152 / 207
9章 魔女リリア討伐戦
STORY146 VSゾワル②
しおりを挟む
(小娘、何か様子が変わったか?)
ゾワルはリアーナの何かが変化したことに気付く。
「なに!」
目を離していないはずだった。なのに、対峙していた少女の姿を一瞬見失う。
「くっ!」
ガキッ
間一髪のところで、リアーナが横に振ったレイピアを弓で受け止める。だが、リアーナの攻撃は止まらない。斬撃と刺突を組み合わせた連続攻撃に鎧の損傷ひどくなる。それだけではない。ゾワルの身体をも傷つけていく。
(なんだ、こいつは!?)
先刻までとはまるで別人の動きを見せるリアーナ。ゾワルは危機感を募らせる。
「加速魔術」
ゾワルは補助魔術で自らの動きを機敏にする。しかし、それでもなおリアーナの動きはゾワルよりも速い。
(ならば!!)
ゾワルはさらに魔力を練る。
「減速魔術!」
「なっ!?」
ゾワルか続いて魔術を詠唱発動する。リアーナは急に体が重たくなる感覚の襲われ、動きが鈍くなってしまう。
「どうだ、小娘! 小爆発魔術!!」
ゾワルの魔術詠唱によって発生した爆発はリアーナを吹き飛ばす。
ズザザザザザ……!
「くっ…うぅ……」
空中で体勢を立て直したリアーナは両足を踏ん張る。屋上にレイピアを突き立てることでどうにか耐えた。が、ダメージは軽くはない。
(全能力強化超魔術で回復力も強化されてるけど、あまりダメージを受けすぎると魔力が続かない……)
リアーナが焦りつつも動く。腰のポシェットかろ魔石を一つ取り出して投げる。リアーナの手から離れた魔石はゾワルの近くで砕けた。
(何をした!?)
ゾワルは目を見張る。だが、何も起こらない。
「む!」
魔石に気をとられた一瞬の隙にリアーナの接近をゆるしてしまった。後方へと逃れるゾワル。だが、遅い。リアーナの斬撃と刺突のコンビネーション攻撃が繰り出される。
(ぬぅぅ! 今のはただの石だったか!)
ゾワルはまんまとリアーナの策に乗せられてしまったと唇を噛む。
「えぇい! 小娘がぁ!!」
イラついたゾワルは弓を横の一閃する。リアーナは後方に移動してかわす。そして、レイピアの切っ先を敵に向けて構える。
ゾワルもまたリアーナから離れる。矢筒から取り出した矢をつがえ、弦を引き絞って狙いを定める。
(なん……だ?…)
ゾワルは急に眠気を感じた。
(……しまった!…さっきのはただの石ではなく睡眠魔術の魔石か!!)
気付いた時にはもう遅すぎた。ゾワルを攻撃範囲内にとらえたリアーナがレイピアを突きだす。
キン!
リアーナのレイピアがゾワルの鎧に弾かれてしまう。ウラボスにかけてもらった武具強化魔術が解けてしまったのだ。
(好機!!!)
この機を逃すわけにはいかない。ゾワルはリアーナの腹に蹴りをいれる。
「うぐっ!」
苦しげに呻き声を漏らすリアーナを回し蹴りで蹴り飛ばす。
「くぅっ……うぅ……」
激しく屋上に体を打ち付けたリアーナ。それでもどうにか立ち上がる。
「きゃあ!」
リアーナはゾワルの矢を寸前のところでレイピアで防ぐ。その衝撃でレイピアを弾き飛ばされてしまう。それだけではない。全能力強化超魔術も効果を失くしてしまった。
「もらった!」
ゾワルは一気に間合いを詰める。
(くっ!……)
絶体絶命の窮地にあっても決して勝利を諦めない。リアーナはポシェットから魔石を取り出すと同時に左手をかざす。
(この小娘、まだ!?)
リアーナの勝利への執念に驚嘆するゾワル。しかし、ゾワルとて敗北するつもりなど毛頭ない。勝利への思いならば敗けてはいないはずである。弓でリアーナに殴りかかる。
「ぬぉぉぉぉっ!!」
ゾワルが攻撃しようと弓を持つ手に力を込める。その時、リアーナの投げた小爆発魔術の魔石が爆発した。
「ぬぐぉっ!」
爆発を直撃で受けたゾワルは吹き飛ばされる。だが、空中で体勢を立て直して着地を成功させた。
「もらった!」
ゾワルは屋上を蹴って加速し、リアーナの眼前まで移動する。
「光線魔術!」
左手をかざしていたリアーナは練り上げた最後の魔力で光線に撃つ。放たれた光線はゾワルの鎧の左胸を貫通した。
「そ…んな……バカ……な……」
強い衝撃に再び吹き飛ばされたゾワルは屋上に倒れ、そのまま起き上がることもなく絶命した。
「…勝っ……た……」
自らの勝利を確認したリアーナもまた屋上に崩れ落ちた。
ゾワルはリアーナの何かが変化したことに気付く。
「なに!」
目を離していないはずだった。なのに、対峙していた少女の姿を一瞬見失う。
「くっ!」
ガキッ
間一髪のところで、リアーナが横に振ったレイピアを弓で受け止める。だが、リアーナの攻撃は止まらない。斬撃と刺突を組み合わせた連続攻撃に鎧の損傷ひどくなる。それだけではない。ゾワルの身体をも傷つけていく。
(なんだ、こいつは!?)
