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追跡者登場?!(一章終了)
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★前回の簡単なあらすじ。
ミアさんとチームを組むことになり、僕達は三人のチームとなった。
初めてチームを組むミアさんの為に、町の外の軽い見回りを命じられた。
その途中、折角の新種を見つけたのに、調べる前にミアさんに倒されてしまう。
これは駄目だとミアさんと話し、ボーナスのことを頭に入れてあげた。
★
クー・ライズ・ライト (僕)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
今回の鳴き声は、ピからビに変わっています。
仕様なのよ。公開時間間違えてました。
★
ミアさんも少しずつ慣れてきていて、もう指示を出すこともなくなっていた。
まああれからボーナスが貰える新種は出て来ていないが、元気いっぱいに外回りを続けている。
「あ~、ボーナスが~、僕のボーナスが~……」
そう、この僕以外は。
一度は諦めたものの、何度か考えた結果、ボーナスのうま味が頭を離れてくれないのだ。
「うっさいわねクー、何時まで落ち込んでるのよ。私だってもう忘れたんだから、サッサと諦めなさいよ。ミアが可哀想でしょ」
傷心の僕に、もう立ち直っているファラさんが怒鳴って来ている。
「ワタシ、ヘーキ。ナクナ、クー!」
そして僕のボーナスを奪ったミアさんも、自分が何をしたのか分かっていない様子である。
「ミアさんは優しいな、ファラさんに爪の垢でも飲ませてやりたい」
ちなみに僕はミアさんを怒っている訳ではない。
ただちょっと残念なだけだ。
「へ~、私はクーにスラーさんの爪の垢でも飲ませてやりたいわ」
「ツメ、ウマイ? ワタシ、クウ!」
「爪は食べれないからね。今のはあれよ、例えってやつよ」
「?」
ミアさんにはまだそういう例えは難しいようだ。
「ミアさんには分からなかったみたいですね」
「ミアは帰ってから勉強しないとね」
確かに勉強は必要だけど。
「う~ん、そのへんはどうなんでしょうね? ミアさんんはギルド管理ですから、やるにしてもスラーさんに相談してからになるかもしれませんね」
「なんか面倒臭そうね。まあその辺りは帰ってから考えましょうか」
「そうですね。……というか魔物が居ませんね。冒険者達が退治して行ったんでしょうか?」
しかし周りには冒険者の姿も見えない。
「姿を見かけないから居ないと思うんだけど?」
「ウゥ、ワタシ、カンジル……クル!」
「え、なんです?」
魔物さえ見つからないのんびりした午後に、ミアさんは何かの気配に物凄く警戒している。
僕には危険な気配は感じない。
でも、野生で暮らしていたミアさんが感じているのなら、僕達も警戒する必要がある。
「ファラさん、きっと何か来ます。警戒を!」
「もうしてるわ!」
ファラさんは警戒を強めて剣の柄に手を掛けている。
僕もリュックから鉄棒を取り出し、近くに小さな結界を作った。
流石にあまり離れる訳にもいかず、僕達の周りを囲む程度のものだけど。
そして、奴がやって来た。
ドオオオオンと圧倒的な質量で大地を踏みしめ、遥かな巨体を持つピッピちゃんが現れた。
たった数日だというのに、大きかった体はもう一段階大きさを増している。
そのピッピちゃんは、遠くに見えるローザリアの町を疾走し、町の物を壊しながら僕達の居るここへと着地した。
「ぎゃあああああああああ、追って来たああああああ!」
もう日もまたいでいるというのに、顔が犬っぽかったから臭いの探知でもしてきたのだろうか?
ということは、逃げても追って来られるのだろう。
「言ってる場合じゃないでしょ! もう一度結界を使えるように努力しなさい!」
僕はファラさんの声に反応し、ピッピちゃんを見上げた。
ミトラの町でウール・デッドサウルスと名付けた魔物である。
名は体を表すというのだろうか。
あの時より凶悪に顔をゆがめて牙をむき出している。
でも僕をやたら警戒しているようで、簡単には攻撃してこないようだ。
それも長くは続かないだろうけど。
「もっと大きな結界を造らないと」
僕は動き出そうとするのだけど。
「クー、無暗に動いちゃダメよ。そいつはあんたを警戒して襲って来ないんだから。背後を向いたら襲い掛かられるわよ。まずは相手の攻撃を避けるのだけに集中しなさい。」
「う……分かりました」
そうなると結界を造るのに動き回ることが出来ない。
僕は今何も出来ることがない。
「ワタシ、ヤル!」
威嚇しているウールデッドサウルに対して、ミアさんが武器を構えて真っ先に走り出した。
ミアさんの動きならば、この魔物の攻撃もギリギリ躱せるだろう。
両手に付けた剣を振り、巨大な魔物の足に斬り付ける。
前であれば傷さえつかなかったのだけど、今はミアさんの攻撃は通っていた。
白い毛は斬り裂かれ、少しだがダメージを与えている。
どうやらあの能力を使ってはいないようだ。
まだ回復しきっていないのだろうか?
