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2・依頼人④小野寺瑛二
レストラン
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さまざまな感情が大渋滞を起こし、車に戻ったあとも一言もしゃべらずニューオータニミナミに到着した。
いくつかのエリアに分かれた広いビュッフェレストランで、俺たちは半個室タイプに案内された。
……訳ありに見えただろうか? まあ訳ありっちゃありだが。
弧を描いたソファーシートに丸いテーブルで、入り口以外は天井まで遮断された席だった。
朝食には遅い時間だったため、人はまばらだったが、料理はたくさん置かれていた。もしかしたら、早めのランチタイムなのかもしれない。
あまりにも無言が続いて気まずいかと思ったが、ケントさんは別段に気にしてないようで、ケントさんからも必要以上には話すことなく、俺のすぐそばで食事を続けてくれた。
━━━俺は、同情はされたくないけど、ケントさんは北原さんから聞いてしまって、かわいそうな子だと位置づけているのだろう。複雑な家庭で、親の手を借りずに寮暮らししていて、バイトして、貧乏な子。
あ、いや、母親のことしか北原さんには言ってないから、家庭環境まではバレてないかもしれないな。貧乏は確実にバレてるけど。
望んではないにしろ、墓参りに連れていってもらって、今こうやってごちそうになっている。
この分の『借り』を返して、ケントさんとはどうにかフラットな関係に持っていきたい……。
「ケントさん、……俺、ケントさんのチンコ舐めたいです」
グホッッ、とケントさんはむせた。
「コーヒー飲んでるときに何てこというんだ……」
ケントさんはあきれて、俺の側頭部をコツンとげんこつした。
「ここで咥えましょうか? それとも車で?」
「やっとしゃべったかと思ったら、それか?」
ケントさんはますますあきれ、頭を抱えた。
「他に払えるものがないから……今日の礼を、そういうので返します」
「いや、いい。お前下手だし」
意を決して提案したが、あっさりと却下された。俺には恥ずかしさだけが残った。
「……同じ口なら、キスして欲しい」
ケントさんは肘をついて左手に頬を乗せ、俺を見つめた。
色素の薄い瞳からは、愛情が溢れているのがわかって、それがなおさら俺を苦しめた。
「……欲情で俺をメチャクチャにしてくれたら、つり合いが取れるのに」
自嘲気味に言うと、ケントさんは右手で俺の頭を引き寄せ、優しくキスをした。
「これでお釣りがくるくらいだけど?」
と言って、身体をずらし、ケントさんは左手を俺の腰辺りを抱き、俺の唇を優しく噛みながら舌を入れて来た。
クチュ、クチュと唾液が絡み、舌と舌がじゃれ合う長いキスは酸素が不足して頭がボウっとする。人の気配を感じ、ビクッとしたが、ケントさんが身体を掴んで離さず、通路からは俺の顔が見えないように覆い被さってくれた。
気持ち良くて、トロトロに溶けそうな甘いキスに酔いしれ、俺はまた自分だけ良い思いしちゃってるなと、罪悪感が芽生えた。
ぷはぁーと息を吐き、俺はケントさんに
「これで返したことになりますか?」
と聞くと、ケントさんは悲しそうに微笑んだ。
レストランを出て、散策しながら駐車場へと戻る途中、ケントさんはポツリと話し始めた。
「……今朝、オレがお前のこと壊れないオモチャって言ったの覚えてるか」
「? あ! はい、覚えてます」
「あのときは、冗談で言ったつもりだったが……もし、あまねが望むなら、そうしようか」
「え、と」
「オレは別にあまねから何かしてもらいたくて行動したつもりはないけど、お前はそれが嫌なんだろ」
「そう、ですね」
「オレは大人だし、お前との食事を割り勘にはしたくないし、毎回チェーン店とかファーストフードで食べるようなこともしたくない。オレがしたくてやってることだ」
「食事だけじゃなくて……送迎とか、洗濯とか、お泊まりさせてもらったし……」
ふぅ、とケントさんは残念そうにため息をつく。
「そういう些細なことも、あまねは気にするんだな。じゃあホントに、オレのオモチャになるか」
「……ぁ……っと」
「痛いことされて、それで対価を払ったことにするか」
