悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき

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本編

15

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ゆらゆら…
ふわふわ…

体が浮遊感につつまれている
眼を開けても視界に広がるのは暗闇ばかり

…ここは?

ゆっくりと辺りを見回すと、一ヶ所だけぼんやりと光る場所をみつけた

…なにかしら

近寄ろうと意識を向けると、光の方から迫ってきて映像が写し出される

…あれは、殿下…?
それに…

映像はアルベルトとゲームのヒロインが仲睦まじく微笑みあっている姿だった
それを他の攻略対象者たちが囲み、彼らも優しく微笑んでいる

これは…何処かでみたような…
…そうだわ
大団円ルートのエンディングスチル…

思い出した瞬間、その光景が遠退いていく
変わりに真っ黒なワンピースを着た藍色の髪の女性がうずくまっているのが見えた

あれは、私…?

認識すると頭の中に声が響き出す

『あんな笑顔、私に向けてくださったのは子供の頃だけ…』
『笑ってくださらなくなったのも、お話ししてくださらなくなったのも、全て私が至らないからだと思って必死に努力したのに…』
『マナーも、ダンスも、魔法も…必要なものは全部全部…』
『また、笑いかけて頂きたくて頑張ったのに…』
『それなのに、なぜ彼女が選ばれるの?』
『マナーもダンスも言葉遣いも教養も、全て未熟な彼女が…なぜ?』
『貴族令嬢としても、皇太子妃としても、私の方が優れているのに…』
『彼女の何がよかったの…?』
『私の何がいけなかったの…?』

怒っているような、泣いているような悲痛な声
切なくなって耐えるように目を閉じると、ふっと意識が浮上した


「…夢?」

呟いて体を起こし、ふぅっと息を吐き出す

先ほどの声は恐らくゲームでの私の声
彼女はきっと、殿下の事を慕っていたのだろう
幼い頃、共に過ごした時の淡い初恋を抱いたままに成長してしまった
だからヒロインの登場に心を乱し、いじめと取られてしまうような軽率な行動に出てしまったのだ

「浅はかね…」

ゲームの事を思い出した時に感じた通り、彼女は間違ったことはしていないし、言っていない

だが、嫉妬心から言葉がきつくなり、嫌みのような発言があったことは事実のようだ
ラピス皇国皇太子の婚約者として、公爵令嬢として、私情を挟まずに行動していればアルベルトルートは仕方ないとしても他のルートで婚約破棄されることはなかっただろうに…


「私は、間違わないように気を付けないと…」


気を付けなければ
公爵家にも、この国にも迷惑をかけないように…
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