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シルヴィとの再開

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半年ぶりに地に足をつけた俺は大きく呼吸をする。久しぶりの空気は・・・



「がはっ!」



息ができない・・・でも当たり前かもしれない半年ぶりの呼吸なのだから肺が痛い咳をするたびに肺から水が出る。

すでに地上に出てから5分近く呼吸していない・・・。



わかっていたことだがこの世界の酸欠は、必ずしも死に直結するわけではない。HP(体力値)それが全てだ。

ただ酸欠が続くと体力の減る割合がどんどん増えていく。



回復の泉から出て体力自動回復(極大)のみで命を繋いでる状態だ。早く呼吸できるようにならなくては

すると脳内にお馴染みのアナウンスが聞こえる。



「臓器操作 獲得」



鑑定で詳細を確認する。



臓器操作:自分の意志で任意の臓器を動かすことができる。



まさにご都合主義!俺は自分の肺に意識を向け、水を押し出す様に動かした。



「ごほっごっほ!」



息ができるようになった。空気が冷たい冬だ。半年ぶりの空気は美味しい。というか俺の意識が覚醒してから初めての呼吸とも言える。



さて、家に帰ろうか。多分死んだ事になっているはずだ。適当に体を汚して帰ろう。まぁ今どこにいるのかわからないんだけどね。とりあえず川を遡って流れ始めたポイントへ向かおう。



一時間ほど歩いたが、まだ着かない。かなり流されたようだ。気分良く鼻歌を歌いながら歩いているとゴブリンが5匹こちらに来た。さあ、腕試しと行こうか。



 ゴブリンの一匹が飛びかかってくる。ゴブリンは5匹もいれば大人でも命を奪われ兼ねない恐ろしい生物だ。俺はゴブリンの振るったナイフを避け、その腹を軽く殴る。

するとゴブリンの体は爆散した。





「えぇーお腹を殴っただけなのに。」



おや?背中を切られた気がする後ろを見るとゴブリンが俺を切りつけていた。

ゴブリンからナイフを奪い首を掻っ切るつもりが首を吹き飛ばしてしまった。



スキルだけ強くとも技術がないとだめだな。そう思いながら残りのゴブリンをなぎ倒す。

いい感じ体が汚れた。服も切られてボロボロだいいな!さて早く帰ろう!



 ゴブリンを倒してから一時間ほど経過しやっと見つけた。最初に流れた場所だ。

その川を悲しそうに見つめている女の子が座っているのが見えた。



川に流されたとき助けた幼馴染シルヴィだ。シルヴィは俺を見つけるとその体では想像もできないような速さでこちらまで走ってきて抱きついた。



「エルビス?エルビスだ!!生きてたんだ!よかっだよ~本当に心配したんだよ死んだんじゃないかってマリーさんもマリウスさんもそう言うから私もそうなんじゃってずっと!今までどこにいたの?」



ものすごいマシンガントークをしてくるシルヴィ、ところでエルビスって誰だ?どこかで聞いた気がする。



「え?エルビスって君の名前だよ?も、もしかしてわすれちゃったの?」



そうだ、エルビスって今の俺の名前かステータスの表記が前世のままだったから忘れてた。



シルヴィがマシンガントークをしてきたせいでポロッと口に出していたらしい。



「ねぇ?私のことも忘れちゃった?シルヴィっていうんだけど?覚えてる?」



「ああ、少しだけ覚えてる確か幼馴染の・・・合ってるよな?」



 実際は覚えているのだが都合の良い解釈だったのでそれに乗ることにしたが、あんまりにも悲しい顔をしてるから、少し覚えてるとか言っちゃった。





「うん、うん!そうだよ!シルヴィだよ。」



シルヴィの顔を見ていると一瞬悪巧みを考えていそうな顔をした。



「あ、そうだ1私達ね、“ふうふ”なんだよ!覚えてる?でも覚えてないならしょうがないよね」



一瞬悲しい顔をしてみせる。覚えている俺からしたら子供の可愛い嘘なのだがどうしようか?などと考えているとシルヴィが次の行動に出た。



「そう!覚えてないのはしょうがないけど、ふうふだから!うわき、しちゃだめだよ!」



果たしてシルヴィは夫婦と浮気の意味を理解しているのだろうか?小さい子どもが言ってることなので意味のない単語のようにしか聞こえない。



 さてと嘘つきには一発、かましてやらないとな俺は本気で演技をする。



「そうなんだね、僕たち夫婦なんだね・・・でもごめんね、僕覚えてないから急にそんな事言われても困る。シルヴィちゃんは可愛いけど、今の僕からしたらただの知らない人なんだ、だから別れてほしい」





俺にそんな事を言われるとは思っていなかったのだろうポロポロと泣き始めた





「う、うわ~ん、きらわれちゃった~ごめんなさい、嘘だから嘘なのふうふとか嘘だから嫌いにならないで~」



ガチ泣きしてしまった。ここからシルヴィはを慰めるのに一時間かかった。



「ぐす・・・じゃあエルビスくんのパパとママに会う?忘れちゃったかもしれないけど優しい人だよ?」



半泣きのシルヴィに手を引かれ俺は両親に会いに行く事になった。もちろん記憶喪失は演じたままで行く予定だ
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