Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

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転生〜統治(仮題)

測定不能

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全員が驚愕の表情のまま固まっていたが、ナディアさんが逸早く我に返り口を開いた。

「あの戦姫が!?色気より食い気の戦姫が!?美味しそうな魔物を見つけると、笑みを浮かべながら戦う姿から『戦姫』の異名を与えられた貴女が…け、け、け、結婚!?」
「はい。おかしいですか?」
「色恋沙汰に興味無かったでしょ!?」
「そうですね。」
「だったら何でよ!?」
「単純にルークがカッコイイからですけど…カッコイイですよね?」
「「「「「確かに。」」」」」

小首を傾げながら答えるティナに、ギルド内の女性全員が頷く。…そうか?ティナの場合、身内贔屓なんじゃないだろうか?

「確かに…こんな美少年、見た事無いわね…。」

ナディアの呟きに、またしても女性全員が頷く。それは偶々出会っていないだけの話だろう。

「でも、単純に見た目で男を好きになるとは思えないわ。他にも何かあるんでしょ?」
「それは…料理が美味しい…ですね。」
「………納得したわ。」

どうやらオレは、ティナの胃袋を捕まえたらしい。好きになる理由なんて人それぞれ。どんな理由であっても構わないだろう。そんな事よりも、話が逸れたままなのでさっさと戻そう。

「盛り上がってる所すみません。そろそろオレの冒険者登録をお願いしたいんですが…。無理なら魔物の素材だけでも買い取ってもらえませんか?」
「え?…そうだったわね。ルークだったかしら?ちょっと水晶球に触れてもらえる?」

また水晶球かよ。いい加減面倒になってきた。冒険者登録しなくていいかな。素材だけ換金して移動しよう。

「はぁ。もう登録は結構です。それよりも、魔物の素材を換金してもらえます?」
「それはダメよ。先に登録してもらうわ。」
「どうして?登録するしないはオレの自由ですよね?」
「これでもギルドマスターだもの。将来有望な人材を逃す訳にはいかないわ。」
「有望かどうかは知りませんけど、さっき触れましたよ?」
「自分の目で見ないと信じられないのよ。」

自分で見たものしか信じない、なんてのは良い事ではないと思う。目に見えない真実だってあるのだ。だが、他人を信じ過ぎるのは良くないと、オレも思う。不満ではあるが、今回は言う事を聞いておこう。そう結論付けて、渋々水晶球に触れる。

「…ホントね。信じられないけど、事実だわ。まさか、冒険者登録をしに来た少年が既に戦姫よりレベルが高いなんて…。」
「戦姫よりレベルが高い!?」
「戦姫のレベルっていくつだよ?」
「噂じゃ、現役の頃で100を超えてたはずだぞ?」
「じゃあ、あの男も100超えって事かよ!?」

ナディアさんの呟きに、周囲の冒険者達が騒ぎ出した。勘弁して欲しいんですけど。そう思っていると、ナディアさんがとんでもない事を言い出す。

「ルークのレベルは測定不能。つまり200以上よ。」
「200以上!?」
「ランクSでも100行くかどうかって話だろ!?」
「マジかよ…バケモノじゃねぇか……。」
「ちょ、ナディアさん!何でオレのレベルを言っちゃうんですか!?」
「他の冒険者が、貴方にちょっかい出したりしないように、ね。」

舌を出しながらウィンクされた。これって『テヘペロ』ってやつだろうか?まぁ、美人にされて嫌な想いはしないから許してやろう。

「そうですか…。それで?登録は出来るんですよね?」
「えぇ、勿論よ。悪いんだけど、ランクはSね。ダブルは国2つの推薦が無いとダメなのよ。ちなみにトリプルは3ヶ国の推薦が必要だから。」
「いえ、ランクはFで構いませんよ。」
「…はぁ。あのねぇ?戦姫よりもレベルが上の者をランクFで登録なんて、出来るはずないでしょ!?」
「いや、別にランクなんてどうでも良いじゃないですか。」
「私はこれでもギルドマスターなの。冒険者を過小評価する訳にはいかないわ。それに、貴方は有望な人材なんだから、指名依頼を受けられるようにするのはギルドの利益にもなるし。」

おそらく前者が建前、後者が本音なんだろうな。縛られたくないから、ランクは程々で良かったんだが…。それよりも、さっきからティナよりレベルが上って言ってたけど、ティナのレベルはいくつなんだ?

「ねぇティナ。ティナのレベルって?」
「そうですね…最後に確認した時は152でしたよ。」
「それって…」
「えぇ、ルークと会う少し前ですね。」

15年も前かよ。多分、今はもっと上なんだろうな。

「確認しなくて良いの?オレより高いかもしれないよ?測れないだろうけど…。」
「うふふ。別に競っている訳ではありませんから必要無いですね。それにレベルというのは、あくまで肉体と魔力の潜在能力を数値化した目安ですから。技術等でレベルの差は埋まりますし。ランクSともなると、レベルに関しては気にしない方が良いのですよ。」

目安って言ってるしな。レベルだけ気にしても危険だって事なんだろう。一撃必殺の技なんて物もあるだろうし、ステータスが全てでは無いはずだ。

「そっか。それじゃあ、ナディアさん。ギルドカードを貰えますか?」
「今用意してるから待って頂戴。用意出来るまでに、素材の買取を済ませちゃいましょ。って、貴方達…随分身軽だけど、素材は何処にあるの?」
「オレのアイテムボックスに入ってますよ。出しても良いですか?」
「隣が買取カウンターだから、そっちに…ちょっと待って。アイテムボックスですって!?……確認だけど、どれ位の量かしら?」
「えっと…ギルドには入り切らないですね。」
「全く、どれだけ規格外なのよ。」
「え?多過ぎました?」
「違うわよ。新人冒険者でアイテムボックス持ちっていうのが珍しかったの。まぁ、ギルドに入り切らない量の素材も珍しいけどね。まぁいいわ、裏の倉庫に来て頂戴。」

ナディアさんに頷き返し、後を着いて行く。アイテムボックスって珍しいのか。ランドルフさんに作り方を教わって家族の分を作ったけど、確かに大変だったなぁ。特に魔石の入手が。時空間属性の魔物の遭遇率が酷かった。1年間狩りをしてやっと数体遭遇、そこから特大サイズのアイテムボックスに適した魔石を1個入手出来るかどうかといった感じだった。オレは問題無く使えるが、異空間魔法の使い手の少なさも影響しているらしい。そんな数少ない使い手で、魔道具製作に携わる者と言ったら大体察しもつく。

『自作の魔道具です』なんて言ったら、トラブルに巻き込まれるのは目に見えて明らかだろう。誰にも言えないな…。

考え事をしていたら、ギルドの倉庫に到着したようだ。早速出させて頂きますかね。

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