そうであるなら、ますます僕の出番はないだろう。
「クー、町に被害が出てるんだから、その内冒険者やギルドの仲間が来るわ。それまで絶対耐えるのよ」
「はい!」
そしてファラさんも走って行く。
大きく振り上げられる足を体の動きで予測し、何とか躱し続ける二人。
たまに来る首を振り回す攻撃は、僕の居る場所にまで伸びて来ている。
僕は相手から顔を背けず後進して攻撃を避けたのだけど、ウール・デッドサウルスは、その分を詰めるように足を動かして来た。
まるで僕こそが敵だと言うばかりである。
「たああああああ!」
「ギギギ!」
ファラさんとミアさんの攻撃は続けられているが、この巨体を倒すのに後どれぐらい掛かるのかも分からない。
結界で強化した時でも倒せなかったのだ。
体力値は、資料に書いた以上に有るに違いない。
僕は目をそらさずに、突き立てていた鉄棒を三本回収する。
そのまま横へと移動し、手に持つ鉄棒の一本を地面に突き立てた。
これで二本目。
しかしこの魔物にあの防壁の力が無ければ、僕が結界を作っても意味がないかもしれない。
「ビイイイイイイイイイイイイ!」
ウールデッドサウルは随分と怒っているのか、今までよりも低く嘶いて、辺りを走り回っている。
僕達の周りを回ったり方向転換をしたりと様々な動きを織り交ぜ、僕達に突進を始めた。
「踏まれたら終わりだからね! アイツが対応できないタイミングで避けるのよ!」
「はい、分かりました! ミアさんも気を付けてください!」
「ワタシ、ツヨイ。ヘイキ!」
「もう来るわよ!」
「おわああああああ!」
近づいて来るのは圧倒的な質量を持った巨大生物である。
地を響かせる足音に、僕は少し怖気づいてしまった。
足が思うように動かせない。
「クー?!」
しかしそれに気付いたファラさんの手が、僕の体を引き寄せる。
ガッと掴まれ倒されると、僕とファラさんは地面に転がった。
数センチ横には、大きな魔物の足跡がついている。
でも、まだピンチは終わっていない。
僕達二人が立ち上がる間にも、ウールデッドサウルが方向を変えて向かって来た。
これではとても避けられない。
「ヨメ、マモル!」
ミアさんが体毛を掴み攻撃を続けているけど、相手は気にもしていない。
既に距離は詰められ大きな足が僕達の上に振り上げられた。
これで終わるのか?!
「待たせたな!」
悲観している僕達を助けるように、黒い装束を着た人物が現れた。
その人物は、腰に下げられた四角い武器を手に持つと、ウール・デッドサウルに向かって投げつける。
黒い武器は回転しながら突き進み、角度を変えて魔物の目玉に直撃した。
「ビッビイイイイイイイイイイイ!」
ウール・デッドサウル頭を振り角度を変えると、僕達の横を通り過ぎて行く。
また向かって来る前に僕達は立ち上がり事なきを得た。
誰が助けてくれたのかと、僕は助けてくれた人物を見た。
「ありがとうございますツキコさん、本当にギリギリでした」
助けてくれたのは、ミアさんに勝るとも劣らない速さを持つツキコさんだった。
真っ先に駆けつけてくれたのだろう。
「ツキコさん助かったわ。でもまだアレを倒さなきゃならないんだけど」
「それは心配ない。もう町からも応援がやって来る。私達の仲間以外にも、冒険者達が沢山な。ほら、聞こえるだろ、あの声が」
町の中からは、ありとあらゆる武装をした冒険者達が何百人と、ギルドの仲間であるアーリアさんやデッドロックさん、他にも沢山の仲間達がこの場に集結して来ていた。
「ギルドの奴等なんかに負けるんじゃねぇぞ! 冒険者の力を見せてやれ!」
「突撃しろ! 突撃、突撃、突撃だあああああ!」
「賞金は私達のものよ。サークレット・ファイヤー!」
「続きますわお姉さま! サークレット・サンダー!」
遠くからは、冒険者達の攻撃が始まっている。
少し落ち着いた僕達の下には、デッドロックさんとアーリアさんが到着していた。
「よう、待たせたな坊主。こんだけ居ればもう負けねぇだろう。じゃあ安心して戦ってやれ」
デッドロックさんは鎌を構え、自分も早く参戦したいという感じである。
「お姉さんも来たけど、これを防御するのは無理かしら。たまには殴るのもいいかしらね?」
アーリアさんとしては、かなり相性が悪い相手だ。
それでも来てくれたのは僕達の為だろうか?
