ねこまんまときみどりのことり

ねこまんまときみどりのことり

アルファポリス作品が読みたくて、登録しました。細々と小説も書いています。読んで頂けると嬉しいです。
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ファンタジー 完結 短編
 私は生家の侯爵家を追い出され、乗り合い馬車で隣国に行く途中である。 「ああ、良い天気。空が青いわ」  ゴトゴトと揺れる馬車に、子供連れのご婦人はお尻が痛いと呟くが、子供は景色を見ながら元気いっぱいに歌っている。  それを見る私も、初めての乗り合い馬車の振動に驚いているが、気持ちはスッキリしている為か楽しんでいる。風も暖かく頬を撫でる。  ハチキナ侯爵邸の物置部屋で、使用人に交じって掃除をしていた時とは雲泥の差である。たくさんの使用人もいるのに、私にもそれを強いていたのだ。 「お義姉さま、まだ此処の床汚れてましてよ。これじゃあ夕食をあげられないわよ」  わざとバケツを蹴飛ばして、掃除後を汚す義妹のギルモア。 「本当屑ねえ。チャチャと遣ってちょうだい。旦那様が戻るわよ!」  見ていた癖に嫌みを言う義母ユネジュー。  私の名前は、サフラン・ハチキナ。  母が亡くなってから、父の愛人家族が侯爵家に乗り込んできた。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 1,037 位 / 202,678件 ファンタジー 166 位 / 46,880件
文字数 5,227 最終更新日 2025.07.06 登録日 2025.07.06
 今はシスターのルカーニだが、そこに行くまでは命の危機があった。いろいろと乗り越えた先の平安は、かけがえないものなのだ。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 21,447 位 / 202,678件 ファンタジー 2,998 位 / 46,880件
文字数 30,242 最終更新日 2025.07.02 登録日 2025.06.18
「あ、危ない! 何か落ちてくるぞ、逃げろーー !!!!!」 「いやーーー !!! 何なのよ!」 「まるで、こっちを目指して落ちて来るみたい !」 「「うぎゃーーー!!!!!」」  悲鳴をあげているのは、この国の王太子レナードとその恋人ルディナ。  ここは王宮舞踏会で、多くの貴族が集まっている。  先程公爵令嬢の私、ウィングルは婚約破棄をされたばかりで、その直後にレナードが悲鳴をあげたのだ。  何もない空間を仰視して、恐ろしげな表情で。  この惨状に、ウィングルが深く関わっていた。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 8,505 位 / 202,678件 恋愛 4,162 位 / 59,447件
文字数 11,898 最終更新日 2025.07.02 登録日 2025.07.02
恋愛 連載中 短編 R15
「もう、いつもそれだ。お前は俺の母親か? もう聞き飽きたぞ。口を閉じろ! それにか弱いガーベラを睨むなと、何度言ったら覚えるんだ! お前の顔は怖いんだよ!」 「ですが、殿下」 「ええい、うるさい。もう去れ」 「………はい、失礼します」  私は第一王子の婚約者、ベロニカ・コールデンと申します。  先程怒っていたのがその第一王子、ウィルデンガー・ゲインスト様です。  何やら私の言い方が良くないのか、最近すぐに怒られてしまいます。  その上必要以上に距離の近い女生徒がいて、それは良くないことだとお諌めしていたのですが、4日程前に2人の仲睦まじい様子を見て、考えを改めました。  彼女の微笑みに目を細められる殿下の姿は、私には向けられないものです。  彼女もまた目を輝かせて殿下を見つめていました。   そして私を目に入れた彼女はニヤリと微笑み、殿下の胸に顔を埋めました。  その後に殿下は私を睨み付けたのです。  私の雇う隠密の話によると、殿下は彼女の言うままに贈り物をし、彼女も殿下を喜ばせようと菓子を焼き贈っているそうです。  これぞ相思相愛。  相互の意見を受け入れ尊重し、幸せに戯れて語る。  ああこれは、邪魔なのは私ですわ。  彼女が殿下をお諌めすれば、きっと殿下は良い方向に動けるのではないかしら?  