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転生〜統治(仮題)
前世の記憶
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今日はカレンの希望で、オレとカレンは模擬戦を行っている。カレンに声を掛けられたらしく、婚約者の皆が見学している。
魔法は無しで、武器の使用は自由となっている。が、身体能力の差が大きく、一方的な展開となっていた。そしてオレは少しムキになってしまった為、つい隠していた技を使ってしまった。
「神崎流弐の太刀、飛燕!」
「っ!?」
「初見でかわすのかよ!?・・・参の太刀、天音!」
「なっ!?」
カレンは驚いているが、結局は全てかすりもしなかった。カレンは剣で受ける事すらせず、オレの太刀を全て避けたのである。全てかわされた事で冷静になり、オレは一先ず降参する。これ以上の手を見せるつもりは無い。
「ルーク・・・何か隠していますよね?今の技もそうですが、何よりその武器です。この世界には存在しない物のはずですが、それを完全に使いこなしています。年齢とは不釣り合いなこれらの状況、説明して頂けますよね?」
カレンは笑顔で訪ねて来るが、目が笑っていない。そして、婚約者達の視線も痛い。まぁ、絶対に秘密という訳ではないし、丁度良い機会なので説明する事にした。
「前世って知ってる?オレは、生まれ変わる前の記憶がある。この世界ではない、別の世界。魔法は無いけど、科学・・・技術が発展した世界だった。」
「「「「「っ!?」」」」」
皆は驚きのあまり声すら出ない様子だったが、構わず説明を続ける。
「前の世界では神崎秀一って名前で、この世界で言う料理人だった。で、仕事帰りに事故にあって死んだはずなんだけど・・・気付いたらこの世界にいたんだ。」
「・・・料理人ですか?剣士ではなく?」
カレンが訪ねてくるのも当然だろう。オレが使ったのは人を殺す為の技なんだから。
「剣術は祖父が、格闘術は祖母から教わったんだ。神崎の家は、過去に人殺しを生業としていた一族で・・・技だけは代々受け継がれている。あ、この剣は刀って言うんだ。この刀の作り方も教わった。自分の獲物は自分で作るっていうのも掟でね・・・。自分から言いふらすような事でもないから、今まで話さなかった。」
「そう・・・じゃあ、今までの見た事も無い料理やお菓子もそうなの!?」
「ナディアの言う通り、あれも前の世界の料理だよ。材料や調味料が揃ってないから、未だに完全じゃないんだけど。」
ナディアの目が輝いているのが気になったが、疑問はすぐに解消された。
「つまり、調味料があればもっと美味しいお菓子が食べられるのね!?・・・決めたわ!私は料理の素材を集める!!」
「そうだね。皆にも協力してもらえれば、すぐに揃えられる気がするよ。同じ物があるといいんだけどね・・・。そんなトコかな?だからまぁ・・・正直、参の太刀まで使っても相手にならないのは予想外だったよ。最初の1回なら勝てるんじゃないかと思ってたんだけどね。」
「私に勝ちたかったのですか?」
「そりゃあ、カレンに勝てばティナとナディアは無事って話だったし。」
「あぁ、そう言ってましたね。ですが・・・そもそも私は、誰にも危害を加えるつもりはありませんでしたよ?」
「「「え?」」」
訝しげに首を傾げるカレンの言葉に、オレとティナ、ナディアが疑問の声を上げた。
ならば母さんの指示は一体。この分だと、学園に通うのも怪しくなるので聞いてみる。
「じゃあ、学園に通えば手出し出来ないって話は?」
「学園には普通に行けますよ?」
「「「は?」」」
またしても首を傾げるカレンに対して、オレ達は疑問の声を上げた。
「・・・どうも、エレナの意図がわかりませんね。探し出して問い詰める必要があるかもしれません。確実に言える事は、私を悪者にしてルークを学園に通わせたい事情があったという事でしょうか。(それから、本来は異なる世界で転生出来ないようになっているはずです。エレナが関わっているのかは不明ですが、調べてみる必要がありますね)」
「じゃあ、母さんの指示って・・・あれ?じゃあ、オレが学園に通う必要なくね?」
「「「「あぁぁぁ!」」」」
カレン以外の皆が叫び、スフィアが驚く事を言い出した。
「これは、嫁かい・・・ゴホン。家族会議を開く必要がありますね!」
今、嫁会議って言った!?何その不吉な名前の会議?オレ、皆の掌の上で転がされてる?