「ありがとうございますお二人共、じゃあ反撃ですね!」
「当然だ。ていうかもう行ってるだろ?」
そう、冒険者達はあの巨体を取り囲み、縄を使い動きを押さえつけている。
縄を掴み体の上に登ると、上部からの攻撃も続けられていた。
流石に全員場慣れしている。
これでたぶん勝てるだろうけど、僕は念のために、三本目の鉄棒を地面に突き立て四本目の位置に向かった。
「これで、四本目!」
最後の鉄棒を地面に突き立て、僕の場の結界が完成した。
もう勝負は決するのかと思ったけど、もう一波乱あるようだ。
「ビイイイイイイイイイイイアアアアアア!」
断末魔の悲鳴ならよかったのだけど、ウールデッドサウルの体に青色の光が輝いた。
冒険者がバラバラと弾き落とされ、押さえつけていたロープまでがブツンと切れてしまう。
さて、僕の出番が来てしまったらしい。
もうアイツの力は調べきってある。
後はやることをやるとしよう。
僕は息を吸い込み、呪文を唱える。
「……結界の内なる防壁の力よ、数値となって強さを示せ。ナンバーズ・フィールド!」
冒険者や仲間を振り払い大暴れするウール・デッドサウルだけど、そこは結界の内側で、僕の力の及ぶ範囲内である。
唱えられた呪の力により、魔物から力の波動が消え失せた。
そして、落ちた数値は見ずとも分かる。
僕はただ力の数値を分配して、自身の能力を上げるのみだ。
「クー、行って来なさい。今度は倒してやるのよ!」
「分かりましたファラさん! じゃあ、行くぞおおおおおおおおおおお!」
冒険者を振り払ってしまったから。
仲間達を弾き飛ばしてしまったから。
魔物はただの一体である。
だから、僕はただ突き進めばいいだけだ。
「たあああああああああ!」
地面が割れるほどの踏み込み。
この瞬間だけは達人級の動きも余裕だ。
高速で動き続ける僕は、地を蹴り空を舞う。
回転しながら魔物の背へと強烈な蹴りを放った。
「ピギャアアアアアアアアア!」
その衝撃は魔物を地に押し付け、落とし穴にでも落ちた状態に変えてしまう。
これでも、この魔物が一撃で死ぬとは思えない。
そう思った僕は、背を上って頭に着くと、自身の拳を握り込んだ。
「これで終わりだあああああああああ!」
渾身で必中の拳は、魔物の頭を壁の中へと叩きこんだ。
これで勝負は決しただろう。
僕は強化の時間が終わる前に、穴から脱出し、フウゥと息を吐き出した。
★
あの魔物の処理が終わり、僕達ギルドに戻ってスラーさんに呼び出されていた。
そしてなんだか理解できないことを言われている。
「えっ?! 聞き間違ったと思うからもう一回言ってくれませんかスラーさん?」
「ではもう一度言いますよ。今回のことは仕方がないのですけど、町への被害が出てしまいました。それは分かりますね?」
「はい、そうですね」
まあそれは分からなくもない。
「そして冒険者への依頼料や、怪我人の治療費も必要でしょう? ですからギルドとしてもお金を払わなければなりません。つまり……」
「つまり何かしら?」
「つまりこの町のギルドは金欠になってしまったので、今後のボーナスは期待しないでください。今回の分も当然無しになりました」
「なんですってええええええええ!」
「そんなのないですよ!」
タダ働きの宣言に、僕とファラさんは声をあげた。
「ウゥ?」
まあ、ミアさんは分かっていないようだが。
「それとじつはですね、いち早く町に接近する魔物に気付いたのはミカグラ君だったのですよ。同行していたブラッドバイド君提案でギルドに依頼が出されたのですけどね、後々話しを聞くとライズ・ライト君が関わっているというじゃありませんか」
「ええ?」
あれ?
