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転生〜統治(仮題)
閑話 セラとシェリーの嫁探し3
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結局カレンに逃げられ途方に暮れたセラとシェリーは、頼れるスフィアに相談する事にした。事情を説明し終えると、スフィアの口からは長い長い溜息が漏れる。
「はぁ~。全く貴女達は・・・。いいですか?そもそも、馬鹿正直に問答する必要は無いのです!」
「え!?ですが陛下、じゃなくてスフィア様。折角集まって下さったのに、話を聞かないというのは・・・。」
「話を聞かないなどと、誰が言いましたか!?」
「じゃあ、どうすればいいんですか~?」
小さくなったシェリーが、セラに代わって答えを求める。
「貴女達が質問するから疲れるのです。訪れた者達に、自分をアピールして貰えば済む話ではありませんか。」
「「あ・・・。」」
「全く・・・。とは言うものの、流石に2人で2万人を相手にするのは現実的ではありませんね。仕方ありません、応援を送りましょう。」
「応援、ですか?」
「でも、みんなルーク様に同行しちゃってますよね?学園もありますし・・・。」
応援と聞き、セラとシェリーが真っ先に思い浮かべたのは嫁達である。しかし、スフィアの思惑は全く異なる。いるのだ。嫁達の中で、暇してる者達が。
「いるではありませんか。カレン様が転移魔法を使用しても問題無い方達が。」
「「何処に?」」
「空に。」
「「・・・・・あ!!」」
セラとシェリーは失念していた。スフィアが言う者達とは、ローデンシアに住まう有翼人の事であった。入れ替わりに王城へとやって来る為、
「全員は難しいですが、5人程ローデンシアに残っていれば問題無いと伺っています。10人の内1人は学園に通うでしょうから、貴女達を含めて6人ですか。これならば7日で終わりますね?」
「「はい!!」」
「ですが、ここで無理をする意味もありませんし・・・ゆっくりと2週間程度の日程で進めるのが良いでしょうか。」
「「ありがとうございます!!」」
今にも泣き出しそうな程に、セラとシェリーは感激していた。やはり、スフィアは頼りになると改めて実感したのである。シェリーなど、内心『太ったなんて思ってすみません』なんて事を考えたりもしていたのだが、ここで口に出す程愚かではない。
「さて。順序が逆になりましたが、貴女達に確認しておきたい事があります。」
「「へ?」」
「貴女達の任務は何ですか?」
スフィアの問に、セラとシェリーは一瞬自信を失う。忘れる事の無い程、わかりやすい内容だったのだ。しかし、いざ聞かれると不安になるのが人間というものである。
「えっと・・・」
「ルーク様の・・・お嫁さん探し?」
セラが言葉に詰まり横を向き、シェリーが上目遣いで恐る恐る答える。次の瞬間、スフィアの眉間に皺が寄ったのを2人は見逃してしまった。まぁ、気付いた所で結末に変化は無いのだが。
「正確に!!」
「「ひっ!?」」
スフィアが声を張り上げた事で、セラとシェリーは恐怖を感じる。しかし、そんな事でスフィアが止まるはずもない。
「シェリー!答えなさい!!」
「で、ですから・・・ルーク様のお嫁さんを・・・」
「セラ!何処で!?」
「ドラゴニアで・・・」
ここまで言われても、2人は気付かない。それもそのはず、直前でカレンが告げた内容がそれだったのだ。誰が悪いと言われれば、誰も悪くはない。しかし、責任はカレンにあるだろう。当然スフィアも予想はしていた。だからこそ、こんな展開となっているのだ。
「でしたら、何故ドラゴニアなのですか!?」
「「それはドラゴニアに・・・っ!?」」
ここで付け加えるが、スフィアは別に怒っている訳ではない。ただ、少し考えればわかる事を考えなかった2人に対する教育的な意味合いだったのだ。最大のヒントを与えた事で、セラとシェリーは漸く気が付いた。気が付いてしまったのだ。
「嫁会議で散々言いましたよね?竜人族の嫁候補を探す、と。」
