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6章 オーク大戦
STORY112 欲望②
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「防御魔術」
洞窟から飛び出したウラボスはすかさず前方にバリアを張り、洞窟の入り口を左右から挟んで武器を構えていた冒険者二人をウッド・ロッドで打ち倒す。そこから飛行魔術を無詠唱発動し、空中に飛び上がる。
これらの動作を僅かな時間で行ったため、外で待ち構えていた冒険者たちの行動に遅れが生じる。
「火炎矢魔術! 水圧矢魔術!」
ウラボスは続け様に攻撃魔術を連続詠唱する。現れた炎の矢と水の矢は眼下の冒険者たちを次々に射殺していく。
「いいぞ!」
戦況を確認し、急降下しながら叫ぶ。それに応じてリャッカが飛び出す。
「くそっ、あのケットシーを狙え!」
指揮官風の若い冒険者が指示を出す。しかし、既に着地したウラボスがウッド・ロッドを手に大暴れしているため、命令系統に乱れが生じてうまく機能しない。それを見たリャッカが雷撃矢魔術を無詠唱発動し、無数の雷の矢で攻撃した。
「おのれぇ!」
周りの冒険者たちは不測の事態に焦りながらもリャッカに襲いかかる。だが、続いて現れたグランザとリアーナがリャッカに近づいてくる敵を切り伏せていく。
「こんな…ばかな!……」
若き指揮官風の冒険者は予想を遥かに凌ぐ暁の渡り鳥の実力に愕然とし、狼狽する。
「どうして、こんな酷いことを!?」
リアーナが詰問する。
「黙れ! おまえらのような流れ者の冒険者に報酬の分け前を渡すわけがないだろ!! だから、ここにくるまでに生き残った流れ冒険者を始末してやったんだ!」
若き冒険者が言い放つ。
「なんてことを!……わたしたちはベイズさんの…ギルドからの依頼を受けて動いているのよ!? 報酬を受け取る権利はあるわ!!」
リアーナの反論に若き冒険者は鼻で笑う。
「ベイズか……。あいつの姿が見えないようだが死んだのか? なら、好都合だ。この騒動に乗じてやつも始末するつもりだったからな! 貴様らのような化け物を相手にしながらあいつまで始末するとなると厄介だったよ」
若き冒険者が安堵したように言う。
「もういい。黙れ、ダーザナ!」
最後に姿を現したベイズが憤怒の形相で若き冒険者を睨める。
「ギルド…長……」
ダーザナは顔面蒼白となり絶望に打ちひしがれる。率いてきた冒険者たちはほとんど全滅し、ほんの数名を残すのみである。これではとても勝ち目などなかった。ダーザナの陰謀は失敗に終わった……。
「ルチヌムの冒険者たちに告ぐ。直ちに武器を棄て投降せよ! さもなくばこの場で斬る!!」
ベイズに一喝され生き残った数名の冒険者たちは次々に武器を放棄し投降の意志を示す。
「だが、首謀者であるダーザナよ、貴様だけは投降を認めん。貴様はこの場で俺との一騎討ちを受けてもらう。もしもおまえが勝利したならば見逃してやろう」
ベイズはそこまで言って視線をリアーナに移す。
「すまないが、それを了承してもらえないだろうか? 無論、敗けるつもりなど毛頭ない。しかし、こんなやつを信頼した自分が許せんのだ! せめて、こいつは俺自身の手で討ち取らせてほしい! 頼む!!」
ベイズは頭を下げる。
「わかりました。ベイズさんの申し出を承諾します」
リアーナの返答にベイズはさらに深く頭を下げて感謝の意を表した。
洞窟から飛び出したウラボスはすかさず前方にバリアを張り、洞窟の入り口を左右から挟んで武器を構えていた冒険者二人をウッド・ロッドで打ち倒す。そこから飛行魔術を無詠唱発動し、空中に飛び上がる。
これらの動作を僅かな時間で行ったため、外で待ち構えていた冒険者たちの行動に遅れが生じる。
「火炎矢魔術! 水圧矢魔術!」
ウラボスは続け様に攻撃魔術を連続詠唱する。現れた炎の矢と水の矢は眼下の冒険者たちを次々に射殺していく。
「いいぞ!」
戦況を確認し、急降下しながら叫ぶ。それに応じてリャッカが飛び出す。
「くそっ、あのケットシーを狙え!」
指揮官風の若い冒険者が指示を出す。しかし、既に着地したウラボスがウッド・ロッドを手に大暴れしているため、命令系統に乱れが生じてうまく機能しない。それを見たリャッカが雷撃矢魔術を無詠唱発動し、無数の雷の矢で攻撃した。
「おのれぇ!」
周りの冒険者たちは不測の事態に焦りながらもリャッカに襲いかかる。だが、続いて現れたグランザとリアーナがリャッカに近づいてくる敵を切り伏せていく。
「こんな…ばかな!……」
若き指揮官風の冒険者は予想を遥かに凌ぐ暁の渡り鳥の実力に愕然とし、狼狽する。
「どうして、こんな酷いことを!?」
リアーナが詰問する。
「黙れ! おまえらのような流れ者の冒険者に報酬の分け前を渡すわけがないだろ!! だから、ここにくるまでに生き残った流れ冒険者を始末してやったんだ!」
若き冒険者が言い放つ。
「なんてことを!……わたしたちはベイズさんの…ギルドからの依頼を受けて動いているのよ!? 報酬を受け取る権利はあるわ!!」
リアーナの反論に若き冒険者は鼻で笑う。
「ベイズか……。あいつの姿が見えないようだが死んだのか? なら、好都合だ。この騒動に乗じてやつも始末するつもりだったからな! 貴様らのような化け物を相手にしながらあいつまで始末するとなると厄介だったよ」
若き冒険者が安堵したように言う。
「もういい。黙れ、ダーザナ!」
最後に姿を現したベイズが憤怒の形相で若き冒険者を睨める。
「ギルド…長……」
ダーザナは顔面蒼白となり絶望に打ちひしがれる。率いてきた冒険者たちはほとんど全滅し、ほんの数名を残すのみである。これではとても勝ち目などなかった。ダーザナの陰謀は失敗に終わった……。
「ルチヌムの冒険者たちに告ぐ。直ちに武器を棄て投降せよ! さもなくばこの場で斬る!!」
ベイズに一喝され生き残った数名の冒険者たちは次々に武器を放棄し投降の意志を示す。
「だが、首謀者であるダーザナよ、貴様だけは投降を認めん。貴様はこの場で俺との一騎討ちを受けてもらう。もしもおまえが勝利したならば見逃してやろう」
ベイズはそこまで言って視線をリアーナに移す。
「すまないが、それを了承してもらえないだろうか? 無論、敗けるつもりなど毛頭ない。しかし、こんなやつを信頼した自分が許せんのだ! せめて、こいつは俺自身の手で討ち取らせてほしい! 頼む!!」
ベイズは頭を下げる。
「わかりました。ベイズさんの申し出を承諾します」
リアーナの返答にベイズはさらに深く頭を下げて感謝の意を表した。
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