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相澤と速水の関係〈1〉対抗意識
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速水と出会った翌日の昼休み。
「相澤、昼飯行こうぜ。」
速水がにこやかに声をかけてきた。あまりの自然さに驚く。
「え…?お、俺は…独りで良い。」
「何で?たまには学食でもどう?」
「いや…、いい。」
「ふ~ん。それじゃあ、場所を移すか?その前に、学食で何か買うから付き合えよ。」
「な、何で…?」
「独りだとヤバイだろ?アイツが見てるぜ。」
不意に小声で言われて顔を上げる。速水が目線だけで合図した廊下の奥に人影が見える。昨日の奴が俺を付け狙っているらしい。
《クソッ…!しつこい奴!待ち伏せかよ?!》
一瞬、背筋がゾクリとして最悪な気分になる。
「早く行こうぜ。モタモタしてると売り切れる。」
速水が軽い口調で笑いながら教室を出て行く。今は従うのが得策のようだ。その後を追うようにして教室を出ると、男が慌てて逃げ出すのが見えた。
《うわっ!?ホント最悪…!速水が居なかったらマジでヤバイかもな…?》
Kの執念深さを感じてブルリと身が震えた。
《チッ…!厄介な野郎だ!速水の言った通りかよ?!》
腹の中で舌打ちした俺は一気に不機嫌になる。ただ、僅かに眉をしかめる程度でほぼ無表情だ。しかも、俯向いているので誰に見られる事もない。
《クソッ…!やっぱり従うしかないって事かよ…!》
最悪の場合は「強引にヤラれる」だけなのだろうが、Kの顔を思い浮かべるだけでもゾッとする。そうなると答えは1つしかない。
《マジで最悪だな!》
昨日は「予想外」の出来事だった。とんだハプニングと言いたいところだが、今やハプニングでは済まされない。これは想定外の事ではないが、俺は深く考えていなかった。受け止めたくない事をリアルに考える人間など居ない。
そして、この時から俺の日常が崩れ始める。
初めて足を踏み入れた学食は多くの生徒達でごった返している。教室内とは比較にならないほど騒がしくて煩わしい場所だ。人混みが嫌いな俺は入口付近の隅に身を潜めて速水を待つ。
《……クソッ!何でこんな事になるんだよ?!と、とにかく我慢だ…!》
「忠犬ハチ公」のようにして待つ気分は最悪だ。だが、こうなってしまった原因は自分にもある。暫くは耐えるしかないのだろう。
《うぅ……我慢、我慢、我慢…》
「待たせたな。」
「……?!」
ひたすら自分に言い聞かせるようにして耐えていた俺は速水の声にビクンとなる。気が付けば、壁に貼り付くようにしてギュッと目を閉じていたらしい。情けない姿を見られた気分は最悪に最悪の上塗りだ。
《うわっ!?もう、超最悪!》
気まずさに俯向いたまま顔を背ける。出足から手痛い打撃を喰らった気分だ。既に、速水との勝負は始まっている。
「何してる?早く行こうぜ。」
速水はチラリと見ただけで何も言わない。俺は逃げるような足取りで校舎の外に出る。
4月の屋外はまだ肌寒いが、校内の薄汚れて淀んだ空気よりはマシだ。俺は大きく息をする。
《ふぅ……。やっと一息つける》
気を取り直して「いつもの場所」へと足を向ける。昼休みに独りで過ごしている秘密の場所だ。後方から速水が無言で付いて来る。
《やっぱり、付いて来るって事だよな…?》
本来なら独りになりたいところだが、昼休みの事まで考えていなかった俺の落ち度だ。
《うぅ…、仕方ない…!こんな事まで考えてなかった》
既に「マンネリ化」された日常行動を予定も無しに変更するのは難しい。今から場所を変える策も、速水を追い払う手段も思い浮かばない。何よりも、計算外の行動は危険を伴う。
《ああぁ~~!なんでこんな事になるんだよ~!?》
次々と襲いかかる現実に頭の中が拒絶反応を示す。だが、逃れる術は無い。そして、速水とは会話をする気もない。
そもそも、俺は自分の行動しか考えない。しかも、昨夜は速水に対する闘志をメラメラ燃やしただけに終わっている。ザックリとした計画はあっても細かな対応策まで考えてはいなかった。なにしろ、通常とはパターンが違うからだ。自然とその怒りが速水に向かう。
