魔法少女の敵なんだが魔法少女に好意を寄せられて困ってる

ブロッコリークイーン

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第10話

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 今家の屋根から家の屋根へと飛び移りながら目的場所へと移動している。
 
 今思ったのだが、もしかしたら人間に聞く必要なかったのかもしれないな。

 余はある程度の範囲なら相手のマナを感じることができる。

 だから桜井莉緒の父親の怪人化に近づけばマナを感じ取って場所を把握することができる。

 あと、怪人化していたら大きくなっているから一目で分かるんだよな。

 あと、逃げていく人間の逆方向にいるのだから簡単に分かったはずだ。

 まだまだあったのかも知れない。

 あの時の余は冷静ではなかった、どうかしていたのだ。

 とても焦っていたのだ、アクシデントが多すぎたから。

 王はいつでも冷静であるべき存在なのに。

 どんなアクシデントがあろうと冷静に対処してこその王だろ。

 王とは大変なものだな。

 だが、王になる前にこの経験が出来たのは良かったのかもしれないな。

 目的の場所へと近づくにつれて王にも近づいてきている。

 非常に長かった、余が王になったら生きやすい世界になるだろう。

 今の世界は息苦しくて仕方ない。

 少なくとも余が伸び伸びして生きていける世界にしよう。

 とにかく余は人間が嫌いだから人間には厳しい法律でも作ろうかな。

 まぁ余が法律だから余が言ったことが絶対ではあるがな。

 まずは、余が言ったことにNOと言ったら罪にしてやろう。

 あと、余のことを王と呼ばせよう。

 王と呼ばなかった奴は余の銅像でも建ててもらおうかな。

 もしくは余が住む城を無休で建てるよう働いてもらうおう。

 お札のところも余にして、世界中に余を知らしめることもできるな。

 最初の頃は流石に世界も反抗するだろうが所詮は人間だ、余に敵うはずがない。

 世界が束になっても勝てることはないだろう。

 だが、魔法少女だけが別だ。

 人間は魔法を使うことが出来ないが、魔法少女は特別に使うことが出来てしまう。

 なぜあいつらは使うことが出来るのだ。

 元は普通の人間なはずなのだが、魔法少女になる前は微塵もマナを感じない。

 つまりあいつらは借り物の力を使っているだけだ。

 余のような生まれ持った力ではないのだ、これが生まれ持った才能というやつだ。

 生まれ持った才能、溢れ出すカリスマ性、隠しきれないオーラ、余が余で良かったと思う。

 今あいつらがいるから征服から遠のいているが、あいつらさえいなければとっくに地球は余の物なのだ。

 まだ、向かって一分しか経っていないがもうすでに戦いは始まっているのだろうか、だとすればもう少し急がねばならない。

 今日、余は勝てる確信があるのだ。

 いや少し違うな、魔法少女は勝てない、と言うべきか。

 桜井莉緒は父親のことで精神的に弱っていて、魔法が上手く使えずにいた。

 そして戦う相手は父親だ。

 これで桜井莉緒は魔法を父親に向かって放てるはずがない。

 魔法少女どもはあの合体技を使えずにジリジリやられていくだろう。

 余は勝てないが魔法少女は確実に負ける。

 ここで問題が出てくる。

 デスゴーンだ。

 仮にこれで魔法少女が敗れたとしてたら必ずデスゴーンがこの地球を侵略し始めようとする。

 だから、魔法少女が敗れた後はこの地球を巡って余とデスゴーンの戦いになるだろう。

 まぁその時になったとしても大丈夫だろう、なぜなら余は魔法少女以外に負けたことがないからだ。

 さらに向かってから一分が経ち、やっとこの目で桜井莉緒の父親の怪人化が見ることが出来た。

 なんかさっきより大きくなってないか?

 気のせいか。

 これが余が相手でいつもの魔法少女どもだったらもうとっくに負けていたのかもしれない。

 だから魔法少女どもはかなり苦戦している。

 早く向かって魔法少女の敗北の瞬間をこの目で見届けてやる。

 ん?まだ逃げられていない人間どもがいるのか?

