無色の騎士《ナイト・オブ・カラーレス》

花月慧

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第一章 第一部

過去

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ちょっと暗い話しになります。苦手な方はダダダダっと読んでいただければ幸いです。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★



ドナ、ドナ、ドォナァ、ドォナァアア♪

あっ、どうも、アタルです。今、王都に向けて出荷、もとい王都へと移動している最中です。というのも、座る場所がなく木箱が山積みの貨物室へ放り込まれた僕と隣でグースカピーと幸せそうに眠る残念な親友。なので、こんな唄を暇潰しに歌っていたというわけだ。ていうか、よくこんなとこで寝れるな・・・。では、なぜこんなところにいるのかというと、それは二日前のあのイケメンマスクことジークさんに王都へと誘われたあの日に遡る。




「どうかな、アタルくん?」

「いやいやいや、なんで、僕なんかが王都に?」

「ん?ああ、ごめん、ごめん。説明を省きすぎたよ。実は、十字教会では定期的に巡業を行っている傍ら、魔法騎士の素質がありそうな子供を探しているんだ。魔獸が増えたからね、優秀な魔法騎士を育て王都の守りを固めたいんだよ」

「はあ・・・。ん?でも、そんなに優秀な人材を集めたら王都に偏りが出て、地方の人間から不満が出ませんか?」

「ははっ!痛いとこを突くね。まさにその通りで実際、北部・南部・東部の領主達からは煙たがわれて各々で学園を作り、優秀な人材を囲っているそうだよ」

「なるほど、それで西部に」

「まあね、未開の土地も多く。西部は王都に比べて、まだまだ発展途上だからねぇ」

軽く馬鹿にされているようだが、事実なのでしょうがない。山々に囲まれ自然を堪能できるかもしれないが娯楽は少なく、王都の人にとっては圧倒的に不便な生活なのだろう。ただ、生まれてから今まで、この村から出たことがないのでこの暮らしが当たり前過ぎて、僕らは不便とも感じていない。

「ということで、少し手続きが必要だけど、王都の学園で魔法騎士を目指さないかいっ!」

「うーん。でも、お高いんでしょう?」

「タダだよ」

「えっ!マジっすか?」

「わざわさ、王都に呼び寄せるからね。学費については、免除。寮での暮らしになるから、食費や身の回りのお金が少し必要になるかな。まあ、教会の庭の草むしりや掃除を手伝ってくれたら、給付金をその都度渡すようにするよ」

「うーん、憧れはしますけどねえ」

「・・・もしかして、お父さんのことかい?」

「ええ、ご存知かも知れませんが、父は足を患っておりまして。ここを離れるわけには・・・」

「君のお父さんからは、違うことが聞けたよ」

「えっ、それは?」

「オレのせいで倅の可能性が潰えるのは我慢ならない。あのバカがこんな老いぼれを気遣っているのなら、なめんじゃねえっ!ぶっ殺すぞっ!と、言っといてくださいってさ。本当に殺すような殺気放って言うから、ちょっと身構えちゃったよ」