《クソッ!ムカつく野郎だ!》
だが、それを表に出す事はない。速水の前で動揺する訳にはいかないからだ。俺は完全無視を決め込む。
「ふ~ん…。静かで良い場所じゃん。」
少し距離を置いた位置に腰を下ろした速水が言う。今は、陽が当たる小さなスペースの端と端に各々が座り込んでいる状態だ。何も答えない俺に対して、それ以上は話しかける事もせず黙々とパンにかぶりついている。
《何なんだよ!俺の憩いの時間を邪魔しやがって…!》
そんな速水を横目で睨む。こうして腹を立てても無駄な事は分かっている。だが、素直に納得出来るはずもない。
《フン!知るかよ!無視だ!無視、無視!》
何度も自分に言い聞かせながらバッグの中に手を突っ込む。そこで新たに気付く現実にヒヤリとする。
《あぁ、しまった…!これも考えてなかった…!》
俺が手にしたのは母親の「手作りオニギリ」だ。高校は給食というシステムがない。昼食は各自で持参するのだが、母親の手作り弁当を拒んだ結果がこれだった。高校生にもなって手作り弁当など恥ずかしいと思ったからだ。それは「男のプライド」のようなものだ。だが、その代わりに「ラップに包んだオニギリ」を持たされるようになった。結局、独りで食べる事により大した問題ではなくなっていた。これも、今ではすっかり慣れた「日常行動」の1つだ。
《うぅ…、速水の前でコレを食べるのか…?い、嫌だな…》
些細な事でも男として負けた気がしてならない。速水の前で「手作りオニギリ」を食べる自分が恥ずかしい。それでも腹は減っている。何も食べない訳にはいかない。
《し、仕方ない…。明日からはパンにしよう…》
昨夜の闘志は何処へやら…俺はどんどん弱気になっている。チラリと横目で探り見ると、既に食べ終えた速水は腕を組んで目を閉じている。どうやら昼寝を始めたらしい。俺を気にする様子は全く無い。
《……フン!昼寝かよ?!呑気な野郎だな!人の気も知らないで!バカヤロー!》
頭の中で思い切り文句を言う。それでも速水に隠れるようにしてゴソゴソとオニギリに噛りつく。そんな自分が情けない。
《クッソ~~!負けるもんか~~!!》
もう既に何度も負けた気がしてならない。憎々しげに噛みしめるオニギリは味がしないほどだった。
その後も、速水が話しかけて来る事は無いままに昼休みが終わる。俺は落ち着かないだけの悶々とした時間を過ごす羽目となった。
更に、翌日からは駅の売店でパンを買う羽目になる。母親の手作りオニギリはバッグの中で日の目を見る事もなくなった。食べていないのがバレないように帰りの駅のホームでゴミ箱行きとなる。さすがに、朝から捨てる勇気はない。その行動の何もかもが無駄に思えて腹が立つ。それでも今は耐えるしかない。
《クッソ~!何でこうなるんだよ!俺は何をやってんだ?!》
《いや、我慢だ!我慢!これも暫くの間だけだ…!》
オニギリに罪は無い。ただ、オニギリを持たせる母親が悪いのだ。そして、俺はそれを拒めない。弁当を拒んだだけでも上等だろう。
《俺は悪くない!速水のせいだ!全部アイツが悪いんだ!》
全ての怒りが速水に向かう。何かにつけて速水の方が勝っているような気がしてならないからだ。近くに居るだけで無駄に俺を刺激する。ゲイというだけでも身体が勝手に萎縮してしまう。それを悟られないようにするだけでも必死だった。
《クソッ!負けるもんか!俺はビビってる訳じゃないからな!今に見てろよ!ギャフンと言わせてやる!》
そうやって対抗意識を燃やし続ける。これ以上の弱みを握られれば速水の思うツボだろう。ゲイだけあって何をされるか分からない。
《クソッ…冗談じゃない!これ以上、速水の言いなりになんてならないからな!》
それ以上は考えるだけでも身震いがする。想像したくもない事だ。ゲイに対する拒絶感は半端ではない。
《うわあぁ~~!ダメだダメだダメだ!考えるな!やめろ~!》
そんなこんなで初日から散々だった。頭の中から排除するだけでも必死だった。
そして、2日目…3日目と過ぎる。
ただ、俺も負けてはいられない。最初の狙い通りに速水を利用しながら動向を探る。探ると言っても不審な行動が有るか無いかを見分けるのが精一杯だ。正直なところ、速水の存在に慣れるだけでも大変だった。
