20 / 40
指令1 立てこもり犯からクラスメイトを護りきれ!
18:二人の睦み合いと美晴の手料理
しおりを挟む
ああいう風に言われてしまえば、私も気にせざるを得ないでしょ。
麻里菜は一人、ソファに寄りかかり腕を組んで考えていた。
「麻里菜、一緒にお風呂入ろ!」
トイレから帰ってきた美晴は、リビングに入りざまにそう言った。
「ええっ!?」
「いいじゃん、女どうしなんだし」
「さっき私に告っといて?」
「いやいやいや、別にそういう、そういう目で見るつもりはないから!」
ぜってぇウソだろ……。めっちゃ焦ってるし。
「あと五分でお風呂沸くからね」
まさか双子の妹が美晴で、しかもレズビアンだなんて。探してるときなんて、そんなの思いもしなかったなぁ。
疑うような目で、着替えやらバスタオルやらを用意する美晴の背中を追っていると、あっという間に五分が経ってしまった。
絶対そういう目で見る気満々だろうし……服脱ぐのも恥ずかしいんですけど!!
麻里菜はそぉっと洗面所をのぞいた。……いた。気づかれた。踵を返そうとしたが、
「ちょっとぉ~逃げないでよぉ~!」
がっしりと腕を捕まれ、ズルズルと引きずりこまれてしまった。緊張と羞恥から抵抗する力も出ない。
麻里菜はあきらめた。
「ホントに……『合法、合法』ってさぁ……」
「だって麻里菜の反応がかわいいんだもん」
「まだ会ってから一週間だよ?」
「麻里菜、慎重すぎるってば」
ドライヤーで髪を乾かしながら、大声で美晴に文句を言う麻里菜。美晴のおもちゃにされてのぼせてしまったのだ。あらかた乾いたので美晴にドライヤーを手渡す。
「麦茶、勝手にいれて飲んでいい?」
「いいよ~」
コップ一杯の麦茶を飲み干して、はぁ……とため息をついく。
私だったら絶対にありえない。まぁ……悪くはなかったけど。
「麻里菜、どこで寝る? 部屋別々の方がいい?」
あ、てっきり「いっしょの部屋で寝よ!」とか言われると思ってたけど、『部屋を別々にする』っていう選択肢、あるんだ。
二階は三つにしきられた部屋があった。階段をのぼって右の部屋はお父さんの部屋らしい。
「それなら別々……」
「とか聞いておいてなんだけど、こちらで強制的に同じ部屋にしておきましたー!」
「ちょっと!」
さっきから完全に美晴の手の中で転がされてる気がするけど……もういいや。
「い、嫌だった?」
「嫌というか……告られた上に風呂であんなことされたら、誰もがためらうだろうが!」
「ふふふ……大成功」
「えっと、その手はなに? だんだんこっちにのびてきてるような……」
横からがっちりと体を拘束され、またもズルズルと引きずられていく。
あぁ、なかなか寝させてくれなさそうだな……。
「さっきお風呂入ったときに思ったんだけど、麻里菜のおっぱい大きいよね」
「そ、そうかな? Eカップだけど……」
「ほらほら、デカいじゃん! 触り心地よきだったから触らせてよ」
「ちょっと、やめてって」
「女の子どうしは合法~」
「相手の同意なしじゃあ犯罪だからね!?」
しばらくして。
「麻里菜、変化してよ~。あのもふもふを触りながら寝たい」
「さんざん私の触っておいて……! 私はぬいぐるみじゃないんだから」
渋りながらも「妖怪変化」と唱えると、キツネの耳としっぽがピョコンと出現した。
「やったあ! もふもふ、もふもふ~!」
まぁ触られるのは構わないんだけど、耳としっぽのつけ根はくすぐったいんだよ……。って!