そう思えるようになったのは、私の好きな小説『微笑むリトルフラワーは、僕の最愛』を読んだからですわ。  内容は弱小貴族である、男爵令嬢と王太子との身分を超えた愛。  国王や婚約者の妨害を乗り越えて、懸命な努力をし立派に成長した2人は、周囲を説得して結婚するのですわ。  もう涙が止まりませんわ。  愛ですわ。  そんな訳で私は傍観者に徹しようと思いますの。  小説によると私の立場と同じ公爵令嬢は、女生徒の持ち物や本人に危害を加えるのですが、そんなことは出来ませんわ。  だって男爵令嬢は未来の国母になる方ですもの。  私はそっと身を潜め、彼らの目に入らないように致しましょう。  幸い王太子妃教育は終了しておりますので、登城することもありません。  出来る限りエンカウントするのは避けて、隠密からの報告を楽しみに待ちましょう。  楽しくなって来ましたわ! (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 12,319 位 / 202,678件 恋愛 5,909 位 / 59,447件
文字数 57,665 最終更新日 2025.07.02 登録日 2025.05.24
 私は菊。源お父ちゃんの養女だ。お父ちゃんは同心で、浅賀清次郎さんに雇われて、岡っ引きをしている。いつも仕事終わりに夜回りと言って、呑んで帰ってくるから心配なの。  南町奉行所のあるこの町は平和だったけれど、最近子供が居なくなる事件が発生している。お父ちゃん、何とかして!  家名については、フィクションとしています。実在の方とは別と思って下さいね。   (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 202,678 位 / 202,678件 歴史・時代 2,806 位 / 2,806件
文字数 38,548 最終更新日 2025.07.01 登録日 2025.05.28
 顔が良い婚約者が好きだった。 けれどその言動が許せなくなった時、愛は憎しみに変わる。 だから内緒で、ある実験に付き合って貰ったのだ。  ちょっとした仕返しをするお話です。 主人公はハッピーエンドです。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 35,842 位 / 202,678件 ファンタジー 5,185 位 / 46,880件
文字数 36,455 最終更新日 2025.06.28 登録日 2025.06.25
「エリーゼよ、光栄に思うが良い。赤髭公爵の次の奥方として、お前が指名された。出発は明日の早朝だ! わはははっ」 「嘘でしょ、お父様! 何を仰るのですか!?」 愉快に笑う父ビリーに困惑し、エリーゼは驚愕しながら尋ねた。 エリーゼは没落した伯爵貴族の令嬢だ。 それでも父伯爵は王宮勤めをしているから、今まで生活が困窮することはなかった。 既に領地と先祖代々の邸は売り払われているが、その分の資金の一部は父伯爵の懐に入っているから、贅沢しなければ当分は暮らせる状態にはある。 言ってみれば父の代での経営の失敗で、爵位以外を手放したようなものだった。 「どうして私が婚約者に? 私にはマイケルがいます。赤髭公爵に嫁ぐことは出来ませんわ」 ビリーを問いつめるエリーゼに、義妹のロリータがマイケルの腕を組んで姿を現す。 「そんなの大丈夫よぉ、お義姉様。私がマイケルと添い遂げますからぁ」 「すまない、エリーゼ。そんな訳なんだ」 ばつの悪い顔をした婚約者だが、義妹に胸を押し付けられて時々そちらを見てニヤケている。最低だ! 「な、なんでエリーゼとマイケルが? 嘘でしょ?」 「もう後戻りなんて出来ないわ、公爵様との約束だもの。今日はご馳走にしたから、たくさんたべましょ。ね、エリーゼ」 義母のアルラウネが喜色満面にお祝いしようと騒ぎ立てたことで、父が私を金で売り払ったと予想が着いた。 テーブルいっぱいに並ぶご馳走と、ロリータの着ている真新しいドレスと義母の大きな宝石の付いた指輪。最近まで家にはなかったものだ。目をそらす父を私は睨み付けた。 もうやってられない。 このご馳走は私を売った金で買ったものだろう。根こそぎ食い尽くしてくれるわ。 「ガツガツ。グビグビッ。っくううっ、美味しいわ!」 「まあ、下品ねぇ。エリーゼったら」 「本当よ。マイケルの前なのにそんな姿見せて、良いのぉ?」 もう貴族のマナーなんて、いらないわ。 マイケルなんてもっといらない。 だって明日死ぬかも知れないもの。 右手にフォーク、左手になみなみにワインを注いだグラスを持ち食べまくる。 「いやぁ~、私の分がなくなっちゃう」 義妹のブリッコ口調を目でギッと睨み付け、気にせず猛烈な勢いで食べまくる。文字通り最期の晩餐として。 そして翌日、赤髭公爵の邸へ向かうのだった。 (カクヨムさん、アルファポリスさんにも載せています)
