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6章 オーク大戦
STORY100 オーク掃討作戦②
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「てめぇはサイクロプスじゃねぇかよ!? 魔族のくせに人間の味方なんぞしやがって!」
指揮官クラスのオークは怒声をあげる。
「僕は冒険パーティー暁の渡り鳥の一人としてこの戦場に立っているんです。仲間の安全のためにも絶対に敗けません!」
「はんっ、そうかよ!!」
指揮官オークは斧を振りかざす。
ガキィッ
指揮官オークの斧とグランザの盾が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「うぉぉっ!」
指揮官オークの攻撃を受け止めたグランザは少し後退して回し蹴りをくり出した。
ガッ
指揮官オークはグランザの蹴りを受けてよろめき、口元に血が滲む。
「やるじゃねぇかよ!!」
指揮官オークは一度グランザから離れると斧を構え直す。
「おらよ!!」
指揮官オークの眼光が鋭くなり、グランザの体を覆うプレート・メイルの間接部を狙って斧を素早く振りかざす。
「くっ!」
いかに分厚いプレート・メイルとはいえ、間接部を攻撃されては防ぐことはできない。グランザは後方へ跳んでかわす。
「おらおらぁ!」
調子づいた指揮官オークはさらに斧を振りかざしてくる。
ガンッ
グランザはそれを盾で弾くと、指揮官オークの鳩尾に右拳をめり込ませた。
「うぐぉっ……」
あまりの痛みに指揮官オークの動きが止まる。その隙にグランザの蹴りが顔面に炸裂した。指揮官オークは派手に吹っ飛んで仰向けに地面に倒れる。
「おの…れぇ!」
体を起こそうと動き出した指揮官オークの上に跳躍したグランザが降り立つ。
「ぎゃっ!!」
短い悲鳴をあげ、指揮官オークは絶命した。
単眼に哀しみをたたえながらも、グランザは立ち止まるわけにはいかない。すぐに周りの状況を確認する。既に何人かの冒険者はオークたちの返り討ちにあって命尽きている。
しかし、指揮官オークが戦死したことにより指揮下にいたオークたちは狼狽し、敗走を始めていた。
(よし、このまま逃げてくれれば無駄な争いは避けられる…)
「うわぁっ!」
そう安堵した瞬間だった。グランザは全身に強烈な電撃に襲われ、片膝をついた。
「けけけ……。人間の味方をするとは愚かなサイクロプスめ!」
嗄れた声が聞こえたほうへ視線を移す。そこには魔族の老婆が冷笑を浮かべて立っていた。
「魔族の面汚しには死を! 雷撃矢魔術!」
放たれた雷の矢が再びグランザを襲った。
「かはっ!」
2度目の電撃にグランザの表情がゆがむ。
「けけけ!」
魔族の老婆はさらに追撃しようと魔力を練り上げる。
「光線魔術!」
一筋の光線が魔族の老婆の肩を掠める。
「ちぃっ!」
魔族の老婆は忌々しげな視線を投げ掛ける先にリアーナの姿があった。
「リアーナさん、いつの間に魔術を!?」
グランザが驚きの声を発する。
「あいつはわたしに任せて!」
答える代わりに軽く笑み、リアーナは地面を蹴って駆け出す。
「小娘が!」
魔族の老婆は両手をリアーナに向けてかざして魔力を高める。
「死にな! 真空刃魔術!!」
無数の真空の刃が撃ち出された。リアーナはかわしたり、近くの木々を利用したり、レイピアで切り裂いたりしながらやり過ごす。
(どこに消えたんだい!?)