何か流れがおかしい。
「あの大きな魔物は君を追って来たのでしょう? つまり上層部に報告した結果、君の所為なんじゃないかと話が上がってしまったのですよ。ですからね、何ヶ月分の給料でその補填に当てて貰おうということになったんですねこれが。私は一応止めたんですけどね」
「……えええっ?!」
それは絶対におかしい。
どう考えてもおかしい!
ギルドはホワイト企業じゃなかったんですか?!
「まあ安心してください。本来はもっと高額なのですけど、交渉して三ヶ月にまで減額してきてあげましたから。たかだか三ヶ月我慢すればいいだけですので、死ぬことはないでしょう。それと、私への借金はその後でいいですから、くじけず頑張ってくださいね」
「ええええええええええええええええ?!」
その借金が有るのを忘れていたあああ!
「ちょっとファラさん、スラ―さんに言ってやってください! あれは僕のせいじゃないですよね?!」
「ふぅ……私に聞かれても分からないわ」
ファラさんは僕から顔を逸らしている。
「何で顔を逸らすんですかファラさん! まさか、自分に被害が来るんじゃないかと思って僕を犠牲に?!」
「考え過ぎよ。そんな事はないんじゃないかしら? まあでも心配しなくてもいいわよ。食事代ぐらいなら少し分けてあげてもいいから」
「いやそれは嬉しいですけど。嬉しいですけどおおおお!」
「クー、ワタシ、ムシ、トル!」
「虫は嫌ああああああああああああ!」
僕は頭を抱えて身をよじらせた。
こうしてまた僕の金欠生活が始まったのだ。
★職業説明 測量士
今日は少しギルドに登録された職業についての話をしよう。
ギルドに登録された職業は、現在三十に及ぶ。
その就いた職業によって、ギルドにより成長の方向性を定められ、成長値を誘導していくのが冒険者システムである。
三十に及ぶ職業の中で、僕が冒険者として選んだのは、測量士と呼ばれるものだ。
ちまたで言われるモンスター測量士とは全く違うものである。
モンスター測量士は、一般に測量を行っているギルド職員のことを指す。
つまり、僕を含めた戦力調査部で働いている全員のことである。
しかし僕がついている職業の測量士は、ギルドにより成長の方向性を決められた戦闘職の事を言う。
かなり扱いが難しい職業で、冒険者の間ではレア職業と言われている。
別に簡単に成ることが出来ないとか、特別な条件があるとかそんな事もないのだけど、成り手が圧倒的に少ないのだ。
それもそのはず。
賞金首や狙う相手が決まっているのなら使いどころも有るのだけれど、冒険者と魔物との出会いは殆どが突然である。
自分の手で結界を作り出している間に、魔物との戦闘が終わってしまうことが殆どなのだ。
しかし運よく結界を作ったとしても、相手が特殊能力を使わなければ意味がない。
物理攻撃オンリーだと、何一つ役に立たないのが測量士であるのだ。
そしてその関門を潜り抜けても、まだ難関は続いている。
相手の扱う力に合わせて魔法を使わないと、全く何の意味もないからだ。
だが、それで終わりではない。
相手の力を観察して予測し、自分の魔法を合わせたなら、結界の内に居る相手の能力を打ち消す事は出来る。
しかし、そこで現れる数値が低いと、自身の強化がほんの僅かになってしまう。
相手の扱う力が二つ三つになれば、倍の労力にもなるだろう。
それがどれほどの難関なのかということだ。
通常戦闘時では殆ど……いや、一切役に立たないのである。
野に居る魔物の討伐とか、誰かの護衛、色々と使い勝手が悪い。
パーティにとってのお荷物と呼ばれても仕方ないぐらいのレベルなのだ。
今まで悪口のような事ばかり言って来たが、測量士は悪い事ばかりではない。
全てを乗り越え高数値を得れば、誰もがうらやむほどの超力を扱うことができるのだ。
言うなれば、大魔導士が扱う超強力魔法を、自身の肉体に体現させてしまうのが測量士である。
前に起こった巨大な魔物との戦闘を見たものなら、その力がどれ程のものなのか分かるだろう。
しかも莫大な波動を伴う魔法の力より、自身の肉体で操るその力は、相当に使い勝手がいい。
一対一でも乱戦でもどんな状況でも扱えるのだ。
なぜこんな扱いが難しいこの職業が作られたかといえば、強敵から町を護る為と言われている。
町全体に及ぶ結界を張り続ける測量士が存在し、強力な魔法を扱う魔王の襲撃に備えていると、まことしやかに囁かれていた。
当然ただの噂にしかすぎず、僕にとっても関係のない話……なのかもしれない。
ミアさんとチームを組むことになり、僕達は三人のチームとなった。
初めてチームを組むミアさんの為に、町の外の軽い見回りを命じられた。
