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第4話
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「持ってきてやったぞ」
頼まれたプリントをわざわざ職員室まで行き、担任の女教師に手渡す。
「コラ、敬語を使いなさい」
「余は王だぞ」
「学級委員ね、あなたそういう態度だったらいつまで経っても友達できないよ」
「王に友達など不要、王は孤高であるべきなのだ」
「はぁ~」
ため息つきやがって。
「一年生だからって油断していたらダメだよ、すぐに高校生活終わっちゃうんだから」
「確かにな」
あともう少しで余が地球を征服してやるから平和な世界も終わりだ。
だから精々今の平和な世界を満喫しておくことだな。
「じゃあ余は帰るぞ」
「あと余って言うのやめておいた方が良いよ」
「ふんっ、余は余だ」
誰に何を言われようが自分を変えない。
人の目を気にしてたら生きにくいだけだ。
職員室を出て時計を確認する。
四時四十五分
今から駆け足で急げばバイトには五時には着く。
余は五時に間に合うべくして駆け足でバイト先である喫茶店へ向かう。
****
カランカラン
「悪い、オーナー。遅れた」
五時には間に合うことが出来たが、四時には遅刻したためオーナーに謝罪をする。
本当にここの喫茶店はコーヒー豆の匂いが良いんだよ。
余はそこまでコーヒーは得意ではないのだが、ここのコーヒーは飲める。
「何か学校であったんですか?」
「担任の女教師に仕事を押し付けられてな」
「そうでしたか、それはお疲れ様でした」
オーナーは決して遅刻に関して怒らず、遅刻の理由を聞いてくるあたり大人だと思う。
いや、大人というよりは紳士か。
本当にこの人の何というか、大人の余裕っていうのがすごく伝わってくる。
「どうですか、学校生活は?」
「まぁまぁだな」
楽しいかどうか聞かないところがこの人なりの配慮なのだろう。
だがこの余に配慮も心配も不要だ。
「そうですか、まぁこれからですよ」
「別にそんなこと気にしておらん」
何であの女教師もオーナーも学校生活を心配するのだ。
学校生活に何かそんな特別なことがあるのか?
ただ授業を受けて、十分休憩して、また授業を受けて、昼になったら飯を食って、また授業を受ける。
ほら、これが本当に大切なことなのか?
余はそうは思わないけどな。
「学生は学生でしか得られないものがありますからね、大人になってからではお金の関係ばかりになってしまいますから」
「そうなのか?」
「まぁ人それぞれですけど、お金のない関係はとても大切ですよ。お金を払ってしまったら商売人とお客様の関係になってしまいますから」
オーナーはどこか寂しそうに俯きながら話す。
それの何がいけないのか、全く分からない。
「無条件で挨拶を交わしたり、無条件で話したり、無条件で冗談言い合ったり、無条件で怒られたりするのはとても貴重なことだから、大切にしておいた方が良いですよ」
「無条件なのがそんなに良いのか?」
「段々と分かってきますよ」
無条件の何がそんなにも良いんだ?
条件があった方が良いに決まってるだろ。
無条件で、はさすがに裏があるに決まってる、人間はそういう生き物だ。
「それと、あまり今日みたいに遅くならないでくださいよ」
オーナーはしっかりとこちらを見て、微笑みながら注意?をする。
オーナーが余に対してこんなことを言ってくるのは珍しい。
このお店にバイトとして入ってきたときからずっとそのようなことは無かったのだが。
下の者にはしっかり働いてもらわないと結局最後には上の者に責任がやってくる。
やはり上に立つものとしてはそこはしっかりと正しておかないといけないと思ったのだろう。
「私は宇野くんとたくさんお話しがしたいのですから」
は?
たくさんお話しがしたい?
たったそれだけの理由か?
