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フォレスタニア調査隊
枢機卿と女神
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~第二部~
ラミス神国にあるイース教の支部。ここはイース教のトップである枢機卿の1人が管理する建物。非常に質素な外観の礼拝堂とは真逆の、絢爛豪華な一室にいるのがそのトップ。彼女は帳簿と向き合い、何やら必死に計算を行っていた。
見た目20台前半といった年齢だが、実際は40歳に程近い。非の打ち所が無い容姿の彼女は、自らの美貌を武器に信者を集めた。下心満載の男達を誑かし、あらゆる手を用いてイース教へと引きずり込む。獲得信者数はダントツの歴代1位。
普通の宗教団体とは異なる為、結果が全てのイース教においては彼女が実質のトップである。本来であれば正真正銘のトップに君臨出来るのだが、計算高い彼女はそれを選ばなかった。
犯罪組織が実体である以上、トップは確実に命を狙われる。だからこそトップは不要だと、他の枢機卿を説き伏せたのだ。だがこれには他の側面もある。
一般的な悪党というものは、例外なく地位や権力を欲する。つまり、相手を蹴落としてでも頂点に登り詰めようとする輩が多いのだ。外部の者だけでなく内部からも命を狙われる危険性を考えると、そのポストを用意しない方が良い。
絶対的な権力は得られないが、それでも有り余る程の力は手にする事が出来るのだ。そして彼女が望むのは権力などではない。言わば権力の源泉とでも言うべき物の1つである。
そんな彼女の目の前に、突如姿を現した者がいた。
「貴女は今日も金勘定なのかしら・・・ルイゼ?」
「カナン様・・・当然でしょ!?世の中金が全て!金さえあれば何だって買えるわ!!」
「はいはい。」
「私が愛するのは金!信じられるのも金よ!!」
「わかったから少し落ち着きなさい?」
残念なものを見るような女神カナンだったが、まずは落ち着かせようとする。だがそれは、相手を気遣ってのものではない。枢機卿であるルイゼが声を荒げれば、心配した信者達が押しかける。あまり姿を見せたくはないカナンにとって、それは好ましくない状況なのだ。
「・・・失礼しました。所で何の御用です?」
「そろそろ異世界の人間達を確保すべく動きがあるはずよ。」
「そうですか。では予定通り、私はここを離れます。しかし良いのですか?いくらお荷物とは言え、一応貴女の契約者でしょう?」
「えぇ、だからこそよ。甘っちょろい神域の連中は、被害者達を排除する事が出来ない。むしろ必死に保護してくれるはずよ。私の大切な契約者達を・・・ね?」
「あの者達が死ぬまでの数十年間、貴女はこの世界で自由に生きられる・・・ですか。私も簡単には見つからない自身がありますからね。それで?その時間を使って、何をするつもりか伺っても?」
ルイゼ枢機卿はより多くの金を得られると考え、女神カナンとの契約を行った。そして女神監修の下、異世界召喚を実行したのだ。正確には代行である。どれだけの知識、絶大なる魔力を保有していようと、異世界召喚は神以外には不可能。これは最高神アークによって防がれているからなのだが、異世界転移を行える上級神ならば召喚も可能なのだ。
カナン自らが行わなかった理由は単純、アークによって禁じられているからである。しかしアークが禁止しているのは神の手による異世界召喚。人間であるルイゼ枢機卿までは、追求の手が及ぶ事はないのだ。
自らの意志で女神カナンに手を貸したルイゼ枢機卿だが、彼女も女神の計画は知らない。彼女は女神カナンの祝福を得る事を対価に、協力しているに過ぎなかった。
加護よりも若干効果の劣る祝福ではあるが、神々の中でも上位に位置するカナンの祝福となれば効果は絶大である。そしてそれは、戦闘とは関わり合いの無い方面に作用していた。お陰でルークは非常に苦労させられる事となるが、それはずっと先の話である。
