冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

美山 鳥

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9章 魔女リリア討伐戦

STORY151 VS魔女リリア③

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 「うぅ…くっ……」

 リャッカとリリアが全身の痛みを堪えて立ち上がる。のんびりしていてはられてしまう。両者は走りながは魔力を練る。

 「水圧矢魔術ウォーター・アロー!」

 「氷塊魔術アイス・ブロック!」

 リリアが圧縮されて水の矢を射てば、リャッカが氷塊を撃つ。相手に命中することなく撃ち終え、魔力を高めていく。

 「氷刃魔術アイス・エッジ!」

 「氷塊魔術アイス・ブロック!」

 リャッカは無数の氷の刃を撃ち、リリアは無数の氷塊を発射する。

 互いに一歩も譲らない魔術戦が展開される。

 「この!…雷撃渦魔術ライトニング・トルネード!!」

 苛立ちをあらわにしたリリアが大量の魔力を練り、雷の渦を発生させてリャッカを攻撃する。

 「ふっ……もらったニャ!!!」

 リャッカの双眸に鋭い光が宿る。

 「大渦魔術ウォーター・トルネード!!!」

 (しまった!!!!)

 敵の意図を読んだリリアだったが、時は既に遅すぎた。リャッカが発生させた水流の渦はリリアの雷撃渦魔術ライトニング・トルネードを吸収し、電撃をまとった激流となってリリアを直撃する。魔術を撃ち終えた直後とあって防御魔術プロテクトはもちろん回避も間に合わない。

 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 絶叫をあげたリリアは電撃を帯びた水流に呑み込まれ、遥か上空へと流されて空中に投げ出された。

 (くっ……このままじゃ地面に叩き付けられる!……)

 どうにか受け身をとろうとするが、電撃によって痺れた身体は思うように動かない。リリアには覚悟を決めるほかない。

 (え?)

 その時、敵であるリャッカのとった行動が視界に入る。

 「加速魔術クイック!」

 リャッカは魔術によって加速し、リリアの落下地点へと駆け出す。

 (あいつ、敵である私を受け止めるっていうの!? どうして!!? まったく…いくら人間に友好的なケットシーとはいえ、あんなお人好しだなんてどうかしてるわよ……)

 そんな思いを抱きつつも笑みがこぼれる。

 「剛力魔術パワー!」

 落下地点に到着したリャッカは魔術で攻撃力を増強し、ミスリル・ロッドを構える。

 (え? ちょっと、まさか!!?)

 リリアの顔から血の気が引く。それと同時にリャッカの口元に笑みが浮かぶ。

 「ニャニャニャニャニャニャニャ~!!」

 リリアは頭からの落下はせずにすんだ代わりに、リャッカによって全身を滅多打ちされてしまう。

 「ふっ……」

 意識を失う寸前、勝ち誇ったように笑うリャッカの顔を見た気がした……。
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