俺達の行方【続編】

穂津見 乱

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熱い2人

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俺の手に身を任せて気持ち良さそうに感じてくれる剛。ずっとリードしてくれている剛が見せる甘い一面。少し甘えるように身体を擦り寄せて俺を誘っている。

「弘人…、弘人…。」

キスを欲しがる口唇が俺の名を呼ぶ。熱っぽく潤んだ瞳が俺を覗き込んでくる。色気に満ちた表情が俺を惹きつける。

「剛、好き。大好き…。」

「弘人、俺も…好き…。大好きだ…。」

うっとりと見つめてくる剛の口唇を優しく塞ぐ。甘い口唇、甘い舌、甘い唾液、甘すぎるキス。

「は……っ…、ぁぁ……、ん……」

口唇を重ねる度に漏れる吐息までもが甘く広がる。

《剛……、剛……》

今は俺の気分を高める為に主導権を譲ってくれているようだ。俺のキスを待ち焦がれるように受け身で誘ってくる。口唇を離すとせがむように可愛らしくチュッと吸い付いてくる。

《剛、カワイイ…。マジで可愛い…!もう、最高…!》

それに応える俺の心が熱く燃える。甘い舌を絡め取って吸い上げて唾液まで堪能する。

「ん…っ…、ん……、弘人…っ」

更に、可愛らしく喉の奥で小さく啼く剛。その手が髪の毛を柔らかく包み込んでそっと撫でてくる。それがもの凄く心地良い。全身で俺を包み込みながらも可愛らしく甘えてくれる。

体勢的には俺が剛の腕に抱かれているような格好だが、そんな事さえ感じさせないほどに甘え上手だ。スリスリと顔を擦り寄せて来る仕草も、耳や首を甘噛みしてくる癖も、チュッと吸い付いてくる口唇も、甘える仔犬のように無邪気で可愛らしい。しかも、色気に満ちた表情とムード満点の優しい雰囲気も兼ね備えた最強モードだ。今日は、甘えも色気も何もかもが全開らしい。滅多に見せない姿だけに俺は激しく悶絶してまう。当然、俺も男だけにムラムラ度が急上昇する。

「剛、好きだ…!好きだ…!」

夢中でキスをしながら剛に跨りグイグイと股間を押し付ける。擦れ合う互いの熱が更に上昇する。

「あ…、あぁ…っ、弘人…すげぇいい…。すげぇ感じる…。あぁ、もっと…!」

剛の気分も高揚している。俺の身体を強く引き寄せ、たまらないとばかりに切なげに腰を揺らしてくる。夢中になって求めてくる。共に感じる快感に身を投じてくる。剛に抱きついて腰を動かす俺の気分も最高潮になる。

《剛…、剛…!もっと一緒に感じたい!もっとお前を感じさせたい!剛!大好きだ!》

「んっ…、あぁ…気持ちいい…!俺も、すげぇいい…!剛…好き、大好きだ…!」

強く抱きしめ合い、キスを交わして熱を感じる。そのままベッドに倒れ込み、剛の上に跨がったまま夢中で腰を動かす。ローションがジワリと流れ出すような感覚に何か漏らしたのではないかと思いながらも、そんな事さえどうでも良いほどに興奮してしまう。弄られたダメージが痛みのように感じられても、それさえもが興奮に変わる。剛を求めて止まない想いが加速して行く。俺を受け止める剛の興奮度もかなりのものだ。

「あぁ…っ…、弘人…、はぁ…っ…、ん…ぁあ……っ…、弘人…っ…!」

俺の下で息を乱して喘ぐ剛の姿。口唇を震わせて漏らす声は大きく、上気した頬に堪能的すぎる表情。軽く仰け反る喉元、荒い呼吸に激しく上下する胸板、熱を帯びた肌はしっとりと濡れて艶かしく、その首に纏わり付く金のネックレスが妖艶に光る。何もかもが色気に満ちて俺を虜にして放さない。その全てを目に焼き付ける。

《剛…!最高だ…!!》

俺は男としての最高の歓喜を味わう。剛の魅力は留まるところをしらない。史上最強の男だ。いや、俺の人生で「一番最高の男」だ。この男を手に入れられるなら、俺は自分の全てを投げ出せる。俺に与えられるもの全てを与えてやりたいと強く願う。