「隙あらばそうやって手を伸ばして……、仕返しっ!」
フニッ
「あー! 麻里菜、私の胸触った!」
「そっちだって何遍もやってきたくせに。ただ一方的じゃ嫌だよ!」
「ほう? なるほど……」
「えっ、ちょっと…………うわわわわ!」
翌朝、麻里菜は目を覚ます。ぼやけていた視界がだんだんと焦点が合ってきて、目の前で像を結んだ。
「うわぁっ! ち、近っ!?」
「麻里菜、おはよ~」
美晴はエプロンをしていた。そこの開いたドアからおいしそうなにおいがしてきている。
部屋の時計は九時を指していた。
「きょ、距離感っていうのはないの?」
「"麻里菜だから"ない」
ほほをつつかれた麻里菜は、自分に覆いかぶさっている美晴をどけて布団をたたむ。
「麻里菜、塩対応すぎない~? 昨日の夜はあんなことしてくれたのにさ~」
「あれはいわゆる深夜テンションで……というか、今になって恥ずかしくなってきたわ!」
つつかれたほほを赤らめ、ブンブンと首を振った。
美晴は麻里菜の肩を後ろから持ち、前に押して廊下を歩かせる。
「朝ごはんできてるからね。一時間半前から起きて麻里菜のために作ったんだから!」
「一時間半前から! ……ありがとう」
とてつもなく朝が弱い自分には一生できなさそうだと思い、お礼を言っておく。
ダイニングテーブルには、ご飯・みそ汁・鮭の塩焼き・切り干し大根の煮物・卵焼き、と朝から一汁三菜が守られた豪華な食事が並んでいた。
「こ、こんなに食べられるかな……」
「今日は頑張ってみた。麻里菜がうちに来なかったら私一人だったし、もともとはシリアルくらいで済ませようと思ってたくらい」
夕食ならこれほどの品数の料理を作ったことがある麻里菜。だが慣れていないこともあり、二時間以上はかかった記憶がある。
「私もお腹すいたし、いっしょに食べよ!」
「うん、冷めないうちにね」
湯気がのぼる食事を挟んで、二人は手を合わせる。
「「いただきます」」
まずはみそ汁を口に含んだ。わかめと豆腐のいたって普通のみそ汁であるが、美晴が作ってくれただけで十分だった。小林家よりは少し濃いめである。いや、うちが薄味なのである。
鮭の皮を四分の一ほど外し、箸を入れた。うん、ご飯が進む。でもしょっぱすぎなくて絶妙なバランス。あ、骨があった。
「この鮭って、甘塩のやつ? それとも自分で塩振った?」
「甘塩だよ。これを買ったスーパーの鮭の塩加減がベストなの」
まるで主婦のような発言をする美晴。
「お父さんって何か家事やってくれるの?」
「あー、休みの日はやってくれるよ。平日は、朝早くて帰りは遅いからあんまりできない。夜のお皿洗いはしてくれるけど」
「じゃあ、平日の家事はほぼ美晴がやってるってこと?」
「そういうこと」
でもそうなるよなぁ。一人娘のために働いてくれてるから、自分は率先して家事をしなくちゃいけないって……。
切り干し大根は小林家よりシンプルなものだった。切り干し大根と油揚げのみ。油揚げではなく厚揚げで、にんじんやしめじが入っている食べ慣れたものとは違った。
朝だから、そんなに手間かけられないか。
麻里菜は味を楽しむために黙々と食べ続けている。卵焼きを一切れ口に入れる。
「そういえば、全体的に茶色っぽくなっちゃった。もうちょっと彩りを考えた方がよかったかも」
美晴が箸を止め、テーブルの上を見回す。
「いやいや、十分すぎるって。どれもすごくおいしいから」
「ほんとに? それなら作ったかいがあったよ!」
「ごめん、そういえばおいしすぎてしゃべるの忘れてた」
麻里菜は屈託のない笑顔を見せると、美晴は安心したように胸をなで下ろす。そして、その笑顔をうっとりと眺めていたのだった。
麻里菜は一人、ソファに寄りかかり腕を組んで考えていた。
「麻里菜、一緒にお風呂入ろ!」
トイレから帰ってきた美晴は、リビングに入りざまにそう言った。
「ええっ!?」
「いいじゃん、女どうしなんだし」
「さっき私に告っといて?」
「いやいやいや、別にそういう、そういう目で見るつもりはないから!」
ぜってぇウソだろ……。めっちゃ焦ってるし。
「あと五分でお風呂沸くからね」
まさか双子の妹が美晴で、しかもレズビアンだなんて。探してるときなんて、そんなの思いもしなかったなぁ。
疑うような目で、着替えやらバスタオルやらを用意する美晴の背中を追っていると、あっという間に五分が経ってしまった。
絶対そういう目で見る気満々だろうし……服脱ぐのも恥ずかしいんですけど!!
