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駅②
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駅に着くと、すでに廃駅になっていた。路線自体が廃線になったようだ。
三人は呆然とする。
「おやまあ。廃線になって、使えないね」
ミレイが声を上げ、ハヤトは腕組みをした。
「こまった。どうするか? 戻るか? 戻るにしても、川に着く頃は、夜中になってしまう」
「どうしょうか? ここで夜を明かすのも、少し気味悪いね」
駅の中は、蜘蛛の巣だらけで、壁に穴があいたり、柱が何本か折れていた。
「地震でも起きたら、壊れて下敷きになってしまうね」
サチが横から口を挟む。
「このまま。歩いてきましょう。確か私の記憶だと、一駅で着くと思う。歩いてもすぐよ。向こうに着けばホテルもあるし、とりあえず一晩は明かせる」
ハヤトは忌々しそうにいう。
「日帰りというから出てきたのに。なんてこった。まあ。しかたないな。歩くか」
その時、また、ハヤトの耳に息子のお経が聞こえた。
なむからたんのう・・・なむおりや・・・ぼりょきち・・・とらーとらー・・・
「また、始まったぞ。今度はずいぶんと大きく聞こえる」
「私もだよ。それにしても、ずいぶん下手なお経だね。頭が痛くなる」
ミレイを頭を抱えて、その場に座り込んだ。サチが心配そうにいう。
「大丈夫。おじちゃんとおばちゃん。二人とも顔が真っ青で、冷や汗をかいているよ」
「ああ。助けてくれ。頭がズキズキと痛む」
サチがハンカチを取り出すのをハヤトは受け取って、額を拭いた。
「ありがとうよ。お経。今やんだ。不思議なことだ。どうして、経が聞こえるのかが分からん。おまけにミレイまで聞こえるとは」
「いずれにしても、早く病院に行って見てもらいましょうよ。耳鼻科と精神科。あんな空気がいいし、眺めの良い村にいて、精神をやむというのは、少しおかしい気もするけど」
ミレイが、ため息交じりにいうと、三人は駅を出て、次の駅まで線路伝いに歩き出した。
三人は呆然とする。
「おやまあ。廃線になって、使えないね」
ミレイが声を上げ、ハヤトは腕組みをした。
「こまった。どうするか? 戻るか? 戻るにしても、川に着く頃は、夜中になってしまう」
「どうしょうか? ここで夜を明かすのも、少し気味悪いね」
駅の中は、蜘蛛の巣だらけで、壁に穴があいたり、柱が何本か折れていた。
「地震でも起きたら、壊れて下敷きになってしまうね」
サチが横から口を挟む。
「このまま。歩いてきましょう。確か私の記憶だと、一駅で着くと思う。歩いてもすぐよ。向こうに着けばホテルもあるし、とりあえず一晩は明かせる」
ハヤトは忌々しそうにいう。
「日帰りというから出てきたのに。なんてこった。まあ。しかたないな。歩くか」
その時、また、ハヤトの耳に息子のお経が聞こえた。
なむからたんのう・・・なむおりや・・・ぼりょきち・・・とらーとらー・・・
「また、始まったぞ。今度はずいぶんと大きく聞こえる」
「私もだよ。それにしても、ずいぶん下手なお経だね。頭が痛くなる」
ミレイを頭を抱えて、その場に座り込んだ。サチが心配そうにいう。
「大丈夫。おじちゃんとおばちゃん。二人とも顔が真っ青で、冷や汗をかいているよ」
「ああ。助けてくれ。頭がズキズキと痛む」
サチがハンカチを取り出すのをハヤトは受け取って、額を拭いた。
「ありがとうよ。お経。今やんだ。不思議なことだ。どうして、経が聞こえるのかが分からん。おまけにミレイまで聞こえるとは」
「いずれにしても、早く病院に行って見てもらいましょうよ。耳鼻科と精神科。あんな空気がいいし、眺めの良い村にいて、精神をやむというのは、少しおかしい気もするけど」
ミレイが、ため息交じりにいうと、三人は駅を出て、次の駅まで線路伝いに歩き出した。
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