冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

美山 鳥

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6章 オーク大戦

STORY99 オーク掃討作戦①

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 ルチヌムのギルド長ベイズに続き、暁の渡り鳥もオークの大群が待ち構えている森へと突入する。

 「人間どもなんか殺しちまえ!」

 斧やら棍棒やらハンマーやら、それぞれの武器を手にしたオークの大群が冒険者たちを迎え撃つ。

 「真空刃魔術ウインド・カッター

 ウラボスとリャッカが魔術を同時に詠唱発動させ、発生した真空の刃は次々にオークの喉元を正確に切り裂き絶命させていく。オーク側は瞬く間にその数を減らしていく。

 「すげぇな。森の中で四方八方から襲いかかってくる敵をあれだけ正確に倒していくなんざ、並みの冒険者にはとても真似できねぇぞ…」

 ウラボスとリャッカの卓越した魔術にベイズは驚嘆した。

 「くそ! あの二人を殺せ!」

 焦ったオークたちはウラボスとリャッカを標的にして一気に押し寄せてくる。

 「させるかよ!」

 ベイズは高速の剣さばきですれ違うオークの首を切り落としていく。

 「このやろう!」

 オークの1体がベイズの背後から斧を手に襲いかかる。

 「あめぇんだよ!」

 ベイズは横っ跳びにかわし、がら空きになった背中を長剣で斬りつけた。その一撃はオークを絶命させるには充分な威力を持っている。

 「ぶへっ!」

 ベイズの脇の木陰から飛び出したオークがグランザの鉄拳を受けて吹き飛び、大木の幹に激突して息絶えた。

 「すまねぇ、助かった!」

 「いえ」

 短く礼を言うベイズにグランザも簡潔に答える。

 「魔術は任せた!」

 ウラボスは魔術による攻撃をやめてウッド・ロッドを構える。

 「死ねぇ!」

 ウラボスは、迫り来るオークをウッド・ロッドによる一撃で次々に葬り去っていき、死体となったオークは霧消する。

 「ちくしょう! 囲んで攻撃するぞぉ!」

 オークたちは遠巻きにウラボスとリャッカを囲み、一気に間合いを詰めてくる。

 「はぁぁぁぁっ!」

 リアーナは近づいてくるオークの群れに向かっていき、電光石火の速業でオークをほふっていく。その様子に安心したウラボスは反対側からくるオークを討っていく。

 「真空刃魔術ウインド・カッター

 リャッカが再び詠唱発動することによって発生した無数の真空の刃がさらにオークたちの数を激減させる。

 開戦から僅かな時間しか経っていないというのにオーク側には甚大な被害が出ていた。

 「けっ、人間どももなかやか骨があるじゃねぇかよ!」

 斧を手にした指揮官クラスのオークが顔をしかめる。

 「……しょうがねぇ! オラがってやるぜ!」

 指揮官クラスのオークが猛然とリアーナたちの元へと向かう。だが、その進路にグランザが立ち塞がった。
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