リアーナの姿を見失い、焦る魔族の老婆。その脇の木の陰からリアーナが飛び出した。
「やぁ!!」
リアーナのレイピアによる鋭い突きが魔族の老婆の胸を一突きに貫いた。
「ぎゃふっ!」
その一撃は魔族の老婆を絶命させた。
「グランザ、大丈夫!?」
レイピアに付着した血を払い飛ばして、リアーナはグランザに駆け寄る。
「はい、お陰さまで……。でも、リアーナさんが魔術を修得してたなんて驚きました!」
「ふふ……。昨夜、ウラボスに教えてもらったお陰でね」
「そうだったんですか! また一歩勇者に近付いたんですね!」
「うん!」
リアーナはグランザにポーションを手渡しながら頷く。
「…さぁ、まだまだこれからよ」
「はい!」
リアーナとグランザは混戦状態が続く戦場をへと視線を戻した。
指揮官クラスのオークは怒声をあげる。
「僕は冒険パーティー暁の渡り鳥の一人としてこの戦場に立っているんです。仲間の安全のためにも絶対に敗けません!」
「はんっ、そうかよ!!」
指揮官オークは斧を振りかざす。
ガキィッ
指揮官オークの斧とグランザの盾が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「うぉぉっ!」
指揮官オークの攻撃を受け止めたグランザは少し後退して回し蹴りをくり出した。
ガッ
指揮官オークはグランザの蹴りを受けてよろめき、口元に血が滲む。
「やるじゃねぇかよ!!」
指揮官オークは一度グランザから離れると斧を構え直す。
「おらよ!!」
指揮官オークの眼光が鋭くなり、グランザの体を覆うプレート・メイルの間接部を狙って斧を素早く振りかざす。
「くっ!」
いかに分厚いプレート・メイルとはいえ、間接部を攻撃されては防ぐことはできない。グランザは後方へ跳んでかわす。
「おらおらぁ!」
調子づいた指揮官オークはさらに斧を振りかざしてくる。
ガンッ
グランザはそれを盾で弾くと、指揮官オークの鳩尾に右拳をめり込ませた。
「うぐぉっ……」
あまりの痛みに指揮官オークの動きが止まる。その隙にグランザの蹴りが顔面に炸裂した。指揮官オークは派手に吹っ飛んで仰向けに地面に倒れる。
「おの…れぇ!」
体を起こそうと動き出した指揮官オークの上に跳躍したグランザが降り立つ。
「ぎゃっ!!」
短い悲鳴をあげ、指揮官オークは絶命した。
単眼に哀しみをたたえながらも、グランザは立ち止まるわけにはいかない。すぐに周りの状況を確認する。既に何人かの冒険者はオークたちの返り討ちにあって命尽きている。
しかし、指揮官オークが戦死したことにより指揮下にいたオークたちは狼狽し、敗走を始めていた。
(よし、このまま逃げてくれれば無駄な争いは避けられる…)
「うわぁっ!」
そう安堵した瞬間だった。グランザは全身に強烈な電撃に襲われ、片膝をついた。
「けけけ……。人間の味方をするとは愚かなサイクロプスめ!」
嗄れた声が聞こえたほうへ視線を移す。そこには魔族の老婆が冷笑を浮かべて立っていた。
「魔族の面汚しには死を! 雷撃矢魔術!」
放たれた雷の矢が再びグランザを襲った。
「かはっ!」
2度目の電撃にグランザの表情がゆがむ。
「けけけ!」
魔族の老婆はさらに追撃しようと魔力を練り上げる。
「光線魔術!」
一筋の光線が魔族の老婆の肩を掠める。
「ちぃっ!」
魔族の老婆は忌々しげな視線を投げ掛ける先にリアーナの姿があった。
「リアーナさん、いつの間に魔術を!?」
グランザが驚きの声を発する。
「あいつはわたしに任せて!」
答える代わりに軽く笑み、リアーナは地面を蹴って駆け出す。
「小娘が!」
魔族の老婆は両手をリアーナに向けてかざして魔力を高める。
「死にな! 真空刃魔術!!」
無数の真空の刃が撃ち出された。リアーナはかわしたり、近くの木々を利用したり、レイピアで切り裂いたりしながらやり過ごす。
(どこに消えたんだい!?)
リアーナの姿を見失い、焦る魔族の老婆。その脇の木の陰からリアーナが飛び出した。
「やぁ!!」
リアーナのレイピアによる鋭い突きが魔族の老婆の胸を一突きに貫いた。
「ぎゃふっ!」
その一撃は魔族の老婆を絶命させた。
「グランザ、大丈夫!?」
レイピアに付着した血を払い飛ばして、リアーナはグランザに駆け寄る。
「はい、お陰さまで……。でも、リアーナさんが魔術を修得してたなんて驚きました!」
「ふふ……。昨夜、ウラボスに教えてもらったお陰でね」
「そうだったんですか! また一歩勇者に近付いたんですね!」
「うん!」
リアーナはグランザにポーションを手渡しながら頷く。
「…さぁ、まだまだこれからよ」
「はい!」
リアーナとグランザは混戦状態が続く戦場をへと視線を戻した。
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