冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

11章 タレク島の決戦！！

STORY185 ＶＳジョアファルア③

　「やってくれるのぉ」

　言いつつ、ジョアファルアは治癒魔術ヒールを無詠唱発動し、自身の傷を癒す。

　（思ってたよりはやるおるわ。この程度の傷ならば、神であるわらわにとっては致命傷ではない。じゃが、こやつらの相手をするのも終しまいにするかのぉ……）

　「少しばかり時間をかけすぎたやもしれぬな。遊戯は終しまいにして、わらわも本気をだすとしようかのぉ！」

　言い終わると、ジョアファルアは自らの魔力を急速に高める。膨大な魔力によって発せられた波動が、異空間全体を振動させているかのようだ。

　ジョアファルアの身体が眩い光に包まれる。

　「くくくくくく……。やはり、本来の姿のほうが動きよいのぉ。貴様ら、覚悟せよ。わらわが本来の姿となったからには万に一つの勝機もありはせぬぞ」

　勝利に絶対の自信を持っているジョアファルアは一同を見下す。それまでの少女の姿ではなく、美しくも冷酷な眼差しを向ける女神は、口元に冷笑を浮かべている。

　「上等だ！　今度こそ決着ケリをつけてやるぜ！！」

　ゼルアルは半身になって大剣を中段に構える。

　「聖光剣技・光尖貫通突きライト・ペネトレイト！」

　突きだされた大剣の剣先からジョアファルアへと光線が伸びる。

　「ふん！」

　ジョアファルアは回避せず、両手でそれを受け止める。

　（まじかよ！　あの攻撃を受け止めるだと！？）

　ゼルアルは驚愕し、その場の立ち尽くす。

　「真空刃魔術ウインド・カッター！」

　ウラボスは両手がふさがった状態のジョアファルアに真空の刃を撃ち出す。

　ジョアファルアはフンと鼻を鳴らす。ゼルアルの放った光尖貫通突きライト・ペネトレイトを下に弾き、真空刃魔術ウインド・カッターを無詠唱発動する。

　ジョアファルアの撃った真空刃魔術ウインド・カッターはウラボスの真空刃魔術ウインド・カッターを破るにとどまらず、ウラボスに迫る。

　「くっ！」

　ウラボスはリア・ファルの杖で受け止める。

　「そんな！　ウラボスの魔力以上だっていうの！？」

　リアーナが驚きの声を発した。

　「当たり前じゃ。わらわが本来の姿になったからには何人なんぴとも太刀打ちできぬわ！　さぁ、神に逆らったことへの後悔と恐怖を存分に味わって死ぬがよいわ！」

　ジョアファルアはさらに高度を上げて両手をかざす。

　「神術・隕石メテオ！」

　ジョアファルアが練り上げた魔力を使って隕石を作り出して眼下に向けて落とし、激しい衝撃と土煙が巻き起こった。