「け、ケントさんが喜ぶことなら、やります」
「お前は……、あー、もう…っ!!」
ケントさんは、俺をギュっと抱きしめた。
いくつかのエリアに分かれた広いビュッフェレストランで、俺たちは半個室タイプに案内された。
……訳ありに見えただろうか? まあ訳ありっちゃありだが。
弧を描いたソファーシートに丸いテーブルで、入り口以外は天井まで遮断された席だった。
朝食には遅い時間だったため、人はまばらだったが、料理はたくさん置かれていた。もしかしたら、早めのランチタイムなのかもしれない。
あまりにも無言が続いて気まずいかと思ったが、ケントさんは別段に気にしてないようで、ケントさんからも必要以上には話すことなく、俺のすぐそばで食事を続けてくれた。
━━━俺は、同情はされたくないけど、ケントさんは北原さんから聞いてしまって、かわいそうな子だと位置づけているのだろう。複雑な家庭で、親の手を借りずに寮暮らししていて、バイトして、貧乏な子。
あ、いや、母親のことしか北原さんには言ってないから、家庭環境まではバレてないかもしれないな。貧乏は確実にバレてるけど。
望んではないにしろ、墓参りに連れていってもらって、今こうやってごちそうになっている。
この分の『借り』を返して、ケントさんとはどうにかフラットな関係に持っていきたい……。
「ケントさん、……俺、ケントさんのチンコ舐めたいです」
グホッッ、とケントさんはむせた。
「コーヒー飲んでるときに何てこというんだ……」
ケントさんはあきれて、俺の側頭部をコツンとげんこつした。
「ここで咥えましょうか? それとも車で?」
「やっとしゃべったかと思ったら、それか?」
ケントさんはますますあきれ、頭を抱えた。
「他に払えるものがないから……今日の礼を、そういうので返します」
「いや、いい。お前下手だし」
意を決して提案したが、あっさりと却下された。俺には恥ずかしさだけが残った。
「……同じ口なら、キスして欲しい」
ケントさんは肘をついて左手に頬を乗せ、俺を見つめた。
色素の薄い瞳からは、愛情が溢れているのがわかって、それがなおさら俺を苦しめた。
「……欲情で俺をメチャクチャにしてくれたら、つり合いが取れるのに」
自嘲気味に言うと、ケントさんは右手で俺の頭を引き寄せ、優しくキスをした。
「これでお釣りがくるくらいだけど?」
と言って、身体をずらし、ケントさんは左手を俺の腰辺りを抱き、俺の唇を優しく噛みながら舌を入れて来た。
クチュ、クチュと唾液が絡み、舌と舌がじゃれ合う長いキスは酸素が不足して頭がボウっとする。人の気配を感じ、ビクッとしたが、ケントさんが身体を掴んで離さず、通路からは俺の顔が見えないように覆い被さってくれた。
気持ち良くて、トロトロに溶けそうな甘いキスに酔いしれ、俺はまた自分だけ良い思いしちゃってるなと、罪悪感が芽生えた。
ぷはぁーと息を吐き、俺はケントさんに
「これで返したことになりますか?」
と聞くと、ケントさんは悲しそうに微笑んだ。
レストランを出て、散策しながら駐車場へと戻る途中、ケントさんはポツリと話し始めた。
「……今朝、オレがお前のこと壊れないオモチャって言ったの覚えてるか」
「? あ! はい、覚えてます」
「あのときは、冗談で言ったつもりだったが……もし、あまねが望むなら、そうしようか」
「え、と」
「オレは別にあまねから何かしてもらいたくて行動したつもりはないけど、お前はそれが嫌なんだろ」
「そう、ですね」
「オレは大人だし、お前との食事を割り勘にはしたくないし、毎回チェーン店とかファーストフードで食べるようなこともしたくない。オレがしたくてやってることだ」
「食事だけじゃなくて……送迎とか、洗濯とか、お泊まりさせてもらったし……」
ふぅ、とケントさんは残念そうにため息をつく。
「そういう些細なことも、あまねは気にするんだな。じゃあホントに、オレのオモチャになるか」
「……ぁ……っと」
「痛いことされて、それで対価を払ったことにするか」
「け、ケントさんが喜ぶことなら、やります」
「お前は……、あー、もう…っ!!」
ケントさんは、俺をギュっと抱きしめた。
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