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2章 ゴブリンの砦
STORY29 ゴブリン砦(ウラボス)
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(さぁて、始めるか……)
不可視魔術を使用し、ゴブリンに気づかれることなく砦の北側までやってきたウラボスは行動を起こす。
「おぉい、ゴブリンたち! ちょっと遊ぼうぜ~!」
不可視魔術を解除し姿を現したウラボスは、砦のゴブリンに声をかける。
「だれだ、あいつ?」
「あんなやつ、知らない」
「どうする? 殺るか?」
「男だし、放っとこう…」
ウラボスの存在に気付くも、まるで興味を示してこない。
「あっそ……。あくまでも無視するわけか。だったら、これならどうかな?」
ウラボスは水圧矢魔術を放つ。
「ぎゃあっ」
圧縮された水の矢が1体のゴブリンの心臓を射抜く。
「あいつ、やりやがった!」
「おれたちは殺すのは好き。けど、殺されるの嫌い!」
「殺せ、殺せ!」
ゴブリンたちは弓を構えて一斉に矢を射る。しかし、ウラボスはヒョイヒョイと軽快な身のこなしで避けてみせる。
「あまいあまい。今度はこっちからいかせてもらうぜ。小爆発魔術」
ウラボスは狙ったポイントに魔力を集め、小規模の爆発を発生させた。これにより、ゴブリンの弓兵に甚大な被害を与えることに成功し、さらに砦の一部を破壊する。
「くそっ、こうなったら直接ぶち殺す!!」
いきり立ったゴブリンたちはウラボスを殺害するため砦を飛び出す。
「おっ、きたきた! へぇ、けっこういるもんだな」
大挙して押し寄せるゴブリンを見て率直な感想を洩らす。だが、焦りは全くなかった。
「さぁてと。どう料理するかだな。魔術で一気に叩くか、接近戦で仕留めていくか……。よし、決めた!」
暫く思案した結果、接近戦で片付けることにしたウラボスは、ウッドロッドに魔力をまとわせて強化する。
「全員で殺るぞぉ!」
「おぉ!」
「殺す、殺す!!」
口々に叫んで飛びかかってくるゴブリン。それらをウッドロッドで打ち払う。魔力で攻撃力を強化されたウッドロッドの一撃はゴブリンを即死させるには充分な威力を発揮した。
さらに左右から挟み撃ちしてきたゴブリンたちを瞬殺する。
「死ね!」
懐まで入り込んだゴブリンが短剣の切先を突きだす。が、手応えはない。
「残念。そいつは残像だ…ぜ!」
ゴブリンの背中をとったウラボスはゴブリンの後頭部をおもいきり蹴り飛ばす。
「ギャギャギャギャッ」
ゴブリンたちはウラボスに休息を与えない。耳障りの笑い声をあげてウラボスの背後から襲いかかる。
ウラボスは振り返ると同時にウッドロッドを振りかざし、ゴブリンたちを次々に打ち殺していく。さらに攻勢を緩めない。ウッドロッドでゴブリンたちをどんどん薙ぎ倒すことで、その数はみるみる減少する。
(さぁて。そろそろ頃合いか)
ゴブリンたちがウラボスの桁外れの強さに圧倒され始めたのをみて、次の行動にでる。
「くっ……少しばかり無理し過ぎたか……」
唐突にウッドロッドを地面について弱った演技を始める。ゴブリンたちは、それを離れて見ている。
(まずいな。さすがにいきなり過ぎたか? できれば、もう少し砦から増援を引き寄せたいところなんだが…)
内心で演技のタイミングをミスったかと思ったとき、ゴブリンたちはニタリと嫌な笑みを浮かべた。
「あいつを殺せる! 仲間を呼べ! みんなで殺す!!」
ゴブリンたちは獲物を狩る瞬間がおとずれたことに愉悦し、一斉に襲いかかってくる。さらに角笛を吹いて砦の仲間も呼ぶ。
(ふぅ……。どうにか成功したか)
一安心したウラボスは敢えてゴブリンたちの攻撃を防御するのみで反撃をしない。そのままゆっくりと後退し、徐々に砦から引き離していく。
