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トンネル②
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トンネルの中を歩いて行くと、少しずつ下がっていくのが分かった。
ハヤトが首を傾げる。
「おかしい。道が下がっている。地下鉄にでも使われているのだろうか?
「そうだね。訳がわからないよ。こんな苦労をするのだったら、家にいたほうが良かったね」
ミレイが弱音を吐く。ハヤトが戒めた。
「トンネルを抜けると、町が見えるよ。あまり弱音を吐くな。今夜はどこかホテルにとまろう。温かい風呂にでも入って、酒でも飲んでゆっくりしたいね」
「分かったよ。こんな時は、やはり男だね。頼もしい限りだよ」
サチが声を上げた。
「おじさん。何かいるよ。トンネルの横」
トンネルの横を見ると、確かに、人型に掘られた人形がいくつか置いてあった。
「気味悪いね。なんでこんなところに人形が置いてあるのだろうね」
しかし、よく見ると、人形が動いているかのように見える。
顔などが消えたり、見えたりして、見えるときには苦しそうな顔をする。
サチが震えた声を出す。
「生きている。何かうごめいているように見える。早く去ろう」
「たぶん目の錯覚だよ、でも、気持ち悪いので、さっさと行こうよ」
三人は足を速めた。
後ろを見ると、入り口の光がずんずんと小さくなる。
「妙なことに、後ろに見えるトンネルの入口側の光は、すっごく明るく見える。強烈な光だ。しかし、前のほうの出口の光はそんなに光っているように見えないね」
ハヤトの声にサチが振り向く。
「本当だ。光が強く、それに何か吸い込まれるような色をしている。何か戻りたくなるな」
ミレイが言葉を挟む。
「大丈夫。明日には戻ると思う。さっさと用事を済まして帰ってこようね」
ハヤトが首を傾げる。
「おかしい。道が下がっている。地下鉄にでも使われているのだろうか?
「そうだね。訳がわからないよ。こんな苦労をするのだったら、家にいたほうが良かったね」
ミレイが弱音を吐く。ハヤトが戒めた。
「トンネルを抜けると、町が見えるよ。あまり弱音を吐くな。今夜はどこかホテルにとまろう。温かい風呂にでも入って、酒でも飲んでゆっくりしたいね」
「分かったよ。こんな時は、やはり男だね。頼もしい限りだよ」
サチが声を上げた。
「おじさん。何かいるよ。トンネルの横」
トンネルの横を見ると、確かに、人型に掘られた人形がいくつか置いてあった。
「気味悪いね。なんでこんなところに人形が置いてあるのだろうね」
しかし、よく見ると、人形が動いているかのように見える。
顔などが消えたり、見えたりして、見えるときには苦しそうな顔をする。
サチが震えた声を出す。
「生きている。何かうごめいているように見える。早く去ろう」
「たぶん目の錯覚だよ、でも、気持ち悪いので、さっさと行こうよ」
三人は足を速めた。
後ろを見ると、入り口の光がずんずんと小さくなる。
「妙なことに、後ろに見えるトンネルの入口側の光は、すっごく明るく見える。強烈な光だ。しかし、前のほうの出口の光はそんなに光っているように見えないね」
ハヤトの声にサチが振り向く。
「本当だ。光が強く、それに何か吸い込まれるような色をしている。何か戻りたくなるな」
ミレイが言葉を挟む。
「大丈夫。明日には戻ると思う。さっさと用事を済まして帰ってこようね」
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