 これだから人間は、余みたいに屋根の上を走れたら良かったのにな。

 あれ?やっぱり桜井莉緒の父親の怪人化大きくなっていないか?

 あ、なってるな。

 デスゴーンによって怪人化された奴はその負の感情が大きければ大きいほどマナは増えていく。

 つまり、負の感情が大きくなっていってるということだ。

 これだったら魔法少女がやられるのも時間の問題だな。
 
 もう少しで着く。

 よく見れば魔法少女どももいる。

 あ~あ~あ~、あいつらは何をやっているのだ、チームワークが全然とれていないではないか。

 余はあんな奴らに何回も負けたのか?

「ちょっとピンク、ちゃんと戦いに集中して」

 高宮千沙が桜井莉緒に喝を入れる。

「そうですよ、街の人達にも影響が及ぶかもしれませんし」

 九重菫は高宮千沙と同じように桜井莉緒に喝を入れる。

「ごめん、みんな。私ちゃんと集中するから」

 喝を入れられ少しは表情が変わるもまだ浮かない顔をしている。

「じゃあ、みんなで力を合わせて合体技をしましょう」

 出た!この合体技で何回余は敗北しているか。

 三人が集合して手を重ねて三人の魔法を合わせる。

 来る。

「「「スーパースマイルスプラッシュ」」」

 シーンッ

 出ると思われた合体技は残念ながら不発に終わった。

「ピンク、どうしたの?」

「どうしたんですか?ピンクさん」

 やはり原因は桜井莉緒にあった。

「ごめん。お父さんに向かって撃てないよ」

「え」

「あれピンクさんのお父さんだったのですか」

 桜井莉緒があのスライムの中にいるのは父親だと他の魔法少女にカミングアウトをする。

 高宮千沙も九重菫も驚いた表情で桜井莉緒を見つめている。

「でも、今までもそんなことあったけど中の人には当たってなかったじゃん」

 どうやら桜井莉緒の父親以外にもこんなことがあったが取り憑かれた人間は無事だったらしい。

「そうだよね。そうなんだけどね。ごめん」

 たとえ今までは無事だったかもしれないが今回は、という感じなのだろうな。

「ピンクさんはまた戦えるまで一旦退いておいてください。私とレッドさんでなんとか持ち堪えておきますので」

「ピンクに地球の平和がかかってるんだからね」

 そう言うと高宮千沙と九重菫は桜井莉緒の父親の怪人化のところへ戦いに行った。

 何やってだよ、そしたらまた桜井莉緒が罪悪感で精神状態が悪化するだろ。

「私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ私が頑張らなくちゃ」

 ほらな。

 自分の責任で地球の運命が終わってしまうかもと思ったらそうはなるよ。

 これは完全にダメだな。

 この戦いで桜井莉緒が魔法使える可能性はゼロになった。

「きゃっ」

「うっ」

 高宮千沙も九重菫も桜井莉緒の父親の怪人化を止めるのに必死だ。

「何をやっているの私は、みんなにも迷惑をかけて」

 それを見て桜井莉緒はまた罪悪感で精神状態が悪化する。
 
 これは決まりだな。

 今日で地球は余かデスゴーンに征服される。

「まだまだ」

「今度こそ」

 合体技がなかったら余に手も足も出ない魔法少女ではこの戦いは厳しいだろう。

 こんなに弱っている魔法少女を見るのは初めてだ。

 こいつらは弱る前から合体技を使うからな。

 そんな弱っていく魔法少女を見ていたら。

 痛っ
 
 なぜか余は拳を握り締めすぎて血が出ていたようだ。

 なぜだ?

 余が王になる一歩手前で、弱っている魔法少女を見れて嬉しいし、あの魔法少女が負けるかもしれないのだ。

 こんな嬉しいことはない。

 なのになぜ、余の心はこんなにモヤモヤしているのだ。
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