魔法は無しで、武器の使用は自由となっている。が、身体能力の差が大きく、一方的な展開となっていた。そしてオレは少しムキになってしまった為、つい隠していた技を使ってしまった。
「神崎流弐の太刀、飛燕!」
「っ!?」
「初見でかわすのかよ!?・・・参の太刀、天音!」
「なっ!?」
カレンは驚いているが、結局は全てかすりもしなかった。カレンは剣で受ける事すらせず、オレの太刀を全て避けたのである。全てかわされた事で冷静になり、オレは一先ず降参する。これ以上の手を見せるつもりは無い。
「ルーク・・・何か隠していますよね?今の技もそうですが、何よりその武器です。この世界には存在しない物のはずですが、それを完全に使いこなしています。年齢とは不釣り合いなこれらの状況、説明して頂けますよね?」
カレンは笑顔で訪ねて来るが、目が笑っていない。そして、婚約者達の視線も痛い。まぁ、絶対に秘密という訳ではないし、丁度良い機会なので説明する事にした。
「前世って知ってる?オレは、生まれ変わる前の記憶がある。この世界ではない、別の世界。魔法は無いけど、科学・・・技術が発展した世界だった。」
「「「「「っ!?」」」」」
皆は驚きのあまり声すら出ない様子だったが、構わず説明を続ける。
「前の世界では神崎秀一って名前で、この世界で言う料理人だった。で、仕事帰りに事故にあって死んだはずなんだけど・・・気付いたらこの世界にいたんだ。」
「・・・料理人ですか?剣士ではなく?」
カレンが訪ねてくるのも当然だろう。オレが使ったのは人を殺す為の技なんだから。
「剣術は祖父が、格闘術は祖母から教わったんだ。神崎の家は、過去に人殺しを生業としていた一族で・・・技だけは代々受け継がれている。あ、この剣は刀って言うんだ。この刀の作り方も教わった。自分の獲物は自分で作るっていうのも掟でね・・・。自分から言いふらすような事でもないから、今まで話さなかった。」
「そう・・・じゃあ、今までの見た事も無い料理やお菓子もそうなの!?」
「ナディアの言う通り、あれも前の世界の料理だよ。材料や調味料が揃ってないから、未だに完全じゃないんだけど。」
ナディアの目が輝いているのが気になったが、疑問はすぐに解消された。
「つまり、調味料があればもっと美味しいお菓子が食べられるのね!?・・・決めたわ!私は料理の素材を集める!!」
「そうだね。皆にも協力してもらえれば、すぐに揃えられる気がするよ。同じ物があるといいんだけどね・・・。そんなトコかな?だからまぁ・・・正直、参の太刀まで使っても相手にならないのは予想外だったよ。最初の1回なら勝てるんじゃないかと思ってたんだけどね。」
「私に勝ちたかったのですか?」
「そりゃあ、カレンに勝てばティナとナディアは無事って話だったし。」
「あぁ、そう言ってましたね。ですが・・・そもそも私は、誰にも危害を加えるつもりはありませんでしたよ?」
「「「え?」」」
訝しげに首を傾げるカレンの言葉に、オレとティナ、ナディアが疑問の声を上げた。
ならば母さんの指示は一体。この分だと、学園に通うのも怪しくなるので聞いてみる。
「じゃあ、学園に通えば手出し出来ないって話は?」
「学園には普通に行けますよ?」
「「「は?」」」
またしても首を傾げるカレンに対して、オレ達は疑問の声を上げた。
「・・・どうも、エレナの意図がわかりませんね。探し出して問い詰める必要があるかもしれません。確実に言える事は、私を悪者にしてルークを学園に通わせたい事情があったという事でしょうか。(それから、本来は異なる世界で転生出来ないようになっているはずです。エレナが関わっているのかは不明ですが、調べてみる必要がありますね)」
「じゃあ、母さんの指示って・・・あれ?じゃあ、オレが学園に通う必要なくね?」
「「「「あぁぁぁ!」」」」
カレン以外の皆が叫び、スフィアが驚く事を言い出した。
「これは、嫁かい・・・ゴホン。家族会議を開く必要がありますね!」
今、嫁会議って言った!?何その不吉な名前の会議?オレ、皆の掌の上で転がされてる?
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