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小説 24,870 位 / 202,678件 ファンタジー 3,414 位 / 46,880件
文字数 7,542 最終更新日 2025.06.25 登録日 2025.06.25
 魔力がないと決めつけられ、乳母と共に乳母の嫁ぎ先に捨てられたラミュレン。だが乳母の夫は、想像以上の嫌な奴だった。  
24h.ポイント 92pt
小説 11,071 位 / 202,678件 ファンタジー 1,792 位 / 46,880件
文字数 19,866 最終更新日 2025.06.21 登録日 2025.06.21
SF 連載中 短編
本当にこれが、そう?」 「そうだ、たぶん」 「じゃあ、割るぞ、セーノッ」  刃物を当てた瞬間、パッカーンと何かが飛び出した。  なんと、可愛い女の子だ。 「ドワーッ、ちょっと、あんたら正気か? 普通、こんな金属に刃物で挑まないでしょ? どうなってるの、全くもう!」  なんか、怒って叫んでいる。  まあ切りどころが悪ければ、大量出血しただろうから仕方ないか。  女の子は怒っていた。 (お爺さんは川から流れてきたのが桃だと思ったから、実はタイムマシンでしたと言うオチ? でもさ、ドラム缶くらいでかくて桃色の球型だけど、桃に見えたのかな? 本当に? まあ、それはさておき) 「それより、何その刃物? このタイムマシンは宇宙船にも使われる素材よ。普通の包丁じゃ、絶対刃こぼれするはずよ。素材は何?」  お爺さんとお婆さんは、顔を見合わせてニヤッと笑った。  桃のような物から出てきたのは、可愛い女の子だった。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 202,678 位 / 202,678件 SF 5,804 位 / 5,804件
文字数 30,097 最終更新日 2025.06.14 登録日 2025.05.23
侯爵令嬢アンシェルの父、ロマンドは喪に服して一年も経たぬうちに、再婚するとウキウキだ。口を出そうにも阻まれて、なし崩しで再婚相手を連れてくる始末。そんなだから亡くなった母は、ずっと父を心配していたのに。果たしてどうなる? (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
24h.ポイント 21pt
小説 24,870 位 / 202,678件 恋愛 11,178 位 / 59,447件
文字数 36,771 最終更新日 2025.06.09 登録日 2025.05.14
貴方はもう、好きに生きると良いわ。鞄に入っているのは、これまでの慰謝料みたいなものよ。………遠慮せずに受け取って」 長年暮らした場所を僕、シューベルトは出ていく。 住みやすかったとは言えない、小さな別邸が僕の全てだった。 ◇◇◇ 僕の母親は、僕を産んで死んだ。 産まれたばかりの僕を残して。 僕の出産は、この家の奥様と同じ日だったらしい。 奥様は女の子を。 僕の母親は僕を産んだ。 僕の母親は愛人だったらしい。 このことは奥様と一部の使用人以外には秘密にされていたそうだ。 ◇◇◇ 「お前は私の跡取りだ。たった一人の男の子よ」 この家の伯爵様が幼い僕に言う。 それを見て、奥様の目が無意識につり上がる。 伯爵様はそれに気づき、ほくそ笑むのだ。 僕は愛人の子だけど、伯爵様と奥様の子として届け出が出されている。 奥様の子マルガリーテは、愛人の子として届けが出された。 血縁上の父親である伯爵のせいで、シューベルトの人生は大きく変わっていくのだ。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 17,113 位 / 202,678件 ファンタジー 2,520 位 / 46,880件