「相澤、昼飯行こうぜ。」
速水がにこやかに声をかけてきた。あまりの自然さに驚く。
「え…?お、俺は…独りで良い。」
「何で?たまには学食でもどう?」
「いや…、いい。」
「ふ~ん。それじゃあ、場所を移すか?その前に、学食で何か買うから付き合えよ。」
「な、何で…?」
「独りだとヤバイだろ?アイツが見てるぜ。」
不意に小声で言われて顔を上げる。速水が目線だけで合図した廊下の奥に人影が見える。昨日の奴が俺を付け狙っているらしい。
《クソッ…!しつこい奴!待ち伏せかよ?!》
一瞬、背筋がゾクリとして最悪な気分になる。
「早く行こうぜ。モタモタしてると売り切れる。」
速水が軽い口調で笑いながら教室を出て行く。今は従うのが得策のようだ。その後を追うようにして教室を出ると、男が慌てて逃げ出すのが見えた。
《うわっ!?ホント最悪…!速水が居なかったらマジでヤバイかもな…?》
Kの執念深さを感じてブルリと身が震えた。
《チッ…!厄介な野郎だ!速水の言った通りかよ?!》
腹の中で舌打ちした俺は一気に不機嫌になる。ただ、僅かに眉をしかめる程度でほぼ無表情だ。しかも、俯向いているので誰に見られる事もない。
《クソッ…!やっぱり従うしかないって事かよ…!》
最悪の場合は「強引にヤラれる」だけなのだろうが、Kの顔を思い浮かべるだけでもゾッとする。そうなると答えは1つしかない。
《マジで最悪だな!》
昨日は「予想外」の出来事だった。とんだハプニングと言いたいところだが、今やハプニングでは済まされない。これは想定外の事ではないが、俺は深く考えていなかった。受け止めたくない事をリアルに考える人間など居ない。
そして、この時から俺の日常が崩れ始める。
初めて足を踏み入れた学食は多くの生徒達でごった返している。教室内とは比較にならないほど騒がしくて煩わしい場所だ。人混みが嫌いな俺は入口付近の隅に身を潜めて速水を待つ。
《……クソッ!何でこんな事になるんだよ?!と、とにかく我慢だ…!》
「忠犬ハチ公」のようにして待つ気分は最悪だ。だが、こうなってしまった原因は自分にもある。暫くは耐えるしかないのだろう。
《うぅ……我慢、我慢、我慢…》
「待たせたな。」
「……?!」
ひたすら自分に言い聞かせるようにして耐えていた俺は速水の声にビクンとなる。気が付けば、壁に貼り付くようにしてギュッと目を閉じていたらしい。情けない姿を見られた気分は最悪に最悪の上塗りだ。
《うわっ!?もう、超最悪!》
気まずさに俯向いたまま顔を背ける。出足から手痛い打撃を喰らった気分だ。既に、速水との勝負は始まっている。
「何してる?早く行こうぜ。」
速水はチラリと見ただけで何も言わない。俺は逃げるような足取りで校舎の外に出る。
4月の屋外はまだ肌寒いが、校内の薄汚れて淀んだ空気よりはマシだ。俺は大きく息をする。
《ふぅ……。やっと一息つける》
気を取り直して「いつもの場所」へと足を向ける。昼休みに独りで過ごしている秘密の場所だ。後方から速水が無言で付いて来る。
《やっぱり、付いて来るって事だよな…?》
本来なら独りになりたいところだが、昼休みの事まで考えていなかった俺の落ち度だ。
《うぅ…、仕方ない…!こんな事まで考えてなかった》
既に「マンネリ化」された日常行動を予定も無しに変更するのは難しい。今から場所を変える策も、速水を追い払う手段も思い浮かばない。何よりも、計算外の行動は危険を伴う。
《ああぁ~~!なんでこんな事になるんだよ~!?》
次々と襲いかかる現実に頭の中が拒絶反応を示す。だが、逃れる術は無い。そして、速水とは会話をする気もない。
そもそも、俺は自分の行動しか考えない。しかも、昨夜は速水に対する闘志をメラメラ燃やしただけに終わっている。ザックリとした計画はあっても細かな対応策まで考えてはいなかった。なにしろ、通常とはパターンが違うからだ。自然とその怒りが速水に向かう。
《クソッ!ムカつく野郎だ!》
だが、それを表に出す事はない。速水の前で動揺する訳にはいかないからだ。俺は完全無視を決め込む。