それはともかく、ルイゼ枢機卿の質問に対して素直に答えるはずもない。女神カナンは言葉を選びつつ、ある程度の情報は与えるべきだと判断した。
「まずは協力者を集めるわ。」
「・・・アテがあるのですか?」
「えぇ。まずは、まつろわぬ民達よ。」
「まつろわぬ民?国に従わないという意味ですか?それとも神に?」
女神カナンの言う協力者だが、実はそれなりの数に登る。しかし人々の歴史とは交わる事が無かった為、ルイゼ枢機卿にはわからなかった。そしてカナンも全てを教えるような真似はしない。
「どちらにも、といった所かしら?この大陸の者達が把握していない種族が結構あるのよ。」
「知らない種族ですか・・・やはり女なんですよね?」
「当たり前じゃない!嫌よ、男なんて!!あんな野蛮で汚らわしい生き物、さっさと滅びればいいのよ!」
「い、いや・・・カナン様はその『男』を手に入れる為に動いているんですよね?」
突然癇癪を起こした女神に呆れながらも、彼女の最終目的を確認する。大の男嫌いの目的が男なのだから、どう反応すれば良いのか困るのも無理はない。
「勘違いしないで。私が欲しいのは権力を持ったいい男よ。最高神は逃したけど、お陰でもっといい物件にありつけそうなの。あぁ、楽しみだわぁ!徹底的に心を壊して、私無しでは生きられないようにするの!!そうすれば全てが私の思うがままよ!」
「・・・・・。」
女神カナンとの付き合いは短いのだが、それでもルイゼ枢機卿は知っている。この女神が壊れている事を。事情は一切知らないが、だからと言ってその事実が変わる訳でもない。だからこその無言である。この藪は突くには大きすぎるのだ。恐らく突いて出て来るのは、蛇ではなく竜だろう。
ルイゼ枢機卿としては、聞きたい事が山ほどあった。知られていない種族もだが、何より気になったのは最高神よりも良い物件と言った意図だろう。国王を掴まえて、その国王の上に立つと言うようなものだ。つまりは実質的な国王ではないのか、と思うのが普通である。
気にはなるが、聞くのは怖い。そう考えたルイゼ枢機卿の取るべき選択肢は1つである。大好きな金勘定だ。女神が戻って来るまでの時間を有効活用しようとした。そして実に十数分もの間、目の前の女神は自分の世界から帰って来なかった。
「・・・取り乱したわ。」
「それは妄想と言うんですよ?」
「「・・・・・。」」
あまりにも的確な指摘だった為、指摘された側は言葉を失う。一方の指摘した側も、目上に対して失言だったと思い至り言葉を失う。結果的に、お互い話題を変えるという結論に達したのだった。
「まずは何人か連れて来るから、ルイゼにはその者達の教育を任せるわ。」
「教育ですか?」
「えぇ。この大陸の常識を叩き込んで頂戴。それが済んだら私のルークの下へ送り込んで欲しいのよ。」
「なるほど、帝国の情報をこちらに流すのですね。」
「違うわ。協力させるのよ。」
「・・・は?」
ルイゼ枢機卿が理解出来なかったのも無理はない。普通自分の手の者を送り込むと言えばスパイである。だがそうではなく、単なる人材派遣と言われたのだ。思わず聞き返す事となるが、女神はニヤリと笑みを浮かべる。
「あそこにスパイを送り込むのは愚策よ。すぐに気付かれるわ。だから終始協力者という立場を貫く人材を送り込むの。」
「貴重な協力者を、みすみす敵にくれてやるのですか?」
「そう。無論意図があっての事よ?」
「教えて頂けるんですよね?」
「ふふふっ。いい?この大陸には存在しない種族が目の前に現れたら、向こうは確実に警戒するわ。そしてすぐに私との繋がりに気付く。当然、必死に情報を集めようとするでしょうね。」
当たり前の考えなので、ルイゼは無言で頷きを返す。
「尻尾を掴むまで、向こうは下手に身動きが取れなくなるわよね?でも、早い段階で尻尾が無い事に気付かれるはず。当然よね、最初から無いんだもの。そのタイミングで新たな種族を送り込むの。」
