「もう、邪魔! 本当にお前は目障りね!
どっかに引っ込んで、姿を見せないでちょうだい!」
前妻の娘である侯爵令嬢リオルナリーは、継母となったニクスに怒鳴られていた。
政略結婚の前妻であったイッミリーは、娘を残して病の為に早世。
彼女の夫であるアルオには、結婚前から懇意にする恋人ニクスがおり、イッミリーの死後、彼女は後妻に納まりアラキュリ侯爵夫人となった。
二人の間には既に、リオルナリーの異母兄にあたるナジェールも生まれていた。
リオルナリーはれっきとしたアルオの子だったが、アルオに殆ど構われた記憶がなく、顔さえもうろ覚えである。
アルオも同じで、覚えているのは娘の髪が黄色かったと言うことだけ。
イッミリーが死ぬまで、自宅にろくに戻って来なかったので、娘の顔も瞳の色も忘れていた。覚えていないと言った方が正しいかもしれない。
碌に自分のことを覚えていない父親はリオルナリーと勘違いして、特徴が似ている使用人の子供を教育していくことに。
ニクスにより使用人棟に放り込まれたリオルナリーは、何も与えられないまま強く生きていくのだった。
周囲を巻き込む騒動に発展させながら。
小説家になろうさんにも載せています。
文字数 141,305
最終更新日 2026.10.04
登録日 2026.08.31
家の事情で侯爵家に嫁ぐカサギ。けれど夫になる人には恋人がいるので、彼女は白い結婚と共にその恋人が後妻に入れるように協力を申し出ました。そして離縁する時は、侯爵家の黒馬だけが欲しいと願うのです。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 7,399
最終更新日 2026.10.01
登録日 2026.10.01
王家に生まれた双子の王女。一人は金髪碧眼の王女ジュリア、一人は黒髪群青眼の妹王女クラヴィア。
ジュリアには傷を癒す力と天候を回復する力が備わっていたが、クラヴィアは何も能力がないと思われていた。
国を救うと予言されていた王女だった為、力なきクラヴィアはでき損ないだと言われ蔑ろにされる。
けれど彼女にも、能力が隠されていた。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 24,487
最終更新日 2026.09.19
登録日 2026.09.19
「あれ? 私どうなったのかしら?」
メイドとして働いている伯爵家で倒れていた私。
正確に言えば、ここの家のお嬢様に足をかけられて、転んだのだ。
私はリビドー・ダンロ男爵の庶子アガサ。母が亡くなり引き取られたが、男爵夫人マーブル様は優しい人だった。
「女はいつの時代でも生き辛いわね。私も父の言うままにここに嫁ぎ、夫になった男には何も言えないのよ」
なんて疲れた顔をして、明け透けな話もしてくれていた。気心が知れる程好きになり、私は本当の母のように家事や身の回りのことを手伝い尽くした。
一人でも味方がいるのは、とても嬉しいことだった。逆に血の繋がった筈の、リビドー様の顔を見たのは数える程度だ。
リビドー様はマーブル様のことはほったらかしで、多くの愛人を囲っている。本邸であるここに、戻ることは殆どない。
領地経営はマーブル様が行い、本人は社交と言って遊んでいるだけ。親に決められた結婚を嫌がり、マーブル様には指一本も触れていないそうだ。当然子供もいない。
かと言って庶子の私が、後を継ぐことはないと思う。
きっと政略結婚と言う駒に使うつもりだろう。
そうでなければ、今まで歯牙にもかけず祖母と暮らしていた私を、15歳になってから引き離すことはない。
そのことをマーブル様も気づいているのだ。
何か月か過ぎた頃、マーブル様がこう告げてきた。
「貴女は外で働いて、お金を貯めなさい。いつでも此処から逃げられるように。大丈夫よ、リビドー様には学校に行ってるとでも言っておくから」
私は瞬いてマーブル様を見た。
頷くマーブル様は言う。
「貴女は逃げなさい。何の誓約もないのだから」
その話をした後、伯爵家への仕事の紹介状を渡してくれたのだ。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 41,013
最終更新日 2026.09.09
登録日 2025.05.10