麻里菜はそぉっと洗面所をのぞいた。……いた。気づかれた。踵を返そうとしたが、
「ちょっとぉ~逃げないでよぉ~!」
がっしりと腕を捕まれ、ズルズルと引きずりこまれてしまった。緊張と羞恥から抵抗する力も出ない。
麻里菜はあきらめた。
「ホントに……『合法、合法』ってさぁ……」
「だって麻里菜の反応がかわいいんだもん」
「まだ会ってから一週間だよ?」
「麻里菜、慎重すぎるってば」
ドライヤーで髪を乾かしながら、大声で美晴に文句を言う麻里菜。美晴のおもちゃにされてのぼせてしまったのだ。あらかた乾いたので美晴にドライヤーを手渡す。
「麦茶、勝手にいれて飲んでいい?」
「いいよ~」
コップ一杯の麦茶を飲み干して、はぁ……とため息をついく。
私だったら絶対にありえない。まぁ……悪くはなかったけど。
「麻里菜、どこで寝る? 部屋別々の方がいい?」
あ、てっきり「いっしょの部屋で寝よ!」とか言われると思ってたけど、『部屋を別々にする』っていう選択肢、あるんだ。
二階は三つにしきられた部屋があった。階段をのぼって右の部屋はお父さんの部屋らしい。
「それなら別々……」
「とか聞いておいてなんだけど、こちらで強制的に同じ部屋にしておきましたー!」
「ちょっと!」
さっきから完全に美晴の手の中で転がされてる気がするけど……もういいや。
「い、嫌だった?」
「嫌というか……告られた上に風呂であんなことされたら、誰もがためらうだろうが!」
「ふふふ……大成功」
「えっと、その手はなに? だんだんこっちにのびてきてるような……」
横からがっちりと体を拘束され、またもズルズルと引きずられていく。
あぁ、なかなか寝させてくれなさそうだな……。
「さっきお風呂入ったときに思ったんだけど、麻里菜のおっぱい大きいよね」
「そ、そうかな? Eカップだけど……」
「ほらほら、デカいじゃん! 触り心地よきだったから触らせてよ」
「ちょっと、やめてって」
「女の子どうしは合法~」
「相手の同意なしじゃあ犯罪だからね!?」
しばらくして。
「麻里菜、変化してよ~。あのもふもふを触りながら寝たい」
「さんざん私の触っておいて……! 私はぬいぐるみじゃないんだから」
渋りながらも「妖怪変化」と唱えると、キツネの耳としっぽがピョコンと出現した。
「やったあ! もふもふ、もふもふ~!」
まぁ触られるのは構わないんだけど、耳としっぽのつけ根はくすぐったいんだよ……。って!
「隙あらばそうやって手を伸ばして……、仕返しっ!」
フニッ
「あー! 麻里菜、私の胸触った!」
「そっちだって何遍もやってきたくせに。ただ一方的じゃ嫌だよ!」
「ほう? なるほど……」
「えっ、ちょっと…………うわわわわ!」
翌朝、麻里菜は目を覚ます。ぼやけていた視界がだんだんと焦点が合ってきて、目の前で像を結んだ。
「うわぁっ! ち、近っ!?」
「麻里菜、おはよ~」
美晴はエプロンをしていた。そこの開いたドアからおいしそうなにおいがしてきている。
部屋の時計は九時を指していた。
「きょ、距離感っていうのはないの?」
「"麻里菜だから"ない」
ほほをつつかれた麻里菜は、自分に覆いかぶさっている美晴をどけて布団をたたむ。
「麻里菜、塩対応すぎない~? 昨日の夜はあんなことしてくれたのにさ~」
「あれはいわゆる深夜テンションで……というか、今になって恥ずかしくなってきたわ!」
つつかれたほほを赤らめ、ブンブンと首を振った。
美晴は麻里菜の肩を後ろから持ち、前に押して廊下を歩かせる。
「朝ごはんできてるからね。一時間半前から起きて麻里菜のために作ったんだから!」
「一時間半前から! ……ありがとう」
とてつもなく朝が弱い自分には一生できなさそうだと思い、お礼を言っておく。
ダイニングテーブルには、ご飯・みそ汁・鮭の塩焼き・切り干し大根の煮物・卵焼き、と朝から一汁三菜が守られた豪華な食事が並んでいた。
「こ、こんなに食べられるかな……」
「今日は頑張ってみた。麻里菜がうちに来なかったら私一人だったし、もともとはシリアルくらいで済ませようと思ってたくらい」
夕食ならこれほどの品数の料理を作ったことがある麻里菜。だが慣れていないこともあり、二時間以上はかかった記憶がある。
「私もお腹すいたし、いっしょに食べよ!」
「うん、冷めないうちにね」
湯気がのぼる食事を挟んで、二人は手を合わせる。
「「いただきます」」
まずはみそ汁を口に含んだ。わかめと豆腐のいたって普通のみそ汁であるが、美晴が作ってくれただけで十分だった。小林家よりは少し濃いめである。いや、うちが薄味なのである。