烈火の騎士をも相手取る僕のとーちゃん、こわいっす。

「ははは、それは恐いですね。マジで!・・・」

「で、どうする?これは、強制じゃないからね」

「ちょっと、まだ迷ってます」

「ふむ。お父さんが認めたのに?」

「まあ、父が心配っていうのはもちろんなんですけど。魔法騎士って行く行くは軍人ですよね?」

「まあ、様々な選択肢があるけど、大体は軍人だね」

「あの、変なこと聞きますけど・・・。ジークさんは、人、殺したことありますか?」

「っ!・・・まさか、そんな話しになるとは思わなかったよ。・・・うん、あるよ」

「・・・そ、うですか」

「うん」

「・・・ぼ、僕もあるんです。誰も僕を責めない。あれは、仕方のなかったことだ。奴が悪かったんだってっ!」

「・・・そう」

そして、僕はジークさんに僕の過去を打ち明けた。僕の封印したい暗い過去を。






この村には、ターニャと同じぐらいの女の子がもう一人いた。いつも前髪で顔を隠し、俯いている女の子。吸い込まれそうな黒い瞳に癖っ毛が残る黒い髪の女の子。

母親を早くに亡くし、父親と二人だけで暮らす彼女は、いつも生傷が絶えなかった。酒浸りの父親は何かしら理由をつけては、彼女を日常的に暴力を振るっていた。暗い性格と前髪で痣の残る顔を隠す見た目に村の子供たちは蔑み、馬鹿にしていた。実際僕も最初は気味悪がって、彼女を避けていた。彼女の一面を見るまでは・・・。

ある日、僕は山菜採りをしに森を散策していた。すると、どこからか声が聞こえたので、そちらに足を向けて歩いていった。森の開けた場所に出ると、村で気味悪がれている女の子だった。素晴らしい歌声だった。何の歌かは分からないけど、なぜか心を奪われ彼女が歌う姿に魅入っていた。さっきまで覗いていたことを忘れ、歌い終えた彼女に僕は拍手をしていた。僕の存在に気づいた彼女は驚き顔を隠し、そこを走り去ろうとした。

「あっ、ま、待って!ねえ、待って!」

彼女は僕の声にビクッと驚いて、立ち止まるとこちらをオドオドした表情でこちらの様子を伺っていた。

「の、覗いちゃってごめんなさい。君の歌がすごくてっ!・・・良かったら、また聞かせてくれない?」

彼女は一瞬考える姿を見せ、こくんと恥ずかしそうに頷いた。


「じゃ、じゃあ、また明日っ!」

僕は足早にその場を離れ、少し歩いたところで後悔をした。

「名前、聞くの忘れた・・・」

次の日、昨日と同じ時間帯に森を訪れると彼女は切り株に腰掛け、ウトウトしていた。

僕はふとイタズラ心が芽生え、そうっと彼女の後ろに回りこむと「わっ!」と驚かした。彼女はびっくりして跳ね起き、僕を見ると急いで逃げ出した。

僕はしまった!と思い急いで彼女を捕まえると、昔読んだ絵本「土下座とうさん 2」の必殺技の一つ《ジャンピング土下座 アルファ》(ただジャンプして、地に額を擦り付けるスタイル)を放った。彼女は呆然としていたがなんとか許してもらえ、僕は一安心した。そして、彼女の歌を聞いたり、おしゃべりをした。ポケットに忍ばせていたお菓子を見せると彼女は目を輝かせ喜んでくれた。僕はそれを見てなんだかにやにやしてしまった。日も暮れはじめたので、僕たちは別れた。そして、また僕は後悔した。

「あっ、楽しすぎて、また名前聞くの忘れた・・・」

家の手伝いとかもあったので、彼女とは週に3日遊んだ。そう、彼女の名前も判明した。彼女の名前はノワール。亡くなってしまったお母さんが名前をつけてくれたらしい。僕も本当の両親がいないと聞かされたばかりなので、なぜか妙な親近感が沸いた。ノワールは、長いからノワって読んでいいか聞くと、ちょっと恥ずかしそうにしながらはにかんでこくんと頷いた。僕はそれを見て心のなかで一人小躍りするのだった。

その後も、森で遊ぶ日々が続いた。幸せな毎日だった。でも、その幸せは突然壊された。用事もないのに度々山に向かう僕のあとを付けた村の子供がノワと仲良くしているところを彼女の父親に告げ口したらしい。

父親は僕達がいる場所にやって来て彼女の腕をつかんだ。痛がるノワを気遣い、止めるようノワの父親に伝えると、お腹に衝撃を感じその場にうずくまった。ノワの父親に、蹴られたのだった。そのまま、ノワは連れ去られてしまった。