《剛…!俺の全てをお前にやる…!!》


「弘人、お前の中に挿れたい。」

剛が熱い吐息と共に切ない想いを告げてくる。俺の股間の下で硬さを増した剛のその身が突入の時を待っている。

「剛…!俺も、お前が欲しい!」

剛の上に倒れ込み、その身体を力一杯抱きしめて俺の全てを剛に捧げる。

「剛!俺は一生、お前のものだ…!」

「弘人、俺は生涯かけてお前を愛する。誓うよ、弘人。永遠に…。」

剛の腕に力強く抱きしめてられて、生涯の愛と永遠の誓い。感極まって頭の芯の奥の奥まで痺れきった俺は…そこからの記憶が吹き飛んでしまったらしい。

剛に抱きすくめられて…キスをされて…甘い囁き…熱い肉体…激しい興奮の嵐…。

《……熱い……苦しい……》

《……焼ける……これは俺の身体……?》

《……それとも……剛……?》

《……熱い…、熱い…、苦しい……》

《……助けて…、剛、助けて……!》

「剛……っ…!!」

目一杯に叫んで腕を伸ばす。間近に感じる剛の存在、それを必死に捕まえようと闇雲に手を動かす。

「弘人、大丈夫だ。ちゃんとここに居るぜ。」

しっかりと握り返してくれる温かい手と優しい声。

「あ…、あぁ…剛…。俺…、どうなった…?」

目を開けると剛の顔が覗き込んでくる。少し驚いたように目を見開いた後、ふっと柔らかく微笑む。その瞳は情熱の炎を宿している。

不思議な色の瞳、深い海の底のような神秘的な輝き。色に例えるならダークブルーのようでもあるが、それも違うようだ。剛の感情を表すように色を変えてゆらめいて見える。本当に魅力的な色の瞳をしている。間近で見なければ分かりにくいだけに、俺だけの特別な宝石のように思える。

パッと見は黒目に見える。普通にしていれば気付かないぐらいだ。背が高いだけあって剛の目を覗き込める奴も少ない。しかも、男同士ではそこまで接近する事もない。そもそも、瞳の色まで気にかける奴など居ない。俺でさえも告白されたあの時まで全く気付いていなかった。

日本人の瞳孔の色は良く見ると茶色系だ。その違いだろうか?キラキラして見える瞳は印象的で魅力的だ。それは色のせいだけではないのだろう。剛の瞳が生き生きと輝き、その笑顔が最高に幸せそうだからだ。吸い込まれそうな瞳をジッと見つめていると、身体の苦しさも吸い取られて行くようだ。

「弘人、大丈夫か?良く頑張ったな。」

その瞳が柔らかく微笑む。酸欠気味でボーッとしながら見惚れていた俺はハッとして我に返る。

「え…?え…?!何?!もう終わったのか?!」

「本番はこれからだぜ。お前の中に入るから、俺を受け止めてくれよな。」

「え…?あ…、こ…これから?」

「何だよ?さっきの覚えてないのか?」

「いや…。熱くて…すげぇ苦しかった…。」

「ごめんな。でも、ちゃんと解しておかねぇと挿れるの無理そうだったからな。」

「ああ…分かってる…。俺、頑張るから…。」

「弘人、ありがとな。マジで愛してる。」

幸せそうな剛の微笑み。俺の髪の毛を優しく撫でてくれていた手がスルリと頬に滑ってくる。愛おしそうに頬をなぞる指先が口唇に触れる。

「弘人、俺を愛してる?」

「あ、あ、あ…当たり前だろ!」

剛が何度も囁いてくれる言葉。俺はその言葉をなかなか口に出来ない。それでも俺の口から聞きたいらしい。

随分と大人びて見える剛には愛の言葉も良く似合う。意志の強い眼差しも、愛を囁く口唇も、その微笑みも表情も、何もかもが俺を愛してくれる男の顔だ。

「剛…、俺も…。」

「うん。俺も…?」

「お…、お…、俺も、お前を……。」

「うん。弘人も俺を…?」

「あ、あ、あ…、あいらぶゆ~だ!」

「ブッ…!」

「笑うな!」

剛が爆笑する。俺は真っ赤になって怒る。

「バカ!お前が無理やり言わせたんだろ!?も~う!知らねぇ!言わねぇ!二度と口にするかよ!バ~カ!!」

「ハハハ、も~う、最高だな!弘人!」

「うるせぇ~!」

「弘人、愛してるぜ。」

「おう!俺はお前にすんげぇ~愛されてるからな!」

「俺も、弘人にすげぇ愛されてるぜ!」

「ああ、そうだよ!俺もお前を愛…っ!」

「………。何?言わねぇのか?」

「い、言わねぇ~!って言っただろ~~!!」

「ハハハ、分かってる。言わなくても充分にな。お前が俺の腕の中に居る。それが答えだ。」

楽しくふざけ合っていた剛がグッと強く抱きしめてくる。一気にムードが変わり、俺の胸がドキンと大きく鳴る。

「弘人、お前を抱くぜ。いいな?」

耳元で低く囁く剛の声、真剣な熱い想いが込められている。

「ああ…、いいよ。」

少し混乱していた頭も、熱くて苦しかった感覚も、何もかも軽々と吹き飛ばしてくれる。剛に愛されて満たされた俺の心は、身体の苦しさをも乗り越えるほど幸せに喜び震える。

真剣な瞳で見つめてくる剛に、俺は最高の笑顔で応える。

《剛、お前は最高の男だ!俺はお前に誓う!俺達は永遠に離れない!何があっても永遠に…!》
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