(よぉし、これで俺の役目はひとまず終わりだな。あとは任せたぜ)
仲間を信頼し、作戦の成功を確信して笑みをこぼれた。
不可視魔術を使用し、ゴブリンに気づかれることなく砦の北側までやってきたウラボスは行動を起こす。
「おぉい、ゴブリンたち! ちょっと遊ぼうぜ~!」
不可視魔術を解除し姿を現したウラボスは、砦のゴブリンに声をかける。
「だれだ、あいつ?」
「あんなやつ、知らない」
「どうする? 殺るか?」
「男だし、放っとこう…」
ウラボスの存在に気付くも、まるで興味を示してこない。
「あっそ……。あくまでも無視するわけか。だったら、これならどうかな?」
ウラボスは水圧矢魔術を放つ。
「ぎゃあっ」
圧縮された水の矢が1体のゴブリンの心臓を射抜く。
「あいつ、やりやがった!」
「おれたちは殺すのは好き。けど、殺されるの嫌い!」
「殺せ、殺せ!」
ゴブリンたちは弓を構えて一斉に矢を射る。しかし、ウラボスはヒョイヒョイと軽快な身のこなしで避けてみせる。
「あまいあまい。今度はこっちからいかせてもらうぜ。小爆発魔術」
ウラボスは狙ったポイントに魔力を集め、小規模の爆発を発生させた。これにより、ゴブリンの弓兵に甚大な被害を与えることに成功し、さらに砦の一部を破壊する。
「くそっ、こうなったら直接ぶち殺す!!」
いきり立ったゴブリンたちはウラボスを殺害するため砦を飛び出す。
「おっ、きたきた! へぇ、けっこういるもんだな」
大挙して押し寄せるゴブリンを見て率直な感想を洩らす。だが、焦りは全くなかった。
「さぁてと。どう料理するかだな。魔術で一気に叩くか、接近戦で仕留めていくか……。よし、決めた!」
暫く思案した結果、接近戦で片付けることにしたウラボスは、ウッドロッドに魔力をまとわせて強化する。
「全員で殺るぞぉ!」
「おぉ!」
「殺す、殺す!!」
口々に叫んで飛びかかってくるゴブリン。それらをウッドロッドで打ち払う。魔力で攻撃力を強化されたウッドロッドの一撃はゴブリンを即死させるには充分な威力を発揮した。
さらに左右から挟み撃ちしてきたゴブリンたちを瞬殺する。
「死ね!」
懐まで入り込んだゴブリンが短剣の切先を突きだす。が、手応えはない。
「残念。そいつは残像だ…ぜ!」
ゴブリンの背中をとったウラボスはゴブリンの後頭部をおもいきり蹴り飛ばす。
「ギャギャギャギャッ」
ゴブリンたちはウラボスに休息を与えない。耳障りの笑い声をあげてウラボスの背後から襲いかかる。
ウラボスは振り返ると同時にウッドロッドを振りかざし、ゴブリンたちを次々に打ち殺していく。さらに攻勢を緩めない。ウッドロッドでゴブリンたちをどんどん薙ぎ倒すことで、その数はみるみる減少する。
(さぁて。そろそろ頃合いか)
ゴブリンたちがウラボスの桁外れの強さに圧倒され始めたのをみて、次の行動にでる。
「くっ……少しばかり無理し過ぎたか……」
唐突にウッドロッドを地面について弱った演技を始める。ゴブリンたちは、それを離れて見ている。
(まずいな。さすがにいきなり過ぎたか? できれば、もう少し砦から増援を引き寄せたいところなんだが…)
内心で演技のタイミングをミスったかと思ったとき、ゴブリンたちはニタリと嫌な笑みを浮かべた。
「あいつを殺せる! 仲間を呼べ! みんなで殺す!!」
ゴブリンたちは獲物を狩る瞬間がおとずれたことに愉悦し、一斉に襲いかかってくる。さらに角笛を吹いて砦の仲間も呼ぶ。
(ふぅ……。どうにか成功したか)
一安心したウラボスは敢えてゴブリンたちの攻撃を防御するのみで反撃をしない。そのままゆっくりと後退し、徐々に砦から引き離していく。
(よぉし、これで俺の役目はひとまず終わりだな。あとは任せたぜ)
仲間を信頼し、作戦の成功を確信して笑みをこぼれた。
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