その途中、折角の新種を見つけたのに、調べる前にミアさんに倒されてしまう。
これは駄目だとミアさんと話し、ボーナスのことを頭に入れてあげた。
★
クー・ライズ・ライト (僕)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
今回の鳴き声は、ピからビに変わっています。
仕様なのよ。公開時間間違えてました。
★
ミアさんも少しずつ慣れてきていて、もう指示を出すこともなくなっていた。
まああれからボーナスが貰える新種は出て来ていないが、元気いっぱいに外回りを続けている。
「あ~、ボーナスが~、僕のボーナスが~……」
そう、この僕以外は。
一度は諦めたものの、何度か考えた結果、ボーナスのうま味が頭を離れてくれないのだ。
「うっさいわねクー、何時まで落ち込んでるのよ。私だってもう忘れたんだから、サッサと諦めなさいよ。ミアが可哀想でしょ」
傷心の僕に、もう立ち直っているファラさんが怒鳴って来ている。
「ワタシ、ヘーキ。ナクナ、クー!」
そして僕のボーナスを奪ったミアさんも、自分が何をしたのか分かっていない様子である。
「ミアさんは優しいな、ファラさんに爪の垢でも飲ませてやりたい」
ちなみに僕はミアさんを怒っている訳ではない。
ただちょっと残念なだけだ。
「へ~、私はクーにスラーさんの爪の垢でも飲ませてやりたいわ」
「ツメ、ウマイ? ワタシ、クウ!」
「爪は食べれないからね。今のはあれよ、例えってやつよ」
「?」
ミアさんにはまだそういう例えは難しいようだ。
「ミアさんには分からなかったみたいですね」
「ミアは帰ってから勉強しないとね」
確かに勉強は必要だけど。
「う~ん、そのへんはどうなんでしょうね? ミアさんんはギルド管理ですから、やるにしてもスラーさんに相談してからになるかもしれませんね」
「なんか面倒臭そうね。まあその辺りは帰ってから考えましょうか」
「そうですね。……というか魔物が居ませんね。冒険者達が退治して行ったんでしょうか?」
しかし周りには冒険者の姿も見えない。
「姿を見かけないから居ないと思うんだけど?」
「ウゥ、ワタシ、カンジル……クル!」
「え、なんです?」
魔物さえ見つからないのんびりした午後に、ミアさんは何かの気配に物凄く警戒している。
僕には危険な気配は感じない。
でも、野生で暮らしていたミアさんが感じているのなら、僕達も警戒する必要がある。
「ファラさん、きっと何か来ます。警戒を!」
「もうしてるわ!」
ファラさんは警戒を強めて剣の柄に手を掛けている。
僕もリュックから鉄棒を取り出し、近くに小さな結界を作った。
流石にあまり離れる訳にもいかず、僕達の周りを囲む程度のものだけど。
そして、奴がやって来た。
ドオオオオンと圧倒的な質量で大地を踏みしめ、遥かな巨体を持つピッピちゃんが現れた。
たった数日だというのに、大きかった体はもう一段階大きさを増している。
そのピッピちゃんは、遠くに見えるローザリアの町を疾走し、町の物を壊しながら僕達の居るここへと着地した。
「ぎゃあああああああああ、追って来たああああああ!」
もう日もまたいでいるというのに、顔が犬っぽかったから臭いの探知でもしてきたのだろうか?
ということは、逃げても追って来られるのだろう。
「言ってる場合じゃないでしょ! もう一度結界を使えるように努力しなさい!」
僕はファラさんの声に反応し、ピッピちゃんを見上げた。
ミトラの町でウール・デッドサウルスと名付けた魔物である。
名は体を表すというのだろうか。
あの時より凶悪に顔をゆがめて牙をむき出している。
でも僕をやたら警戒しているようで、簡単には攻撃してこないようだ。
それも長くは続かないだろうけど。
「もっと大きな結界を造らないと」
僕は動き出そうとするのだけど。
「クー、無暗に動いちゃダメよ。そいつはあんたを警戒して襲って来ないんだから。背後を向いたら襲い掛かられるわよ。まずは相手の攻撃を避けるのだけに集中しなさい。」
「う……分かりました」
そうなると結界を造るのに動き回ることが出来ない。
僕は今何も出来ることがない。
「ワタシ、ヤル!」
威嚇しているウールデッドサウルに対して、ミアさんが武器を構えて真っ先に走り出した。
ミアさんの動きならば、この魔物の攻撃もギリギリ躱せるだろう。
両手に付けた剣を振り、巨大な魔物の足に斬り付ける。
前であれば傷さえつかなかったのだけど、今はミアさんの攻撃は通っていた。
白い毛は斬り裂かれ、少しだがダメージを与えている。
どうやらあの能力を使ってはいないようだ。
まだ回復しきっていないのだろうか?
そうであるなら、ますます僕の出番はないだろう。
「クー、町に被害が出てるんだから、その内冒険者やギルドの仲間が来るわ。それまで絶対耐えるのよ」
「はい!」
そしてファラさんも走って行く。
大きく振り上げられる足を体の動きで予測し、何とか躱し続ける二人。
たまに来る首を振り回す攻撃は、僕の居る場所にまで伸びて来ている。
僕は相手から顔を背けず後進して攻撃を避けたのだけど、ウール・デッドサウルスは、その分を詰めるように足を動かして来た。
まるで僕こそが敵だと言うばかりである。
「たああああああ!」
「ギギギ!」
ファラさんとミアさんの攻撃は続けられているが、この巨体を倒すのに後どれぐらい掛かるのかも分からない。
結界で強化した時でも倒せなかったのだ。
体力値は、資料に書いた以上に有るに違いない。
僕は目をそらさずに、突き立てていた鉄棒を三本回収する。
そのまま横へと移動し、手に持つ鉄棒の一本を地面に突き立てた。
これで二本目。
しかしこの魔物にあの防壁の力が無ければ、僕が結界を作っても意味がないかもしれない。
「ビイイイイイイイイイイイイ!」
ウールデッドサウルは随分と怒っているのか、今までよりも低く嘶いて、辺りを走り回っている。
僕達の周りを回ったり方向転換をしたりと様々な動きを織り交ぜ、僕達に突進を始めた。
「踏まれたら終わりだからね! アイツが対応できないタイミングで避けるのよ!」
「はい、分かりました! ミアさんも気を付けてください!」
「ワタシ、ツヨイ。ヘイキ!」
「もう来るわよ!」
「おわああああああ!」
近づいて来るのは圧倒的な質量を持った巨大生物である。
地を響かせる足音に、僕は少し怖気づいてしまった。
足が思うように動かせない。
「クー?!」
しかしそれに気付いたファラさんの手が、僕の体を引き寄せる。
ガッと掴まれ倒されると、僕とファラさんは地面に転がった。
数センチ横には、大きな魔物の足跡がついている。
でも、まだピンチは終わっていない。
僕達二人が立ち上がる間にも、ウールデッドサウルが方向を変えて向かって来た。
これではとても避けられない。
「ヨメ、マモル!」
ミアさんが体毛を掴み攻撃を続けているけど、相手は気にもしていない。
既に距離は詰められ大きな足が僕達の上に振り上げられた。
これで終わるのか?!
「待たせたな!」
悲観している僕達を助けるように、黒い装束を着た人物が現れた。
その人物は、腰に下げられた四角い武器を手に持つと、ウール・デッドサウルに向かって投げつける。
黒い武器は回転しながら突き進み、角度を変えて魔物の目玉に直撃した。
「ビッビイイイイイイイイイイイ!」
ウール・デッドサウル頭を振り角度を変えると、僕達の横を通り過ぎて行く。
また向かって来る前に僕達は立ち上がり事なきを得た。
誰が助けてくれたのかと、僕は助けてくれた人物を見た。
「ありがとうございますツキコさん、本当にギリギリでした」
助けてくれたのは、ミアさんに勝るとも劣らない速さを持つツキコさんだった。
真っ先に駆けつけてくれたのだろう。
「ツキコさん助かったわ。でもまだアレを倒さなきゃならないんだけど」
「それは心配ない。もう町からも応援がやって来る。私達の仲間以外にも、冒険者達が沢山な。ほら、聞こえるだろ、あの声が」
町の中からは、ありとあらゆる武装をした冒険者達が何百人と、ギルドの仲間であるアーリアさんやデッドロックさん、他にも沢山の仲間達がこの場に集結して来ていた。
「ギルドの奴等なんかに負けるんじゃねぇぞ! 冒険者の力を見せてやれ!」
「突撃しろ! 突撃、突撃、突撃だあああああ!」
「賞金は私達のものよ。サークレット・ファイヤー!」
「続きますわお姉さま! サークレット・サンダー!」
遠くからは、冒険者達の攻撃が始まっている。
少し落ち着いた僕達の下には、デッドロックさんとアーリアさんが到着していた。
「よう、待たせたな坊主。こんだけ居ればもう負けねぇだろう。じゃあ安心して戦ってやれ」
デッドロックさんは鎌を構え、自分も早く参戦したいという感じである。
「お姉さんも来たけど、これを防御するのは無理かしら。たまには殴るのもいいかしらね?」
アーリアさんとしては、かなり相性が悪い相手だ。
それでも来てくれたのは僕達の為だろうか?
「ありがとうございますお二人共、じゃあ反撃ですね!」
「当然だ。ていうかもう行ってるだろ?」
そう、冒険者達はあの巨体を取り囲み、縄を使い動きを押さえつけている。
縄を掴み体の上に登ると、上部からの攻撃も続けられていた。
流石に全員場慣れしている。
これでたぶん勝てるだろうけど、僕は念のために、三本目の鉄棒を地面に突き立て四本目の位置に向かった。
「これで、四本目!」
最後の鉄棒を地面に突き立て、僕の場の結界が完成した。
もう勝負は決するのかと思ったけど、もう一波乱あるようだ。
「ビイイイイイイイイイイイアアアアアア!」
断末魔の悲鳴ならよかったのだけど、ウールデッドサウルの体に青色の光が輝いた。
冒険者がバラバラと弾き落とされ、押さえつけていたロープまでがブツンと切れてしまう。
さて、僕の出番が来てしまったらしい。
もうアイツの力は調べきってある。
後はやることをやるとしよう。
僕は息を吸い込み、呪文を唱える。
「……結界の内なる防壁の力よ、数値となって強さを示せ。ナンバーズ・フィールド!」
冒険者や仲間を振り払い大暴れするウール・デッドサウルだけど、そこは結界の内側で、僕の力の及ぶ範囲内である。
唱えられた呪の力により、魔物から力の波動が消え失せた。
そして、落ちた数値は見ずとも分かる。
僕はただ力の数値を分配して、自身の能力を上げるのみだ。
「クー、行って来なさい。今度は倒してやるのよ!」
「分かりましたファラさん! じゃあ、行くぞおおおおおおおおおおお!」
冒険者を振り払ってしまったから。
仲間達を弾き飛ばしてしまったから。
魔物はただの一体である。
だから、僕はただ突き進めばいいだけだ。
「たあああああああああ!」
地面が割れるほどの踏み込み。
この瞬間だけは達人級の動きも余裕だ。
高速で動き続ける僕は、地を蹴り空を舞う。
回転しながら魔物の背へと強烈な蹴りを放った。
「ピギャアアアアアアアアア!」
その衝撃は魔物を地に押し付け、落とし穴にでも落ちた状態に変えてしまう。
これでも、この魔物が一撃で死ぬとは思えない。
そう思った僕は、背を上って頭に着くと、自身の拳を握り込んだ。
「これで終わりだあああああああああ!」
渾身で必中の拳は、魔物の頭を壁の中へと叩きこんだ。
これで勝負は決しただろう。
僕は強化の時間が終わる前に、穴から脱出し、フウゥと息を吐き出した。
★
あの魔物の処理が終わり、僕達ギルドに戻ってスラーさんに呼び出されていた。
そしてなんだか理解できないことを言われている。
「えっ?! 聞き間違ったと思うからもう一回言ってくれませんかスラーさん?」
「ではもう一度言いますよ。今回のことは仕方がないのですけど、町への被害が出てしまいました。それは分かりますね?」
「はい、そうですね」
まあそれは分からなくもない。
「そして冒険者への依頼料や、怪我人の治療費も必要でしょう? ですからギルドとしてもお金を払わなければなりません。つまり……」
「つまり何かしら?」
「つまりこの町のギルドは金欠になってしまったので、今後のボーナスは期待しないでください。今回の分も当然無しになりました」
「なんですってええええええええ!」
「そんなのないですよ!」
タダ働きの宣言に、僕とファラさんは声をあげた。
「ウゥ?」
まあ、ミアさんは分かっていないようだが。
「それとじつはですね、いち早く町に接近する魔物に気付いたのはミカグラ君だったのですよ。同行していたブラッドバイド君提案でギルドに依頼が出されたのですけどね、後々話しを聞くとライズ・ライト君が関わっているというじゃありませんか」
「ええ?」
あれ?
