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刃選びと仕事選び、で失敗。
5.始点
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「焦ることはありませんわ。
人はさまざまな刃を使いながら、自分に馴染むものを見つけていくものです。
ですが、それがお気に召したのであれば、しばらくはそれをお側に置いてみてはいかがでしょう?」
押しつけがましくならないよう注意しながら、しのぎは提案した。
しのぎの胸は期待に高鳴っていた。
戦刃、いくさやいばのお社から現れた人である。剣と関わりがないはずがない。
本人は剣士ではないと言う。だが刃の認識は違ったようだ。
俊哉が手にした剣は当家のものではないが、由緒正しい業物だ。
その刃が、俊哉を選んだ。これを神刃の思し召しと言わずに、なんとしよう?
(この方は、あるいは……。)
懐から布を取り出し、しのぎは俊哉が手にしている刃を両手で捧げるように受け取った。
「鞘に収めてまいります」
そう言うなり身をひるがえし、ほとんど小走りに去っていく。
俊哉はただ一人、だだっ広い刃の間に取り残されてしまった。
しのぎが俊哉を置いてきぼりにしていたことを思い出したのは、剣を鞘に収めた後のことである。
「申し訳ございませぬ。お客さまを置いていってしまうなど……お許しください」
戻ってきたしのぎは赤くなりながら、膝をついて剣を差し出した。
俊哉は左手で剣をつかんだ。
これで契約が成立、というわけではないが、形としてはそのような体裁に見える。
当の本人は、困惑していた。
「困ったな。こんな安直に始まってしまっていいのか?」
「きっかけなんて、そんなものですわ」
満面の笑みで答えるしのぎは、嬉しそうだった。
この娘は本当に人をのせるのが上手い、と俊哉は照れ隠しに考えた。
人はさまざまな刃を使いながら、自分に馴染むものを見つけていくものです。
ですが、それがお気に召したのであれば、しばらくはそれをお側に置いてみてはいかがでしょう?」
押しつけがましくならないよう注意しながら、しのぎは提案した。
しのぎの胸は期待に高鳴っていた。
戦刃、いくさやいばのお社から現れた人である。剣と関わりがないはずがない。
本人は剣士ではないと言う。だが刃の認識は違ったようだ。
俊哉が手にした剣は当家のものではないが、由緒正しい業物だ。
その刃が、俊哉を選んだ。これを神刃の思し召しと言わずに、なんとしよう?
(この方は、あるいは……。)
懐から布を取り出し、しのぎは俊哉が手にしている刃を両手で捧げるように受け取った。
「鞘に収めてまいります」
そう言うなり身をひるがえし、ほとんど小走りに去っていく。
俊哉はただ一人、だだっ広い刃の間に取り残されてしまった。
しのぎが俊哉を置いてきぼりにしていたことを思い出したのは、剣を鞘に収めた後のことである。
「申し訳ございませぬ。お客さまを置いていってしまうなど……お許しください」
戻ってきたしのぎは赤くなりながら、膝をついて剣を差し出した。
俊哉は左手で剣をつかんだ。
これで契約が成立、というわけではないが、形としてはそのような体裁に見える。
当の本人は、困惑していた。
「困ったな。こんな安直に始まってしまっていいのか?」
「きっかけなんて、そんなものですわ」
満面の笑みで答えるしのぎは、嬉しそうだった。
この娘は本当に人をのせるのが上手い、と俊哉は照れ隠しに考えた。
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