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本編
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グラスの中身を飲み干した私は倒れることを予想し、急いでグラスをテーブルに置いた
割れたガラスを片付けるのは地味に面倒だ
せっかく親切にしてもらったんだから手を煩わせるのは申し訳ない
さて、これで心置きなく倒れられるぞ
さぁ!いつでも来い!
ぎゅっと目をつぶり意識が遠退くのを待つ
「・・・」
・・・まだだ
「・・・」
・・・もう少しかかるか?
「・・・」
・・・。
コトン
!来た!
…いや、私、まだ意識あるぞ?
じゃあ今の音は…?
「お待たせしました
さぁ、食べましょう?」
「・・・」
「みさとさん?どうされました?」
「・・・何でもないです」
そっと目を明け、首をかしげてこちらを伺うクロノさんに力なく返事を返す
どうやらさっきの音は彼が食事の入った食器をテーブルに置いてくれた音だったらしい
「そうですか?
何かお困りごとがあれば遠慮なく言ってくださいね?」
向かいの席に腰かけながらそう声をかけてくれるクロノさん
やはり表情は読めないが、おそらく心配したような表情をしているのだろう
「…ありがとうございます」
「いえいえ
あ、さっきのジュースはどうでした?お口に合いましたか?」
「…はい、美味しかったです
…オレンジ、ですか?」
「よかった。そうですよ
あとは人参とリンゴも入ってます」
「あ、そうなんですね…
だから甘かったのか」
ある程度予想はついていたがやはり薬なんて入っていなかったらしい
そりゃそうだよな
いくらなんでも疑心暗鬼過ぎた…
せっかくの親切を疑ってしまったことに罪悪感を覚え身体を縮めていると、遠慮していると思ったのかクロノさんが再び食事を進めてくれる
「すみません、ありがとうございます
いただきます」
手を合わせて挨拶をし、スプーンを手に持つ
この時の私はこれが苦行の始まりだとはまだ気づいていなかった
割れたガラスを片付けるのは地味に面倒だ
せっかく親切にしてもらったんだから手を煩わせるのは申し訳ない
さて、これで心置きなく倒れられるぞ
さぁ!いつでも来い!
ぎゅっと目をつぶり意識が遠退くのを待つ
「・・・」
・・・まだだ
「・・・」
・・・もう少しかかるか?
「・・・」
・・・。
コトン
!来た!
…いや、私、まだ意識あるぞ?
じゃあ今の音は…?
「お待たせしました
さぁ、食べましょう?」
「・・・」
「みさとさん?どうされました?」
「・・・何でもないです」
そっと目を明け、首をかしげてこちらを伺うクロノさんに力なく返事を返す
どうやらさっきの音は彼が食事の入った食器をテーブルに置いてくれた音だったらしい
「そうですか?
何かお困りごとがあれば遠慮なく言ってくださいね?」
向かいの席に腰かけながらそう声をかけてくれるクロノさん
やはり表情は読めないが、おそらく心配したような表情をしているのだろう
「…ありがとうございます」
「いえいえ
あ、さっきのジュースはどうでした?お口に合いましたか?」
「…はい、美味しかったです
…オレンジ、ですか?」
「よかった。そうですよ
あとは人参とリンゴも入ってます」
「あ、そうなんですね…
だから甘かったのか」
ある程度予想はついていたがやはり薬なんて入っていなかったらしい
そりゃそうだよな
いくらなんでも疑心暗鬼過ぎた…
せっかくの親切を疑ってしまったことに罪悪感を覚え身体を縮めていると、遠慮していると思ったのかクロノさんが再び食事を進めてくれる
「すみません、ありがとうございます
いただきます」
手を合わせて挨拶をし、スプーンを手に持つ
この時の私はこれが苦行の始まりだとはまだ気づいていなかった
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