先刻までとはまるで別人の動きを見せるリアーナ。ゾワルは危機感を募らせる。
「加速魔術」
ゾワルは補助魔術で自らの動きを機敏にする。しかし、それでもなおリアーナの動きはゾワルよりも速い。
(ならば!!)
ゾワルはさらに魔力を練る。
「減速魔術!」
「なっ!?」
ゾワルか続いて魔術を詠唱発動する。リアーナは急に体が重たくなる感覚の襲われ、動きが鈍くなってしまう。
「どうだ、小娘! 小爆発魔術!!」
ゾワルの魔術詠唱によって発生した爆発はリアーナを吹き飛ばす。
ズザザザザザ……!
「くっ…うぅ……」
空中で体勢を立て直したリアーナは両足を踏ん張る。屋上にレイピアを突き立てることでどうにか耐えた。が、ダメージは軽くはない。
(全能力強化超魔術で回復力も強化されてるけど、あまりダメージを受けすぎると魔力が続かない……)
リアーナが焦りつつも動く。腰のポシェットかろ魔石を一つ取り出して投げる。リアーナの手から離れた魔石はゾワルの近くで砕けた。
(何をした!?)
ゾワルは目を見張る。だが、何も起こらない。
「む!」
魔石に気をとられた一瞬の隙にリアーナの接近をゆるしてしまった。後方へと逃れるゾワル。だが、遅い。リアーナの斬撃と刺突のコンビネーション攻撃が繰り出される。
(ぬぅぅ! 今のはただの石だったか!)
ゾワルはまんまとリアーナの策に乗せられてしまったと唇を噛む。
「えぇい! 小娘がぁ!!」
イラついたゾワルは弓を横の一閃する。リアーナは後方に移動してかわす。そして、レイピアの切っ先を敵に向けて構える。
ゾワルもまたリアーナから離れる。矢筒から取り出した矢をつがえ、弦を引き絞って狙いを定める。
(なん……だ?…)
ゾワルは急に眠気を感じた。
(……しまった!…さっきのはただの石ではなく睡眠魔術の魔石か!!)
気付いた時にはもう遅すぎた。ゾワルを攻撃範囲内にとらえたリアーナがレイピアを突きだす。
キン!
リアーナのレイピアがゾワルの鎧に弾かれてしまう。ウラボスにかけてもらった武具強化魔術が解けてしまったのだ。
(好機!!!)
この機を逃すわけにはいかない。ゾワルはリアーナの腹に蹴りをいれる。
「うぐっ!」
苦しげに呻き声を漏らすリアーナを回し蹴りで蹴り飛ばす。
「くぅっ……うぅ……」
激しく屋上に体を打ち付けたリアーナ。それでもどうにか立ち上がる。
「きゃあ!」
リアーナはゾワルの矢を寸前のところでレイピアで防ぐ。その衝撃でレイピアを弾き飛ばされてしまう。それだけではない。全能力強化超魔術も効果を失くしてしまった。
「もらった!」
ゾワルは一気に間合いを詰める。
(くっ!……)
絶体絶命の窮地にあっても決して勝利を諦めない。リアーナはポシェットから魔石を取り出すと同時に左手をかざす。
(この小娘、まだ!?)
リアーナの勝利への執念に驚嘆するゾワル。しかし、ゾワルとて敗北するつもりなど毛頭ない。勝利への思いならば敗けてはいないはずである。弓でリアーナに殴りかかる。
「ぬぉぉぉぉっ!!」
ゾワルが攻撃しようと弓を持つ手に力を込める。その時、リアーナの投げた小爆発魔術の魔石が爆発した。
「ぬぐぉっ!」
爆発を直撃で受けたゾワルは吹き飛ばされる。だが、空中で体勢を立て直して着地を成功させた。
「もらった!」
ゾワルは屋上を蹴って加速し、リアーナの眼前まで移動する。
「光線魔術!」
左手をかざしていたリアーナは練り上げた最後の魔力で光線に撃つ。放たれた光線はゾワルの鎧の左胸を貫通した。
「そ…んな……バカ……な……」
強い衝撃に再び吹き飛ばされたゾワルは屋上に倒れ、そのまま起き上がることもなく絶命した。
「…勝っ……た……」
自らの勝利を確認したリアーナもまた屋上に崩れ落ちた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる