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7章 ウラボス&リアーナ、カップリング作戦
STORY127 恋祭②
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(こいつ、やるな…)
ウラボスが強者であることを見抜いたアシュレッドは不用意に攻めることはしない。
アシュレッドは中段に構え、ウラボスは下段に構え、互いに相手の出方を窺う。
にらみ合いの後、アシュレッドが地面を蹴って間合いを詰め、木剣を素早く横に一閃した。
ブンッ
ウラボスは後方へ軽く跳んでかわし、下段に構えた木剣で斬り上げる。アシュレッドもまた後方へと飛び退いてウラボスの攻撃をかわす。
アシュレッドはなおも中段に構え、ウラボスは半身の下段に構える。
ざわざわざわ……
ウラボスとアシュレッドの緊張感のある戦いにギャラリーも思わず息を呑む。リアーナはハラハラしながら見守る。
互いに相手から視線をそらさずジリジリと間合いを詰める。
今度はウラボスから仕掛けた。姿勢を低くしてアシュレッドとの間合いを詰め、すり抜け様に身体を捻って木剣を振りかざす。
「くっ!」
ガッ
アシュレッドの対応も早い。ウラボスの攻撃の軌道を読み、木剣で受け止める。
「せあっ!」
ウラボスの攻撃を受け流したアシュレッドは、一歩踏み込んで木剣を薙ぐ。
ブンッ
またしても空振りだ。ウラボスは後方へ宙返りしてかわした。
「まだだ!」
アシュレッドはさらに踏み込み、木剣を振るう。
ブォンッ
しゃがみつつアシュレッドの脇をすり抜けるウラボスの頭上をアシュレッドの木剣が通過する。
(ちっ! 速い!!)
アシュレッドが振り返る。そこには木剣を上段に構えたウラボスの姿があった。
ブンッ
強引に後方へと跳び、振り下ろされた木剣を辛うじてかわす。しかし、着地の際に体勢を崩してしまう。
ウラボスがさらに攻める。中段に構えた木剣を横一文字に凪いだ。
「くぅ!」
アシュレッドは咄嗟に木剣で受け止める。しかし、その結果、木剣を弾き飛ばされて武器を失ってしまう。
ウラボスはそれでも攻撃を止めない。それこそ目の前にいる剣士の実力を認めている証であった。
大上段に構えた木剣を振り下ろす。
「くそ!」
アシュレッドは地面を転がり、ウラボスの攻撃をかわし、弾かれた木剣を拾う。
ウラボスは攻撃の手を緩めない。どうにか木剣を拾い上げることに成功したアシュレッドに対して容赦なく木剣を一閃する。
「ぬぅ!」
木剣を素早く構え、間一髪のところでウラボスの木剣を受け流し、すぐさまウラボスから離れる。
(へぇ……これは想像以上に強いな。剣を振るうのは久しぶりとはいえ、これだけ手こずるとは思わなかった)
ウラボスはアシュレッドの強さに笑んだ。
アシュレッドもまたウラボスの強さに驚嘆しながらも手合わせできたことに喜びを感じていた。
「「うぉぉぉぉぉ!!」」
両者が吠え、相手に同時に斬りかかる。
カンッ…ガッ…カンッ…カンッ…ガッ…カンッ…ガッ…
互いに一歩も退かない激しい撃ち合いが繰り広げられる。ギャラリーも司会の男も二人の激戦に言葉をなくし、時間が経つのも忘れて釘付けとなる。リアーナは相変わらずハラハラしながらウラボスの無事を祈っている。
ガッ!
二人の木剣が激しくぶつかり合い、つばぜり合いにもつれ込む。
ウラボスとアシュレッドは同時に飛び退くことで、つばぜり合いの膠着状態は解消された。
カンッ…カンッ…ガッ…ブンッ…ブンッ…カンッ…ガッ…カンッ…ブンッ…
相手の激しい攻撃をかわし、防御し、互角に渡り合う両者。
「……ふぅぅぅぅ……」
アシュレッドは正眼に構え、乱れた呼吸を整えて精神を集中する。
(勝負に出るつもりか)
ウラボスはアシュレッドの次の行動を待つことにした。
「勝負だ!!」
アシュレッドは言い放つと大きく踏み込んでくる。凄まじい連続攻撃が打ち込まれる。
(加速魔術を応用した連続攻撃か!)
一撃としてくらうわけにはいかないウラボスは防御に専念することでなんとか全てを受けきることができた。
(なんだと!?)
この連続攻撃で決着をつける自信があったアシュレッドは焦る。
全ての攻撃をさばききったウラボスは腰を落として木剣の切っ先をアシュレッドに向け、水平に構えつつ腕を引いて突きを放つ動作をとる。
(ちっ! ここで反撃をゆるすわけにはいかない!)
「ぬぁぁぁ!」
アシュレッドは木剣を握る手に力を込めて夢中で振り抜いた。
ブンッ
アシュレッドの木剣はさらに姿勢を低くしたウラボスの頭上を通過した。
(これまでか…)
覚悟を決めた瞬間、アシュレッドは強い衝撃を受けて後方へと飛ばされてしまう。ウラボスの放った鋭い突きがアシュレッドの胸の防具にヒットしたのだ。この激戦に決着がついた瞬間だった。
ギャラリーから歓声と盛大な拍手が贈られる。
「お兄さん、めちゃくちゃ強いねぇ! アシュレッドが負けたところなんて初めて見たよ! ……それじゃ、これは賞金だ」
「楽しかったぜ!」
立ち上がったアシュレッドが手を差し出す。
「俺もだ」
ウラボスはその手を取って握り返した。
ウラボスが強者であることを見抜いたアシュレッドは不用意に攻めることはしない。
アシュレッドは中段に構え、ウラボスは下段に構え、互いに相手の出方を窺う。
にらみ合いの後、アシュレッドが地面を蹴って間合いを詰め、木剣を素早く横に一閃した。
ブンッ
ウラボスは後方へ軽く跳んでかわし、下段に構えた木剣で斬り上げる。アシュレッドもまた後方へと飛び退いてウラボスの攻撃をかわす。
アシュレッドはなおも中段に構え、ウラボスは半身の下段に構える。
ざわざわざわ……
ウラボスとアシュレッドの緊張感のある戦いにギャラリーも思わず息を呑む。リアーナはハラハラしながら見守る。
互いに相手から視線をそらさずジリジリと間合いを詰める。
今度はウラボスから仕掛けた。姿勢を低くしてアシュレッドとの間合いを詰め、すり抜け様に身体を捻って木剣を振りかざす。
「くっ!」
ガッ
アシュレッドの対応も早い。ウラボスの攻撃の軌道を読み、木剣で受け止める。
「せあっ!」
ウラボスの攻撃を受け流したアシュレッドは、一歩踏み込んで木剣を薙ぐ。
ブンッ
またしても空振りだ。ウラボスは後方へ宙返りしてかわした。
「まだだ!」
アシュレッドはさらに踏み込み、木剣を振るう。
ブォンッ
しゃがみつつアシュレッドの脇をすり抜けるウラボスの頭上をアシュレッドの木剣が通過する。
(ちっ! 速い!!)
アシュレッドが振り返る。そこには木剣を上段に構えたウラボスの姿があった。
ブンッ
強引に後方へと跳び、振り下ろされた木剣を辛うじてかわす。しかし、着地の際に体勢を崩してしまう。
ウラボスがさらに攻める。中段に構えた木剣を横一文字に凪いだ。
「くぅ!」
アシュレッドは咄嗟に木剣で受け止める。しかし、その結果、木剣を弾き飛ばされて武器を失ってしまう。
ウラボスはそれでも攻撃を止めない。それこそ目の前にいる剣士の実力を認めている証であった。
大上段に構えた木剣を振り下ろす。
「くそ!」
アシュレッドは地面を転がり、ウラボスの攻撃をかわし、弾かれた木剣を拾う。
ウラボスは攻撃の手を緩めない。どうにか木剣を拾い上げることに成功したアシュレッドに対して容赦なく木剣を一閃する。
「ぬぅ!」
木剣を素早く構え、間一髪のところでウラボスの木剣を受け流し、すぐさまウラボスから離れる。
(へぇ……これは想像以上に強いな。剣を振るうのは久しぶりとはいえ、これだけ手こずるとは思わなかった)
ウラボスはアシュレッドの強さに笑んだ。
アシュレッドもまたウラボスの強さに驚嘆しながらも手合わせできたことに喜びを感じていた。
「「うぉぉぉぉぉ!!」」
両者が吠え、相手に同時に斬りかかる。
カンッ…ガッ…カンッ…カンッ…ガッ…カンッ…ガッ…
互いに一歩も退かない激しい撃ち合いが繰り広げられる。ギャラリーも司会の男も二人の激戦に言葉をなくし、時間が経つのも忘れて釘付けとなる。リアーナは相変わらずハラハラしながらウラボスの無事を祈っている。
ガッ!
二人の木剣が激しくぶつかり合い、つばぜり合いにもつれ込む。
ウラボスとアシュレッドは同時に飛び退くことで、つばぜり合いの膠着状態は解消された。
カンッ…カンッ…ガッ…ブンッ…ブンッ…カンッ…ガッ…カンッ…ブンッ…
相手の激しい攻撃をかわし、防御し、互角に渡り合う両者。
「……ふぅぅぅぅ……」
アシュレッドは正眼に構え、乱れた呼吸を整えて精神を集中する。
(勝負に出るつもりか)
ウラボスはアシュレッドの次の行動を待つことにした。
「勝負だ!!」
アシュレッドは言い放つと大きく踏み込んでくる。凄まじい連続攻撃が打ち込まれる。
(加速魔術を応用した連続攻撃か!)
一撃としてくらうわけにはいかないウラボスは防御に専念することでなんとか全てを受けきることができた。
(なんだと!?)
この連続攻撃で決着をつける自信があったアシュレッドは焦る。
全ての攻撃をさばききったウラボスは腰を落として木剣の切っ先をアシュレッドに向け、水平に構えつつ腕を引いて突きを放つ動作をとる。
(ちっ! ここで反撃をゆるすわけにはいかない!)
「ぬぁぁぁ!」
アシュレッドは木剣を握る手に力を込めて夢中で振り抜いた。
ブンッ
アシュレッドの木剣はさらに姿勢を低くしたウラボスの頭上を通過した。
(これまでか…)
覚悟を決めた瞬間、アシュレッドは強い衝撃を受けて後方へと飛ばされてしまう。ウラボスの放った鋭い突きがアシュレッドの胸の防具にヒットしたのだ。この激戦に決着がついた瞬間だった。
ギャラリーから歓声と盛大な拍手が贈られる。
「お兄さん、めちゃくちゃ強いねぇ! アシュレッドが負けたところなんて初めて見たよ! ……それじゃ、これは賞金だ」
「楽しかったぜ!」
立ち上がったアシュレッドが手を差し出す。
「俺もだ」
ウラボスはその手を取って握り返した。
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