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2章 ゴブリンの砦
STORY24 リアーナの成長
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リアーナはレイピアを構えて、周囲の敵を一瞥する。山道での戦いは相手の方が有利なのは間違いない。カトムルを守りながらいかに戦うかを考える。
「このおっさんのことなら引き受けた」
ウラボスがカトムルの警護を買って出た。
「ありがとう! だったら、リャッカちゃんは魔術で援護をお願い。グランザはわたしと一緒に敵を撃破していって!」
「了解ニャ!」
「わかりました!」
リアーナの指示にリャッカとグランザが返事する。
「ちっ! おめぇら、やっちまえ!!」
山賊たちが一斉に動く。
まず、弓矢を持った数人の山賊が矢を射る。
「ひぃぃぃ……」
頭を抱えて地面にうずくまるカトムルの側でウラボスは左手をかざし、防御魔術を発動させる。出現した魔力の壁は全ての矢を弾き落とす。
「小爆発魔術!」
敵に向かって斬り込んでいくリアーナとグランザを援護すべく、リャッカの攻撃魔術が敵の一団に炸裂した。幾人かの山賊は爆発に巻き込まれて戦闘不能となる。
思いがけない展開に冷静さを欠いた山賊たちをリアーナのレイピアとグランザの槍が次々に討ち取っていく。
弓使いの盗賊たちは再び矢の雨をウラボスたちに降らす。だが、やはりウラボスの防御魔術により1本残らず弾き落とされてしまう。
「うっとうしいやつらニャ! 雷撃渦魔術!!」
リャッカの魔術が発動し、弓使いたちは雷撃の渦に呑み込まれて全滅する。
「こんな、バカな!?」
大柄な山賊は激しく動揺していた。もはや残っているのは数名のみであり、勝負の行方は明らかだ。
(どうする!? どうすりゃここを切り抜けられる!?)
大柄な山賊は混乱する脳で必死に考える。そうしている間に手下は次々に戦闘不能となり、その数を減らしていき、遂には最後の一人となった。
「…うぅ……」
追い詰められた大柄な山賊は後退りする。だが、これほどの手練れを相手に逃げ切る自信はない。
「おい、嬢ちゃん! あんたに一騎討ちを申し込む。もちろん、いやとは言わねえよな?」
大柄な山賊は鋭い視線をリアーナに向ける。
「……いいわ。その勝負、受けて立つわ」
リアーナは相手の申し出を承諾する。
「待ってください。一騎討ちなんて応じる必要はありませんよ。考え直してください!」
グランザがリアーナを心配して止める。
「ありがとう、グランザ。でも、わたしなら大丈夫。絶対に敗けないよ」
ニコリと笑顔を返す。一方、大柄な山賊は口元に不気味な笑みをこぼしている。
「よぉし、話は決まったな。そんじゃあ、早速始めようか!」
言い終わらないうちに山賊は大剣でリアーナに斬りかかる。だが、リアーナはあっさりと回避してみせる。
「ちっ!」
山賊は舌打ちをして、何度も大剣を振りかざして攻撃する。しかし、やはりリアーナにはかすりもしない。
(おいおいおい、どうなってやがるんだ!?)
