って帰ってくれたと思うけど……。キヨくん、これ料理に使える?」
「使えますけど……うちにもいくつか持って帰るとして、そうですね……」
この量ってなるとなかなか骨だが、キラキラした目でこっちを見るセンセに負けた。
「……さすがにセンセにも手伝ってもらうことになりますけど、出来ます?」
「うん! なんでも手伝う!」
……うん、いつもヤル気だけはあるんだよな。
出来ることは限られてるけど。
「……キヨくん、これでいい?」
「ああ、はい、皮こっちください」
仕方なく、店の営業も俺の勉強も早じまいにして、二人してセンセの家の台所に立っている。
鮮度は良かったので、2,3個は取っとくとして、3分の1は土産、3分の1は風呂、問題は残りの3分の1だ。
とりあえず中身はポン酢にし、外の皮はジャムと調理用に刻むことにした。
センセは中身と皮を分ける係だ。
俺は目の前のボウルに積まれた大量の皮をひたすら刻んでいる。
「……なんかさ、キヨくん達がちっちゃい頃も似たようなことあったねえ」
「……なんでしたっけ……」
「あれ、ほら……柿! 診察の礼にってたくさん渋柿置いてったおじいちゃんいたじゃない」
「あー……、あれは地獄でしたね。……センセ、皮むき終わったら、……ビニール手袋はめてますね、じゃあ、そのボウルの中身よく潰しちゃってください」
「はぁい。……あの時は結局キヨくんがいろいろ調べてくれて、干し柿とかにしたっけ」
「あの時も延々終わらない皮むきずっとやってましたね……。懐かしいですけど」
「うん。……今のも、俺は多分あとで思い出すと思う。懐かしいな、って」
センセはすごく寂しがりだ。
こんなに寂しがりなのに、本人はそれにサッパリ気づいていなくて、これから先は多分ずっと一人でいる気なんだろう。
俺達の思い出だけ抱えて。
笑顔で平気そうに言うその顔が俺には堪らなくて、でも俺にはこの薬局に残るって選択肢が選べない。
ハジメさんが俺達の事をよく解ってるように、俺だってハジメさんの考え方はなんとなくわかる。
ここに残るってたとえ俺が言ったとしても、ちゃんと自分の事だけを考えなさいって諭してくるだろう。
俺は子供で、ハジメさんは大人だから。
刻み終えた皮を別のボウルに移しながら、一つため息をついた。
顔を上げても、センセは笑顔のままで、不器用な手つきで何とかボウルの中身を潰している。
「……センセ、今年はココでクリスマスやりましょうか」
「……え? 俺は嬉しいけど……でもキヨくん達予定あるんじゃない? エミさんだっているし……」
「……うちの母はその日は一年で一番忙しい日のはずなんで、帰りません。俺も咲子もこっち来ますから、ちゃんと場所は確保して貰わないとですけど。センセの寝室、咲子用に開放して貰えるなら」
俺とセンセは一緒の部屋でもいいが、年頃の妹はちゃんと一人で部屋を使わせたい。
「……うん!全然いいよ! ……ケーキとごはんとプレゼントはこっちで用意するから!」
「……いえ、プレゼントは大丈夫です……」
もう俺たち、子供って訳でもないし、プレゼントで喜ぶ年でもないんで。
いや、咲子は喜ぶと思うけど。
「何言ってんの、堂々と欲しいもの貰える日なんだから、二人とも胸張って貰っておいて。遠慮せずに二人とも欲しいもの教えてね」
「…………、はい」
そう言えば、昔も毎回こうして言ってくれてたな。
最初の何年かはセンセがサンタ服を買ってきて着こんでくれたりして、俺達も喜んで飛びついたりしていた。
あの頃は本当に山のようにでっかく見えたセンセも、俺たちが育ってくれば普通、よりまだかなりでっかいけど普通のヒトだ。
……俺が本当に心の底から欲しいのはハジメさんですって伝えたら、このヒトはどんな顔をするだろう。
しばらく、センセの顔をじっと眺めてからふっと思い付いた。
「じゃあセンセ、俺の年末の買い物の荷物持ちと、年越しの合格祈願の願掛け、付き合って貰えますか? 一人で行くの、けっこう大変なんで」
「……え、それくらい別に普通にするのに……。 もっと欲しいもの他にない?」
「俺はほかにはないですね。それに誕生日に貰ったコートがあるんで、あれ以上は要らないです」
「……昔から思ってたけど、キヨくん無欲だよねえ……」
「そうですか?」
俺は今の自分がとれる最大限の欲を出してるつもりですけど。
だって好きなヒトの時間を自分だけで独占できるなんて、なかなかない。
センセが俺達との思い出を残しておこうとしているように、俺もセンセの記憶をしっかり目に焼き付けたい。
目だけでなく、繋いだ手の感触や、抱き締めた体の温かさ、その甘い匂いも。
「……キヨくん、これ終わったよー……。 キヨくん?」
「……あ、ハイ、じゃあ、貰います。後はやっとくんで、センセは居間で休んでてくれてもいいですよ」
「……あ、じゃあ、俺はお風呂やっとくね!」
柚子風呂!とウキウキで風呂に向かうセンセのでっかい背中を見ながら、俺は一つ重くため息をついた。
夕飯は刻んだ柚子をふんだんに入れた豚バラと野菜の重ね蒸しで、作りたてのポン酢も使ったから、野菜嫌いのセンセも今日ばかりは喜んで食べていた。
カボチャの煮物とカボチャあんの汁粉も置いてきたから、明日の朝とおやつ分くらいは持つだろう。
今日はどうにかセンセの寂しそうな笑顔に負けずに家に帰ってきた。
センセにばっかりかまけてると、今度は咲子の方が体調崩すからな。
無事に高校の推薦は手に入れたけど、だからってこの先体調崩してちゃいい事はない。
「……ただいま」
いつも通りに小声で掛けた声に、今日は珍しく返事が来た。
「おかえり、おにい、今日もセンセのとこ泊まってくるかと思ってた」
「……さすがに、そう何回も泊まり込みしねーよ。それにほら、土産」
ずっしりしたビニール袋ごと咲子に手渡すと、嬉しそうに袋を開いて匂いを確かめている。
「あー、今日、柚子風呂の日なんだ! ……珍しいね、おにいが買ってくるの!」
「いや、それセンセが貰ったやつの余り。礼かなんかですげえ大量に貰って来てさ。 ……一応、メシ向こうで作って持ってきたけど、なんか食ったか?」
「うん、今日は友達とカラオケ行ったから、みんなで色々頼んで済ませちゃった!」
「あー……。そうだな、今のうちだもんな」
咲子が入る高校はこの辺の子が通う高校よりけっこう遠い。
たぶん、友達作りも一からになるんだろう。
……咲子の事だから俺はその点は心配してないけれども。
「うん、離れても連絡とろーねって言っときたくて。 おにいもね」
「……俺は毎日連絡する」
「うん。センセだけじゃなく、私の事もたまには気にしてくれると嬉しい」
「…………、別にセンセの面倒ばっかり見てるわけじゃないけどな……」
「……でも、おにい、ちっちゃい頃からセンセのこと好きじゃん」
「…………」
いつものニコニコの笑顔のまま、突然爆弾をぶん投げてきた咲子に固まったまま、ただ見返す。
いくら見ても、咲子は本当にいつも通りの通常営業だった。
「……こんなすんごい解りやすいのに、センセ気づかなそうだよね。 ……よーし、じゃあこの柚子全部お風呂いれちゃおーっと」
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