何か流れがおかしい。
「あの大きな魔物は君を追って来たのでしょう? つまり上層部に報告した結果、君の所為なんじゃないかと話が上がってしまったのですよ。ですからね、何ヶ月分の給料でその補填に当てて貰おうということになったんですねこれが。私は一応止めたんですけどね」
「……えええっ?!」
それは絶対におかしい。
どう考えてもおかしい!
ギルドはホワイト企業じゃなかったんですか?!
「まあ安心してください。本来はもっと高額なのですけど、交渉して三ヶ月にまで減額してきてあげましたから。たかだか三ヶ月我慢すればいいだけですので、死ぬことはないでしょう。それと、私への借金はその後でいいですから、くじけず頑張ってくださいね」
「ええええええええええええええええ?!」
その借金が有るのを忘れていたあああ!
「ちょっとファラさん、スラ―さんに言ってやってください! あれは僕のせいじゃないですよね?!」
「ふぅ……私に聞かれても分からないわ」
ファラさんは僕から顔を逸らしている。
「何で顔を逸らすんですかファラさん! まさか、自分に被害が来るんじゃないかと思って僕を犠牲に?!」
「考え過ぎよ。そんな事はないんじゃないかしら? まあでも心配しなくてもいいわよ。食事代ぐらいなら少し分けてあげてもいいから」
「いやそれは嬉しいですけど。嬉しいですけどおおおお!」
「クー、ワタシ、ムシ、トル!」
「虫は嫌ああああああああああああ!」
僕は頭を抱えて身をよじらせた。
こうしてまた僕の金欠生活が始まったのだ。
★職業説明 測量士
今日は少しギルドに登録された職業についての話をしよう。
ギルドに登録された職業は、現在三十に及ぶ。
その就いた職業によって、ギルドにより成長の方向性を定められ、成長値を誘導していくのが冒険者システムである。
三十に及ぶ職業の中で、僕が冒険者として選んだのは、測量士と呼ばれるものだ。
ちまたで言われるモンスター測量士とは全く違うものである。
モンスター測量士は、一般に測量を行っているギルド職員のことを指す。
つまり、僕を含めた戦力調査部で働いている全員のことである。
しかし僕がついている職業の測量士は、ギルドにより成長の方向性を決められた戦闘職の事を言う。
かなり扱いが難しい職業で、冒険者の間ではレア職業と言われている。
別に簡単に成ることが出来ないとか、特別な条件があるとかそんな事もないのだけど、成り手が圧倒的に少ないのだ。
それもそのはず。
賞金首や狙う相手が決まっているのなら使いどころも有るのだけれど、冒険者と魔物との出会いは殆どが突然である。
自分の手で結界を作り出している間に、魔物との戦闘が終わってしまうことが殆どなのだ。
しかし運よく結界を作ったとしても、相手が特殊能力を使わなければ意味がない。
物理攻撃オンリーだと、何一つ役に立たないのが測量士であるのだ。
そしてその関門を潜り抜けても、まだ難関は続いている。
相手の扱う力に合わせて魔法を使わないと、全く何の意味もないからだ。
だが、それで終わりではない。
相手の力を観察して予測し、自分の魔法を合わせたなら、結界の内に居る相手の能力を打ち消す事は出来る。
しかし、そこで現れる数値が低いと、自身の強化がほんの僅かになってしまう。
相手の扱う力が二つ三つになれば、倍の労力にもなるだろう。
それがどれほどの難関なのかということだ。
通常戦闘時では殆ど……いや、一切役に立たないのである。
野に居る魔物の討伐とか、誰かの護衛、色々と使い勝手が悪い。
パーティにとってのお荷物と呼ばれても仕方ないぐらいのレベルなのだ。
今まで悪口のような事ばかり言って来たが、測量士は悪い事ばかりではない。
全てを乗り越え高数値を得れば、誰もがうらやむほどの超力を扱うことができるのだ。
言うなれば、大魔導士が扱う超強力魔法を、自身の肉体に体現させてしまうのが測量士である。
前に起こった巨大な魔物との戦闘を見たものなら、その力がどれ程のものなのか分かるだろう。
しかも莫大な波動を伴う魔法の力より、自身の肉体で操るその力は、相当に使い勝手がいい。
一対一でも乱戦でもどんな状況でも扱えるのだ。
なぜこんな扱いが難しいこの職業が作られたかといえば、強敵から町を護る為と言われている。
町全体に及ぶ結界を張り続ける測量士が存在し、強力な魔法を扱う魔王の襲撃に備えていると、まことしやかに囁かれていた。
当然ただの噂にしかすぎず、僕にとっても関係のない話……なのかもしれない。
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