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9章 魔女リリア討伐戦
STORY152 魔族ヴェイラ
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「おい、何者だ?」
ウラボスは砕けた巨大ガーゴイルの残骸から現れた魔族の少年に声をかける。
「キヒヒヒ……。あんた、なかなか強いじゃんか!」
魔族の少年はウラボスの質問には答えず、屈託のない笑顔を向けてくる。
「そいつはどうも…。で、俺の質問には答えないのか?」
ウラボスが再度訊く。
「ああ、そうだった。オイラが何者かだったよね?」
「答える気があるなら、さっさと答えろ」
面倒くさそうに先を促すウラボスに魔族の少年は再び屈託のない笑顔を見せる。
「キヒヒヒ。そう急かすなって。オイラは魔族のヴェイラってんだ」
「ほぉ。それで、その魔族がどうしてガーゴイルの中にいたのか知りたいものだな」
「封印されてたのさ」
「ほほぉ。だれに? いつから? なぜ?」
ウラボスは矢継ぎ早に質問をとばす。ヴェイラはムスッとして頬を膨らませる。
「質問の多いやつだな。まぁ、いいか。結果として封印を解いてもらったわけだし教えてやるよ。オイラを封印したのは女神ジョアファルア。封印されたのは正確にはわからないけど数百年は経ってるよ。理由は女神の命令をきかなかったから」
ヴェイラから返ってきた答えにウラボスは目を見開く。
「今、女神ジョアファルアといったか?」
「ん? ああ、たしかにそう言ったぞ。それがどうしたのさ? もしかして、ジョアファルアを知ってるのかい?」
「まぁな。俺としても会わねばならない相手だ」
ヴェイラは口元に手を当てて暫く黙考している。
「女神ジョアファルアに会わなきゃならないってどうしてさ?」
「会ってどうなるかはわからない。が、おそらくは戦うことになるだろうな」
ウラボスの返答を受けてヴェイラはさらに黙考を続けていたが、やがて決心したかのように顔を上げる。
「よぉし。よければ、オイラの瞬間移動魔術でジョアファルアのいるタレク島まで連れていってあげるよ。あの巨大ガーゴイルを一人で倒したあんただったら、ジョアファルアと戦うことになっても足手まといにはならないだろうしね!」
「それは願ってもないことだが、断らせてもらおう」
ウラボスはヴェイラからの提案を躊躇なく断る。
「どうしてさ? もしかして、オイラをジョアファルアの仲間だと疑ってるのかい?」
「いいや。俺たちの仲間だと思っちゃいないけど敵だとも思っちゃいない。今のところはだけどな。ただ、俺にも事情があってな」
「そっか。だったら、オイラは一足先に行ってるよ。ただし、ジョアファルアを先に倒されたからって文句は聞かないよ」
「ああ、かまわないさ」
「あっ!」
ヴェイラが思い出したように声をあげた。
「どうした?」
ウラボスが訊く。ヴェイラはニコリと微笑む。
「あんたの名前、まだ聞いてなかったからさ」
「ん?……あぁ、そういえばそうだな。俺の名はウラボス」
「ふーん、憶えとくよ。それじゃね!」
ヴェイラは片手を軽く上げると、瞬間移動魔術を無詠唱で発動して姿を消した。
ウラボスは砕けた巨大ガーゴイルの残骸から現れた魔族の少年に声をかける。
「キヒヒヒ……。あんた、なかなか強いじゃんか!」
魔族の少年はウラボスの質問には答えず、屈託のない笑顔を向けてくる。
「そいつはどうも…。で、俺の質問には答えないのか?」
ウラボスが再度訊く。
「ああ、そうだった。オイラが何者かだったよね?」
「答える気があるなら、さっさと答えろ」
面倒くさそうに先を促すウラボスに魔族の少年は再び屈託のない笑顔を見せる。
「キヒヒヒ。そう急かすなって。オイラは魔族のヴェイラってんだ」
「ほぉ。それで、その魔族がどうしてガーゴイルの中にいたのか知りたいものだな」
「封印されてたのさ」
「ほほぉ。だれに? いつから? なぜ?」
ウラボスは矢継ぎ早に質問をとばす。ヴェイラはムスッとして頬を膨らませる。
「質問の多いやつだな。まぁ、いいか。結果として封印を解いてもらったわけだし教えてやるよ。オイラを封印したのは女神ジョアファルア。封印されたのは正確にはわからないけど数百年は経ってるよ。理由は女神の命令をきかなかったから」
ヴェイラから返ってきた答えにウラボスは目を見開く。
「今、女神ジョアファルアといったか?」
「ん? ああ、たしかにそう言ったぞ。それがどうしたのさ? もしかして、ジョアファルアを知ってるのかい?」
「まぁな。俺としても会わねばならない相手だ」
ヴェイラは口元に手を当てて暫く黙考している。
「女神ジョアファルアに会わなきゃならないってどうしてさ?」
「会ってどうなるかはわからない。が、おそらくは戦うことになるだろうな」
ウラボスの返答を受けてヴェイラはさらに黙考を続けていたが、やがて決心したかのように顔を上げる。
「よぉし。よければ、オイラの瞬間移動魔術でジョアファルアのいるタレク島まで連れていってあげるよ。あの巨大ガーゴイルを一人で倒したあんただったら、ジョアファルアと戦うことになっても足手まといにはならないだろうしね!」
「それは願ってもないことだが、断らせてもらおう」
ウラボスはヴェイラからの提案を躊躇なく断る。
「どうしてさ? もしかして、オイラをジョアファルアの仲間だと疑ってるのかい?」
「いいや。俺たちの仲間だと思っちゃいないけど敵だとも思っちゃいない。今のところはだけどな。ただ、俺にも事情があってな」
「そっか。だったら、オイラは一足先に行ってるよ。ただし、ジョアファルアを先に倒されたからって文句は聞かないよ」
「ああ、かまわないさ」
「あっ!」
ヴェイラが思い出したように声をあげた。
「どうした?」
ウラボスが訊く。ヴェイラはニコリと微笑む。
「あんたの名前、まだ聞いてなかったからさ」
「ん?……あぁ、そういえばそうだな。俺の名はウラボス」
「ふーん、憶えとくよ。それじゃね!」
ヴェイラは片手を軽く上げると、瞬間移動魔術を無詠唱で発動して姿を消した。
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