181 / 258
動乱の幕開け
ライムダンジョン防衛戦1
しおりを挟む
カレンとエリドが決着を見せる少し前の事。ルークは単身ライム魔導大国へと赴いていた。目的は世界最高難易度のダンジョンを確認する事。単独で訪れた理由は勿論、敵が居るのかも定かではない場所に割く人員がいなかった為。・・・という建前である。
ルークの本音は、折角確保した拠点の位置を悟られたくないのである。別に疚しい理由あっての事ではない。単純に、何時でも嫁達から逃げられる場所を確保しておきたかったのだ。ラミスの拠点が知られてしまった以上、残るはライムにある建物のみ。何があっても死守する必要があった。
「転移ポイントって意味でも、ここは大事にしないとな。」
そんな事を呟きながら、玄関の扉に手を掛ける。しかし力を入れようとした瞬間、ルークの身に衝撃が走る。
「・・・・・ダンジョンって何処にあるんだよ!!」
そう、残念な事にライムでまともに生活を送った事は無い。そればかりか、ライム魔導大国の王都内をしっかりと散策した事が無かったのだ。国民の誰もが知るであろう事実を、ルークは知らなかったのである。
何ともお粗末な展開に、ルークは考える。知り合いに聞こう、と。しかしここでまた、更なる衝撃が襲い掛かる。
「・・・・・知り合いって言ったら、あのストーカーじゃねぇか!!」
他に商人達も居るのだが、彼等に会おうとすればもれなくレイチェルも付いて来る。いや、むしろ商人達を押しのけて来るだろう。だからこそルークは商業ギルド関係者を除外する事に決めた。
そうなると、あとは道行く一般人か冒険者ギルドである。自身の行いを鑑みて、冒険者ギルドも除外する他ない。
「日頃の行いだよな・・・別に後悔はしてないんだけど。」
こうしてルークは、アストルではなくルークとして道行く者達に尋ねる事にする。
1歩外に出ると、道にはそれなりの人数が行き来していた。これなら楽勝だとばかりに、ルークは近くを通りかかった男性に声を掛ける。
「すみません、道をお尋ねしたいのですが?」
「ん?兄ちゃん、何処へ行きたいんだ?」
「この国にあるダンジョンなんですけど・・・」
「ダンジョン?さて、オレは知らねぇな・・・。」
「そうですか。ありがとうございました。」
まぁ、こういう事もあるだろう。きっと今の人は旅の商人か何かだ。男性がニヤリとほくそ笑んだ気がしたが、そう思う事にして今度は近所のオバちゃん風の女性に声を掛ける。
「ちょっといいですか?」
「おや?どうしたんだい?」
「この国にあるダンジョンについて教えて頂きたいのですが・・・」
「ダンジョン?・・・あぁ、大昔の国王様が閉鎖したってアレだねぇ!やだよ~、あんな御伽噺を信じてるのかい?」
「お、御伽噺!?」
「そうさ。この国じゃ、子供を叱る時に言うんだよ。『悪さをすると、幻のダンジョンに連れて行かれるよ!』ってね。」
まるで何処かの国のホラーか何かのような扱いに、ルークは頭を抱える。恐らくは、聞き込みを続けても辿り着けない。こういった噂話が広まっている時点で、誰が真実を語っているのか判断出来なくなるだろう。或いは、次に話し掛けた人が知っている可能性もあるが、やはり真実を語っている保証は無いのだ。
こうなった時のルークは、誰よりも決断が早い。女性に礼を告げ、一旦拠点へと引き返した。そのままフォレスタニアへ飛ぶ。
城内を練り歩き、発見した第一使用人に声を掛けてスフィアの下へと案内して貰う。そうして訪れた執務室でスフィアに事情を説明したのだが、これにはスフィアも首を傾げた。
「私も亡くなった祖父から聞かされた程度ですから、詳しい場所までは・・・。」
「そうか・・・。なら、知っていそうな人物に心当たりは?」
「確実なのは、ライムの王族ですね。その場合、漏れなく5帝が付いて来ますが。」
「論外だな。じゃあ、ダンジョンの話も王族から?」
「はい。あ・・・カイル国王陛下なら、何かご存知かもしれませんね。ですが、幾らルークでも行ってすぐに面会は難しいと思いますよ?」
これにはルークも頷くしかない。如何に他国の王であっても、何の約束も無しにホイホイ会えるような相手ではないのだ。しかし自重を知らないルークは、強引な手段を思い付く。
「王都を襲撃したら出て来る「やめて下さい!!」・・・はい。」
