最強避妊薬で昇天乱舞

井之四花 頂

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第三部 女王様の禁じられたよろこび

18*

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 アニメにうつつを抜かし、宿題を怠けた児童は膝を立てて上体を起こそうとしている。ずっと平伏したままだったから足もしびれているだろうし、目隠しの状態で立つのはバランスを取るのも大変だろう。何しろ体だけは60過ぎのジジイだ。しかし私は手を貸したりしない。教師と児童との神聖な約束を反故にするような者は、自分の過ちの重さを身をもって知るべきなのだ。

 メクラウナギとして視界を塞がれた真朋揚三はふらつきながらも、なんとか立ち上がった。いよいよ、教師としての指導を行うべき時が来た。

「いいですか真朋くん。あなたはこの2日間テレビアニメにうつつを抜かして、算数の宿題に手を付けようともしなかった」

 背後に立つ問題児童に叱責を続けながら、私は壁へと歩み寄った。

「本当に残念だけど、あなたは罰を受けなければなりません。パンツを脱ぎなさい」

 壁のフックから、私は口枷と革手錠と鎖付きの首輪を取って向き直る。視界の中央では、てんでお話にもならない問題児がよろめきながらおずおずとパンツに手を掛けようとしていた。

「返事をなさいバカ!」
「はいっ!」

 本当に癪に障る! ずうずうしいったらありゃしない。……こういう子には、一日も早く、反省の気持ちを植え付けなくてはいけないのだ。そのためには、手加減はいっさい無用。パンツを下ろして前かがみになったままのジジイの背中に、私は一本鞭を振り下ろした。

「あうっ!」
「どうしたの? なんで前を隠してるのよ? 背すじ伸ばして! 気をつけ!」

 問題児のジジイが、鉄の芯でも通されたみたいに直立不動になった。私は正面に立って、その貧相な持ち物をしげしげと観察するが、残念ながら、そいつまで直立不動というわけにはいかない。かわいそうに、もう半分も白髪が混じった陰毛の中でそれは縮こまっている。まだ小学5年生だっていうのに。

「回れ右! ……返事がないわね?」
「はいっ!」
「よっぽど返事するのが嫌みたいね。いいわ。もう返事しないでいいから、口を開けて」

 背を向けてバカみたいに口を開けたジジイに背後から口枷を回し、ボールを押し込んでしっかりと装着する。もちろん、鼻まで覆っているマスクをずらして呼吸に支障がないようにしてあげるのは忘れない。背中越しにジジイの荒い鼻息が聞こえる。

「2歩前へ! ベッドの上で四つん這いに!」

 ジジイは命ぜられるままに2歩前進し、ベッドに上がって四つん這いになった。

「顔をベッドに着けて。そうそう、それから両膝を肩の幅に広げて、お尻を高く掲げなさい。クラスの全員に、何もかもよーく見えるように!」

 クラス全員の注意を促すべく、私は鞭に渾身の力を込めて床を叩く。鋭い響きとともに、教室に粛然とした空気が漲った。

 私は膝立ちでベッドに上がり、尻をかかげたジジイの両腕を革手錠で背中に固定した。続いて首輪をはめ、鎖を手錠に回して連結する。鎖を引っ張るだけで喉と両腕が締め上げられるように。

 ベッドを下りて、これから本格的に処罰される劣等生の姿を点検した。我ながら上出来だ。問題児は遂に、その然るべき姿をクラスメートの前に暴き出された。

「いいですか皆さん。真朋揚三くんは小学5年生にもなって、二ケタの足し算引き算もできません。だから本当は、少しでも皆さんに追い付くように、もっともっと頑張らなければいけなかったんです。それなのに、彼はずっとテレビのアニメを観ていて、先生が出した宿題を全っ然やっていませんでした。……先生はとても悲しいです。なので真朋くんは罰を受けなければなりません」


 クラス全員の目は、この問題児の尻の穴に集中している。これでいいのだ。彼ら彼女らは、今日のこの出来事を生涯忘れまい。学習する者の義務を怠ればどんな運命が待ち受けているか、しっかりと脳裏に刻むだろう。だから私は手を抜いてはならない。

「よーく見てください、これが、怠け者のお尻です。お尻の穴が見えますか? ……皆さんも勉強を怠けていれば、真朋くんみたいなことになりますよ!」

 私は女王の鞭を振り上げた。しなやかな尖端部がうなりをあげ、皺の寄った63歳の尻を直撃すると、両手を拘束された亀の頭部がベッド上でバウンドし、みっともない呻き声をあげる。もちろん容赦はしない。今度は左、次は右!

「先生だって好きでやってるんじゃありません! これは全部真朋くんのためなんです! 皆さんも分かりますよね?」

 私がみずから選んだ鞭の尖端は、練達者の冴えを遺憾なく発揮して不届き者の尻肉を打ち据え、赤いミミズ腫れを刻んでいく。でも、でも……私にはこの劣等生が、少しも反省しているように思えない。このままじゃ駄目だ!

 左右の尻を各20発ほど打ってそれぞれが綺麗に赤く腫れ上がってくると、さすがに腕も疲れて息も上がってきた。私は鞭をベッドに放り出した。

「真朋くん、宿題の続きをここで始めましょう。他の皆さんはもう掛け算も割り算もできるんですから、二ケタの足し算引き算なんかやらなくても大丈夫です。これは真朋くんだけの補習です!」

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