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5章 幸運の獣
STORY92 ゼヴァノン戦④
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「というわけだ。悪ぃが死んでもらうぜ!」
ゼヴァノンはショートソードを構え、リアーナとの間合いをジリジリと縮める。
リアーナはその場を動かず、ゼヴァノンの動きを見ている。相手は何人もの冒険者や警備隊員を殺害してきている人物だ。迂闊に踏み込むのは得策ではない。
「せやぁ!」
ゼヴァノンは一気に間合いを詰めてショートソードを横に一閃する。リアーナは後方へ飛び退くとレイピアの切っ先をゼヴァノンに向ける。
ゼヴァノンはすぐにショートソードを構え直してリアーナの反撃に備える。
(くくく……。勝てる! やはり、剣術でも俺のほうが上みてぇだな。しかも俺のショートソードには猛毒がたっぷりと仕込んであるからな。たとえ掠り傷でも負えば命取りになりかねない。それに、魔術も使えないとみた! ならば……)
「毒霧魔術!」
ゼヴァノンは得意の攻撃魔術を詠唱発動させる。
「くっ!」
リアーナはすぐさま後退してゼヴァノンから離れ、毒霧から逃れる。
(ちっ、往生際が悪い! だが、俺が毒霧魔術だけしか使えないと思ったら大間違いだぜ!)
「火炎矢魔術!」
ゼヴァノンが炎の攻撃魔術を詠唱発動させ、無数の火炎の矢を撃ち出す。
「うぅ……」
全てを避けきれず、数発の火炎の矢がリアーナに火傷を負わせる。しかし、リアーナの闘志に翳りは一切ない。
(このままじゃ……)
リアーナは戦況を変えるべく動きだす。地面を強く蹴って間合いを詰める。
「火炎矢魔術!」
ゼヴァノンが放った火炎の矢をかわし、腰のポシェットから小爆発魔術の魔石を取り出し、魔力を流し込んでゼヴァノンのほうへ放り投げる。
「ぐあっ!」
虚をつかれたゼヴァノンは小爆発魔術をまともに受けて吹き飛ばされる。リアーナはその機を逃さず、レイピアによる連続突きをくり出した。
「ちぃっ!!」
リアーナの攻撃を避けきれずに幾筋もの切り傷を負うゼヴァノン。
「この女ぁ!」
ゼヴァノンは素早く後方に飛び退く。
「これで終わりだ! 毒霧魔術!!」
発生した毒霧がリアーナを包み込む。
(よし! あの女はこれで終わりだ!)
ゼヴァノンは歓喜した。これで、この絶望的な状況から逃れることができると……。
ヒュッ!
毒霧の中から飛び出したリアーナがレイピアを鋭く突きだす。その切っ先はゼヴァノンの左肩をとらえる。
「ぐぁぁぁぁぁっ!」
ゼヴァノンは叫び、よろよろと後退する。
「うぅぅ…」
低く呻きながら、敵である少女を凝視するゼヴァノンの視線がリアーナの左手に移る。
(そうか! 解毒魔術の魔石を持ってやがったのか!)
リアーナが毒霧魔術を無効化した理由を知り、ゼヴァノンは顔をしかめる。
「やぁ!」
リアーナは続いて連続突きをくり出す。
「なめるなよ、小娘が!」
ゼヴァノンはショートソードでリアーナのレイピアを弾き返し、そのまま足払いをしてリアーナを転倒させ、その胸にショートソードを突き立てようと切っ先を向ける。
しかし、それよりも一瞬早くリアーナが雷撃矢魔術の魔石を使ったことにより、雷の矢がゼヴァノンを射抜いた。
「ぐっ…この……」
ゼヴァノンが雷撃矢魔術を受けてよろめいている隙に立ち上がり、レイピアを構えるリアーナ。
「やっ!」
狙いを定めたリアーナの一撃はゼヴァノンの左胸を突く。ゼヴァノンは地面に崩れ落ちて息絶えた。
ゼヴァノンはショートソードを構え、リアーナとの間合いをジリジリと縮める。
リアーナはその場を動かず、ゼヴァノンの動きを見ている。相手は何人もの冒険者や警備隊員を殺害してきている人物だ。迂闊に踏み込むのは得策ではない。
「せやぁ!」
ゼヴァノンは一気に間合いを詰めてショートソードを横に一閃する。リアーナは後方へ飛び退くとレイピアの切っ先をゼヴァノンに向ける。
ゼヴァノンはすぐにショートソードを構え直してリアーナの反撃に備える。
(くくく……。勝てる! やはり、剣術でも俺のほうが上みてぇだな。しかも俺のショートソードには猛毒がたっぷりと仕込んであるからな。たとえ掠り傷でも負えば命取りになりかねない。それに、魔術も使えないとみた! ならば……)
「毒霧魔術!」
ゼヴァノンは得意の攻撃魔術を詠唱発動させる。
「くっ!」
リアーナはすぐさま後退してゼヴァノンから離れ、毒霧から逃れる。
(ちっ、往生際が悪い! だが、俺が毒霧魔術だけしか使えないと思ったら大間違いだぜ!)
「火炎矢魔術!」
ゼヴァノンが炎の攻撃魔術を詠唱発動させ、無数の火炎の矢を撃ち出す。
「うぅ……」
全てを避けきれず、数発の火炎の矢がリアーナに火傷を負わせる。しかし、リアーナの闘志に翳りは一切ない。
(このままじゃ……)
リアーナは戦況を変えるべく動きだす。地面を強く蹴って間合いを詰める。
「火炎矢魔術!」
ゼヴァノンが放った火炎の矢をかわし、腰のポシェットから小爆発魔術の魔石を取り出し、魔力を流し込んでゼヴァノンのほうへ放り投げる。
「ぐあっ!」
虚をつかれたゼヴァノンは小爆発魔術をまともに受けて吹き飛ばされる。リアーナはその機を逃さず、レイピアによる連続突きをくり出した。
「ちぃっ!!」
リアーナの攻撃を避けきれずに幾筋もの切り傷を負うゼヴァノン。
「この女ぁ!」
ゼヴァノンは素早く後方に飛び退く。
「これで終わりだ! 毒霧魔術!!」
発生した毒霧がリアーナを包み込む。
(よし! あの女はこれで終わりだ!)
ゼヴァノンは歓喜した。これで、この絶望的な状況から逃れることができると……。
ヒュッ!
毒霧の中から飛び出したリアーナがレイピアを鋭く突きだす。その切っ先はゼヴァノンの左肩をとらえる。
「ぐぁぁぁぁぁっ!」
ゼヴァノンは叫び、よろよろと後退する。
「うぅぅ…」
低く呻きながら、敵である少女を凝視するゼヴァノンの視線がリアーナの左手に移る。
(そうか! 解毒魔術の魔石を持ってやがったのか!)
リアーナが毒霧魔術を無効化した理由を知り、ゼヴァノンは顔をしかめる。
「やぁ!」
リアーナは続いて連続突きをくり出す。
「なめるなよ、小娘が!」
ゼヴァノンはショートソードでリアーナのレイピアを弾き返し、そのまま足払いをしてリアーナを転倒させ、その胸にショートソードを突き立てようと切っ先を向ける。
しかし、それよりも一瞬早くリアーナが雷撃矢魔術の魔石を使ったことにより、雷の矢がゼヴァノンを射抜いた。
「ぐっ…この……」
ゼヴァノンが雷撃矢魔術を受けてよろめいている隙に立ち上がり、レイピアを構えるリアーナ。
「やっ!」
狙いを定めたリアーナの一撃はゼヴァノンの左胸を突く。ゼヴァノンは地面に崩れ落ちて息絶えた。
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