「それは・・・時間稼ぎという事ですか?」
「そうとも言えるし、違うとも言える。」
「?」
「私の目的を深読みして、神々がひた隠しにする事実に辿り着くはずよ。そうなれば、私のルークは神々と敵対するでしょうね。つまり、敵の敵は味方という事よ。」
「因みに、その事実とは何です?」
女神カナンを信用していない訳ではないが、事情を知らないせいで判断出来ない。ここだけは素直に聞いておくべきだと判断し、思い切って質問を投げ掛けた。
「耳を貸しなさい。実はこの・・・は・・・で・・・・・」
「は?・・・え?・・・っ!?」
他に聞いている者などいないのだが、こういった話は小声でするのがお約束である。そしてルイゼが想像するよりも遥かに壮大かつ突拍子もない話だった為、徐々に言葉を失って行った。
「どう?驚いたでしょう?」
「いや、驚きましたけど・・・私が聞いても良かったのですか?」
「別にいいでしょ。でも、誰にも言わない方がいいわ。もしこの話が広まれば、必ずルイゼに辿り着くはずだもの。」
「えぇ、それは誰よりも理解しております。それに、誰も信じてくれませんよ。」
「まぁそうでしょうね。とりあえず私は行くから、教育の件はお願いね?」
「わかりました。」
「・・・さて。さっさと移動するのは当然だけど、この支部はもう使えないわね。いいえ、支部以外の拠点も確保しておきましょうか。はぁ・・・散財だわ。」
用は済んだとばかりに消えてしまったカナン。てっきり帳簿の確認に戻るものかと思いきや、突然部屋中の荷物を収納し始めたルイゼ。のんびりしている時間は無いのだ。すぐに移動しなければ、ルーク側の誰かと鉢合わせするかもしれない。実際には数日の余裕はありそうだが、それはあくまで希望的観測。
戦闘面ではからっきしの彼女が現在の地位にある理由もまた、その素早い行動にあった。たったの数十分で拠点を移動したルイゼ枢機卿の存在を確認する事なく、シルフィは異世界召喚された者達と接触する事となる。
この後、ルイゼ枢機卿が必死に資金調達に走った事を知る者は少ない。
ラミス神国にあるイース教の支部。ここはイース教のトップである枢機卿の1人が管理する建物。非常に質素な外観の礼拝堂とは真逆の、絢爛豪華な一室にいるのがそのトップ。彼女は帳簿と向き合い、何やら必死に計算を行っていた。
見た目20台前半といった年齢だが、実際は40歳に程近い。非の打ち所が無い容姿の彼女は、自らの美貌を武器に信者を集めた。下心満載の男達を誑かし、あらゆる手を用いてイース教へと引きずり込む。獲得信者数はダントツの歴代1位。
普通の宗教団体とは異なる為、結果が全てのイース教においては彼女が実質のトップである。本来であれば正真正銘のトップに君臨出来るのだが、計算高い彼女はそれを選ばなかった。
犯罪組織が実体である以上、トップは確実に命を狙われる。だからこそトップは不要だと、他の枢機卿を説き伏せたのだ。だがこれには他の側面もある。
一般的な悪党というものは、例外なく地位や権力を欲する。つまり、相手を蹴落としてでも頂点に登り詰めようとする輩が多いのだ。外部の者だけでなく内部からも命を狙われる危険性を考えると、そのポストを用意しない方が良い。
絶対的な権力は得られないが、それでも有り余る程の力は手にする事が出来るのだ。そして彼女が望むのは権力などではない。言わば権力の源泉とでも言うべき物の1つである。
そんな彼女の目の前に、突如姿を現した者がいた。
「貴女は今日も金勘定なのかしら・・・ルイゼ?」
「カナン様・・・当然でしょ!?世の中金が全て!金さえあれば何だって買えるわ!!」
「はいはい。」
「私が愛するのは金!信じられるのも金よ!!」
「わかったから少し落ち着きなさい?」
残念なものを見るような女神カナンだったが、まずは落ち着かせようとする。だがそれは、相手を気遣ってのものではない。枢機卿であるルイゼが声を荒げれば、心配した信者達が押しかける。あまり姿を見せたくはないカナンにとって、それは好ましくない状況なのだ。
「・・・失礼しました。所で何の御用です?」
「そろそろ異世界の人間達を確保すべく動きがあるはずよ。」
「そうですか。では予定通り、私はここを離れます。しかし良いのですか?いくらお荷物とは言え、一応貴女の契約者でしょう?」
「えぇ、だからこそよ。甘っちょろい神域の連中は、被害者達を排除する事が出来ない。むしろ必死に保護してくれるはずよ。私の大切な契約者達を・・・ね?」
「あの者達が死ぬまでの数十年間、貴女はこの世界で自由に生きられる・・・ですか。私も簡単には見つからない自身がありますからね。それで?その時間を使って、何をするつもりか伺っても?」
ルイゼ枢機卿はより多くの金を得られると考え、女神カナンとの契約を行った。そして女神監修の下、異世界召喚を実行したのだ。正確には代行である。どれだけの知識、絶大なる魔力を保有していようと、異世界召喚は神以外には不可能。これは最高神アークによって防がれているからなのだが、異世界転移を行える上級神ならば召喚も可能なのだ。
カナン自らが行わなかった理由は単純、アークによって禁じられているからである。しかしアークが禁止しているのは神の手による異世界召喚。人間であるルイゼ枢機卿までは、追求の手が及ぶ事はないのだ。
自らの意志で女神カナンに手を貸したルイゼ枢機卿だが、彼女も女神の計画は知らない。彼女は女神カナンの祝福を得る事を対価に、協力しているに過ぎなかった。
加護よりも若干効果の劣る祝福ではあるが、神々の中でも上位に位置するカナンの祝福となれば効果は絶大である。そしてそれは、戦闘とは関わり合いの無い方面に作用していた。お陰でルークは非常に苦労させられる事となるが、それはずっと先の話である。
それはともかく、ルイゼ枢機卿の質問に対して素直に答えるはずもない。女神カナンは言葉を選びつつ、ある程度の情報は与えるべきだと判断した。
「まずは協力者を集めるわ。」
「・・・アテがあるのですか?」
「えぇ。まずは、まつろわぬ民達よ。」
「まつろわぬ民?国に従わないという意味ですか?それとも神に?」
女神カナンの言う協力者だが、実はそれなりの数に登る。しかし人々の歴史とは交わる事が無かった為、ルイゼ枢機卿にはわからなかった。そしてカナンも全てを教えるような真似はしない。
「どちらにも、といった所かしら?この大陸の者達が把握していない種族が結構あるのよ。」
「知らない種族ですか・・・やはり女なんですよね?」
「当たり前じゃない!嫌よ、男なんて!!あんな野蛮で汚らわしい生き物、さっさと滅びればいいのよ!」
「い、いや・・・カナン様はその『男』を手に入れる為に動いているんですよね?」
突然癇癪を起こした女神に呆れながらも、彼女の最終目的を確認する。大の男嫌いの目的が男なのだから、どう反応すれば良いのか困るのも無理はない。
「勘違いしないで。私が欲しいのは権力を持ったいい男よ。最高神は逃したけど、お陰でもっといい物件にありつけそうなの。あぁ、楽しみだわぁ!徹底的に心を壊して、私無しでは生きられないようにするの!!そうすれば全てが私の思うがままよ!」
「・・・・・。」
女神カナンとの付き合いは短いのだが、それでもルイゼ枢機卿は知っている。この女神が壊れている事を。事情は一切知らないが、だからと言ってその事実が変わる訳でもない。だからこその無言である。この藪は突くには大きすぎるのだ。恐らく突いて出て来るのは、蛇ではなく竜だろう。
ルイゼ枢機卿としては、聞きたい事が山ほどあった。知られていない種族もだが、何より気になったのは最高神よりも良い物件と言った意図だろう。国王を掴まえて、その国王の上に立つと言うようなものだ。つまりは実質的な国王ではないのか、と思うのが普通である。