「まぁ、善処する」
余はいずれ地球の王になるのだが、今この時点でこの店の王はオーナーなのだから従うのが道理だろう。
だからもう遅刻するのはやめておくことにする。
頼まれたプリントをわざわざ職員室まで行き、担任の女教師に手渡す。
「コラ、敬語を使いなさい」
「余は王だぞ」
「学級委員ね、あなたそういう態度だったらいつまで経っても友達できないよ」
「王に友達など不要、王は孤高であるべきなのだ」
「はぁ~」
ため息つきやがって。
「一年生だからって油断していたらダメだよ、すぐに高校生活終わっちゃうんだから」
「確かにな」
あともう少しで余が地球を征服してやるから平和な世界も終わりだ。
だから精々今の平和な世界を満喫しておくことだな。
「じゃあ余は帰るぞ」
「あと余って言うのやめておいた方が良いよ」
「ふんっ、余は余だ」
誰に何を言われようが自分を変えない。
人の目を気にしてたら生きにくいだけだ。
職員室を出て時計を確認する。
四時四十五分
今から駆け足で急げばバイトには五時には着く。
余は五時に間に合うべくして駆け足でバイト先である喫茶店へ向かう。
****
カランカラン
「悪い、オーナー。遅れた」
五時には間に合うことが出来たが、四時には遅刻したためオーナーに謝罪をする。
本当にここの喫茶店はコーヒー豆の匂いが良いんだよ。
余はそこまでコーヒーは得意ではないのだが、ここのコーヒーは飲める。
「何か学校であったんですか?」
「担任の女教師に仕事を押し付けられてな」
「そうでしたか、それはお疲れ様でした」
オーナーは決して遅刻に関して怒らず、遅刻の理由を聞いてくるあたり大人だと思う。
いや、大人というよりは紳士か。
本当にこの人の何というか、大人の余裕っていうのがすごく伝わってくる。
「どうですか、学校生活は?」
「まぁまぁだな」
楽しいかどうか聞かないところがこの人なりの配慮なのだろう。
だがこの余に配慮も心配も不要だ。
「そうですか、まぁこれからですよ」
「別にそんなこと気にしておらん」
何であの女教師もオーナーも学校生活を心配するのだ。
学校生活に何かそんな特別なことがあるのか?
ただ授業を受けて、十分休憩して、また授業を受けて、昼になったら飯を食って、また授業を受ける。
ほら、これが本当に大切なことなのか?
余はそうは思わないけどな。
「学生は学生でしか得られないものがありますからね、大人になってからではお金の関係ばかりになってしまいますから」
「そうなのか?」
「まぁ人それぞれですけど、お金のない関係はとても大切ですよ。お金を払ってしまったら商売人とお客様の関係になってしまいますから」
オーナーはどこか寂しそうに俯きながら話す。
それの何がいけないのか、全く分からない。
「無条件で挨拶を交わしたり、無条件で話したり、無条件で冗談言い合ったり、無条件で怒られたりするのはとても貴重なことだから、大切にしておいた方が良いですよ」
「無条件なのがそんなに良いのか?」
「段々と分かってきますよ」
無条件の何がそんなにも良いんだ?
条件があった方が良いに決まってるだろ。
無条件で、はさすがに裏があるに決まってる、人間はそういう生き物だ。
「それと、あまり今日みたいに遅くならないでくださいよ」
オーナーはしっかりとこちらを見て、微笑みながら注意?をする。
オーナーが余に対してこんなことを言ってくるのは珍しい。
このお店にバイトとして入ってきたときからずっとそのようなことは無かったのだが。
下の者にはしっかり働いてもらわないと結局最後には上の者に責任がやってくる。
やはり上に立つものとしてはそこはしっかりと正しておかないといけないと思ったのだろう。
「私は宇野くんとたくさんお話しがしたいのですから」
は?
たくさんお話しがしたい?
たったそれだけの理由か?
「まぁ、善処する」
余はいずれ地球の王になるのだが、今この時点でこの店の王はオーナーなのだから従うのが道理だろう。
だからもう遅刻するのはやめておくことにする。
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