文字数 18,732 最終更新日 2025.06.08 登録日 2025.06.08
「花は散るから、命を燃やして美しく咲き誇る。僕の好きな詩文の一節なんだ」 こんな陳腐な台詞が似合う、美しい顔の男は私の婚約者。 騎士団の副団長で、名前はランディス・グレイ。 金髪碧眼の高身長で、おまけに声も渋い。 何処だか伯爵の息子だ。 世間の噂では、“悲恋の王子様(プリンス)” らしい。 身分的にも王子様(プリンス)って、可笑しいだろうに。 そんな彼の4番目の婚約者となった、平民のメルト・サキラーバ。 彼と婚約した令嬢は、みんな1年以内に死んでいると言う。 ちょっと、縁起悪いんですけど、まったくもう。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 19,234 位 / 202,678件 ファンタジー 2,738 位 / 46,880件
文字数 13,689 最終更新日 2025.05.21 登録日 2025.05.21
「あれ?  私どうなったのかしら?」  メイドとして働いている伯爵家で倒れていた私。  正確に言えば、ここの家のお嬢様に足をかけられて、転んだのだ。  私はリビドー・ダンロ男爵の庶子アガサ。母が亡くなり引き取られたが、男爵夫人マーブル様は優しい人だった。 「女はいつの時代でも生き辛いわね。私も父の言うままにここに嫁ぎ、夫になった男には何も言えないのよ」  なんて疲れた顔をして、明け透けな話もしてくれていた。気心が知れる程好きになり、私は本当の母のように家事や身の回りのことを手伝い尽くした。  一人でも味方がいるのは、とても嬉しいことだった。逆に血の繋がった筈の、リビドー様の顔を見たのは数える程度だ。  リビドー様はマーブル様のことはほったらかしで、多くの愛人を囲っている。本邸であるここに、戻ることは殆どない。  領地経営はマーブル様が行い、本人は社交と言って遊んでいるだけ。親に決められた結婚を嫌がり、マーブル様には指一本も触れていないそうだ。当然子供もいない。  かと言って庶子の私が、後を継ぐことはないと思う。  きっと政略結婚と言う駒に使うつもりだろう。  そうでなければ、今まで歯牙にもかけず祖母と暮らしていた私を、15歳になってから引き離すことはない。  そのことをマーブル様も気づいているのだ。  何か月か過ぎた頃、マーブル様がこう告げてきた。 「貴女は外で働いて、お金を貯めなさい。いつでも此処から逃げられるように。大丈夫よ、リビドー様には学校に行ってるとでも言っておくから」  私は瞬いてマーブル様を見た。  頷くマーブル様は言う。 「貴女は逃げなさい。何の誓約もないのだから」  その話をした後、伯爵家への仕事の紹介状を渡してくれたのだ。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 17,113 位 / 202,678件 恋愛 8,099 位 / 59,447件
文字数 29,731 最終更新日 2025.05.13 登録日 2025.05.10
「お世話になりました。お元気でお過ごしください」 華麗な淑女の礼(カーテシー)をして、去っていく女性。 何故、母上はこんなことを言うのか? 全ての謎は、10年前に遡る。 隠された王太子の過去の記憶に残る、悲しい愛の物語。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
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小説 202,678 位 / 202,678件 ミステリー 4,631 位 / 4,631件
文字数 15,288 最終更新日 2025.05.13 登録日 2025.05.13
ホラー 連載中 短編 R15
 ある市役所職員は、不思議なことに気づく。伊坂ネルの再婚した妻達が、みんな最初の妻と同じ顔なのだ。そしてある日ひき逃げされ、運び込まれた病院で当直医の伊坂ネルと会うのだった(これは一話目のお話です)。 二話以降は、魔女や吸血鬼などが出てくる異世界ファンタジーのものが多いです。 主にサイコホラーが多めです。 短編を纏めて収録しています。 今後も少しずつ、短編を載せていきます。 一度読んだお話がある方は、ごめんなさい。短編はこちらに纏めました。 (小説家になろうさんでも載せています)