リアーナとの一騎討ちに持ち込めれば勝利する自信があった山賊は当てが外れて狼狽する。
「隙あり!」
リアーナのレイピアが閃き、山賊の両手足に斬りつけていく。
「ぎゃあああっ!!」
悲鳴をあげて地面を転げる山賊。
「この、アマ……」
怒りの形相をリアーナに向けたが、レイピアの切っ先が目の前に突き付けられていることに気付き、絶句する。
「まだ、やるつもり?」
リアーナが問う。
「す、すまなかった!! もう山賊稼業から足を洗う。約束する!! だから、今回だけは見逃しちゃくれねぇか!? 頼む! この通り、お願いします!!」
山賊は土下座し、許しを乞う。
リアーナはレイピアを鞘に納め、踵を返す。その瞬間を待っていた山賊はすぐさま大剣を頭上に掲げる。
「リアーナ!」
リャッカが叫ぶ。
山賊の行動を予測していたリアーナの動きは早かった。振り向きながらレイピアを鞘から抜き放ち、すれ違い様に山賊の首を斬る。
山賊の背中側に移動したリアーナは付着した血を振り払ったレイピアを鞘に納める。それと時を同じくして山賊の首から鮮血が吹き出した。
結果を知っていたウラボスは驚くこともなかったが、リャッカとグランザはリアーナの成長に言葉を失くしていた。
「このおっさんのことなら引き受けた」
ウラボスがカトムルの警護を買って出た。
「ありがとう! だったら、リャッカちゃんは魔術で援護をお願い。グランザはわたしと一緒に敵を撃破していって!」
「了解ニャ!」
「わかりました!」
リアーナの指示にリャッカとグランザが返事する。
「ちっ! おめぇら、やっちまえ!!」
山賊たちが一斉に動く。
まず、弓矢を持った数人の山賊が矢を射る。
「ひぃぃぃ……」
頭を抱えて地面にうずくまるカトムルの側でウラボスは左手をかざし、防御魔術を発動させる。出現した魔力の壁は全ての矢を弾き落とす。
「小爆発魔術!」
敵に向かって斬り込んでいくリアーナとグランザを援護すべく、リャッカの攻撃魔術が敵の一団に炸裂した。幾人かの山賊は爆発に巻き込まれて戦闘不能となる。
思いがけない展開に冷静さを欠いた山賊たちをリアーナのレイピアとグランザの槍が次々に討ち取っていく。
弓使いの盗賊たちは再び矢の雨をウラボスたちに降らす。だが、やはりウラボスの防御魔術により1本残らず弾き落とされてしまう。
「うっとうしいやつらニャ! 雷撃渦魔術!!」
リャッカの魔術が発動し、弓使いたちは雷撃の渦に呑み込まれて全滅する。
「こんな、バカな!?」
大柄な山賊は激しく動揺していた。もはや残っているのは数名のみであり、勝負の行方は明らかだ。
(どうする!? どうすりゃここを切り抜けられる!?)
大柄な山賊は混乱する脳で必死に考える。そうしている間に手下は次々に戦闘不能となり、その数を減らしていき、遂には最後の一人となった。
「…うぅ……」
追い詰められた大柄な山賊は後退りする。だが、これほどの手練れを相手に逃げ切る自信はない。
「おい、嬢ちゃん! あんたに一騎討ちを申し込む。もちろん、いやとは言わねえよな?」
大柄な山賊は鋭い視線をリアーナに向ける。
「……いいわ。その勝負、受けて立つわ」
リアーナは相手の申し出を承諾する。
「待ってください。一騎討ちなんて応じる必要はありませんよ。考え直してください!」
グランザがリアーナを心配して止める。
「ありがとう、グランザ。でも、わたしなら大丈夫。絶対に敗けないよ」
ニコリと笑顔を返す。一方、大柄な山賊は口元に不気味な笑みをこぼしている。
「よぉし、話は決まったな。そんじゃあ、早速始めようか!」
言い終わらないうちに山賊は大剣でリアーナに斬りかかる。だが、リアーナはあっさりと回避してみせる。
「ちっ!」
山賊は舌打ちをして、何度も大剣を振りかざして攻撃する。しかし、やはりリアーナにはかすりもしない。
(おいおいおい、どうなってやがるんだ!?)
リアーナとの一騎討ちに持ち込めれば勝利する自信があった山賊は当てが外れて狼狽する。
「隙あり!」
リアーナのレイピアが閃き、山賊の両手足に斬りつけていく。
「ぎゃあああっ!!」
悲鳴をあげて地面を転げる山賊。
「この、アマ……」
怒りの形相をリアーナに向けたが、レイピアの切っ先が目の前に突き付けられていることに気付き、絶句する。
「まだ、やるつもり?」
リアーナが問う。
「す、すまなかった!! もう山賊稼業から足を洗う。約束する!! だから、今回だけは見逃しちゃくれねぇか!? 頼む! この通り、お願いします!!」
山賊は土下座し、許しを乞う。
リアーナはレイピアを鞘に納め、踵を返す。その瞬間を待っていた山賊はすぐさま大剣を頭上に掲げる。
「リアーナ!」
リャッカが叫ぶ。
山賊の行動を予測していたリアーナの動きは早かった。振り向きながらレイピアを鞘から抜き放ち、すれ違い様に山賊の首を斬る。
山賊の背中側に移動したリアーナは付着した血を振り払ったレイピアを鞘に納める。それと時を同じくして山賊の首から鮮血が吹き出した。
結果を知っていたウラボスは驚くこともなかったが、リャッカとグランザはリアーナの成長に言葉を失くしていた。
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