何とも物騒極まりない発言を遮る形で、スフィアが止めに入る。自分でも馬鹿な事を言っている自覚のあったルークは、素直に従うのであった。
しかしそうなると、ダンジョンに関する情報を入手する手段が無い。かなり強引だが、ルークの考えを受け入れる他あるまい。そう判断したスフィアは、少しアレンジした作戦を提案した。
「いきなり襲撃ではなく、まずは脅しから入りましょう。」
「ほぉ?」
かなりわかり易い作戦に、ルークが不敵な笑みを浮かべながら続きを促す。
「正面から王城に乗り込んで下さい。そして面会が受け入れられない場合、今後エリド村周辺の魔物退治は引き受けないと言えばいいのです。それでも駄目なら・・・あとは好きにして下さい。」
「魔物退治か・・・そんなのもあったな。」
そこまで昔の事でもないのだが、ルークの記憶からは消え去っていた。しかし相手の弱みに付け込む素晴らしい作戦に、ルークは素直に感想を述べる。
「流石はスフィア。相手の弱みを突かせたら右に出る者はいないな!」
「・・・もう少し言い方を考えて頂けませんか?それでは私の性格が悪いみたいではありませんか。」
あまり良い性格ではないだろうと思ったルークであったが、そんな事まで口にする程愚かではない。苦笑いを浮かべて話題を逸らす。
「あまりのんびりもしてらんないし、早速行って来るよ!」
「・・・まぁいいです。あまりいじめないで下さいね?」
「わかってる!!」
本当にわかっているのだろうか?といった表情で見つめるスフィアから逃げるように、ルークはカイル王国の王都付近へと転移した。
転移魔法は見られないように気を遣っているものの、その後の行動はお構い無しである。王都に入る為に並ぶ時間も惜しいと、森から王城までは風魔法による飛行だ。それでいいのかと思うのだが、非常事態と自分に言い聞かせて。
空から人が振って来た事で、城門前に立っていた兵士達が驚く。
「っ!?」
「国王陛下に会いたいんだけど?」
不審者感丸出しの男が何を言い出すのかと思うが、警戒する兵士ばかりではなかった事が幸いした。
「フォレスタニア皇帝陛下!?」
「あ~、悪いんだけど・・・」
兵士の中に、ルークの事を覚えていた人物がいたのだ。しかしルークはそんな事とも知らずに事情を説明する。あまりにも一方的な要求ではあったが、内容が内容なだけに兵士も判断がつかない。慌てて城へと走り、待つ事数分。息を切らして戻って来た兵士に案内され、ルークの電撃訪問は成功を見せた。
「・・・ルークよ、年寄りをいじめるものではないぞ?」
「すみません、ちょっと緊急でして。実は・・・」
執務室へ案内されるや否や、カイル国王から小言を頂戴してしまう。申し訳ないと思いつつ、ルークは早速事情を説明した。ルークの説明を静かに聞いていたカイル国王だったが、ルークの説明が終わるとすぐに口を開く。
「事情は理解した。じゃがな・・・ルークがあの国のダンジョンへと辿り着くのは、困難と言わざるを得ん。」
「やはり陛下もご存知ないのですね?」
「いや、ワシはおおよその位置を知っておる。だからこそ、ルークには難しいと言っておるのじゃよ。」
「オレには、ですか?」
ルークでも辿り着けない、そう言われるのならば諦めもつく。無理に向かおうとは思わないし、恐らくはダンジョンが狙われる心配も無いだろう。しかしそうではない。ルークには難しいと言われたのだ。それは即ち、ルーク以外の者であれば辿り着ける事を意味している。ならば簡単に引き下がるべきではない。
そんなルークの思考が予測出来たカイル国王が理由を説明する。
「あの国の時の王はな、よりにもよってダンジョンの入り口を塞ぐ為、ダンジョンの上に王城を建てたのじゃ。」
「・・・・・ふぁ?」
カイル国王がボケたのかと思ったのだが、とてもそうは見えない。となれば自分の聞き間違いだろう。そう思ったルークは間抜けな声を上げた。そんなルークに笑みを零しながらカイル国王は説明を続ける。
「ほっほっほっ。本来ライムという国の王都は、今よりも少し内陸側にあったそうじゃ。それを、ダンジョンに蓋をするというだけの為に遷都したと言われておる。しかも、それまでの王都は跡形も無く取り壊したらしい。」
「んなアホな・・・」
「ルークの言い分も理解出来るが、そこまでする理由があったとも言える。王城を作る際に世界中から優秀な魔道士を集めた事が、魔導大国の由来と言われておる。」
普通に王城を作るだけなら、魔道士は必要無い。ならばライムの王城には何らかの秘密があるのだろう。それを知ってしまった今、やはりルークは困難な道を進む必要がある。
「ならば尚更行かなければなりませんね。」
「気持ちは理解出来るんじゃが、あの城はちと特殊らしくての・・・通常よりも遥かに頑強な素材じゃと言われておる。ちょっとやそっとじゃ壊れんと思うぞ?」
杞憂ではないかと言いた気なカイル国王だったが、それでもルークは安心出来ない。優秀な魔道士達の粋を集めた傑作とは言え、所詮不滅など有り得ない。形がある以上、いずれは壊れるのだ。例え壊れないとしても、指を咥えて見ている訳にもいかないのである。
「だとしても、自分の目で確認するまでは安心出来ませんよ。」
「それもそうじゃの・・・」
「因みにですが、王城から街まではすぐですか?街から城なんて見えなかったんですが・・・。」
面倒を避ける為、徹底的に王城を避けていたルークは一切の知識を持ち合わせない。その為の質問だったのだが、これには予想外の答えが返って来る。
「いいや、あの国の城は特殊じゃ。街から城が見えなかったのも無理はない。王都から城までは、5つの城壁によって隔絶されておる。その城門を守護するのが5帝なのじゃよ。城門同士も離れておるからのぉ。」
「ここで出て来るのかよ・・・」
もっと違う場所にたむろしていると思っていたルークが項垂れる。面倒な場所に面倒な相手が陣取っているのだから、そうなるのも仕方がないと言えるだろう。
街まで離れているのであれば、ダンジョンが解放されても問題無いのでは?一瞬そう考えたルークであったが、すぐに首を振ってカイル国王へ相談する事を決めたのだった。
ルークの本音は、折角確保した拠点の位置を悟られたくないのである。別に疚しい理由あっての事ではない。単純に、何時でも嫁達から逃げられる場所を確保しておきたかったのだ。ラミスの拠点が知られてしまった以上、残るはライムにある建物のみ。何があっても死守する必要があった。
「転移ポイントって意味でも、ここは大事にしないとな。」
そんな事を呟きながら、玄関の扉に手を掛ける。しかし力を入れようとした瞬間、ルークの身に衝撃が走る。
「・・・・・ダンジョンって何処にあるんだよ!!」
そう、残念な事にライムでまともに生活を送った事は無い。そればかりか、ライム魔導大国の王都内をしっかりと散策した事が無かったのだ。国民の誰もが知るであろう事実を、ルークは知らなかったのである。
何ともお粗末な展開に、ルークは考える。知り合いに聞こう、と。しかしここでまた、更なる衝撃が襲い掛かる。
「・・・・・知り合いって言ったら、あのストーカーじゃねぇか!!」
他に商人達も居るのだが、彼等に会おうとすればもれなくレイチェルも付いて来る。いや、むしろ商人達を押しのけて来るだろう。だからこそルークは商業ギルド関係者を除外する事に決めた。
そうなると、あとは道行く一般人か冒険者ギルドである。自身の行いを鑑みて、冒険者ギルドも除外する他ない。
「日頃の行いだよな・・・別に後悔はしてないんだけど。」
こうしてルークは、アストルではなくルークとして道行く者達に尋ねる事にする。
1歩外に出ると、道にはそれなりの人数が行き来していた。これなら楽勝だとばかりに、ルークは近くを通りかかった男性に声を掛ける。
「すみません、道をお尋ねしたいのですが?」
「ん?兄ちゃん、何処へ行きたいんだ?」
「この国にあるダンジョンなんですけど・・・」
「ダンジョン?さて、オレは知らねぇな・・・。」
「そうですか。ありがとうございました。」
まぁ、こういう事もあるだろう。きっと今の人は旅の商人か何かだ。男性がニヤリとほくそ笑んだ気がしたが、そう思う事にして今度は近所のオバちゃん風の女性に声を掛ける。
「ちょっといいですか?」
「おや?どうしたんだい?」
「この国にあるダンジョンについて教えて頂きたいのですが・・・」
「ダンジョン?・・・あぁ、大昔の国王様が閉鎖したってアレだねぇ!やだよ~、あんな御伽噺を信じてるのかい?」
「お、御伽噺!?」
「そうさ。この国じゃ、子供を叱る時に言うんだよ。『悪さをすると、幻のダンジョンに連れて行かれるよ!』ってね。」
まるで何処かの国のホラーか何かのような扱いに、ルークは頭を抱える。恐らくは、聞き込みを続けても辿り着けない。こういった噂話が広まっている時点で、誰が真実を語っているのか判断出来なくなるだろう。或いは、次に話し掛けた人が知っている可能性もあるが、やはり真実を語っている保証は無いのだ。
こうなった時のルークは、誰よりも決断が早い。女性に礼を告げ、一旦拠点へと引き返した。そのままフォレスタニアへ飛ぶ。
城内を練り歩き、発見した第一使用人に声を掛けてスフィアの下へと案内して貰う。そうして訪れた執務室でスフィアに事情を説明したのだが、これにはスフィアも首を傾げた。
「私も亡くなった祖父から聞かされた程度ですから、詳しい場所までは・・・。」
「そうか・・・。なら、知っていそうな人物に心当たりは?」
「確実なのは、ライムの王族ですね。その場合、漏れなく5帝が付いて来ますが。」
「論外だな。じゃあ、ダンジョンの話も王族から?」
「はい。あ・・・カイル国王陛下なら、何かご存知かもしれませんね。ですが、幾らルークでも行ってすぐに面会は難しいと思いますよ?」
これにはルークも頷くしかない。如何に他国の王であっても、何の約束も無しにホイホイ会えるような相手ではないのだ。しかし自重を知らないルークは、強引な手段を思い付く。
「王都を襲撃したら出て来る「やめて下さい!!」・・・はい。」
何とも物騒極まりない発言を遮る形で、スフィアが止めに入る。自分でも馬鹿な事を言っている自覚のあったルークは、素直に従うのであった。
しかしそうなると、ダンジョンに関する情報を入手する手段が無い。かなり強引だが、ルークの考えを受け入れる他あるまい。そう判断したスフィアは、少しアレンジした作戦を提案した。
「いきなり襲撃ではなく、まずは脅しから入りましょう。」
「ほぉ?」
かなりわかり易い作戦に、ルークが不敵な笑みを浮かべながら続きを促す。
「正面から王城に乗り込んで下さい。そして面会が受け入れられない場合、今後エリド村周辺の魔物退治は引き受けないと言えばいいのです。それでも駄目なら・・・あとは好きにして下さい。」
「魔物退治か・・・そんなのもあったな。」
そこまで昔の事でもないのだが、ルークの記憶からは消え去っていた。しかし相手の弱みに付け込む素晴らしい作戦に、ルークは素直に感想を述べる。
「流石はスフィア。相手の弱みを突かせたら右に出る者はいないな!」
「・・・もう少し言い方を考えて頂けませんか?それでは私の性格が悪いみたいではありませんか。」
あまり良い性格ではないだろうと思ったルークであったが、そんな事まで口にする程愚かではない。苦笑いを浮かべて話題を逸らす。
「あまりのんびりもしてらんないし、早速行って来るよ!」
「・・・まぁいいです。あまりいじめないで下さいね?」
「わかってる!!」
本当にわかっているのだろうか?といった表情で見つめるスフィアから逃げるように、ルークはカイル王国の王都付近へと転移した。
転移魔法は見られないように気を遣っているものの、その後の行動はお構い無しである。王都に入る為に並ぶ時間も惜しいと、森から王城までは風魔法による飛行だ。それでいいのかと思うのだが、非常事態と自分に言い聞かせて。
空から人が振って来た事で、城門前に立っていた兵士達が驚く。
「っ!?」
「国王陛下に会いたいんだけど?」
不審者感丸出しの男が何を言い出すのかと思うが、警戒する兵士ばかりではなかった事が幸いした。
「フォレスタニア皇帝陛下!?」
「あ~、悪いんだけど・・・」
兵士の中に、ルークの事を覚えていた人物がいたのだ。しかしルークはそんな事とも知らずに事情を説明する。あまりにも一方的な要求ではあったが、内容が内容なだけに兵士も判断がつかない。慌てて城へと走り、待つ事数分。息を切らして戻って来た兵士に案内され、ルークの電撃訪問は成功を見せた。
「・・・ルークよ、年寄りをいじめるものではないぞ?」
「すみません、ちょっと緊急でして。実は・・・」
執務室へ案内されるや否や、カイル国王から小言を頂戴してしまう。申し訳ないと思いつつ、ルークは早速事情を説明した。ルークの説明を静かに聞いていたカイル国王だったが、ルークの説明が終わるとすぐに口を開く。
「事情は理解した。じゃがな・・・ルークがあの国のダンジョンへと辿り着くのは、困難と言わざるを得ん。」
「やはり陛下もご存知ないのですね?」
「いや、ワシはおおよその位置を知っておる。だからこそ、ルークには難しいと言っておるのじゃよ。」
「オレには、ですか?」
ルークでも辿り着けない、そう言われるのならば諦めもつく。無理に向かおうとは思わないし、恐らくはダンジョンが狙われる心配も無いだろう。しかしそうではない。ルークには難しいと言われたのだ。それは即ち、ルーク以外の者であれば辿り着ける事を意味している。ならば簡単に引き下がるべきではない。
そんなルークの思考が予測出来たカイル国王が理由を説明する。
「あの国の時の王はな、よりにもよってダンジョンの入り口を塞ぐ為、ダンジョンの上に王城を建てたのじゃ。」
「・・・・・ふぁ?」
カイル国王がボケたのかと思ったのだが、とてもそうは見えない。となれば自分の聞き間違いだろう。そう思ったルークは間抜けな声を上げた。そんなルークに笑みを零しながらカイル国王は説明を続ける。
「ほっほっほっ。本来ライムという国の王都は、今よりも少し内陸側にあったそうじゃ。それを、ダンジョンに蓋をするというだけの為に遷都したと言われておる。しかも、それまでの王都は跡形も無く取り壊したらしい。」
「んなアホな・・・」
「ルークの言い分も理解出来るが、そこまでする理由があったとも言える。王城を作る際に世界中から優秀な魔道士を集めた事が、魔導大国の由来と言われておる。」
普通に王城を作るだけなら、魔道士は必要無い。ならばライムの王城には何らかの秘密があるのだろう。それを知ってしまった今、やはりルークは困難な道を進む必要がある。
「ならば尚更行かなければなりませんね。」
「気持ちは理解出来るんじゃが、あの城はちと特殊らしくての・・・通常よりも遥かに頑強な素材じゃと言われておる。ちょっとやそっとじゃ壊れんと思うぞ?」
杞憂ではないかと言いた気なカイル国王だったが、それでもルークは安心出来ない。優秀な魔道士達の粋を集めた傑作とは言え、所詮不滅など有り得ない。形がある以上、いずれは壊れるのだ。例え壊れないとしても、指を咥えて見ている訳にもいかないのである。
「だとしても、自分の目で確認するまでは安心出来ませんよ。」
「それもそうじゃの・・・」
「因みにですが、王城から街まではすぐですか?街から城なんて見えなかったんですが・・・。」
面倒を避ける為、徹底的に王城を避けていたルークは一切の知識を持ち合わせない。その為の質問だったのだが、これには予想外の答えが返って来る。
「いいや、あの国の城は特殊じゃ。街から城が見えなかったのも無理はない。王都から城までは、5つの城壁によって隔絶されておる。その城門を守護するのが5帝なのじゃよ。城門同士も離れておるからのぉ。」
「ここで出て来るのかよ・・・」
もっと違う場所にたむろしていると思っていたルークが項垂れる。面倒な場所に面倒な相手が陣取っているのだから、そうなるのも仕方がないと言えるだろう。
街まで離れているのであれば、ダンジョンが解放されても問題無いのでは?一瞬そう考えたルークであったが、すぐに首を振ってカイル国王へ相談する事を決めたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方
tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。
しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。
追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが?
どうなる俺の田舎でのスローライフ???
【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜
伽羅
ファンタジー
事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。
しかも王子だって!?
けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。
助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。
以前、投稿していた作品を加筆修正しています。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる