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5章 幸運の獣
STORY80 リアーナの気遣い
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「冒険者ギルドの場所? それなら……」
翌朝、ネネカが用意してくれた朝食を摂りながら冒険者ギルドの場所を訊いておく。
「なるほど、わかりました。ありがとうございます!」
リアーナがネネカに礼を言う。
「どういたしまして。暁の渡り鳥の皆さんには宿泊していただいてるんですから、できる限りのサポートはするから任せてね!」
言いつつネネカは片目を閉じる。
「はい、頼りにしてます。……ところで、この宿屋はネネカさんたちだけで経営されてるんですか?」
リアーナが素朴な疑問をする。
「ええ。両親はずっと前に……。それからはあたしが弟や妹たちの面倒を見ながらね。でも、あの子たちもお店を手伝ってくれてるから助かってるんだけどね」
「仲がいいんですね」
「そりゃあね。あたしたちだけで生きてかなきゃいけないんだし、ケンカばかりしてられないわよ」
明るく返すネネカにリアーナも笑顔になる。
「ネネカ姉ちゃん、表の掃除は終わったよ」
緑髪の少年ジックが表の掃き掃除と窓拭きを終えてネネカに報告する。
「お疲れさん!」
ネネカはジックの頭を軽く撫でる。
「自分も客室と廊下の清掃が終わったであります!」
眼鏡の少年クークがネネカに報告を済ませる。
「はい、お疲れさん!」
やはりジックの時と同じようにネネカはクークの頭も撫でる。
「洗い物とお洗濯も終わったよ! 褒めて褒めて! イケメン魔術師様♪」
おしゃれ髪の少女コノネがウラボスにすり寄る。ウラボスはやれやれといった表情をしながらもコノネの頭を撫でる。
「なぁなぁ、グランザさん! あとでオイラにグランザさんの斧を貸しておくれよ!」
ジックがグランザが背負っている戦斧を見てお願いしてくる。
「ごめん。これは危険な物だから貸してあげられないんだ……」
グランザが答えると、ジックは残念そうに肩を落とす。
「なーんだぁ……。グランザさんの斧なら薪割りもあっという間に終わりそうなのになぁ……」
「手伝ってあげられなくてごめんね……」
グランザが申し訳なさそうにジックを見る。
「冒険者ギルドはわたしたちで行くから、グランザにはジック君たちのお手伝いをお願いしてもいい?」
リアーナがグランザに訊く。
「えっ、いいんですか?」
驚いたグランザが質問を返す。
「うん。見た感じだとこの宿もだいぶ修理しなきゃいけない箇所があるみたいだしね。グランザなら背が高いし力もあるから……」
「そりゃあ、うちとしてはありがたい申し出だけど、ほんとにいいの?」
ネネカがすまなそうにリアーナを見る。
「冒険者ギルドに仕事を探しに行くだけだから、わたしたちだけでも平気だし、グランザさえそれでいいのなら……」
「グランザさん、お願いしてもいいかい?」
ネネカがグランザに訊く。
「はい、もちろんです! 僕も人間の方とは仲良くしたいと思ってますので嬉しいです!」
「やったぁ!」
この決定にジックとクークが歓声をあげる。
「ねぇ、ウラボスさんも残ってよ」
コノネがウラボスの手を引っ張る。
「悪いが、俺はギルドのほうに行かせてもらうよ」
ウラボスの即答にコノネは頬を膨らませる。
翌朝、ネネカが用意してくれた朝食を摂りながら冒険者ギルドの場所を訊いておく。
「なるほど、わかりました。ありがとうございます!」
リアーナがネネカに礼を言う。
「どういたしまして。暁の渡り鳥の皆さんには宿泊していただいてるんですから、できる限りのサポートはするから任せてね!」
言いつつネネカは片目を閉じる。
「はい、頼りにしてます。……ところで、この宿屋はネネカさんたちだけで経営されてるんですか?」
リアーナが素朴な疑問をする。
「ええ。両親はずっと前に……。それからはあたしが弟や妹たちの面倒を見ながらね。でも、あの子たちもお店を手伝ってくれてるから助かってるんだけどね」
「仲がいいんですね」
「そりゃあね。あたしたちだけで生きてかなきゃいけないんだし、ケンカばかりしてられないわよ」
明るく返すネネカにリアーナも笑顔になる。
「ネネカ姉ちゃん、表の掃除は終わったよ」
緑髪の少年ジックが表の掃き掃除と窓拭きを終えてネネカに報告する。
「お疲れさん!」
ネネカはジックの頭を軽く撫でる。
「自分も客室と廊下の清掃が終わったであります!」
眼鏡の少年クークがネネカに報告を済ませる。
「はい、お疲れさん!」
やはりジックの時と同じようにネネカはクークの頭も撫でる。
「洗い物とお洗濯も終わったよ! 褒めて褒めて! イケメン魔術師様♪」
おしゃれ髪の少女コノネがウラボスにすり寄る。ウラボスはやれやれといった表情をしながらもコノネの頭を撫でる。
「なぁなぁ、グランザさん! あとでオイラにグランザさんの斧を貸しておくれよ!」
ジックがグランザが背負っている戦斧を見てお願いしてくる。
「ごめん。これは危険な物だから貸してあげられないんだ……」
グランザが答えると、ジックは残念そうに肩を落とす。
「なーんだぁ……。グランザさんの斧なら薪割りもあっという間に終わりそうなのになぁ……」
「手伝ってあげられなくてごめんね……」
グランザが申し訳なさそうにジックを見る。
「冒険者ギルドはわたしたちで行くから、グランザにはジック君たちのお手伝いをお願いしてもいい?」
リアーナがグランザに訊く。
「えっ、いいんですか?」
驚いたグランザが質問を返す。
「うん。見た感じだとこの宿もだいぶ修理しなきゃいけない箇所があるみたいだしね。グランザなら背が高いし力もあるから……」
「そりゃあ、うちとしてはありがたい申し出だけど、ほんとにいいの?」
ネネカがすまなそうにリアーナを見る。
「冒険者ギルドに仕事を探しに行くだけだから、わたしたちだけでも平気だし、グランザさえそれでいいのなら……」
「グランザさん、お願いしてもいいかい?」
ネネカがグランザに訊く。
「はい、もちろんです! 僕も人間の方とは仲良くしたいと思ってますので嬉しいです!」
「やったぁ!」
この決定にジックとクークが歓声をあげる。
「ねぇ、ウラボスさんも残ってよ」
コノネがウラボスの手を引っ張る。
「悪いが、俺はギルドのほうに行かせてもらうよ」
ウラボスの即答にコノネは頬を膨らませる。
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