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企業提携
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ダルナンとの話は、驚くべきスピードで進んだ。
かなりアンシェルに有利な企業提携となった。
ちなみに企業提携とは、資本提携と業務提携があるが、アンシェルがダルナンに求めたのは業務提携が中心である。
何せもう、彼女の祖父母は、唸るほど金のあるマルカネン商会(マルカネン子爵)だから、資金面は心配ないのだ。勿論、利息付きの借り入れはするけれど、商売は線引きも必要だしね。
資本提携とは、企業が他の企業の株式を取得または相互に持ち合うことで、経営権の移転を伴わずに強固な協力関係を築く手法。
業務提携とは、複数の企業が資本の移動を伴わずに、技術・人材・販売網などの経営資源を相互に提供し合い、共同で事業を行う協力関係のこと。
独立性を維持しながら、単独では困難な新規事業の立ち上げ、販売力強化、生産効率化などを比較的低リスクで実現する経営戦略。
アンシェルが求めたのは、技術の保護と販売先の選定だ。
革新的な物を作っても、技術を盗用され更に武器に転用されるのは最悪である。
技術は人の手の及ぶ範囲で、責任の取れる速度が重要だとアンシェルは考えていた。
だからこそ、ダルナンに保護を求めた。発明品が他用されないように。権力の差で逆らえずに奪われないように。本音は利益は二の次で良いのだ。
「なあ、アンシェル。利益は俺にとっては重要ではない。国からの年金や貯蓄があるので、自分の生活は困らないしな。
ただ未来のあるブルーノとリーネの為に、何か残せればと思う程度だ。だから利益管理はそちらに任せたい。
そして販売責任者はこちらに任せろ。使用意図や転用、他用しそうな者には売らないようにしよう。さらに商品にギミックを付けることが出来る、有能なのがいるから紹介しよう。
技術面は、優秀な錬金術師がいるから安心だしな。
ああ。勿論ギミック職人にも、秘密保持の魔法をかけて良いぞ」
「それはありがたいです。技術保護は危険を防ぐことにも繋がりますから、是非ご紹介をお願いします。そして利益分配もダルナン様の指示通りで。でもこちらに有利過ぎますから、1年毎に見直しに致しましょう」
「欲がないな。では、そうしよう。俺が言うことじゃないが、リーネとネルフィスを頼んだよ。任務を受けて遠方にいた時に、可哀想な思いをさせたみたいだから」
「はい、必ず。幸せに致しますわ、お任せを」
「頼もしいな。ありがとう」
そう言って握手し、微笑みながら契約は結ばれた。周囲にいたみんなも頷き、嬉しそうだった。
◇◇◇
ギミック職人の正体は、発破技師に育てられた孤児達だった。その発破技師は鉱山で働いていたが、雇い主にさんざん酷使されたあげく山崩れの責任を押し付けられ捕まえられたそうだ。
当然のように罪人になった養父は捕まり、孤児達は路頭に迷った。それを引き取ったのがダルナン。そしてその養父も、獄中で死んだことにして引き取ったと言う。正に権力の賜物(濫用とは言わないわよ)だ。
「ダルナン様には感謝しております。私だけでなく、子供達の命も救われました」
そう言われ忠誠を誓われたダルナンだが、彼はただ 「有能な人材を引き抜いただけだ」 と笑ったそうだ。
鉱山の側には娼館が乱立し、誤って子供が生まれると捨てられていたと言う。拙いながら発破技師は、同じ(それよりもっと酷い)境遇の子を見捨てられず、日中はお金を出して面倒をみてくれる人を雇い、細々と暮らしていたそうだ。
娼館の周囲には魚屋も八百屋、肉屋、銭湯や小さいながらも宝飾店もあった。そこの店主や夫人が手を貸し、売り子に手伝いを許したらしい。
ただ裕福な生活ではないから、援助なんて雀の涙のようなものだったけれど。
それでもみんな、お人好しの発破技師が好きだった。ただ権力者には逆らえず、批判もできずに悔しがるしか出来なかった。
そんな腕の良い技術者の弟子になった子供達は今、ダルナンの下で働いている。
◇◇◇
後日契約を結んだ際、例の鉱山崩落の当時者を(賄賂を貰って)庇い、発破技師に罪を着せようとしたのが、ダルサミレ様の姉、ミゼラ様の子の現大公レテン様だったらしい。
本当に余計なことしかしないものだ。
(ああ。だから余計に、ダルナン様はダルサミレ様だけでなく、ミゼラ様やレテン大公も嫌いなんだわ。私も冤罪野郎は許せないし!)
「照明や機械類なら、分解しようと内部を開けようとした際に、機械の基盤が少量の熱反応で溶けるようにしましょう。破損しないように錬金術もかかるでしょうが、保険的な感じで弄りましょう」
「良いのですか? そんな繊細な仕事を頼んでも?」
「勿論ですよ、何でも言って下さい。後は父と同じように、発破技師の仕事もお任せ下さい。今のところ人は爆破してませんが、悪人ならばやりますよ♪」
発破技師の養子の一人ロッドは、日に焼けて歯だけが輝る美丈夫だった。
「人の方はまだ良いですわ。でも、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
冗談?を言いながらも、無事にギミック職人との契約も無事に結ばれた。
そんな感じで眼鏡の発売と、ガラス窓の発売を開始することが決まったアンシェル達の商会。
その一方で。
ネルフィスの抜けたキャメロン公爵家とシベナッシー伯爵家は、借金が積み上がっていると言う。
主に女性達の宝飾品で。
かなりアンシェルに有利な企業提携となった。
ちなみに企業提携とは、資本提携と業務提携があるが、アンシェルがダルナンに求めたのは業務提携が中心である。
何せもう、彼女の祖父母は、唸るほど金のあるマルカネン商会(マルカネン子爵)だから、資金面は心配ないのだ。勿論、利息付きの借り入れはするけれど、商売は線引きも必要だしね。
資本提携とは、企業が他の企業の株式を取得または相互に持ち合うことで、経営権の移転を伴わずに強固な協力関係を築く手法。
業務提携とは、複数の企業が資本の移動を伴わずに、技術・人材・販売網などの経営資源を相互に提供し合い、共同で事業を行う協力関係のこと。
独立性を維持しながら、単独では困難な新規事業の立ち上げ、販売力強化、生産効率化などを比較的低リスクで実現する経営戦略。
アンシェルが求めたのは、技術の保護と販売先の選定だ。
革新的な物を作っても、技術を盗用され更に武器に転用されるのは最悪である。
技術は人の手の及ぶ範囲で、責任の取れる速度が重要だとアンシェルは考えていた。
だからこそ、ダルナンに保護を求めた。発明品が他用されないように。権力の差で逆らえずに奪われないように。本音は利益は二の次で良いのだ。
「なあ、アンシェル。利益は俺にとっては重要ではない。国からの年金や貯蓄があるので、自分の生活は困らないしな。
ただ未来のあるブルーノとリーネの為に、何か残せればと思う程度だ。だから利益管理はそちらに任せたい。
そして販売責任者はこちらに任せろ。使用意図や転用、他用しそうな者には売らないようにしよう。さらに商品にギミックを付けることが出来る、有能なのがいるから紹介しよう。
技術面は、優秀な錬金術師がいるから安心だしな。
ああ。勿論ギミック職人にも、秘密保持の魔法をかけて良いぞ」
「それはありがたいです。技術保護は危険を防ぐことにも繋がりますから、是非ご紹介をお願いします。そして利益分配もダルナン様の指示通りで。でもこちらに有利過ぎますから、1年毎に見直しに致しましょう」
「欲がないな。では、そうしよう。俺が言うことじゃないが、リーネとネルフィスを頼んだよ。任務を受けて遠方にいた時に、可哀想な思いをさせたみたいだから」
「はい、必ず。幸せに致しますわ、お任せを」
「頼もしいな。ありがとう」
そう言って握手し、微笑みながら契約は結ばれた。周囲にいたみんなも頷き、嬉しそうだった。
◇◇◇
ギミック職人の正体は、発破技師に育てられた孤児達だった。その発破技師は鉱山で働いていたが、雇い主にさんざん酷使されたあげく山崩れの責任を押し付けられ捕まえられたそうだ。
当然のように罪人になった養父は捕まり、孤児達は路頭に迷った。それを引き取ったのがダルナン。そしてその養父も、獄中で死んだことにして引き取ったと言う。正に権力の賜物(濫用とは言わないわよ)だ。
「ダルナン様には感謝しております。私だけでなく、子供達の命も救われました」
そう言われ忠誠を誓われたダルナンだが、彼はただ 「有能な人材を引き抜いただけだ」 と笑ったそうだ。
鉱山の側には娼館が乱立し、誤って子供が生まれると捨てられていたと言う。拙いながら発破技師は、同じ(それよりもっと酷い)境遇の子を見捨てられず、日中はお金を出して面倒をみてくれる人を雇い、細々と暮らしていたそうだ。
娼館の周囲には魚屋も八百屋、肉屋、銭湯や小さいながらも宝飾店もあった。そこの店主や夫人が手を貸し、売り子に手伝いを許したらしい。
ただ裕福な生活ではないから、援助なんて雀の涙のようなものだったけれど。
それでもみんな、お人好しの発破技師が好きだった。ただ権力者には逆らえず、批判もできずに悔しがるしか出来なかった。
そんな腕の良い技術者の弟子になった子供達は今、ダルナンの下で働いている。
◇◇◇
後日契約を結んだ際、例の鉱山崩落の当時者を(賄賂を貰って)庇い、発破技師に罪を着せようとしたのが、ダルサミレ様の姉、ミゼラ様の子の現大公レテン様だったらしい。
本当に余計なことしかしないものだ。
(ああ。だから余計に、ダルナン様はダルサミレ様だけでなく、ミゼラ様やレテン大公も嫌いなんだわ。私も冤罪野郎は許せないし!)
「照明や機械類なら、分解しようと内部を開けようとした際に、機械の基盤が少量の熱反応で溶けるようにしましょう。破損しないように錬金術もかかるでしょうが、保険的な感じで弄りましょう」
「良いのですか? そんな繊細な仕事を頼んでも?」
「勿論ですよ、何でも言って下さい。後は父と同じように、発破技師の仕事もお任せ下さい。今のところ人は爆破してませんが、悪人ならばやりますよ♪」
発破技師の養子の一人ロッドは、日に焼けて歯だけが輝る美丈夫だった。
「人の方はまだ良いですわ。でも、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
冗談?を言いながらも、無事にギミック職人との契約も無事に結ばれた。
そんな感じで眼鏡の発売と、ガラス窓の発売を開始することが決まったアンシェル達の商会。
その一方で。
ネルフィスの抜けたキャメロン公爵家とシベナッシー伯爵家は、借金が積み上がっていると言う。
主に女性達の宝飾品で。
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