鮭の皮を四分の一ほど外し、箸を入れた。うん、ご飯が進む。でもしょっぱすぎなくて絶妙なバランス。あ、骨があった。
「この鮭って、甘塩のやつ? それとも自分で塩振った?」
「甘塩だよ。これを買ったスーパーの鮭の塩加減がベストなの」
まるで主婦のような発言をする美晴。
「お父さんって何か家事やってくれるの?」
「あー、休みの日はやってくれるよ。平日は、朝早くて帰りは遅いからあんまりできない。夜のお皿洗いはしてくれるけど」
「じゃあ、平日の家事はほぼ美晴がやってるってこと?」
「そういうこと」
でもそうなるよなぁ。一人娘のために働いてくれてるから、自分は率先して家事をしなくちゃいけないって……。
切り干し大根は小林家よりシンプルなものだった。切り干し大根と油揚げのみ。油揚げではなく厚揚げで、にんじんやしめじが入っている食べ慣れたものとは違った。
朝だから、そんなに手間かけられないか。
麻里菜は味を楽しむために黙々と食べ続けている。卵焼きを一切れ口に入れる。
「そういえば、全体的に茶色っぽくなっちゃった。もうちょっと彩りを考えた方がよかったかも」
美晴が箸を止め、テーブルの上を見回す。
「いやいや、十分すぎるって。どれもすごくおいしいから」
「ほんとに? それなら作ったかいがあったよ!」
「ごめん、そういえばおいしすぎてしゃべるの忘れてた」
麻里菜は屈託のない笑顔を見せると、美晴は安心したように胸をなで下ろす。そして、その笑顔をうっとりと眺めていたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました
東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。
王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。
だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。
行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。
冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。
無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――!
王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。
これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
「魔神」を拾ったら、なぜか懐かれてトップ配信者に!? 最強の美少女魔神と、巨大すぎるワンコ(フェンリル)と送る、バズりまくりの同
伊部 なら丁
ファンタジー
現代日本、ダンジョン配信全盛期。
視聴者数「0人」が定位置の底辺配信者・ソラは、ある日、ダンジョンの未踏破区域で「人類の天敵」とされる伝説の魔神と遭遇する。
死を覚悟したソラだったが、絶世の美少女の姿をした魔神・ティアグラが興味を示したのは——ソラの持っていた「焼きそばパン」と「スマホ」だった!?
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く
液体猫
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞受賞しました(^_^)/
香を操り、死者の想いを知る一族がいる。そう囁かれたのは、ずっと昔の話だった。今ではその一族の生き残りすら見ず、誰もが彼ら、彼女たちの存在を忘れてしまっていた。
ある日のこと、一人の侍女が急死した。原因は不明で、解決されないまま月日が流れていき……
その事件を解決するために一人の青年が動き出す。その過程で出会った少女──香 麗然《コウ レイラン》──は、忘れ去られた一族の者だったと知った。
香 麗然《コウ レイラン》が後宮に現れた瞬間、事態は動いていく。
彼女は香りに秘められた事件を解決。ついでに、ぶっきらぼうな青年兵、幼い妃など。数多の人々を無自覚に誑かしていった。
テンパると田舎娘丸出しになる香 麗然《コウ レイラン》と謎だらけの青年兵がダッグを組み、数々の事件に挑んでいく。
後宮の闇、そして人々の想いを描く、後宮恋愛ミステリーです。
シリアス成分が少し多めとなっています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる