天に向かって高く翔べ

シロクマ

文字の大きさ
4 / 4

最後の大会!

しおりを挟む
 弟を失った悲しみを唯一忘れられる時間が飛び込みをしている時だった。水に飛び込む瞬間は楽しかった😊
全てを忘れて集中出来た。最後の大会に向けて調整しながら技を磨いた。スピンや水しぶきを少なくする練習もしている。あまりにも練習続きなので母が単身赴任の父と私に江ノ島旅行を企画してくれた事もあった。夏前の江ノ島は丁度いい涼しさだった。綺麗な海やカッコイイサーファー達が目に入って楽しかった😊
 大会まで1ヶ月になった頃、私はガチオタに呼び出された。てっきり怒られるのかと思ったら、小さな手紙を渡された。俗に言うラブレターだ。まさかガチオタから貰う事になるとは。で、返事は1週間考えてから出した。答えは(よろしくお願いします)
こうして私の初めての彼氏が出来た。連絡先を交換して、毎日SNSをしている。
尾関先生にも後藤くんと付き合ってる事を話した。尾関先生も珍しく感情を出して喜んでいた。毎日がより楽しくなった。
 2013/07/18、遂に高校生活最後の大会の日が来た。私はドキドキが止まらなくて夜も眠れなかった。(おはよう~)
自転車を降りて後藤くんに挨拶する。
(おはよう天♡)その声を聞くだけで楽しかった😊
 会場には部活のメンバーだけでなく、高校のみんなが来てくれていた。母の姿も見えた。みんなで最後の打ち合わせをする。飛び込みの姿勢や水しぶきを少なくする事を共有した。
 そして遂に私たちの番、後藤くんを筆頭にみんな高得点を叩き出した。次は私の番、ゆっくり飛び込み台に立つ。息を整え、2回軽くジャンプして翔ぶ。
(天に向かって高く翔べ~!)微かだが翔んだ瞬間に後藤くんの声が聞こえた。そうだ翔ぶんだ!
 表彰式、ブルームーン高校は残念ながら2位だったが、私たちには最高の思い出になった。因みに高校1年生の時は私は全く部活に入ってなかった。そんな私が飛び込みに出会い、友達も出来て、大会にまで出れたのは本当に奇跡だ。
 大会後、私たちはサイテリアで集まった。店内のニュースは最近流行ってる新型ウイルスの話で持ち切りだった。
(大会と重ならなくて良かったわ。)新型ウイルスは今はまだアフリカ大陸で流行っていて、日本には来ていなかった。だから私たちは何処か浮かれていた。
しかし、1年後には日本にも新型ウイルスの波が来ていた。毎日の検温やマスク着用が義務付けられ、東京はロックタウンされた。一緒に暮らしている後藤くんとは会えるが、他の友達とはSoomで話をしている。毎日(会いたいねぇ)って話している。後藤くんは後藤くんでネットで買ったゲーム🎮を私に勧めてくれて、一緒にやっている。とは言っても家でもマスクなので表情はよく分からん。
尾関先生や羽生(はぶ)先生には手紙を送っている。いつか先生ともSoom出来たらいいなぁ。
       ~完~
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

秘められたサイズへの渇望

到冠
大衆娯楽
大きな胸であることを隠してる少女たちが、自分の真のサイズを開放して比べあうお話です。

処理中です...