「「・・・はい。」」
「竜人族の未婚女性は2万人もいますか?」
「「いないと思います。」」
スフィアの問い掛けに、2人はすぐさま否定する。それも当然だろう。竜人族の総人口は約5千人なのだから。その内、未婚かつ結婚適齢期の女性と聞かれれば、せいぜい2、300人程度と推測されていた。事実、2人が面談した中に竜人族の女性は1人もいなかったのだ。
「今回の一件、今更無かった事には出来ないでしょうから、そちらはリリエルさん達にお願いしましょう。特に難しい話でもありませんからね。竜人族の女性以外は、最初から除外してしまえば良いのですから。」
「折角集まって頂いた方々に申し訳無いと思うのですが・・・」
「セラの気持ちは理解出来ます。ですから、何か惹かれる部分のある方には、後日時間を作って頂く事にします。希望者には、何らかの仕事か報奨を用意しましょう。それよりも、貴女達は竜人族の件です。」
説明を受けた段階で、スフィアの考えは纏まっていた。セラとシェリーには、竜人族の女性から探し出して貰おうと。竜人族以外の者に関しては、有翼人の嫁達に任せるつもりだった。
しかし、スフィアはここで迷う。国中から探し出すのであれば、空を飛べる者達に任せた方が効率が良い。だが、自分達と同じ嫁の一員となるのであれば、セラとシェリーが選び出した者の方が共感を持てるのではないか、と。
「リリエルさん達にセラとシェリー、どちらを取るという話でもありませんよね・・・。」
「スフィア様?」
「あぁ、セラ。すみません、少し迷っておりました。どちらか一方を選ぶのが正しいとは言えませんからね。・・・決めました!」
「何をです?」
スフィアが迷うという光景を初めて見たシェリーは、躊躇無く質問する。するとスフィアは、微笑みながら答えた。
「セラは引き続き、集まった者達の応対を。シェリーはリリエルさん・・・とは限りませんが、ローデンシアの誰かとドラゴニアを巡り歩くように!」
「「えぇ!?」」
「何か不満でも?・・・あぁ、正確には『歩く』ではなく『翔ぶ』でしょうね。ふふふっ。」
何がおかしかったのかは理解出来なかった2人だが、自分の言葉に笑い出すスフィアを呆然と見つめるセラ。小さくガッツポーズしているシェリーであった。
ちなみにスフィアは明言を避けたが、本当に大変なのはシェリーである。リリエル達の飛行速度は相当なものだ。そんな相手に抱えられる形で空を翔ぶのだから、その恐怖は計り知れない。
スフィアの予想通り、シェリーはたった1日で音を上げる。とても人様には見せられないような顔でセラに泣き付き、1日交代という事で決着がついたのはセラとシェリーの秘密である。
~ ある日のシェリー ~
リリエルさん達の協力を得てから、もう何回空を飛んだ事だろう?あまりの恐怖に、私は数えるのをやめた。翔ぶなんて生易しい表現をしたのは誰だ?・・・思い出した、ポッチャリ性悪女王・・・じゃなくてスフィア様だ。
考えてみて欲しい。両脇を抱えられて、馬の数倍の速度で空中を移動する様を。自らの意志を無視した移動手段なんて、普通の人間が耐えられる行為じゃない。
初日にシシエルさんという、リリエルさんそっくりな女性に連れられて戻って来た『だんちょー』の様子。一気に10歳は老け込んでしまったように見える程、精神的疲労が感じられた。吹き出しそうなのを必死に我慢したのは私だけの秘密。
間違っても気付かれる訳にはいかない。だって・・・次の日は私の番だもん。
兎に角、もう数えるのも嫌になる程の飛行体験を経て、数えるのも嫌になる程の集落を回った。竜人族は優れた種族。そのせいで、ほとんどの竜人は街や村に住んでない。数人単位の集落で暮らしてる。少しはこっちの迷惑も考えて欲しい。・・・八つ当たりでした。
もう全部回った事にしてやろうと何度も考えた。でも、それは無理。全員がリリエルさんのように適当だったら可能だったと思うけど、そんなのはリリエルさんだけだった。シシエルさんを始め、有翼人の方々は真面目な性格だもの。もうちょっと楽に生きた方が、人生楽しいと思うのに。
それはそうと、今は少し大きな集落を案内して貰っている。ここには結婚前の女性が5人もいるらしい。・・・言ってて悲しくなってきた。だって、1つの集落に1人いればマシなんだもん。
でも結局、私の期待は裏切られた。この集落にも、お嫁さん候補はいない。勘違いしないでね?みんな美人なんだよ。でも、竜人族って変にプライドが高くて・・・スフィア様やルビア様と衝突するのが目に見えてるんだよねぇ。私みたいに、下らないプライドなんて捨てちゃえば気楽なのに。
そんな感じで、ガッカリしながら次の集落に向かおうと思ってた時だった。
「あれ?ここにいる女性は5人という話でしたよね?」
「えぇ。それがどうかしましたか?」
この集落の長に尋ねると、やはり5人との回答。でも、私の前には6人目の少女が。
「あちらの方は?ひょっとして既婚者ですか?」
「え?・・・あぁ。あの者は・・・・・。」
「勘違いしないで下さい。別に強引に連れて行くつもりはありませんから。」
「いえ、違うのです。あの娘は出来損ないでして・・・紹介するのは失礼かと思い・・・。」
何とも歯切れの悪い言葉に、私の視線は鋭さを増す。・・・ごめんなさい、言ってみたかっただけ。だって、誰も言ってくれないんだもん!そりゃ、私程度じゃ誰もそんな風には見てくれないのは理解してる・・・って今はこんな事を考えてる場合じゃなかった。
「出来損ない、ですか?」
「えぇ。仮にも竜人族だと言うのにか弱く、何より角が短いでしょう?」
スフィア様の説明では、竜人族は竜の血が流れていると言われているように、強靭な肉体を持つらしい。大柄で気の強い女性が多いのはその為なんだろう。さらには、頭に20センチ程の角が2本生えてる。でも彼女は若干小柄な上、頭の角は5センチ程度。
「確かに、他の方々とは違うようですね。それだけですか?」
「は?ま、まぁ、それだけと言われればそうですが・・・我々にとっては、何よりも大切な事なのです。」
「あ、すみません!そういうつもりで言った訳じゃないんです!!」
「いえ、他の種族の方には理解出来なくても無理はありません。」
うっかり考え無しに発言しちゃった。いやぁ、だんちょーがいなくて良かったよ。とりあえず、何とか話だけでも聞いてみないとね。早速私は6人目の少女の下へ向かうのだった。
「はぁ~。全く貴女達は・・・。いいですか?そもそも、馬鹿正直に問答する必要は無いのです!」
「え!?ですが陛下、じゃなくてスフィア様。折角集まって下さったのに、話を聞かないというのは・・・。」
「話を聞かないなどと、誰が言いましたか!?」
「じゃあ、どうすればいいんですか~?」
小さくなったシェリーが、セラに代わって答えを求める。
「貴女達が質問するから疲れるのです。訪れた者達に、自分をアピールして貰えば済む話ではありませんか。」
「「あ・・・。」」
「全く・・・。とは言うものの、流石に2人で2万人を相手にするのは現実的ではありませんね。仕方ありません、応援を送りましょう。」
「応援、ですか?」
「でも、みんなルーク様に同行しちゃってますよね?学園もありますし・・・。」
応援と聞き、セラとシェリーが真っ先に思い浮かべたのは嫁達である。しかし、スフィアの思惑は全く異なる。いるのだ。嫁達の中で、暇してる者達が。
「いるではありませんか。カレン様が転移魔法を使用しても問題無い方達が。」
「「何処に?」」
「空に。」
「「・・・・・あ!!」」
セラとシェリーは失念していた。スフィアが言う者達とは、ローデンシアに住まう有翼人の事であった。入れ替わりに王城へとやって来る為、
「全員は難しいですが、5人程ローデンシアに残っていれば問題無いと伺っています。10人の内1人は学園に通うでしょうから、貴女達を含めて6人ですか。これならば7日で終わりますね?」
「「はい!!」」
「ですが、ここで無理をする意味もありませんし・・・ゆっくりと2週間程度の日程で進めるのが良いでしょうか。」
「「ありがとうございます!!」」
