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他人のものは蜜の味
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どうしても子ができないので、妻ケイとともに医者にいく。
「奥さんと旦那さん。別々に検査をします」
妻は廊下の奥の検査室に連れていかれ、俺は診察室の横にある個室に入れられた。
看護婦が、なぜかクスッと笑ったような気がしたが、部屋に入って、その理由がわかった。
個室の中央にベッドがあり、その横にはエロ本が置いてある。
看護師は紙コップを渡した。グリーン色の検尿の時と同じものだ。
「シノダヨウジさん。精子を出して、この紙コップにいれてください。ビデオもありますので、気兼ねなく観てください」
要するにマスターベーションをここでして、精子を提供しろとのことなのだ。
とても恥ずかしい思いに駆られたが、しかし出さないわけにはいかない。
看護師が出た後、仕方がないので、ベッドに横たわり、ペニスを出した。力なく萎えている。
エロ本をパラパラとめくって、擦るが、どうも硬くならない。
妻ケイの顔を思い浮かべる。
ケイは俺のお気に入りだ。色白で、瓜実顔。目が大きい上にまつげが長くて、口元が上品だ。鼻は小ぶりで形がよい。
身体は小柄でスレンダーなのだが、その割にバストは大きく、腰は見事にくびれていた。
都内のお嬢様大学を出て、広告代理店の社長秘書をやっていたが、たまたま、会社の近くのレストランで隣に座って、意気投合した。
その美しい顔が忘れらずに、会社が終わっては、外で待ち伏せをしてデートを誘った。
何回かのデートの後、男と女の関係になり、その後、結婚。やっとの思いで俺のものにした。
セックスの時、品の良い顔が、欲望で歪むのを見て、俺は妙に興奮を覚えた。
膣はやや固めであるが、俺の亀頭の上のほうにカリカリとあたり、いわゆるカズノコ天井、俺は我慢できなく射精をする。
俺は夢中になった。最高の女を手にしたと有頂天になっていた。
ただ、余計なことがあった。
俺は長男で、千葉にある醤油会社の跡を継がねばならなかった。醤油会社といっても、東京の大手の下請けの合名会社で、大したことはないのだが、もう4代も続いている。
母親が俺の顔を見るや、「跡取りはいつ? 子供はいつできるの?」と述べてくる。
子供などはっきり言って、どうでも良いと思っていた。
この充実した二人だけの生活を送りたい。二人だけ・・子供など無論いらない。
しかし、ある日、ケイが真顔で言ってきた。
「赤ちゃんほしい。跡継ぎと言うよりも、赤ちゃんがほしいのよ。この手に抱きしめたい」
母親と妻に責められて、それから、俺のセックスは義務となった。
仕事でどんなに疲れて帰ってきても、ケイの上に乗り、子作りに励んだ。だが、どうしても妊娠をしなかった。
そういう理由で、このたび、結婚一年目を契機に、体を調べに診察を受けた。
心のなかで、ケイを思い浮かべる。
「ああ。あなた。ああ。いい。いいん」
俺の動きに合わせて、ケイの胸が揺れる。白い二つのたわわに実った果実がユッサユッサ動くのを見て、俺はいよいよ興奮する。
「いいの。いい。そこ。そこ。ああん」
ペニスが大きく肥大するのがわかる。よりケイの膣の柔らかさが俺を優しく包む。
横を見ると、ケイの足先がグーを握り締めたようになっている。
「いく。きもちいい。いくん」
ケイがクライマックスで顔をゆがめる。
「うう。うん」
右手を激しく動かすと、精子が出た。紙コップの中にぴゅっぴゅっぴゅと三回放出した。
強い快感の後、とてもみじめな気持ちなるが、これも診察のうちなのであきらめるしかない。
若い看護師に精子がベットリと着いた紙コップを渡した。
青臭い妙な臭いがする。看護師は平然と受け取った。
診察の室の前ではケイが、神妙にすわっていた。
「どうだった?」
訊ねると、ケイは首を横に振り、「指を入れられて、ずっと奥を調べられた」という。
俺は少し腹が立ったが、医者のやることなど仕方ない。しかし、次のケイの言葉で、体が震えた。
「お医者さん。私のあそこに指を入れたままで、奥さん、名器ですねというの。はずかしかった」
ケイは俺の前に男を知らなかったので、俺しかケイのあそこは知らないはずだ。
馬鹿野郎! 殴ってやろうか!
しかし、相手は医師なのでグッと我慢をした。
診察室に入ると、ケイと二人並んで椅子に座り、医師の説明を受ける。
五〇歳そこそこに見える医師が、気の毒そうに俺に告げた。
「奥さんは正常ですが、旦那さんは精子がないです。無精子症ですね」
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