「ふ~ん…。静かで良い場所じゃん。」
少し距離を置いた位置に腰を下ろした速水が言う。今は、陽が当たる小さなスペースの端と端に各々が座り込んでいる状態だ。何も答えない俺に対して、それ以上は話しかける事もせず黙々とパンにかぶりついている。
《何なんだよ!俺の憩いの時間を邪魔しやがって…!》
そんな速水を横目で睨む。こうして腹を立てても無駄な事は分かっている。だが、素直に納得出来るはずもない。
《フン!知るかよ!無視だ!無視、無視!》
何度も自分に言い聞かせながらバッグの中に手を突っ込む。そこで新たに気付く現実にヒヤリとする。
《あぁ、しまった…!これも考えてなかった…!》
俺が手にしたのは母親の「手作りオニギリ」だ。高校は給食というシステムがない。昼食は各自で持参するのだが、母親の手作り弁当を拒んだ結果がこれだった。高校生にもなって手作り弁当など恥ずかしいと思ったからだ。それは「男のプライド」のようなものだ。だが、その代わりに「ラップに包んだオニギリ」を持たされるようになった。結局、独りで食べる事により大した問題ではなくなっていた。これも、今ではすっかり慣れた「日常行動」の1つだ。
《うぅ…、速水の前でコレを食べるのか…?い、嫌だな…》
些細な事でも男として負けた気がしてならない。速水の前で「手作りオニギリ」を食べる自分が恥ずかしい。それでも腹は減っている。何も食べない訳にはいかない。
《し、仕方ない…。明日からはパンにしよう…》
昨夜の闘志は何処へやら…俺はどんどん弱気になっている。チラリと横目で探り見ると、既に食べ終えた速水は腕を組んで目を閉じている。どうやら昼寝を始めたらしい。俺を気にする様子は全く無い。
《……フン!昼寝かよ?!呑気な野郎だな!人の気も知らないで!バカヤロー!》
頭の中で思い切り文句を言う。それでも速水に隠れるようにしてゴソゴソとオニギリに噛りつく。そんな自分が情けない。
《クッソ~~!負けるもんか~~!!》
もう既に何度も負けた気がしてならない。憎々しげに噛みしめるオニギリは味がしないほどだった。
その後も、速水が話しかけて来る事は無いままに昼休みが終わる。俺は落ち着かないだけの悶々とした時間を過ごす羽目となった。
更に、翌日からは駅の売店でパンを買う羽目になる。母親の手作りオニギリはバッグの中で日の目を見る事もなくなった。食べていないのがバレないように帰りの駅のホームでゴミ箱行きとなる。さすがに、朝から捨てる勇気はない。その行動の何もかもが無駄に思えて腹が立つ。それでも今は耐えるしかない。
《クッソ~!何でこうなるんだよ!俺は何をやってんだ?!》
《いや、我慢だ!我慢!これも暫くの間だけだ…!》
オニギリに罪は無い。ただ、オニギリを持たせる母親が悪いのだ。そして、俺はそれを拒めない。弁当を拒んだだけでも上等だろう。
《俺は悪くない!速水のせいだ!全部アイツが悪いんだ!》
全ての怒りが速水に向かう。何かにつけて速水の方が勝っているような気がしてならないからだ。近くに居るだけで無駄に俺を刺激する。ゲイというだけでも身体が勝手に萎縮してしまう。それを悟られないようにするだけでも必死だった。
《クソッ!負けるもんか!俺はビビってる訳じゃないからな!今に見てろよ!ギャフンと言わせてやる!》
そうやって対抗意識を燃やし続ける。これ以上の弱みを握られれば速水の思うツボだろう。ゲイだけあって何をされるか分からない。
《クソッ…冗談じゃない!これ以上、速水の言いなりになんてならないからな!》
それ以上は考えるだけでも身震いがする。想像したくもない事だ。ゲイに対する拒絶感は半端ではない。
《うわあぁ~~!ダメだダメだダメだ!考えるな!やめろ~!》
そんなこんなで初日から散々だった。頭の中から排除するだけでも必死だった。
そして、2日目…3日目と過ぎる。
ただ、俺も負けてはいられない。最初の狙い通りに速水を利用しながら動向を探る。探ると言っても不審な行動が有るか無いかを見分けるのが精一杯だ。正直なところ、速水の存在に慣れるだけでも大変だった。
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