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恋愛編
67
「ま、そうは言ってもあの子の我が儘のためにそこまでするのはどうかと僕も思ってるんだよ」
レオナルドがカップを机に戻し、ため息をついて足を組んだ
「実際、この話を兄上から聞いたときには適当に話をあわせて僕は逃げようと思ってたからね
あの子の我が儘で自分の結婚相手が決まるなんて冗談じゃない」
その言葉に少しほっとする
この国の王族は何を考えているのかと思っていたが、少なくとも自分の友人はまともだったようだ
無意識に入っていた肩の力を抜き、自分もティーカップに手を伸ばす
「でもさ、学校でセシリア嬢と会ってみて、彼女が相手なら悪くないかなー?と思ったんだよね」
「…は?」
何だって…?
動きを止めた俺にレオナルドがさっきから“は?”ばっかりじゃん、と笑った
「だって、セシリア嬢は美人だし、色っぽいし、成績いいし、頭の回転も早いし…完璧じゃん?
あんな子が伴侶として一生側にいたらいろいろ楽しめるだろうなーと思ったんだよ」
「…」
「それに、アルベルトとセシリア嬢って同じ学校なのに婚約するまで全く関わりなかったでしょ?
もしかして不仲なのかと思ってね
それなら僕がもらっても問題ないんじゃないかと
アルベルトにとっても不仲な相手と完全な政略結婚をするよりは自分のこと好きな相手と結婚した方が幸せかなー?と思ったわけだよ」
そうでしょ?と言うレオナルド
確かにあの頃は俺のせいですれ違い、不仲と言っても過言ではなかった
だが今は違う
焦ってそれを説明しようと口を開きかけるが、レオナルドがそれを遮ると笑って言葉を続けた
「ま、今はそんなこと思ってないからそんなに焦らなくても大丈夫だよ
そもそも、まだそのつもりだったらわざわざこんなこと言いに来ないさ
邪魔されるに決まってるし、いさかいの種にしかならない」
「…ならどういうつもりなんだ?
お前の考えはイマイチ読めん」
そう問うと目の前の友人は食えない笑顔を浮かべる
「んーとね、つまり僕はもうセシリア嬢をどうこうするつもりはないんだ」
「…本当か?」
「本当だよ
だって君、不仲どころかセシリア嬢に本気だろ?」
「なっ!?」
当たり前のように口にされた言葉を聞いて思わず大きな声がでた
なんで知ってる・・・!?
動揺する俺をよそに、レオナルドは優雅な仕草でカップを口に運ぶ
「見てればわかるさ
アルベルト、彼女のことになるとメチャクチャわかりやすいもん
まぁ、セシリア嬢にはいまいち届いてないみたいだけどね」
「…うるさい」
余計な一言に不貞腐れたような声音で答える俺に、レオナルドはからかうような笑顔で笑い、それから
ふっと表情を変えて言葉をつづけた
「いくら楽しいことが好きな僕でも友人の想い人をとったりしないよ
だからさっきの譲る気あるかって言うのも、君の気持ちの確認さ」
「レオナルド…」
少し感動した俺に、まぁくれるっていうなら喜んでもらうけど、と不穏な言葉をさらりと付け足しレオナルドは話題を戻す
「ま、そういう訳で、もう僕はこの話からは降りようと思ってるんだ
だけど兄達は僕が降りたとわかったら挙ってセシリア嬢を口説きにかかると思う」
「…」
「そこで、僕に一つ考えがあるんだけど…
乗ってみる?」
「……どんな考えだ?」
「やだなぁ、それは先には教えられないよ」
「……」
どう?と尋ねるレオナルドを見つつ、俺は思考を巡らせた
こいつの言う事が本当ならこの提案は受け入れておくべきだろう
他国の王族の婚約者を奪おうとするなど国家間の関係に傷をつける行為だ
なにより、せっかく良好になってきたセシリアとの関係にちょっかいを出されたくはない
だが、本当に一国の王族がそんなバカなことを考えるだろうか・・・
悩む俺にレオナルドがさらに言葉をつづける
「悩む気持ちも、僕の話が信じがたいのもわかるけどね
とりあえず、今からある晩餐は国王夫妻以外に兄たちやローズマリーも出席する予定なんだ
そこでの彼らの行動を見てから判断したらいいよ」
そう言うとレオナルドはスッと立ち上がり、じゃ、またあとでねと言い置いて部屋から出て行ってしまった
レオナルドがカップを机に戻し、ため息をついて足を組んだ
「実際、この話を兄上から聞いたときには適当に話をあわせて僕は逃げようと思ってたからね
あの子の我が儘で自分の結婚相手が決まるなんて冗談じゃない」
その言葉に少しほっとする
この国の王族は何を考えているのかと思っていたが、少なくとも自分の友人はまともだったようだ
無意識に入っていた肩の力を抜き、自分もティーカップに手を伸ばす
「でもさ、学校でセシリア嬢と会ってみて、彼女が相手なら悪くないかなー?と思ったんだよね」
「…は?」
何だって…?
動きを止めた俺にレオナルドがさっきから“は?”ばっかりじゃん、と笑った
「だって、セシリア嬢は美人だし、色っぽいし、成績いいし、頭の回転も早いし…完璧じゃん?
あんな子が伴侶として一生側にいたらいろいろ楽しめるだろうなーと思ったんだよ」
「…」
「それに、アルベルトとセシリア嬢って同じ学校なのに婚約するまで全く関わりなかったでしょ?
もしかして不仲なのかと思ってね
それなら僕がもらっても問題ないんじゃないかと
アルベルトにとっても不仲な相手と完全な政略結婚をするよりは自分のこと好きな相手と結婚した方が幸せかなー?と思ったわけだよ」
そうでしょ?と言うレオナルド
確かにあの頃は俺のせいですれ違い、不仲と言っても過言ではなかった
だが今は違う
焦ってそれを説明しようと口を開きかけるが、レオナルドがそれを遮ると笑って言葉を続けた
「ま、今はそんなこと思ってないからそんなに焦らなくても大丈夫だよ
そもそも、まだそのつもりだったらわざわざこんなこと言いに来ないさ
邪魔されるに決まってるし、いさかいの種にしかならない」
「…ならどういうつもりなんだ?
お前の考えはイマイチ読めん」
そう問うと目の前の友人は食えない笑顔を浮かべる
「んーとね、つまり僕はもうセシリア嬢をどうこうするつもりはないんだ」
「…本当か?」
「本当だよ
だって君、不仲どころかセシリア嬢に本気だろ?」
「なっ!?」
当たり前のように口にされた言葉を聞いて思わず大きな声がでた
なんで知ってる・・・!?
動揺する俺をよそに、レオナルドは優雅な仕草でカップを口に運ぶ
「見てればわかるさ
アルベルト、彼女のことになるとメチャクチャわかりやすいもん
まぁ、セシリア嬢にはいまいち届いてないみたいだけどね」
「…うるさい」
余計な一言に不貞腐れたような声音で答える俺に、レオナルドはからかうような笑顔で笑い、それから
ふっと表情を変えて言葉をつづけた
「いくら楽しいことが好きな僕でも友人の想い人をとったりしないよ
だからさっきの譲る気あるかって言うのも、君の気持ちの確認さ」
「レオナルド…」
少し感動した俺に、まぁくれるっていうなら喜んでもらうけど、と不穏な言葉をさらりと付け足しレオナルドは話題を戻す
「ま、そういう訳で、もう僕はこの話からは降りようと思ってるんだ
だけど兄達は僕が降りたとわかったら挙ってセシリア嬢を口説きにかかると思う」
「…」
「そこで、僕に一つ考えがあるんだけど…
乗ってみる?」
「……どんな考えだ?」
「やだなぁ、それは先には教えられないよ」
「……」
どう?と尋ねるレオナルドを見つつ、俺は思考を巡らせた
こいつの言う事が本当ならこの提案は受け入れておくべきだろう
他国の王族の婚約者を奪おうとするなど国家間の関係に傷をつける行為だ
なにより、せっかく良好になってきたセシリアとの関係にちょっかいを出されたくはない
だが、本当に一国の王族がそんなバカなことを考えるだろうか・・・
悩む俺にレオナルドがさらに言葉をつづける
「悩む気持ちも、僕の話が信じがたいのもわかるけどね
とりあえず、今からある晩餐は国王夫妻以外に兄たちやローズマリーも出席する予定なんだ
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