婚約破棄を申し込んで来たローズナの婚約者エルラークは、以前から王女と仲が良いと噂があった。
妖精の祝福で16歳で死を迎える予定のローズナは、いろいろなモノを諦めていたが、ある時生きる決意をする。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 27,692
最終更新日 2026.09.07
登録日 2025.08.12
コロネ・ワッサンモフは公爵令嬢。彼女の母親であるミカヌレは、ワッサンモフ公爵家と敵対する家門から放たれた隠密だった。ミカヌレは隠密の主であるミズーレン伯爵からの命令がきなくさくなり、姿を隠すことにした。
大事な家族を守りたいミカヌレは、「忘れても良いから」と告げ、コロネの前から姿を消す。彼女を愛する夫のスライストは諦めることなどできず、彼女を探し求めて行方不明に。
そこに家の簒奪を狙ったスライストの弟家族が乗り込んで、信じられない散財を繰り広げる。
その様子を面白がる祖父に頼ることも出来ず、5歳のコロネは使用人達と金策に走る。
「お金がないなら稼げば良いのよ」と、眠っていた能力を覚醒させ、周囲を巻き込む騒動に発展させながら。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 478,573
最終更新日 2026.09.04
登録日 2025.12.25
ある国の王太子妃候補は、戦闘力優先で決められていた。王子を守る為に。
体型や姿に関わる物語です。
他にオムニバスのお話を書いています。
カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています。
文字数 54,547
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.08.07
アルティディア・フレイルは死んだ。正確には2日後の結婚を控えた夜、海で溺れた後の消息が分からないまま。侯爵令嬢の一人娘の彼女は、当主として第三王子を婿に迎えて暮らしていく筈だった。王命の結婚に、アルティディアの意思は介入されないまま。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 51,309
最終更新日 2026.08.06
登録日 2026.07.06
私は菊。源お父ちゃんの養女だ。お父ちゃんは同心で、浅賀清次郎さんに雇われて、岡っ引きをしている。いつも仕事終わりに夜回りと言って、呑んで帰ってくるから心配なの。
南町奉行所のあるこの町は平和だったけれど、最近子供が居なくなる事件が発生している。お父ちゃん、何とかして!
家名については、フィクションとしています。実在の方とは別と思って下さいね。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 96,019
最終更新日 2026.08.03
登録日 2025.05.28
王宮女官のレアナは、夫のダグラスと契約結婚をした。彼の両親から領地復興の為に、ある約束と引き替えに受けたのだ。
彼女は昔、家族から毒を盛られ、瀕死の状態である能力に目覚めていた。それを使っていろいろな困難に向き合う。
いつも一緒の従者ハルと、目的の為に今日も頑張るのだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 56,592
最終更新日 2026.04.02
登録日 2026.03.13
母親を馬車の事故で亡くしたナズナは、馬車に乗っていた貴族の男性に、義理の娘として引き取られた。引き取られた先の子爵邸では、義母や義妹に傷付けられて泣いて過ごすこともあったが、懸命に生きていく。引き取られた裏には、別の理由もあったようで。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 16,622
最終更新日 2026.03.04
登録日 2026.03.04
侯爵令嬢アンシェルの父、ロマンドは喪に服して一年も経たぬうちに、再婚するとウキウキだ。口を出そうにも阻まれて、なし崩しで再婚相手を連れてくる始末。そんなだから亡くなった母は、ずっと父を心配していたのに。果たしてどうなる?
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 43,577
最終更新日 2026.01.29
登録日 2025.05.14
「ごめんね、チェルシー。私の体が弱いせいで……。でも貴女には、貴女にだけは幸せになって欲しいの。だから私からの最後の祝福は、心を守る魔法……よ…………」
「あ、お母様、イヤァー、死なないで!!!」
その日、長く患っていたジゼルお母様が亡くなった。
私を授かったことが奇跡だと言われたが、マシューお父様は出産でさらに弱くなったお母様を見て、「子供などいらなかったのに」と、泣いていたそうだ。
ある国で生まれた、母と娘の物語です。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 25,220
最終更新日 2025.12.22
登録日 2025.12.11
魔力がないと決めつけられ、乳母アズメロウと共に彼女の嫁ぎ先に捨てられたラミュレン。だが乳母の夫は、想像以上の嫌な奴だった。
乳母の息子であるリュミアンもまた、実母のことを知らず、父とその愛人のいる冷たい家庭で生きていた。
そんなに邪魔なら、お望み通りに消えましょう。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 153,509
最終更新日 2025.12.16
登録日 2025.06.21
「もう我慢できない! あんたなんて、出ておいき!」
「なんだい、なんだい。後から入ってきた女が、息巻いてみっともないよ。ちょっとは我慢も覚えな」
「出てけー!!!」
あらら、追い出されちまったよ。
わたしの母さんが死んで、すぐ家に入って来た女、モアールの性格が悪いのなんの。顔は可愛いし声も高いけれど、化粧はケバいし香水付けすぎだ。くしゃみが出るよ。
まあ女らしい体つきは、大抵の男が喜びそうだけどね。
父さんが居ない間に出かけては、服やら宝石やらを買ってくるし、時々一緒に連れてきた従者? とよろしくやってるし酷いんだよ。
まあそれなら、100歩譲ってギリギリ我慢もできる(父さんの目利きが失敗しただけだ)が、使用人に手を出されたら無理さね。だから言ってやったんだよ。
ちょっとは我慢しなと。
ここは、お貴族様の屋敷じゃないんだよと。
そう言ったら、キレやがったんだよ。
ずいぶんと辛抱が足りないよ、大人なのに。
父さんが貿易に行っていない間に追い出されたわたしは、ここの商家の娘でレノアさ。まだまだピチピチの5才だ。
使用人達が慌ててついて来ようとしたが、悪いけども戻って貰ったんだ。だって今のわたしには金がないからね。 給金が出せないんだよ。
みんな家族がいて、生活しなきゃならないしね。
と言うことで、一人で家を出たのさ。
キレるとどこかの喧嘩師のように、何かが乗り移ったように口汚く叫ぶレノア。その時のことをレノアは、よく覚えていない。ただ猛烈に怒ったと言う以外は。
◇◇◇
「うーっ、うーっ」
テクテク歩いて行くと、森の入り口で大きな灰色の犬が苦しげに唸って踞っているから、手持ちの薬を振りかけたんだよ。
そうしたら途端に元気になって、わたしの後をついてきた。
「わん、わんっ」
わたしの周りを元気にクルクルとまわっている。
「悪いけど、餌なんてないんだよ」
そう言うんだが、言葉の壁が邪魔をして通じない。
はーっ、はーっ言ってついてくる。
まあ、腹が減れば行っちまうだろう。
こうして1人と1匹旅が始まったんだ。
という感じで始まった、レノアの小さな冒険です。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
文字数 18,175
最終更新日 2025.12.08
登録日 2025.12.08
「君には失望したよ。ミレイを傷つけるなんて酷いことを! 婚約解消の通知は君の両親にさせて貰うから、もう会うこともないだろうな!」
言い捨てるような突然の婚約解消に、困惑しかないアマリリス・クライド公爵令嬢。
「ミレイ様とは、どなたのことでしょうか? 私(わたくし)には分かりかねますわ」
「とぼけるのも程ほどにしろっ。まったくこれだから気位の高い女は好かんのだ」
先程から散々不満を並べ立てるのが、アマリリスの婚約者のデバン・クラッチ侯爵令息だ。煌めく碧眼と艶々の長い金髪を腰まで伸ばした長身の全身筋肉。
彼の家門は武に長けた者が多く輩出され、彼もそれに漏れないのだが脳筋過ぎた。
だけど顔は普通。
10人に1人くらいは見かける顔である。
そして自分とは真逆の、大人しくか弱い女性が好みなのだ。
前述のアマリリス・クライド公爵令嬢は猫目で菫色、銀糸のサラサラ髪を持つ美しい令嬢だ。祖母似の容姿の為、特に父方の祖父母に溺愛されている。
そんな彼女は言葉が通じない婚約者に、些かの疲労感を覚えた。
「ミレイ様のことは覚えがないのですが、お話は両親に伝えますわ。それでは」
彼女(アマリリス)が淑女の礼の最中に、それを見終えることなく歩き出したデバンの足取りは軽やかだった。
(漸くだ。あいつの有責で、やっと婚約解消が出来る。こちらに非がなければ、父上も同意するだろう)
この婚約はデバン・クラッチの父親、グラナス・クラッチ侯爵からの申し込みであった。クライド公爵家はアマリリスの兄が継ぐので、侯爵家を継ぐデバンは嫁入り先として丁度良いと整ったものだった。
カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています。
文字数 25,829
最終更新日 2025.12.06
登録日 2025.12.04
政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。
私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。
ククルス公爵家の一人娘。
父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。
複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。
(カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)
文字数 16,716
最終更新日 2025.11.28
登録日 2025.11.27
婚約者の私マイナリーより、義妹が好きだと言う婚約者ハーディー。陰で私の悪口さえ言う彼には、もう幻滅だ。
婚約者の生家、アルベローニ侯爵家は子爵位と男爵位も保有しているが、伯爵位が継げるならと、ハーディーが家に婿入りする話が進んでいた。
侯爵家は息子の爵位の為に、家(うち)は侯爵家の事業に絡む為にと互いに利がある政略だった。
二転三転しますが、最後はわりと幸せになっています。
(小説家になろうさんとカクヨムさんにも載せています)
文字数 73,364
最終更新日 2025.11.25
登録日 2025.05.02
愛人の子であるリンダは、先妻が亡くなったことで母親が後妻に入り侯爵令嬢となった。
特に家族との確執もないが、幼い時に受けた心の傷はリンダの歩みを決めさせる。
「貴族なんて自分には無理!」
そんな彼女の周囲の様子は、護衛に聞いた噂とは違うことが次々に分かっていく。
真実を知った彼女は、やっぱり逃げだすのだろうか?
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 109,003
最終更新日 2025.11.11
登録日 2025.07.08
私は生家の侯爵家を追い出され、乗り合い馬車で隣国に行く途中である。
「ああ、良い天気。空が青いわ」
ゴトゴトと揺れる馬車に、子供連れのご婦人はお尻が痛いと呟くが、子供は景色を見ながら元気いっぱいに歌っている。
それを見る私も、初めての乗り合い馬車の振動に驚いているが、気持ちはスッキリしている為か楽しんでいる。風も暖かく頬を撫でる。
ハチキナ侯爵邸の物置部屋で、使用人に交じって掃除をしていた時とは雲泥の差である。たくさんの使用人もいるのに、私にもそれを強いていたのだ。
「お義姉さま、まだ此処の床汚れてましてよ。これじゃあ夕食をあげられないわよ」
わざとバケツを蹴飛ばして、掃除後を汚す義妹のギルモア。
「本当屑ねえ。チャチャと遣ってちょうだい。旦那様が戻るわよ!」
見ていた癖に嫌みを言う義母ユネジュー。
私の名前は、サフラン・ハチキナ。
母が亡くなってから、父の愛人家族が侯爵家に乗り込んできた。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
文字数 20,038
最終更新日 2025.11.07
登録日 2025.07.06