僕は無力だった。ノワを守る力が欲しかった。なぜか涙が止まらず、人がいないのをいいことに僕は思い切り叫んだ。

日も暮れトボトボと村に帰ると、石をぶつけられた。見ると村の子供たちで、僕を見て嘲笑っていた。今までの世界が歪んだ気がして、心が締め付けられる思いがした。同時にノワはずっと一人で耐えすごいなぁと思った。

家につくと怪我のことを両親に問い詰められたが、僕は転んだだけと繰り返した。僕の様子に何かを察したのかそれ以上両親は追及をしてこなかった。

次の日もまた次の日もノワは森に来なかった。心配になった僕はノワの家に向かった。ちょうど、ノワの父親が家から出るところだった。僕は彼をやり過ごすと、家に忍び込んだ。不用心にも鍵は空いていたので、難なく家に浸入できた。

「ノワ、ノワっ!」

僕は声をかけながら、ノワを探した。

「・・・ぁ」

か細い声が部屋の奥から聞こえ、僕の動悸は激しくなった。そして、ゆっくりと部屋を開けるとノワがいた。ノワの姿は目を背けたるような見るも無惨なものだった。手足を縛られ全身に及ぶ、切傷と殴られた痕。焼け爛れた顔に、潰された喉・・・


僕は急いで、ロープをほどくとノワの手を握り呼び掛けた。

「ノワっ!もう大丈夫だからっ!僕が助けるからっ!ノワっ!お願いだから目を開けてっ!」

「・・・ぁ、あ゛た゛る゛?・・・どご?どごに゛い゛る゛の゛?」

「ここだよっ!ノワっ!ここにいるよっ!だから、しっかりしてっ!」

「ぁ、あ゛た゛る゛だぁ。ふ゛、ふ。・・・よ゛か゛っ゛だぁ・・・。も゛、も゛り゛、い゛け゛な゛く゛て゛、ご、ごめ゛、ん゛、、ね゛・・・」

そう言うと握っていたノワの手が僕の手からこぼれ落ちた。

「ノワ?ノワ、ノワっ!なんで、なんでっ!!い、いやだ、いやだっ!ノワあああぁぁっ!」

僕はノワを抱き寄せ叫んだ。

「人ん家でうるせぇな。ん?なんだ、ノワールくたばっちまったのか。ちっ、あーあ、めんどくせえなあ」

僕は顔を上げ、彼女の父親を睨んだ。コイツのせいで、ノワは、死んだのか・・・。この、ニクノカタマリノセイデッ!

僕はそっと、ノワを床に寝かせると、近くに転がっていた酒瓶を掴みヤツに投げつけた。

「ふんっ!鬱陶しいガキだなっ!」

ヤツは腕で酒瓶を防ぐと、蹴りを放ってきたが、僕は体勢を低くし蹴りを避けるとそのまま無防備なヤツにタックルを喰らわせた。

「っ!」

ヤツは頭から倒れ、踞っていた。僕は置いてあった椅子を両手で掴み、何度も降り下ろした。ヤツは気を失ったのか、うめき声をあげるだけで、ピクリとも動かなくなっていた。

「まだ、生きてんのか。しぶといゴキブリみてえ。・・・ノワ、ちょっとだけ待っててね。ゴミ、捨ててくるから」

僕はノワに語りかけてから、寝転がっているヤツの足を縛りひきずって歩き出した。そして、家を出ると、雪が降り始めていることに気づいた。

「降り始めか、だったら・・・」

僕はそう呟いて裏山に足を向けて歩き出した。雪山の装備も持たず、僕は肉の塊を引きずりながら山を登った。随分歩いただろうか、手足が冷え感覚は麻痺していた。ここらでいいかと思い、手頃な木にヤツを縛りつけた。

「おいっ、ささっと起きろっ!」

僕は地面に積もった雪を掴んで、雪玉を作るとヤツの顔面めがけおもいっきり投げつけた。

「うっ!んっ、て、てめえっ!ふざけんじゃねえっ!さっさとこの紐をほどきやがれっ!」

「その威勢、いつまでもつかなっ!ほらっ!ほらっ!」

僕はナイフでヤツの顔や体を傷つけていく。

「はっ、そんな小さいナイフじゃ、いつまでたっても俺様を殺れねえぞっ!」

「僕の出番はここまでだよ。あとは神様が決めるよ」

そう言い残し、僕はノワの父親を残しその場を立ち去った。


「はっ、何が、神様が決めるだっ!不条理なこの世界に神なんているもんかっ!あーっ、くそっ、取り合えずこの紐をほどかねえと、くそっ、あのガキ覚えてやがれっ!」

しかしその直後、彼は戦慄することになる。

「ウオオオオォォォォンッ!」

「こ、この声は『白き牙』っ!ま、まずいっ!」

『白き牙』(一般的にホワイトウルフと呼ばれる狼型の魔獸)は、雪の降りはじめに姿を現し群れで獲物を狩る習性を持っている。その為、雪が降り始めたら、家から出てはいけないとの言い伝えもあるほど恐ろしい魔獣だった。いつの間にか『白き牙』の群れに囲まれ、ノワの父親は泣き叫んだ。

「く、くそ、寄るなっ!寄るんじゃねえっ!あ、アタルっ!た、頼むっ!助けてくれっ!うわあああああっ!」



ヤツの最後をこの目で確認できないのは残念ではあるが、自分自身も襲われかねないので僕は先を急いだ。慣れた山とはいえ猛吹雪の影響で視界が不明瞭だった。このまま下山するのは危険と判断し、僕は近くの洞窟に逃げ込んだ。一度だけノワと遊びに来た秘密の場所へ・・・。

しかし、そこには先約がいた。山の主の一角、白磁のような体躯に優雅な2つの角『大角』(一般的にはホワイトケルウスと呼ばれる鹿型の魔獸)が僕を見下ろしていた。僕はその魔獣に思わず目を惹かれた。そして、『大角』は首を降ると洞窟の奥へと戻っていた。その様はこちらに来るよう招いているようだった。僕は促されるままに洞窟に入ると驚いた。洞窟の中は暖かった。外で吹雪が猛威を奮っているにもかかわらずだ。

僕は適当な場所で眠ることにした。一晩開けると、いつの間にか『大角』は姿を消していた。僕は『大角』に感謝の祈りを捧げ洞窟を出た。

そして速効、洞窟に戻ってきた。寒っ!寒っ!寒すぎるっ!