今にも泣き出しそうな程に、セラとシェリーは感激していた。やはり、スフィアは頼りになると改めて実感したのである。シェリーなど、内心『太ったなんて思ってすみません』なんて事を考えたりもしていたのだが、ここで口に出す程愚かではない。
「さて。順序が逆になりましたが、貴女達に確認しておきたい事があります。」
「「へ?」」
「貴女達の任務は何ですか?」
スフィアの問に、セラとシェリーは一瞬自信を失う。忘れる事の無い程、わかりやすい内容だったのだ。しかし、いざ聞かれると不安になるのが人間というものである。
「えっと・・・」
「ルーク様の・・・お嫁さん探し?」
セラが言葉に詰まり横を向き、シェリーが上目遣いで恐る恐る答える。次の瞬間、スフィアの眉間に皺が寄ったのを2人は見逃してしまった。まぁ、気付いた所で結末に変化は無いのだが。
「正確に!!」
「「ひっ!?」」
スフィアが声を張り上げた事で、セラとシェリーは恐怖を感じる。しかし、そんな事でスフィアが止まるはずもない。
「シェリー!答えなさい!!」
「で、ですから・・・ルーク様のお嫁さんを・・・」
「セラ!何処で!?」
「ドラゴニアで・・・」
ここまで言われても、2人は気付かない。それもそのはず、直前でカレンが告げた内容がそれだったのだ。誰が悪いと言われれば、誰も悪くはない。しかし、責任はカレンにあるだろう。当然スフィアも予想はしていた。だからこそ、こんな展開となっているのだ。
「でしたら、何故ドラゴニアなのですか!?」
「「それはドラゴニアに・・・っ!?」」
ここで付け加えるが、スフィアは別に怒っている訳ではない。ただ、少し考えればわかる事を考えなかった2人に対する教育的な意味合いだったのだ。最大のヒントを与えた事で、セラとシェリーは漸く気が付いた。気が付いてしまったのだ。
「嫁会議で散々言いましたよね?竜人族の嫁候補を探す、と。」
「「・・・はい。」」
「竜人族の未婚女性は2万人もいますか?」
「「いないと思います。」」
スフィアの問い掛けに、2人はすぐさま否定する。それも当然だろう。竜人族の総人口は約5千人なのだから。その内、未婚かつ結婚適齢期の女性と聞かれれば、せいぜい2、300人程度と推測されていた。事実、2人が面談した中に竜人族の女性は1人もいなかったのだ。
「今回の一件、今更無かった事には出来ないでしょうから、そちらはリリエルさん達にお願いしましょう。特に難しい話でもありませんからね。竜人族の女性以外は、最初から除外してしまえば良いのですから。」
「折角集まって頂いた方々に申し訳無いと思うのですが・・・」
「セラの気持ちは理解出来ます。ですから、何か惹かれる部分のある方には、後日時間を作って頂く事にします。希望者には、何らかの仕事か報奨を用意しましょう。それよりも、貴女達は竜人族の件です。」
説明を受けた段階で、スフィアの考えは纏まっていた。セラとシェリーには、竜人族の女性から探し出して貰おうと。竜人族以外の者に関しては、有翼人の嫁達に任せるつもりだった。
しかし、スフィアはここで迷う。国中から探し出すのであれば、空を飛べる者達に任せた方が効率が良い。だが、自分達と同じ嫁の一員となるのであれば、セラとシェリーが選び出した者の方が共感を持てるのではないか、と。
「リリエルさん達にセラとシェリー、どちらを取るという話でもありませんよね・・・。」
「スフィア様?」
「あぁ、セラ。すみません、少し迷っておりました。どちらか一方を選ぶのが正しいとは言えませんからね。・・・決めました!」
「何をです?」
スフィアが迷うという光景を初めて見たシェリーは、躊躇無く質問する。するとスフィアは、微笑みながら答えた。
「セラは引き続き、集まった者達の応対を。シェリーはリリエルさん・・・とは限りませんが、ローデンシアの誰かとドラゴニアを巡り歩くように!」
「「えぇ!?」」
「何か不満でも?・・・あぁ、正確には『歩く』ではなく『翔ぶ』でしょうね。ふふふっ。」
何がおかしかったのかは理解出来なかった2人だが、自分の言葉に笑い出すスフィアを呆然と見つめるセラ。小さくガッツポーズしているシェリーであった。
ちなみにスフィアは明言を避けたが、本当に大変なのはシェリーである。リリエル達の飛行速度は相当なものだ。そんな相手に抱えられる形で空を翔ぶのだから、その恐怖は計り知れない。
スフィアの予想通り、シェリーはたった1日で音を上げる。とても人様には見せられないような顔でセラに泣き付き、1日交代という事で決着がついたのはセラとシェリーの秘密である。
~ ある日のシェリー ~
リリエルさん達の協力を得てから、もう何回空を飛んだ事だろう?あまりの恐怖に、私は数えるのをやめた。翔ぶなんて生易しい表現をしたのは誰だ?・・・思い出した、ポッチャリ性悪女王・・・じゃなくてスフィア様だ。
考えてみて欲しい。両脇を抱えられて、馬の数倍の速度で空中を移動する様を。自らの意志を無視した移動手段なんて、普通の人間が耐えられる行為じゃない。
初日にシシエルさんという、リリエルさんそっくりな女性に連れられて戻って来た『だんちょー』の様子。一気に10歳は老け込んでしまったように見える程、精神的疲労が感じられた。吹き出しそうなのを必死に我慢したのは私だけの秘密。
間違っても気付かれる訳にはいかない。だって・・・次の日は私の番だもん。
兎に角、もう数えるのも嫌になる程の飛行体験を経て、数えるのも嫌になる程の集落を回った。竜人族は優れた種族。そのせいで、ほとんどの竜人は街や村に住んでない。数人単位の集落で暮らしてる。少しはこっちの迷惑も考えて欲しい。・・・八つ当たりでした。
もう全部回った事にしてやろうと何度も考えた。でも、それは無理。全員がリリエルさんのように適当だったら可能だったと思うけど、そんなのはリリエルさんだけだった。シシエルさんを始め、有翼人の方々は真面目な性格だもの。もうちょっと楽に生きた方が、人生楽しいと思うのに。
それはそうと、今は少し大きな集落を案内して貰っている。ここには結婚前の女性が5人もいるらしい。・・・言ってて悲しくなってきた。だって、1つの集落に1人いればマシなんだもん。
でも結局、私の期待は裏切られた。この集落にも、お嫁さん候補はいない。勘違いしないでね?みんな美人なんだよ。でも、竜人族って変にプライドが高くて・・・スフィア様やルビア様と衝突するのが目に見えてるんだよねぇ。私みたいに、下らないプライドなんて捨てちゃえば気楽なのに。
そんな感じで、ガッカリしながら次の集落に向かおうと思ってた時だった。
「あれ?ここにいる女性は5人という話でしたよね?」
「えぇ。それがどうかしましたか?」
この集落の長に尋ねると、やはり5人との回答。でも、私の前には6人目の少女が。
「あちらの方は?ひょっとして既婚者ですか?」
「え?・・・あぁ。あの者は・・・・・。」
「勘違いしないで下さい。別に強引に連れて行くつもりはありませんから。」
「いえ、違うのです。あの娘は出来損ないでして・・・紹介するのは失礼かと思い・・・。」
何とも歯切れの悪い言葉に、私の視線は鋭さを増す。・・・ごめんなさい、言ってみたかっただけ。だって、誰も言ってくれないんだもん!そりゃ、私程度じゃ誰もそんな風には見てくれないのは理解してる・・・って今はこんな事を考えてる場合じゃなかった。
「出来損ない、ですか?」
「えぇ。仮にも竜人族だと言うのにか弱く、何より角が短いでしょう?」
スフィア様の説明では、竜人族は竜の血が流れていると言われているように、強靭な肉体を持つらしい。大柄で気の強い女性が多いのはその為なんだろう。さらには、頭に20センチ程の角が2本生えてる。でも彼女は若干小柄な上、頭の角は5センチ程度。
「確かに、他の方々とは違うようですね。それだけですか?」
「は?ま、まぁ、それだけと言われればそうですが・・・我々にとっては、何よりも大切な事なのです。」
「あ、すみません!そういうつもりで言った訳じゃないんです!!」
「いえ、他の種族の方には理解出来なくても無理はありません。」
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