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1・これが始まり
マンション2
しおりを挟む雰囲気ぶち壊しの発言に、先生は驚いたようで、ピクッとしたが、俺の胸元をさすりながら返事をした。
「あまねー、お前は懲りない子だな。さっきそれで首絞められたよな。またされたいのか」
そう言って先生は首もとに手をやり、軽く絞めた。
「ぁっっっ、先生、やめてくだっっ」
先生はTシャツをまくり上げ、俺の小さな突起を噛んだ。
「あ゛っ」
柔らかい舌でとろとろと舐めては噛み、左手はのどを圧迫し、俺の思考を壊していく。
「あ、あ゛、あ゛ぁっ━━━━んぁっ!!」
俺は力を振り絞って、先生の肩を両手で押し、無理やり身体を離した。
両手を突っ張って、先生との距離を確保しつつ乱れた呼吸を整える。
「はぁ、せんせ……、こうやって、はぐらかそうとしてるんでしょ」
なに言ってんだコイツ、みたいな表情で俺を見つめる。あくまでもしらばっくれるつもりのようだ。
「イケメンの自覚あるんでしょうけど……俺、男ですから」
「ここ、こんなにさせて?」
ぎゅっ、とスウェット越しに股間をにぎられ、「ふぐぅっっ」と俺は快楽と激痛で喘いだ。
「はぁ、はぁ……」
「人間の三大欲求に抗う必要あるか? でもまあ聞いてやるよ? ほら、言ってみろよ」
硬くなったモノを先生はぞんざいに掴んだまま、不敵な笑顔で俺を挑発した。
俺は股間の刺激を拒むように目をギュッと強くつぶり、記憶と推測をフル稼働させ、とにかくまくし立ててしゃべった。
「し、新藤凪先生は6月から勤務してますよねっ!!」
「あの日が初めてじゃなかった。かれこれ5ヶ月だから、今までに5回くらいは当直医? 当番医? をしたんじゃないですかっ」
「……ぎ、ぎ偽名の間に、こっそりと薬を盗もうとしたんだ。でもできなかった。常に、薬局長がいたから。それであの日もイライラしていたんでしょ」
「盗みたかった薬は、あ、あの病院でしか処方されてない新薬のサンキシンだっっ」
ぐぁーっと叫び散らした後、俺は目を恐る恐る開け、先生が答えるのを待った。
重みを感じていた先生の上体は俺から離れ、ゆっくり立ち上がった。
「あー、萎えた、萎えた」
と、ガッカリした声で返事をした。
声のトーンからして、怒ってはいないようで、俺は少しほっとした。
気だるげに長い前髪をかきあげ、テーブルに置いたタバコに手をのばしたので、俺は
「せんせっ吸いすぎですよ! あと俺、未成年です、身長まだまだ伸ばしたいんですよっ」
と喫煙を咎めてみると、先生は不愉快そうに顔を歪ませた。
「……もう、お前が泣いて泣いて入れてくださいっつっても、絶ー対ィにヤらないからな」
綺麗な顔してなんてこと言うんだ、この人は。
その反面、俺は先生のことをもっともっと知りたいと思うのだった。
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