壊れたおもちゃ

ナツキ

文字の大きさ
5 / 8

後編

「ぁ……あぁぁ……」

息も絶え絶えに、切なくうめき声を漏らす。

「ねえ、にぃ。オレは尻の穴を拡げろ、って言ったよね? なのに、どうしてこんなに細くて長ーいやつ使ってたの?」

「ぁあ……ぁ……」

「オレのお願い無視した?」

「ち、が……」

「もしかして、ここイジるの気持ちよくなっちゃってるんだろ」

「ぁ♡……ぁああっ」

グポグポと、陽介の奥で鳴る音が鮮明に聞こえる。
それは細長い玩具で兄の結腸を犯す卑猥な音だ。

グポッグポッとダイレクトに聞こえるのは、尻穴が開いているからだ。

貫通プラグ。

先日セフレにもらったそれは、普通のアナルプラグの形状をしているが、一点違うのは中央部分が空洞ということだ。指2本ほどの穴が開いたプラグは、他の異物をナカに通すことができる。

悠成はこれを使って兄をいじめることにした。
自分のことが好きだと言うくせに、こんな玩具で自身の奥底を犯すなんていい気がしなかったのだ。

「なぁ、答えろよ。このド変態が」

グチョッ

「んぁああ!!」

ゆっくりと刺激させるべき敏感な最奥を、悠成は怒るあまり玩具を押し込んだ。

「はぁ゛っ!! あ、あ゛あ゛!!」

押し込みながら捻り、更に刺激を与え、兄に問う。

「ここが気持ちぃーの? オレは穴を拡げろって言ったろ?」

「ぁあ゛っご、ごめ゛んなざ」

「なんで、違うとこ開発しちゃったわけ? オレのちんちんより、めちゃくちゃ感じてるじゃん」

ゴポォッゴポゴポ

「すげー音聞こえるね。ここさ、絶対オレのちんちん届かないとこじゃん」

「ぁあっ♡あ゛っあ゛♡」

「声甘くなってきた。変態だなあ、にぃは。こっからおれのザーメンとろっとろ流すの見たかったのに、これ腸汁垂れ流しそうだね」

「んああっ♡」

「なに? 嬉しい? でもお仕置きするよ? オレのお願い事聞かなかった罰」

「ぁあ゛っユウッ! ごめ゛んなざぁ゛あごめ゛んな゛ざあ゛あ゛あ゛!!!」

こんな小さいビーズのついたディルドに、なぜこんなにも兄はよがるのか。丸みを帯びた部分の直径はわずか1、2センチなのに。たったそれだけの無駄に長いディルドによって、弟への服従心を蝕み、自身の欲望を優先させたのだ。



悠成は細長い玩具を無造作に引き抜いた。


途端に、快楽の絶叫が響き渡った。

「ん゛ぐぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ア゛ーーーー!!!!!!!」




陽介の精神は火花を散らせた後、暗闇へと落ちていった。














「ん……」


陽介はしばらく気を失い、目を開けてからも少しの間ぼうっとしていた。





その間に弟が客人を招き入れていたことには、気づきようもなかった。
ぼんやりとした視界がだんだんと鮮明になり、ようやく異変に気づいたのだ。

「ああ、兄さん、目が覚めた? ごめんね、オレがかわいがりすぎちゃったね」

いつもの冷酷な声色に比べ、吐き気を催しそうなほど優しい声で兄に話しかけた。

見たこともない、立派な照明器具とカメラが、兄を囲っていた。


「さっきはスマホで撮ったけど、やっぱりきちんとした機材使おうと思ってね」

「今日はテスト撮影ですけど、たぶんOK出ますよ。ハルカ君すっごく画面映りいいねぇ」

「え……」

見知らぬ誰かがしゃべったことで、陽介の身体はビクッと震えた。

「AVビデオの撮影」

「っ?! 聞いて、ない」

青ざめた兄は、慌てて上半身を起こそうとしたが、阻まれて身動きが取れないことに気づいた。

すでに、撮影のための拘束具ははめられていた。




ははっ、ウケる。

そうだよな、目覚めたらAVのテスト撮影って、なかなかないドッキリだよな?





悠成の複数いるセフレのうち、業界に詳しい人妻がいた。そいつにつないでもらって、兄をデビューさせようともくろんだのだ。
幸いなことに、新人の監督に気に入られ、一度撮影することになった。OKが出れば、即デビューできる。単独出演ではないが、顔を晒して闇堕ち業界デビューさせるという目的は達成できる。

悠成の方も女相手にどうかといわれたが、もちろん断った。顔も良く細身でサド気質のため、もともと女性受けは良かったが。
自分の目的はもはや金ではなく、兄だけを地の底まで堕として壊すことなのだから、自分までリスクを負う必要はない。



まもなく訪れるであろうクライマックスに、悠成は笑みがこぼれて仕方がなかった。


「あっ、あっユ、ユウ……」

不安な表情を浮かべてこちらを見つめてくる兄に、偽りの笑顔を魅せ、急いで歩み寄った。
唇が触れるほどの至近距離で、呪いの言葉を耳元へと投げ込む。

「にぃ、さっき嘘ついたじゃん。その代償だよ?」

悠成が、悠成のマラが好きだと言うくせに、玩具であっさり果てたド変態の兄。

「ぁあっ♡ごごごめんなさっ」

「だーめ、許さない。しっかりド変態なとこ撮影してもらお? もったいないでしょ、こんなエロい才能あるのにお店で少人数相手にするってさあ。ほら、さっきオレに見せてくれた痴態を、ありのままレンズに映すんだよ。楽しみだね? 世界中の人がにぃを見て、何度も何度もシコるんだよ」

「あっ///あっ///」

「無事にデビューできたら、2人で老舗の温泉宿行こうね」

そんなわけはないが、一応付け加えておく。悠成のためにと、兄が必要以上にがんばるように。



そうして、無様に壊れればいい。



粉々に、再起不能になるまで。








カウントダウンの始まりだ。
感想 0

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!