洞窟が暖かったのでつい忘れてしまっていたが、外は猛吹雪で下山できるどころではなかった。そして、僕は村の捜索隊に救助されるまで洞窟で過ごしていた。

「以上が、僕の過去です・・・」

話し終えるといつの間にか泣いていたようで頬に落ちた雫を拭いた。もう、泣かないって誓ったのになあ・・・。

「ずびー。わ゛だじ、ごの゛での゛ばな゛じ、に゛がでな゛の゛よ゛ね゛。ア゛ダル゛、ディ゛ッ゛ジュ゛ぢょ゛う゛だい゛」

「あああっ!しんゆうよっ!なぜいままでだまっていたのだっ!水臭いではないかっ!」

「えっ!?」

後ろを振り返ると、ターニャとドブルが滝のように涙と鼻水を流していた。

「お、お前らっ!いつの間にっ!」

「えっ、フェルドさんのあとからこっそりと・・・てへ!」

「ああ、俺とお前は一心同体だからな、お前の話しを俺が聞かないわけないだろ」

ターニャの可愛さに誤魔化されそうになったが、ドブルの阿呆発言に冷静さを取り戻した僕は二人にゲンコツを落とした。

「「いったーっ!」」

「自業自得だよ。・・・お前らには知られたくなかったのに」

最後の方は小さく呟いただけだったのだが、ターニャには聞かれたようで、ニヤニヤされてしまった。

「罪の意識か・・・。それは、どちらに対してなんだろうね・・・。さて、アタル君。こちらも時間がなくてね。明日の朝までに決めてほしいんだ」

「あっ、はい」

「うん、それじゃあ」

そして、フェルドさん去っていき、後に残った二人にはノワとのことを根掘り葉掘り聞かれた。

「てか、お前らノワのことしらなかったけ?」

「ああ。一度紹介は受けたかも知んないけど私あの時期、習い事習慣だったからなあ。みんなと遊んでる暇なかったし」

「俺は修業と称されて、じいちゃんに無茶やらされてからなあ。あっ!お前、その子のことで村の連中ボコボコにしてたよな!それもその子の葬式のあとで」

「んー、ドブルくん。ちょっとこっちで話そうか」

ああ、確かに一人になった瞬間を狙ってボコボコにしてから服をひん剥いてやった。何度も・・・。それを思い出すとは、ドブルのやつめ。シメルか?そんな不穏なことを考えドブルを壁際に追いやる。

「・・・ライバルが亡くなってるって、一番攻略が難しいパターンじゃん」

ターニャの嘆きのような呟きは僕らの喧騒に掻き消えて、届くことはなかった。

「ちょ、ちょ、ちょっとタンマっ!親友よっ!俺の頭を掴む手を離してくれたまえっ!」

「いいだろう。死刑囚615番」

「なんだよっ!死刑囚って!615番って!」

「615は、ドブルのお父さんの誕生日。死刑囚はまあ、雰囲気♪」

「な、何故親父の?!まあ、いい。で、どうすんだ?行くのか?王都」

「行きたい6割ぐらいかな」

「そんな、行きたくねえのか・・・」

「というより、行っちゃったらっていう思いが強いかな。さっきの話しもそうなんだけど、やっぱり父さんのことがね・・・」

「ふっ、それならば安心したまえっ!」

「は?」

「なんで、ジークさんは説明しなかったのか分かんないんだけど・・・。実は『山落とし』の報償金を十字教会がタンマリ払ってくれましたっ!あまりの額にみんな開いた目が塞がんなかったよ。なんかさあ、実は行商人がピンはねしてたみたいで正当な取引がされてなかったんだってさ!今後は取り締まりを強化しつつ、正規の価格で取引すると通告しとくってさ」

「マジかよっ!」

聞くと、3倍から5倍も価値のあるものを唆され安く買い叩かれていたということに僕はショックを隠しきれなかった。

「んで、討伐者のアタルには解体とか運搬の費用を差し引いて100万ギル、支給されましたっ!パチパチパチ!」

「は?!何その額っ!」

「ああ、その反応だよな。俺も額を聞いて小便ちびっちまったぜ!おい、なんで後ずさる。安心しろ、パンツはもう変えてるから」

いやぁ、そういう問題じゃないんだけどなあ。あっ、こっち来んなっ!っていうか、行商人よ、今までなんちゅうことを!今度村に来たら大変なことになるぞ。あっ、その前に十字教会に捕らえられるか。

「なので、お前が養う必要はないっ!」

「うーん。でも父さんのことだから、狩りに参加した連中にも支払えって、言いそうだからあんま、残んないかも」

「それについても心配するな!もう、お前の親父さんが全てやってある。それでも、二人だったら一生分ぐらいの額が残ってたぞ。昨日からずっと祝宴してるし」

父さああああああんっ!せめて、目覚めたあとに相談しててくれればいいのにっ!なんなの、その行動力。僕が目覚めたからいいけど、このまま寝たきりだったらどうすんの?寝たきり二人のランドルフ家。母さん可哀想すぎるだろっ!

「あっ、あと親父さん。教会の人に癒しの呪文をかけてもらって、ちょっとだけど歩けるようになって、杖を付きながら狩りに向かっていったぞ」

うん、心配してるのが、なんかバカになってきた。

「ドブル・・・。僕、王都に行ってくる」

「・・・まあ、そうだよな」

僕は、ジークさんに王都行きの了承を告げた。そして、両親や村のみんなに挨拶を交わし、旅支度を整えその日のうちに村を出発したのだった。
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