気にはなるが、聞くのは怖い。そう考えたルイゼ枢機卿の取るべき選択肢は1つである。大好きな金勘定だ。女神が戻って来るまでの時間を有効活用しようとした。そして実に十数分もの間、目の前の女神は自分の世界から帰って来なかった。
「・・・取り乱したわ。」
「それは妄想と言うんですよ?」
「「・・・・・。」」
あまりにも的確な指摘だった為、指摘された側は言葉を失う。一方の指摘した側も、目上に対して失言だったと思い至り言葉を失う。結果的に、お互い話題を変えるという結論に達したのだった。
「まずは何人か連れて来るから、ルイゼにはその者達の教育を任せるわ。」
「教育ですか?」
「えぇ。この大陸の常識を叩き込んで頂戴。それが済んだら私のルークの下へ送り込んで欲しいのよ。」
「なるほど、帝国の情報をこちらに流すのですね。」
「違うわ。協力させるのよ。」
「・・・は?」
ルイゼ枢機卿が理解出来なかったのも無理はない。普通自分の手の者を送り込むと言えばスパイである。だがそうではなく、単なる人材派遣と言われたのだ。思わず聞き返す事となるが、女神はニヤリと笑みを浮かべる。
「あそこにスパイを送り込むのは愚策よ。すぐに気付かれるわ。だから終始協力者という立場を貫く人材を送り込むの。」
「貴重な協力者を、みすみす敵にくれてやるのですか?」
「そう。無論意図があっての事よ?」
「教えて頂けるんですよね?」
「ふふふっ。いい?この大陸には存在しない種族が目の前に現れたら、向こうは確実に警戒するわ。そしてすぐに私との繋がりに気付く。当然、必死に情報を集めようとするでしょうね。」
当たり前の考えなので、ルイゼは無言で頷きを返す。
「尻尾を掴むまで、向こうは下手に身動きが取れなくなるわよね?でも、早い段階で尻尾が無い事に気付かれるはず。当然よね、最初から無いんだもの。そのタイミングで新たな種族を送り込むの。」
「それは・・・時間稼ぎという事ですか?」
「そうとも言えるし、違うとも言える。」
「?」
「私の目的を深読みして、神々がひた隠しにする事実に辿り着くはずよ。そうなれば、私のルークは神々と敵対するでしょうね。つまり、敵の敵は味方という事よ。」
「因みに、その事実とは何です?」
女神カナンを信用していない訳ではないが、事情を知らないせいで判断出来ない。ここだけは素直に聞いておくべきだと判断し、思い切って質問を投げ掛けた。
「耳を貸しなさい。実はこの・・・は・・・で・・・・・」
「は?・・・え?・・・っ!?」
他に聞いている者などいないのだが、こういった話は小声でするのがお約束である。そしてルイゼが想像するよりも遥かに壮大かつ突拍子もない話だった為、徐々に言葉を失って行った。
「どう?驚いたでしょう?」
「いや、驚きましたけど・・・私が聞いても良かったのですか?」
「別にいいでしょ。でも、誰にも言わない方がいいわ。もしこの話が広まれば、必ずルイゼに辿り着くはずだもの。」
「えぇ、それは誰よりも理解しております。それに、誰も信じてくれませんよ。」
「まぁそうでしょうね。とりあえず私は行くから、教育の件はお願いね?」
「わかりました。」
「・・・さて。さっさと移動するのは当然だけど、この支部はもう使えないわね。いいえ、支部以外の拠点も確保しておきましょうか。はぁ・・・散財だわ。」
用は済んだとばかりに消えてしまったカナン。てっきり帳簿の確認に戻るものかと思いきや、突然部屋中の荷物を収納し始めたルイゼ。のんびりしている時間は無いのだ。すぐに移動しなければ、ルーク側の誰かと鉢合わせするかもしれない。実際には数日の余裕はありそうだが、それはあくまで希望的観測。
戦闘面ではからっきしの彼女が現在の地位にある理由もまた、その素早い行動にあった。たったの数十分で拠点を移動したルイゼ枢機卿の存在を確認する事なく、シルフィは異世界召喚された者達と接触する事となる。
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