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小説 17,113 位 / 202,678件 ホラー 171 位 / 7,382件
文字数 44,273 最終更新日 2025.05.09 登録日 2025.04.23
「クロエよ。俺は貴様との婚約は破棄して、愛しいサブレーヌと結婚する。その時になれば、この邸から即刻立ち去って貰うぞ!」 婚約破棄を叫んでいるのは、伯爵令息のリンゼール・ガルダ。彼の最愛は、クロエの義妹のサブレーヌだと言う。 リンゼールとクロエは、親同士が決めた利害が絡む政略結婚の相手だった。 クロエ・クラウテンは格上の侯爵令嬢であったが、父親の無理な商会経営は多大な悪化を辿り、侯爵家は借金まみれであった。 クロエの母、ダブリエは病で寝込んでいたが、彼女が12才の時に逝去した。 亡くなる前に、形見のロザリオをクロエに首にかけて囁く。 「クロエ、弱い母を許して。 一人残された貴女は、きっとたくさんの困難が待ち受けているでしょう。でも私(わたくし)はずっと見守っていますよ。貴女が幸せになれるように。 だから諦めずに頑張るのですよ。 そして何を奪われても貴族としての誇りを守り、毅然としていなさい。 奪われてはいけないのは、そのロザリオだけ。 必ず味方は現れます。 残念ながらレンバック、貴女の父は信用に値しません。 こんな場所に残していって、ごめんね。 愛しているわ。私のクロエ……………………」 ダブリエは最期の時まで娘を心配していた。 夫であるレンバックは、ダブリエに全てを頼り遊び歩いていた。だが彼の言い分は勝手なものだった。 「妻は何にでも口を出して、俺を否定するんだ。だからもう、俺は妻の好きなようにさせてやってるんだ。その分少し、好きなようにさせて貰ってるけどな。はははっ」  レンバックの回りには彼にたかって遊ぶ悪い者が多く、彼はそれに気づかず煽てられて散財していた。 ダブリエは口出しではなく、詐欺や無謀な投資を止めるように注意しただけだ。レンバックのせいで今まであった侯爵家の蓄えは減り、彼女は知人から借金をしたが財政は火の車だった。 何とか伝手を辿り、やりくりをしていたダブリエが病に倒れ、それに目をつけたのがガルダ伯爵家。リンゼールの父親マイルだった。 マイルは息子のリンゼールを婿に入れ、借金を支払うことで逆らえなくし侯爵家を乗っ取ろうとしていた。 (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
24h.ポイント 56pt
小説 14,638 位 / 202,678件 恋愛 6,997 位 / 59,447件
文字数 17,424 最終更新日 2025.05.04 登録日 2025.05.04
婚約者の私マイナリーより、義妹が好きだと言う婚約者ハーディー。陰で私の悪口さえ言う彼には、もう幻滅だ。  婚約者の生家、アルベローニ侯爵家は子爵位と男爵位も保有しているが、伯爵位が継げるならと、ハーディーが家に婿入りする話が進んでいた。 侯爵家は息子の爵位の為に、家(うち)は侯爵家の事業に絡む為にと互いに利がある政略だった。 二転三転しますが、最後はわりと幸せになっています。 (小説家になろうさんとカクヨムさんにも載せています)
24h.ポイント 376pt
小説 3,762 位 / 202,678件 恋愛 2,090 位 / 59,447件
文字数 14,581 最終更新日 2025.05.02 登録日 2025.05.02
「悲しいことは昨日まで♪ 今日はきっと良いことがあるわ♪」 目下、継母ブルチャスカとその娘アンジェルに、芋の皮剥きやら食器洗いをさせられている私、ユキファールム。 「こんなことも出来なければ、将来とっても困るわよ」 「そうよ、ユキファールム。私達は貴女のことを思って仕込んでいるんだからね」 うぬぬ、2対1では流石に勝てない。 けれど彼女達は、意地が悪い訳じゃないの。 ただ家事をさせられるだけなの。 その様子を見て、執事アーントや侍女のバタフライは目を輝かせていた。 「素晴らしい教え方です。姫様は私の言うことは聞かず「バタフライがやってよぉ」と、甘えて来られると、可愛いくて駄目なのです」 「私もです。生まれた時からお守りしてきたので。こんな時なのに、厳しくできず……。申し訳ありません」  そう言いながら、ブルチャスカに頭を下げる二人。  私が頑張っているところは、目に入らないのかしら?  まあいいや。この2人はもう高齢で、私から見たら祖父母に近い年齢だから、今さら文句も言わないわ。孫のように可愛がって貰ったもの。 それにしても、私に家事なんてさせてどうするつもりなんだろう。目玉焼きさえ焦がすし、味付けはいまいちだし、彩りも美味しそうじゃないし。まあ、何とか煮炊きは出来るようになったけど。 お掃除はハタキをかけて、箒で床を掃いて、水ぶきするのよね。 後はお洗濯。水仕事は指先が荒れるから苦手なの。ささくれとひび割れが酷いわ。洗ったものは重いし、干すのも大変だもの。 どうして私にさせるのかしら? 「お嬢様、私共はここでお別れです。ここから先はお一人で行って頂きます」 「私達はここで敵を迎えうちますから、お嬢様はこの先にある家で一人で隠れていてください。屋敷には生活用品が、庭には野菜も植えてありますから。庭にかかっている網は外しては駄目ですよ。動物避けですからね」 にこやかに笑っているアーントとバタフライだが、彼らが着ているのは鎧だった。 「なによ、その鎧は? 貴方達はもうお年寄りでしょう? 一緒に逃げましょうよ」 私は彼らも一緒に行こうと誘った。 けれど、首を振りここに残ると言う。 「姫様の幸福だけが私達の願いです。その幸せを壊さないで下さいませ」 「さあ、行くのです。必ず迎えに行きますから」 「あぁ……きっとよ、迎えに来てね」 私は真剣な様子の彼らに逆らえず、城裏のずっと奥山にある、二人の言う家屋を目指した。 (小説家になろうさんにも載せています)
24h.ポイント 0pt
小説 202,678 位 / 202,678件 ライト文芸 8,703 位 / 8,703件
文字数 11,877 最終更新日 2025.04.30 登録日 2025.04.30
恋愛 完結 短編 R15
「悪いのだけど、別れて欲しい。俺が愛しているのは、ラジルニーニャだけなのだ。君のように教養もない女性ではなく、賢くて強くて美しい完璧な女性なのだよ。ハハハッ」 久しぶりに帰って来た、金髪碧眼威圧夫スペードは、自宅のリビングで妻の私ダイアナ、夫の父クローバー、夫の母ハートにこう言い放った。 確かに私は、外出を控えていた時期がある。 エドウィンが頻繁に熱を出していたからだ でもそれは子供が幼かった頃だけで、 二人が3才になる頃からは状態は落ちつき、社交界に復帰していた。 逆に彼は、何故知らないのだろう? 彼は結婚後、たがが外れてしまったように遊び歩くようになっ夫だが、結婚前はもう少し誠実で、律した様子もあったのに。 そして今、公爵家の事業を切り盛りしているのは、この私だ。 義父母は申し訳ないと言う顔をして、私を泣きそうな顔で見ていた。 「分かりましたわ、旦那様。ただ1か月だけ時間を頂きたいのです。間違いなく出て行きますから」 真摯に伝えれば、夫も折れてくれた。 そこから、ダイアナ達の奮闘が開始されたのだ。 (小説家になろうさんと、カクヨムさんにも載せています)
24h.ポイント 71pt
小説 12,939 位 / 202,678件 恋愛 6,243 位 / 59,447件
文字数 22,592 最終更新日 2025.04.30 登録日 2025.04.30
 病弱だった第一王子ロクシードは、ベッドから起き上がれない日々を送っていた。 流行風邪で危篤状態だったが、幼馴染みのアンリの願いが女神に届き、ロクシードは健康に生まれ変わる。 その後もお互いを特に意識しないまま、別の人と結婚し子供も出来る。 しかしロクシードの離婚により臨時の乳母をアンリが引き受けることで、懐かしさと何かが胸を過るのだが……。 (小説家になろうさんにも載せています)
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小説 202,678 位 / 202,678件 ライト文芸 8,703 位 / 8,703件
文字数 10,722 最終更新日 2025.04.28 登録日 2025.04.28
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